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立ち並ぶ廃墟の間に、赤い巨人の姿があった。
大地に膝をつき、頭部の角を前方に向けた鋼鉄の巨人。
その隣で一人、仮面をつけた男が思案に耽っている。
白を基調にした厚い布地の衣服に、頭部全面を覆う仮面。
明らかに場違いな格好をした彼の名は、ユーゼス=ゴッツォ。
バルマー帝国第七艦隊の副司令官……いや、実質上の支配者である男である。
……もっとも、リュウセイ・ダテを始めとするSRXチームや、
優秀なサイコ・ドライバーである彼等を中核としたαナンバーズ、
そして己が分身である、イングラム・プリスケンの手によって、
彼の野望は、その身と共に潰えたはずであった……
(そうだ、確かにあの時、我が身は因果地平の彼方へと消え去ったはずだ……)
だが、こうして五体満足で存在している。
……殺し合いという、腹立たしいゲームの盤上ではあるが。
(主催者……レジセイアといったか……の見せた力……
そして、勝者に与えられるという、自らの望む世界……
もしや、あれはアカシック・レコードの……ならば、あの怨念も……)
「……どちらにしろ、ここで滅するわけにもいくまい」
ユーゼスの小さな声が、仮面に遮られ虚空に消える。
「そうだ、この身が現世にあるのだ……私は滅びぬ!
イングラムよ、三度目の邂逅は近いぞ……!」
その言葉と共にユーゼスは、自らの隣にある赤色の巨人を見上げる。
PTX-003C――『古い鉄』という、不名誉な名を与えられた機体を……
「ふむ……射程距離に不安が残るが……まあよいだろう」
アルトアイゼンに近づきながら、ユーゼスは仮面の下で笑みを浮かべる。
「私の念動力で補えば、充分に生き残れ……」
不意に……上空からの日差しが途絶え、ユーゼスの言葉は途切れた。
仮面の下の笑みを凍りつかせ、ゆっくりと振り返る。
そこには自らの機体の、ゆうに二倍以上はあろうかという巨人が佇んでいた。
「……答えてください、貴方はこのゲームに乗っているんですか?」
目の前の機体から響く女性の声に、ユーゼスは即答した。
「このゲームを壊そうとしているのも私だ」
【ユーゼス=ゴッツォ 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦IMPACT)
パイロット状況:良好(ちょっと驚いたのも私だ)
機体状況:良好
現在位置:D-4
第一行動方針:目の前の女性(ベガ)と会話
最終行動方針:生き残る】
【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー)
パイロット状況:良好
機体状況:良好(ビットも健在)
現在位置:D-4
第一行動方針:目の前の人物(ユーゼス)と会話
最終行動方針:仲間を集めて、ゲームから脱出】
【初日 12:30】
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