*&color(red){闇色をした『王子』さま ◆caxMcNfNrg} 「あ、あの……すいません。 あなたは、このゲームに乗っている人……なんですか……?」 愛する女性の放った、その疑問に・・・テンカワ・アキトは暫しの逡巡の後、 「いや・・・」 と、短く答えた。 「よかった・・・ゲームに乗ってる人だったら、どうしようかと思いました・・・」 アキトの答えに、ユリカが安堵の声を漏らす。 どうやら、こちらが誰であるかに気づいていないらしい・・・ (当然か・・・今の俺は、彼女の知るテンカワ・アキト・・・ あの頃の俺とは、まったく雰囲気が異なっているからな・・・) その上、頭部がパイロットメットに覆われているのだ。仕方がない。 「・・・それでですね。 よかったら私と一緒に、このゲームから脱出する方法を探しませんか? 仲間が大勢集めて、あの化物を倒しちゃいましょう!」 アキトがそんな事を考えている間にも、通信機からの声は途絶えることなく続く。 「それに、私の仲間や貴方の知り合いだって、私達の事を探しているはずです。 ですから、ここで諦めないで、皆で力を合わせれば・・・」 「仲間、か」 オウム返しに呟いたその言葉に、ユリカは大きく頷いた。 「はい!私の仲間・・・私、ナデシコっていう艦の艦長なんですけど・・・ その艦に乗っているクルーの皆・・・ルリちゃんに、メグミちゃんに・・・」 元々の話から脱線し、ナデシコのクルーの名前をあげていくユリカ。 しかし、アキトはそれらの名前・・・そして何より、彼女の喋る言葉、 一つ一つに懐かしさと胸に溢れる何かを感じていた。 「それから、アキトが・・・私の大切な人が、きっと私の事を探してくれているはずです!」 「・・・・・・そうか・・・・・・」 「それに、貴方の大切な人たちも、貴方の事を探してるはずです。 だから・・・私と一緒に頑張って、ここから脱出する方法を探しましょう?」 彼女の言葉に・・・アキトはしばし、目を瞑る・・・そして・・・ 「いいだろう・・・」 「それじゃあ・・・」 歓喜の声をあげる最愛の女性を、通信機越しに見つめながら・・・黒衣の王子は言った。 「・・・君が大切な人の元へ帰るまで、俺が君の事を守り抜こう」 その言葉に驚きの表情を浮かべるユリカ。 「・・・アキト・・・?」 彼女の漏らした呟き――疑問は、誰に聞かれるでもなく、艦橋に消えた。 「・・・ところで貴方のお名前は?あ、私はミスマル・ユリカです!」 「俺は・・・・・・・・・ガイだ」 「・・・そ、そうですか・・・あの、良かったら着艦しませんか?」 「いや・・・・・・見回りもかねて、この艦の周辺空域で待機する」 【テンカワ・アキト 搭乗機体:YF-21(マクロスプラス) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:D-7 第1行動方針:ユリカを守る(そのためなら、自分が犠牲になっても構わない) 最終行動方針:ユリカを元の世界に帰す(そのためなら、どんな犠牲も厭わない)】 【ミスマル・ユリカ 搭乗機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:D-7 第1行動方針:仲間を集める 最終行動方針:ゲームから脱出 ※1、YF-21に乗っているのがアキトだとは知りませんが、もしかしたらとは思っています ※2、アキトの名前はガイだと思っていますが、若干の疑問もあります】 【初日 13:20】 ---- |BACK||NEXT| |[[歌と現実]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[The two negotiators]]| |[[歌と現実]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[The two negotiators]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[恋と呪い]]|アキト|[[美しくない]]| |[[恋と呪い]]|ユリカ|[[美しくない]]| ----