TCP/IPの構造は図1のように、4つの階層で構成されている。
中央の列は、各階層で規定されている主なプロトコルである。
図1● OSI参照モデルとTCP/IPの階層構造。中央はそれぞれの階層で規定されるプロトコル群。
厳密には、TCP/IPとOSI参照モデルでは階層の区切りが同じではないため、便宜的な比較と考えてほしい
ただし、文書によっては、TCP/IPにおけるトランスポート層とアプリケーション層の区切りの場所が、OSIのセッション層の位置ではない場合がある。
TCP/IPでは、OSIモデルのようにきっちりと分けられないためだ。
図1では便宜的にラインを引いて分けているが、おおまかにこのようなものであると考えてほしい。
TCP/IPプロトコルスタックは、インターネット層より上に存在し、一番下のネットワークインタフェース層には依存しない。
ネットワークインタフェース層は、LANやWANのネットワークの規格にあたる層であるが、TCP/IPはLANでもWANでも利用できるように設計されているため、この部分では特にプロトコルが規定されていない。
ネットワークインタフェース層の主なプロトコル(ネットワークの規格)は、EthernetやTokenRing、FDDIといったLANと、ISDN、PPP、フレームリレーといったWANのものである。
こういったさまざまなネットワークにおいて、TCP/IPを利用して通信を行うことができるというわけだ。
最終更新:2007年12月05日 09:06