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「偽名」(2008/06/29 (日) 02:24:38) の最新版変更点
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「ほう…」
懐から出した手鏡を覗き、男は思わず嘆息した。
「これは…」
額の、三日月型の飾りに指を這わす。
「ふむ。良いではないか。目元の造形が少し因縁深い感じだが、またそれもいいだろう」
地上にそびえる、肩に二本のドリルを白い巨大なロボット。
「あれは…」
アムロ・レイはその巨体を、何も無い平原という位置取り故にレーダーの範囲外から目視で確認した。
「どうしたものか…」
自らの機体、トーラスの変形を解き離れた場所に止める。
「あれ程の大型機だ。味方に引き込めればいいが…」
遠くからの目視だ。比較対象になる物体も無く、正確な大きさは計ることが出来ない。しかし、
ざっと見でもアムロの機体の倍の大きさはあると思われた。
「ここでこうしていても始まらない」
言いながら、操縦系に手を掛ける。
「いざとなったら変形を使って逃げられる、か?」
その頃。当の巨大なロボットのコックピットの中。
「何故だ!何故だ外れん!」
取れない。押しても引いてもヘルメットが取れない。
「く、なんと無様な…!」
男はとても焦っていた。
事の始まりは、コックピットの収納ケースに入っていたマニュアルと衣装だった。
「ふむ。スレードゲルミル、か…」
彼は最初にマニュアルに手を伸ばし、読み耽った。そして、操作法を一通り学んだ後。
「ウォーダン変身セット…!」
彼は、その項を見た瞬間、衣装に手を伸ばしていた。
アムロの優れた直感力が彼に警戒を促した。
「この感じ…!シャアか!?」
近付いて通信を繋げるまでもない。良く知った感覚だ。
「く…!向こうも気が付いたようだな」
巨人が、旋回しアムロの方に近付いてくる。
「攻撃してくるか?いや、奴だってこんな所での決着は望まないはずだ。ならば…」
通信回線を繋げるためにアムロは手を伸ばした。
「初めまして」
しかし、それよりも早く、相手は通信を繋げてきた。とりあえずは交戦の意思が無いようだ。
「初めまして…だと?」
アムロは、目を疑った。目の前にいるのは自分の良く知るシャア・アズナブルに相違ない。アムロの直感は彼にそう告げていた。だが。
「…ふざけているのか?シャア」
「私は、シャア・アズナブルなどではない。…ウォーダン。ウォーダン・ユミルだ!」
モニターに映っているのは、珍妙な仮面を付けた男が顔を真っ赤にして叫んでいる姿だった。
【アムロ・レイ 搭乗機体:トーラス(白)(新機動戦記ガンダムW)
パイロット状況:シャア?
機体状況:良好
現在位置:G-1
第一行動方針:協力者を募る
最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ウォーダン・ユミル(シャア・アズナブル) 搭乗機体:スレードゲルミル(スーパーロボット大戦OG2)
パイロット状況:私はシャアではない
機体状況:良好
現在位置:G-1
第一行動方針:NOT シャア宣言
最終行動方針:???
備考:ウォーダン変身セットと手鏡を所持、ヘルメットを被って取れなくなった】
【初日 14:35】
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|本編10話|[[赤い彗星]]|
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