紡ぐ者は言いました。
「この子にきーめたーっと。」
そしてマグカップの底を揺らします。
操る者は言いました。
「面白いことになるといいですねぇ。」
そしてにやりと笑います。
憐れむ者は言いました。
「悲運な運命を背負った子・・・」
そして大粒の涙を流します。
手繰る者は言いました。
「疲れる仕事になりそうだ・・・めんどくせぇ。」
そして指をぼきぼきっとならします。
紡ぐ者はロッキングチェアに腰を下ろし、パイプをくゆらせながら言いました。
「さあ、ゲームの始まりだね。」
そしてあたりにはクククッという薄気味悪い声が広がりました。
ロッキングチェアがギシギシと音を立てます。
まるで笑っているかのように。
最終更新:2007年05月16日 17:14