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巨虫、岩を打ち抜いて」(2008/03/24 (月) 20:18:20) の最新版変更点

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*&color(red){巨虫、岩を打ち抜いて ◆vBGK6VSBWM} 第一回放送が始まる時間まであと五分といった時間まで差し迫る。 その時、孫光龍は未だ平穏の中に身を置いていた。 本日二杯目のコーヒーを用意する。ペースが多少早いかもしれないがそれも仕方がない。 自分で決めたこととはいえ、娯楽のない休憩という物は退屈なのだ。 それゆえ、嗜好品に手を伸ばす。 「しかし、エスプレッソばかりというのもねえ。  ミルクぐらい用意したら良い物を。気が利かないなぁ。」 どうせ主催者にはこちらの声は筒抜けなのだろう。 そんなことを思いつつ愚痴りながら、カップを口元に寄せる。 『アー、アー、ただいまマイクのテスト中ですの。…こほん…最初の定時連絡の時間となったので放送を  始めますの。まずは死んでしまった人たちの報告からですの…』 「放送が始まった・・・か。それにしても無粋な主催者だ。」 いざ、飲もうという時に流れ出した放送に少し不機嫌な素振りを見せながらカップを手元に置く。 『以上、10名ですの。…なかなか順調ですの。でも、乗らない方もいますのでやる気を出してもらうために  ご褒美のことを説明いたしますの。ご褒美は、死んでしまった方を生き返らすことから世界の改変まで  望むがままですの。なので、みなさんちゃきちゃき頑張って欲しいですの』 「ギム・ギンガナム。僕をコケにしてくれただけはある。簡単には落ちないな  そういえばあのミサイルに乗った男、シャアと呼ばれてたかな・・・  あいつも生き残っているのか。フフッ、逃げ足だけは早いようだったからね。」 光龍には序盤で死んだ小者達に対する哀悼などなかった。 そして優勝のご褒美にも。それに釣られて、功に焦り戦闘で死んでしまっては元も子も無い。 あくまで保守的に、最終的に生き延びられればそれでいいのだ。 彼にとって、今興味があるのは自分をコケにしたギンガナムという男と生き延びる事、その二つだった。 ―それにしても禁止エリアは何処になるかな。まさか、ここになるなんて事は・・・  ハハッ、そうなったら流石に出来すぎている。嫌がらせかなにかだ。 コーヒーを飲みそんなことを思っているうちにも、放送はなお続く。 『………………今から二時間後にA-8と D-4は進入禁止となりますの。  進入すると首輪が起動するので注意することですの』 「ブッ!ゲッ、ゲホゲホッ!」 こう予想通りの展開では咳き込み、コーヒーを噴出すのも仕方が無い。 盛大に光龍の口から吹き出たコーヒーは霧状で、幸い彼の白いスーツを殆ど汚す事は無かった。 ああ、それにしてもここに陽光が射していさえすれば見事な虹が観賞できただろう。 「のうのうと傍観しながら優勝させてくれるとは思っては居なかったけれど、まさか本当にここを指定するなんて。」 事態は一転して、早急を有することとなった。 数分間か、ハイパー化以外の脱出方法を考えてみたがやはり良い案は思いつかない。 「コーヒーをインスピレーションの源なんて言ったのは誰だったかな。全く役に立たないじゃないか。」 かくして、光龍はハイパー化による脱出を余儀なくされることとなった。 だが不安は残る。光龍もこのハイパー化というのが完全無欠ではないことを重々承知しているからだ。 「ギンガナムとの戦闘でオーラバリアが展開できなかったのも、  制御できなかったからじゃなくて単に機体に負担を強いるからかもしれないな。」 光龍は少し勘違いをしていた。 ハイパー化は実際にはAB自体が巨大化するのではなく オーラバリアが実体化して膨れ上がり、ABが巨大化したかのように見える現象である。 厳密にいえば、あの戦闘でオーラバリアが展開できなかったのではなく、最初から実体化した形で展開はされていたのだ。 「どちらにしても外に出たら、まずはG-6でレプラカーンを点検しなくちゃ。それもハイパー化が無事に済んだらだけどね。」 光龍は一時間の間に回復した念を注ぎ込むイメージでハイパー化を試みる。 ―うまくいけば、制御できる程度に巨大化出来るはず・・・ レプラカーンは光龍からゆっくりと注がれる念を纏い、徐々に巨大化を始める。 AB一体が丁度収まる程度だった穴も次第に窮屈になる。 「そろそろ、頃合だね。」 レプラカーンの腕が穴を覆っていた大岩を砕く。 大きな音をたてて崩れるが幸いにも周囲には誰も居なかった。 「僕は運が良い。周りに誰も居ないじゃないか。それに暴走もしなかったしね。」 光龍は余裕の表情を見せるが、実際は回復した分以上の念を消費している為かなり疲労している。 自滅こそしなかったものの、やはりハイパー化という特殊な状態を制御するには至らなかった。 「でも、休んでいる暇は無いか・・・」 一匹の赤い昆虫はふらふらと頼りないながらも飛んでいった。 【孫光龍 搭乗機体:レプラカーン(聖戦士ダンバイン)  パイロット状態:念の使い過ぎで疲労。ギンガナム恐怖症。  機体状態:オーラキャノン一発消費、グレネード二発消費、ハイパー化の兆し在り、顔の牙消滅、左脚部切断  現在位置:A-8  第一行動方針:G-6にてレプラカーンの点検。出来ればENの補給も。  第二行動方針:ギンガナムに打ち勝つ  第三行動方針:己の力を上回る主を見つける  最終行動方針:生き残る】 【初日 18:20】 ----
*&color(red){巨虫、岩を打ち抜いて ◆vBGK6VSBWM} 第一回放送が始まる時間まであと五分といった時間まで差し迫る。 その時、孫光龍は未だ平穏の中に身を置いていた。 本日二杯目のコーヒーを用意する。ペースが多少早いかもしれないがそれも仕方がない。 自分で決めたこととはいえ、娯楽のない休憩という物は退屈なのだ。 それゆえ、嗜好品に手を伸ばす。 「しかし、エスプレッソばかりというのもねえ。  ミルクぐらい用意したら良い物を。気が利かないなぁ。」 どうせ主催者にはこちらの声は筒抜けなのだろう。 そんなことを思いつつ愚痴りながら、カップを口元に寄せる。 『アー、アー、ただいまマイクのテスト中ですの。…こほん…最初の定時連絡の時間となったので放送を  始めますの。まずは死んでしまった人たちの報告からですの…』 「放送が始まった・・・か。それにしても無粋な主催者だ。」 いざ、飲もうという時に流れ出した放送に少し不機嫌な素振りを見せながらカップを手元に置く。 『以上、10名ですの。…なかなか順調ですの。でも、乗らない方もいますのでやる気を出してもらうために  ご褒美のことを説明いたしますの。ご褒美は、死んでしまった方を生き返らすことから世界の改変まで  望むがままですの。なので、みなさんちゃきちゃき頑張って欲しいですの』 「ギム・ギンガナム。僕をコケにしてくれただけはある。簡単には落ちないな  そういえばあのミサイルに乗った男、シャアと呼ばれてたかな・・・  あいつも生き残っているのか。フフッ、逃げ足だけは早いようだったからね。」 光龍には序盤で死んだ小者達に対する哀悼などなかった。 そして優勝のご褒美にも。それに釣られて、功に焦り戦闘で死んでしまっては元も子も無い。 あくまで保守的に、最終的に生き延びられればそれでいいのだ。 彼にとって、今興味があるのは自分をコケにしたギンガナムという男と生き延びる事、その二つだった。 ―それにしても禁止エリアは何処になるかな。まさか、ここになるなんて事は・・・  ハハッ、そうなったら流石に出来すぎている。嫌がらせかなにかだ。 コーヒーを飲みそんなことを思っているうちにも、放送はなお続く。 『………………今から二時間後にA-8と D-4は進入禁止となりますの。  進入すると首輪が起動するので注意することですの』 「ブッ!ゲッ、ゲホゲホッ!」 こう予想通りの展開では咳き込み、コーヒーを噴出すのも仕方が無い。 盛大に光龍の口から吹き出たコーヒーは霧状で、幸い彼の白いスーツを殆ど汚す事は無かった。 ああ、それにしてもここに陽光が射していさえすれば見事な虹が観賞できただろう。 「のうのうと傍観しながら優勝させてくれるとは思っては居なかったけれど、まさか本当にここを指定するなんて。」 事態は一転して、早急を有することとなった。 数分間か、ハイパー化以外の脱出方法を考えてみたがやはり良い案は思いつかない。 「コーヒーをインスピレーションの源なんて言ったのは誰だったかな。全く役に立たないじゃないか。」 かくして、光龍はハイパー化による脱出を余儀なくされることとなった。 だが不安は残る。光龍もこのハイパー化というのが完全無欠ではないことを重々承知しているからだ。 「ギンガナムとの戦闘でオーラバリアが展開できなかったのも、  制御できなかったからじゃなくて単に機体に負担を強いるからかもしれないな。」 光龍は少し勘違いをしていた。 ハイパー化は実際にはAB自体が巨大化するのではなく オーラバリアが実体化して膨れ上がり、ABが巨大化したかのように見える現象である。 厳密にいえば、あの戦闘でオーラバリアが展開できなかったのではなく、最初から実体化した形で展開はされていたのだ。 「どちらにしても外に出たら、まずはG-6でレプラカーンを点検しなくちゃ。それもハイパー化が無事に済んだらだけどね。」 光龍は一時間の間に回復した念を注ぎ込むイメージでハイパー化を試みる。 ―うまくいけば、制御できる程度に巨大化出来るはず・・・ レプラカーンは光龍からゆっくりと注がれる念を纏い、徐々に巨大化を始める。 AB一体が丁度収まる程度だった穴も次第に窮屈になる。 「そろそろ、頃合だね。」 レプラカーンの腕が穴を覆っていた大岩を砕く。 大きな音をたてて崩れるが幸いにも周囲には誰も居なかった。 「僕は運が良い。周りに誰も居ないじゃないか。それに暴走もしなかったしね。」 光龍は余裕の表情を見せるが、実際は回復した分以上の念を消費している為かなり疲労している。 自滅こそしなかったものの、やはりハイパー化という特殊な状態を制御するには至らなかった。 「でも、休んでいる暇は無いか・・・」 一匹の赤い昆虫はふらふらと頼りないながらも飛んでいった。 【孫光龍 搭乗機体:レプラカーン(聖戦士ダンバイン)  パイロット状態:念の使い過ぎで疲労。ギンガナム恐怖症。  機体状態:オーラキャノン一発消費、グレネード二発消費、ハイパー化の兆し在り、顔の牙消滅、左脚部切断  現在位置:A-8  第一行動方針:G-6にてレプラカーンの点検。出来ればENの補給も。  第二行動方針:ギンガナムに打ち勝つ  第三行動方針:己の力を上回る主を見つける  最終行動方針:生き残る】 【初日 18:20】 ---- |BACK||NEXT| |[[キラ]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[類(仮面)は友(仮面)を呼ぶ]]| |[[殺し合い]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[騎士の美学]]| |BACK||NEXT| |[[コーヒーブレイク]]|孫光龍|[[ゲスト集いて宴は始まる]]| ----

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