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いつまでも変わらない毎日。

ただ決まった線路の上を歩いていくだけの人生。

淡々と、ただ無情に時は流れる。

私はこの過ぎていく一瞬に有意義なものを残せただろうか。





私は大好きな屋根裏部屋の壁の隅にずるずると座り込む。


冬だというのに一階の暖炉の熱がここまで来ているせいか、寒くは無い。




こうやって、じっと座ったまま朝を迎えることも多い。勉強だって、授業を聞いていればどうにでもなる。


でも今日は一人で朝を迎える事にはならなかった。

脳裏に、かすかに響く戦慄。


異質な気配を門の近くから感じる。

私の領域に何かが侵入しようとしている気配が。



慌てて出窓からカーテンをちらりと捲って門を確かめる。




そこには今にも侵入しようとしている男の姿が垣間見えた。

ミズキではなかった。ミズキは女の子のはずだから。



では誰だ?



 此処を知っているのは私とミズキだけだ。


私は急いで頭を引っ込める。




ガチャガチャ


金属と金属とがぶつかり合う音がする。鉄製の門を揺すっているのだろう。



でもやっぱり開くはずが無い。

あの鍵は毎日私が錆びていないか点検しているからだ。ほかから侵入しようとしても洋館の周りはぐるりと塀で囲ってあるので無理だ。

「めんどくせぇなぁ」

そんな呟きが聞こえた気がした。


その男は門をよじ登り始めた。


そして、あっという間にてっぺんまで登ると、すとんと飛び降りた。



私は戦慄した。



この洋館に絶対異物を入れてはならない。


ここにいて入っていいのはわたしとミズキだけだ。



私は急いで屋根裏部屋の鍵をガチャリと閉めた。



どおおん!!



轟音がして一階の裏口が吹っ飛んだ。


みしみしと誰かが一階を歩く音がする。



恐怖が私の頭の中を駆け巡る。


ドアの開け閉めの音。



「おーい。誰かいるのか?」






声がした。はきはきとした若い声で、誰かを連想させた。



螺旋階段を上ってくる音がする。



もうだめだ。



どくん   どくん



心臓の音がとても大きく感じる。



こんなにも消えてしまいたいと願っているのに身体はそれに反して心臓の音とともに飛び跳ねる。



自分がしっかり生きているのだということを改めて認識させられる。



隣の部屋のドアが開けられ、内部まで侵入している音がした。それは何か探しているのかもしれない。



ミシミシ



それはだんだんと足音が私のいる屋根裏部屋へと近付いてくる。






そして恐れていた事がついに起こった。