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歌えなくなったカナリア」の最新版変更点

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 川の辺りで熱気バサラが歌い続けている。 
 第一回放送までに死んだ人たちに捧げるレクイエムなのだという。 
 放送が終わってから、十分以上そうしている。 
 
 レクイエム・・・か。 
 ギャリソンさんが死んだ。俺がこのゲームの中で初めて出会った人物だ。 
 万丈とか言う人の執事を勤めていたとか言っていたが、ただの執事ではないということは俺にもわかった。 
 こんなおかしなゲームの中で自分を見失う事もなく、恐れる事なく、人として当たり前の倫理を持って生きていた。 
 強い人だ。 
 得体が知れない相手でもすぐに仲間にするような、 
 そういう平和ボケ染みた考え方をしている以外は信頼するに値した人物だった。 
 あの人が死んでからだろうか、こんな事を何故だか冷静に思えるようになった・・・ 
 
 バサラの歌が聞こえる。 
 不思議と・・・初めて聞いた時のイライラはもう無くなっていた。 
 
 
 
 バサラが乗っていた機体を強奪したカテジナ・ルースを追って数十分。 
 自分の機体よりも機動力の高いガーランドで先を進んでいたバサラが立ち止まっているのを 
 見つけたコスモは自分たちがカテジナにまかれたことを理解した。 
 「チッ!結局見失っちまったか。」 
 「ん?なんだ、お前ついて来てたのか。 
  そうか。俺の歌が聞きたいんだな!よし一曲聞かせてやるよ!」 
 カテジナを追いかけるのを諦めたのか、まだ歌を歌おうとするバサラ。 
 「機体を取られたってのにまだ歌を歌おうってのか、あんた?」 
 先程から変わらないバサラの言動に少しあきれた口調で問う。 
 「機体?ラーゼフォンか。あいつは俺の相棒だ。あいつも本当は戦いたくなんかねえんだ。 
  その内、戦いが嫌になったらいつかは俺の元に戻ってくる必ずな!」 
 「機械が歌を歌う?・・・そんなことがあるものか!」 
 確かにあの機体からはイデの様な意思を感じ取れた。 
 だが歌を歌うなどありえない。そう、コスモは思うのも当然かもしれない。 
 「いや、あいつは俺と一緒に歌を歌ったんだ!確かにな。」 
 その事実を知るバサラは決して怯まない。それが世界を調律する為のものとも知らず。 
 
 「ん?あっちの方、火事になってないか?」 
 バサラの発言で後ろを振り返るコスモ。 
 確かに家事は起きていた。しかも、そこは先程までコスモたちが居た場所だ。 
 嫌な予感がした。 
 「悪いがあんたの歌には付き合えない。俺は戻らせてもらうぜ。 
  ギャリソンさんを置いてきた。あの人の事だ、心配する事も無いだろうけどな。」 
 「あん?なんだ帰っちまうのか?これから、熱狂ライブが始まるんだぜ。」 
 コスモは返答もせずにジガンスクードを発進させた。 
 
 時刻は17:55、奇しくもギャリソン時田の死亡した時刻と同じだった。 
 
 
 
 
 その後、あの放送が流れ始めた。 
 ギャリソンさんのことは諦め、 
 俺は結局川辺でこれからの行動の指針を決めかねている所でまたバサラと出会った。 
 
 あいつの歌がふと耳に入ると一瞬、あいつの言っていることも可能かもしれないと思うことがある。 
 そいつが俺には嫌だった。 
 一瞬でもそう思ってしまう自分が。 
 こんな殺し合いの場で妙な平和ボケを仕掛けている自分が。 
 
 そんな時、バサラの歌が止んだ。 
 
 一発の銃声と共に。 
 
 
 
 
 クソッ!この俺が!バロンに選ばれたジョナサン・グレーンともあろう男が! 
 コーンソールに頭を打って気絶しただと!?これではいい恥さらしじゃないか! 
 ユウの女に情けない姿を晒して! 
 そもそもがあのいう事を聞かないソロバンがあることがおかしいのだ! 
 いくらこのJ・アークが強力な戦艦でも、あんな物があっては本来の実力を少しも発揮する事など出来ないじゃないか! 
 ん・・・・・・そうか、つまりは単純なことじゃないか。 
 キラ・ヤマトの乗るガンダムとかいう機体。 
 小型で分身も可能で、俺の乗っていたグランチャーやバロンズゥにとてもよく似ている。 
 J・アークの武装を失うのは惜しいが、やはり俺にはああいった機体のほうが似合う。 
 少年やあのソロバンがどういうかはわからんが交渉してみる価値はあるな・・・ 
 
 
 
 「機体の交換・・・ですか?」 
 キラは突然のジョナサンからの申し出に少し戸惑いを見せる。 
 「そうだ、キラ・ヤマト。俺とトモロの相性はあまり良く無くてな。 
  それに比べ、君の機体は俺が居た世界で乗っていたグランチャーにとても良く似ている。 
  相性でいえば、そちらの方が俺には合っているということだ。」 
 ジョナサンは勝手な事をつらつらと並べ立て、キラに迫るが相性といえばキラとて元居た世界では 
 そのものズバリ、ガンダムに乗っていたのだからはっきり言ってキラの方が分が有る。 
 それに小型とはいえ戦艦を任される事はキラにとって、相性が良いとは言えない。 
 そんな反論をキラがしようと口を開きかけた時、代わりに口を開いたのはトモロだった。 
 『ジョナサン・グレーン。お前にしてはなかなかの名案じゃないか。 
  確かにキラ・ヤマト、君の方がこのJ・アークのパイロットに相応しい。』 
 それは俺よりもこいつの方が勇気が有ると言う意味か!? 
 思わずそんなことを口走りそうになったジョナサンは思わぬチャンスを得たことで一気に交渉を成功に向け畳み掛ける。 
 「ほう、お前とは始めて意見が一致したように思えるな。キラ、これで君も異論は無いだろう?」 
 「は、はあ。」 
 結果的に丸め込まれる形にはなったもののそちらのほうが良いもしれないと、キラは考えた。 
 これからキラがやろうとしている主催者打倒の為の仲間集め。 
 その為には絶対的な信頼を寄せる事ができると、他の参加者が思えるような機体で接した方が良い。 
 それならば、小型のMSよりも巨大ロボットに変形可能と聞いたこの戦艦の方が印象は良いだろう。 
 実際にはあまり力を誇示するようなやり方はしたくないのだが、この際仕方が無い。 
 キラは自分自身を納得させる形でこの話に決着を着けさせた。 
 
 
 
 J・アークの甲板の上で機体の乗り換えは行われた。 
 「不思議なものだな。どういう理屈かはわからないが機体の操縦方法が自然と頭に送り込まれてくる。 
  この首輪がそれをさせているとでも言うのか・・・」 
 「ジョナサンさん、こちらも乗り換え終了しました。」 
 「そうか。ならば君はトモロに詳しい操縦方法をレクチャーしてもらえ。 
  俺は機体の慣らしも兼ねて、周囲の偵察をしてこよう。」 
 「そんなジョナサンさん、一人で・・・」 
 「俺はバロンに選ばれた男、心配は要らんさ。」 
 いまいち、キラには理解できない理由でジョナサンはすぐさま飛び出していった。 
 しかし、キラが心配した理由は単純にジョナサンに向けてのものではない。 
 ジョナサン・グレーン、彼からも僅かながら一種の邪気が感じ取られたそんな気がしたからだった。 
 
 
 
 思いのほか、うまく行ったな。これであのソロバンにも煩わされる事が出来る。 
 しかし、自我の無い機械を操縦するのもなかなか悪くない。 
 こちらがしたいことをとても素直に受け入れてくれる。 
 これであのイライラを解消させてくれるような相手が居れば良いのだが・・・ 
 
 んっ?これは歌か・・・ 
 ふふっ、今の俺はついているな。 
 歌う蟻に、シンバルを持った鈍亀か・・・ 
 貴様らに怨みは無いが、憂さ晴らしというものをさせてもらう! 
 
 
 
 コスモがバサラのほうを見るとガーランドは人型に変形し、なんとか防御体制をとっていた。 
 だが、ガーランドに対しては規格外な銃器の攻撃であったのだろう。 
 明らかにガーランドは許容範囲外のダメージ量で殆どの機能を停止していた。 
 
 ぼんやりとした頭の中で考え事をしていたコスモはレーダーでの警戒もなにもかもを怠っていた。 
 これでは誰が平和ボケしていたのかわかったものではない。 
 「バサラ!応答しろ、バサラ!」 
 何とか生きていた通信回線を開くが、バサラからの返事は無い。 
 
 突如、ジガンに衝撃が走る。ガーランドを襲った機体からの攻撃だ。 
 しかし、ジガンのG・テリトリーで防ぐ。先程の攻撃はその振動にしか過ぎなかった。 
 「この攻撃を防いでくれるとは。さっきの機体はマシンキャノン一発で終わったからなあ。 
  さあ、歌はもう終了した。早くそのシンバルで締めてくれないか?」 
 バサラを攻撃した機体からの通信。 
 何度か見た覚えのある二本角をつけた機体―ガンダム―に間違いないとコスモは悟る。  
 「奴の歌にはもしかしたらと思わせてくれる何かがあった!それをお前はっ! 
  望み通り、このシーズアンカーで懲らしめる。」 
 重たげな音をたててジガンスクード・ドゥロは空を飛ぶ。 
 そのまま、白いガンダムへとギガントナックルを打ち込む。 
 「ほほう。面白い使い道があるなあ、その武器は。だが鈍亀の攻撃は当たらんよ!」 
 単純計算で4.5倍はある機体の攻撃を恐れもせずジョナサンは軽々と避ける。 
 「ジガンテ・ウンギアもだ!」 
 ギガントナックル時に展開したシーズアンカーをそのままに回避したF91を掴み、電撃を放電。そのまま突っ込む。 
 しかしジガンの掴んだそれは、MEPE現象による分身にしか過ぎなかった。 
 「質量を持った残像だっていうのか!?」 
 「危ない、危ない。その機体の性能がそこまでのものとは。想像もしていなかったよ。 
  だが、君の機体の性能もだいたいは把握できた。」 
 コスモは先程の攻撃の後、一瞬とは言えF91を見失った。 
 しかし小回りの効かないジガンでは背後に回られるだけでも厄介だった。 
 (レーダーで奴を目で追ってる時間は無い・・・) 
 「なら、これで決着をつけてやる!」 
 G・サークルブラスター、それは周囲の機体全てを巻き込む兵器。 
 これならば、ガンダムがいくら小型でスピードが速かろうが確実にダメージを与える事が出来る。 
 
 「うっ・・・」 
 
 だが、そのとき点けたままだった通信回線から呻き声が聞こえる。 
 バサラの声。機体にダメージが加えられたといっても、彼はまだ生きていたのだ。 
 だが、先程の攻撃で喉の神経が麻痺した彼は言葉にならない声しか発する事が出来なくなっていた。 
 「バサラ、生きていたのか!?」 
 そのとき、未だG・サークルブラスターは発射体制も取れていなかった。 
 バサラの声に気を取られたコスモはそのまま 
 
 「死ねよやぁぁぁぁぁ!!!!!」 
 
 コクピットをG・テリトリーの展開できない背後からヴェスバーで撃たれた。 
 イデの導きの無いこの世界で死んだ彼には一体何が待ち受けるのか・・・ 
 
 
 
 想像以上にしぶとかった・・・ 
 まあ鬱憤を晴らすことは出来たからよしとしよう。このガンダムというのもなかなか素晴らしい。 
 ほぼ無傷で勝てるとは思わなかった。 
 さて、そろそろ戻らなければ彼らが心配するか。 
 その前に補給をすまなさければ怪しまれるか・・・ 
 キラはともかくあのソロバンがなんというかわからんからな。 
 
 
 
 一人の男の鬱屈が招いた戦いは、最後に歌えなくなったカナリアを残し終わりを告げた。 
 
 
 
 
 【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー) 
  パイロット状態:良好、ジョナサンへの僅かな不信 
  機体状態:キングジェイダーへの変形は可能?、左舷損傷軽微良好 
  現在位置:C-6 
  第一行動方針:J・アークの操縦に慣れる。 
  第二行動方針:このゲームに乗っていない人たちを集める 
  最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】 
 
 
 【ジョナサン・グレーン 搭乗機体:ガンダムF-91( 機動戦士ガンダムF-91) 
  パイロット状態:良好。気分晴々。 
  機体状態:少々、傷が付いています。EN・弾薬を30%消費 
  現在位置:C-5 
  第一行動方針:補給をする 
  第二行動方針:キラとの合流 
  第三行動方針:クインシィの捜索 
  第四行動方針:キラが同行に値する人間か、品定めする 
  最終行動方針:クインシィをオルファンに帰還させる(死亡した場合は自身の生還を最優先)】 
  備考:バサラが生きていることに気付いていません。 
 
 
 &color(red){【ユウキ・コスモ 搭乗機体:ジガンスクード・ドゥロ(スーパーロボット大戦OG2)}
  &color(red){パイロット状況:死亡}
  &color(red){機体状況:コクピット全壊、シーズアンカー運用可能}
  &color(red){現在位置:C-5】}
 
 
 【熱気バサラ 搭乗機体 プロトガーランド(メガゾーン23) 
  パイロット状況:神経圧迫により発声不可、気絶中 
  機体状況:MS形態 
       落ちたショックとマシンキャノンの攻撃により、故障 
  現在位置:C-5 
  第一行動方針:新たなライブの開催地を探す 
  最終行動方針:自分の歌でゲームをやめさせる】 
  備考:自分の声が出なくなったことにまだ気付いていません。 
 
 &color(red){【残り43人】}
 
 【初日18:55】
 
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