絵を描き始めるきっかけ

絵が嫌いな人はいない

「○○な絵が嫌い」「絵を描くことが嫌い」という人がいても、絵そのものが嫌いという人はそうそういないだろう。
絵に親でも殺されたりしていなければ!
世の中に絵は溢れていますから、絵に恐怖症のある人は都市部で普通に生きてはいけないでしょう。
もしもミルクがこぼれてそれが何かの絵に見えてしまった瞬間! 恐怖を催すのはさぞかし辛いだろう。
絵がとても好きか? と聞かれた場合「NO」と答える人もいるだろうが(度合の尺度が曖昧すぎるし)
絵というものが嫌いという人はいないんだろう。

誰にでもお絵描き以前のお絵描きの時代がある

壁に落書きをした覚えはあるだろうか?
思い出すと、一番初めて出会ったお絵描きの記憶というのは、
「目の前の風景が自分の働きかけによって変化するのが楽しい」
「腕を動かすのが楽しい」
「色づくのが楽しい」
といった本当に原始的なものだったんだろう。
純粋に「お絵描き」してる感はあるよね。動かすのが楽しい、線が引けるのが、色がつくのが楽しいって。
この気持ちを忘れなかったら、多分ずっとお絵描きってのは続けられるんだろうけども、ある年齢になって「写実的に描きたい、でも描けない」の葛藤にぶち当たって、絵が好きになるか、絵を永久に描かなくなるかの二択で分かれるように思える。

絵が描きたい、でも描けない

それまで、簡単な円運動から、丸から派生する抽象的な様々なシンボル(顔とか目とかみかんとか)をどんどん生み出して描くのを楽しむのに、今までの絵が全部恥ずかしいものに思えて、写実的に描けないと全部失敗に思えてくるようになる。
しかも、いい指導者が必ず周りにいるとは限らないし、写実的に描く技術をたまたま身に着けるかどうかもわからない。
この辺りは「脳の右側で描け!」に詳しい。
この本を読むと分かるが、写実的に描くことは誰にでもできることであり、特別な才能などは必要ない。
しかし大体の人は抽象的な絵を描く段階から写実的な絵を描く段階に移行できず、また、写実的な絵を描きたいという思いを燻ぶらせながら絵を描くのもやめていく。

絵に興味はあっても行動はしない時期

大抵の人は遊びや、義務教育の中で絵を描いただろう。
そして、絵を描くことにはまって夢中で描き続ける人もいれば、描きたいという思いを胸に秘めながら描く行為には至らない人も、描くことにも絵にも特に興味がないって人もいるだろう。
このウィキを見てるあなたなら、きっと絵に少なからず興味があるはずだし、上手く描きたいと思っているはずだ。
実際に「絵を描く」行動に至らなくても、「いつか絵が描きたいな」「上手に描けたらな」という思いをぼんやりとでも持ち続けられていたら、何かのきっかけであなたはすぐに絵を描くことができるし、正しい方法で練習すればすぐに上達することもできる。
ただ、すぐ行動する気がないなら、あまり「絵が上手くなりたい」と公言しないほうがいい。
あなたは絵で稼ぐわけでもなく、あくまで趣味としてのスタートを切るのだから、うっかり羨む発言をしてしまったら
「つべこべ言わずに描けばいいじゃん」と、自分に厳しく絵の鍛錬を続けてきた人に強く非難されて描く気を失ってしまうかもしれない。
あなたはあなたのペースで、絵を描いていけばいい。
プロでもない限り、絵を描かないことで死ぬわけでもないし、下手な絵を描いたからと言って社会的地位に響くわけでもない。
しかし、あなたが情熱をもって絵の練習をするのであれば止めない。
そして、あなたもまた、誰か絵が描きたい人を非難しないように注意しなければならない。
大抵、そういう非難がでてくるときは、自分の練習量に不満があるからで、要は八つ当たりである。
本当に絵に夢中になっているのなら、世の中に大勢いるそんな輩を非難する暇などないはずだ。
だから、まだ絵を描き始めていないあなたは、あなた自身を非難する「絵を一生懸命練習している」人の言葉に耳を貸す必要はない。
しかし、あなたに今収入がなく、絵だけで食っていこうというときに、注意してくれる近い人の気持ちは汲んだほうがいいかもしれない。
そして、本当にあなたにやる気があるのなら、自分にタイムリミットを決めて、プロを目指すことである。

「興味だけの時代」の情報収集が行動へのきっかけを与えてくれる

実際に絵を描く行動に出ていなくても、いつか描きたい、上手に描きたいという気持ちがあるのなら、自然に絵に関する情報には興味が出て、勝手に情報収集しているだろうと思う。
プロのイラストレーターや漫画家の収入だとか、お絵かきメイキングだとか、お絵かき講座だとか、画家の逸話だとか、インタビューだとか、誰かとお絵描き上達論について話し合ったりだとか
そういう情報を面白く感じて集めたり読んだりする時代ってのは必要だと思う。
別に一生絵を描かなくったってあなたは死なない。
きっとまだ第一歩がなかなか踏み出せなかったり、まだ絵を描くというのは何か特別な才能を持った人の成せる業なんだという勘違いがあなたの一歩を邪魔しているのかもしれない。
本当に初めの一歩さえ踏み出せない人には「脳の右側で描け」を強くおすすめする。
絵を描くことは難しいことじゃないし、絵を描く人にとっては当たり前だけども一切知らなかったことがたくさん載っていて驚くだろうと思う。
ネットで情報収集する段階から、図書館に通いだせば第一歩はもう始まったも同然だ。
教本なんていくらでもあるので、いろいろ試して描き始めてみよう。
おめでとう! あなたは絵を描きあぐねている人から、絵を描く人になったのだ!

すぐに行動できなくても、「いつか描こう」の気持ちで頭で考えたり情報収集するだけの時代も大事。

ただ、口だけ評論家にならないように気を付けよう。
得た知識は自分の上達のために活かすのであって他人の練習方法に口出しするためのものではない。
絵を描き始めても、情報収集は欠かせない。
デッサンが見る9:描く1だなんて言われるように、描くってのは表面的なことであって、一番大事なのは考えることなんだと思う。
そりゃあ直線引く技術とかは練習の成果だろうけども。
何年も描かずに絵について勉強したり旅行したりいろんな絵を見ていたりして過ごして、何年かぶりに描いたら劇的に上達していたって話もある。
毎日○時間○枚描け! と言われるかもしれないが、自分が今は情報収集の時期だと思うのなら、その間に描いたって無意味だし(描きながら頭に入る勉強なら別だが)、いつでも自分が信じた練習法を続ければいい。
「これは自分にとって効果がある!」と確信した方法でないと効果は出ないし、「いくらやってもしょうがない」と思いながら練習したって意味はないのだ。
絵が上達するのは全て君の責任であって、君の絵が上達しなかったからといって、誰かが責任をとってくれるわけではない。
だからいつでも自分のやり方で、自分に責任をもって練習すればいいし、いろんな練習法を試せばいい。
人は努力する限り迷うものである。

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最終更新:2015年11月03日 01:26