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貫く、意地」(2008/01/13 (日) 00:21:44) の最新版変更点

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*&color(red){貫く、意地 ◆a1WpzCXC9g} 木々をなぎ倒しがら森を駆け抜ける黒い竜巻の姿があった。 その名はブラックゲッター、幾多ものゲッター線の可能性の中から生まれた攻撃力に特化した機体である。 その能力は1対1の戦いならこのロワイアルの中でも五指に入るだろう。 無論、パイロットが使いこなしていればの話だが。 そしてそのパイロット、バーナード・ワイズマンは酷く焦っていた。 先程攻撃を仕掛けたガンダムがあれほどまでの攻撃力を有していたことは計算違いだった。 端から新兵同然の自分にあのガンダムが倒せるとは思ってはいなかったが、手傷一つ負わせることすらできないとは。 それどころかマントを失ってしっぽを巻いて逃げる始末だ。 きっとあのガンダムはすぐに自分を追ってくるだろう。 何をしに。勿論、とどめを刺しに、だ。 未だブラックゲッターを使いこなせていない今、自分に勝てる見込みはあまりに少なすぎる。 ミサイルの群れに爆散するブラックゲッターと自分の姿を想像して、バーニィは汗の滲む手で操縦桿を握りなおした。 「ちくしょう!ちくしょう!」 恐怖、そして強力な力を得ながらも、それを使いこなせない自分への歯がゆさにバーニィは更に機体を加速させた。 最大速度のゲッターは音の壁すら越える。 並みのMSなら到底追いつくことも叶わないのだが、今のバーニィにそのことに気づける余裕はなかった。 気がつけば目前に真紅の機体がいた。 いつの間にここまで接近されたのだろうか。 センサーはとっくに警告音を発していたようだったが、まったく気づかなかった。 それでも敵であることだけは確かだ。 敵は全て倒す。そして優勝する。そう決めたのだ。 誰であろうと敵は倒すだけだ。 「おい、そこの黒い機」 真紅の機体から回線が繋がったが、 「うおおおおぉぉぉぉぉ!!」 バーニィはそれを無視してゲッタービームを放った。 赤い閃光が宙を走り、真紅の機体へと襲い掛かる。 「問答無用で攻撃とは、厄介なやつに声をかけたな……!」 コックピットでキョウスケ・ナンブは独りぼやいた。 バーニィの咆哮と共に放たれたゲッタービームをすんでのところでかわしたビルトファルケン。 旋回しつつスプリットミサイルを放ち、オクスタンライフルで反撃するものの、ゲッター合金の厚い壁の前に全て弾かれてしまう。 (典型的な特機か、つくづく厄介だ) 後方支援における遠距離射撃をコンセプトに開発されたファルケン。 装甲が分厚く、接近戦で畳み掛けてくる機体とは一番相性が悪いと言える。 「このぉ!当たれぇぇぇぇぇ!!」 「ちっ、ブースト!」 特にあの高出力のビーム兵器。 当たればファルケンの脆弱な装甲では一たまりもあるまい。 まともにぶつかりあって、勝ち目はないことをキョウスケは感じていた。 だとすればできることは一つだけ。 直接コックピットを叩いて、パイロットを黙らせる。 (あれだけの出力、炉心から直接エネルギーを供給しているのか?だとしたら……) 恐らくコックピットは胸部か、それより上の部分。 狙うとすればそこ以外になかった。 もし違っていればボン、だ。 だがまあ、 「分の悪い賭けは嫌いじゃない……!」 ここで若干時間は遡る。 「……ままならんな」 と独りごちて、キョウスケは支給された真紅の機体を見上げた。 まだ計画書でしかその存在を知らなかったのだが、既にロールアウトしているとは驚きだ。 ひとまず機体の状態をチェックをすることにしてコックピットに乗り込み、コンソールを叩きながら計器類を睨みつける。 流石に最新型といったところか、諸々の出力はヴァイスやアルトのそれを上回っている。特に背部に装備された新型テスラ・ドライブの出力は驚異的だ。 本当に計器が示す速度が出せるとしたら、とんでもないじゃじゃ馬である。 他にも様々な新型装備が施してあるが、それらのスペックになんら不満はない。……不満はないのだが。 問題は主に近接攻撃を得意とするキョウスケにとって、援護射撃用の機体はどうも性に合わないことだ。 せめて同様に開発段階であった愛機であるアルトの後継機ならば使い勝手も良いのだろうが。 近接用装備がハンマー一つだけというのももしかしたら主催者側の嫌がらせだろうか。 一旦モニターから目を離し、溜息をつく。 「文句ばかりいっても始まらんか……」 せめてと思い、ブーストの出力を変更してアルトのそれに近づけた。 接近して射撃戦か、我ながら分の悪い賭けだな、とキョウスケは自嘲する。 そしてふと思い当たることがあった。 計画段階ではアルトとヴァイスのコンビネーションを元に構築した、攻撃用プログラムがあったはずだが……。 そしてコンソールを操作すること数分、キョウスケは予測通り目当てのものを見つけた。 『MODE:TwinBirdStrike』 恐らく、本来は対になる機体―――アルトの後継機だろう―――とのコンビネーションで真の力を発揮するのだろう。 キョウスケはそれをファルケン一機でも起動できるようにプログラムに変更を施していく。 (テスラ・ドライブのフル稼働による無軌道飛行。これがジョーカーになればいいが) その時、センサーが猛スピードでこちらに接近しつつある敵機を補足した。 無機質なアラーム音に否が応でも気が引き締められる。 コンソールから手を離して操縦桿を握る。 せめてこのゲームに乗っていない人間であってくれ、とキョウスケは切に願い、 “槍”の名を関するライフルと一振りのハンマーを携え、真紅のビルトファルケンは発進した。 戦闘開始から何時間経っただろうか。 ほんの数十分だったが、バーニィにはそれぐらい長く感じられた。 遂にバーニィはゲッタービームの射程内にビルトファルケンを捕らえたのだ。 そしてそれはファルケンを貫き、爆散させるはずだった。 勝った……!今度こそ勝ったぞ! この時、バーニィは今度こそ確かな勝利を確信した。 だがそれは、 「すまないが、俺も切り札を出させてもらう」 キョウスケが待ち望んでいた時でもあった。 相手は完全に詰んだと思い油断している。 仕掛けるなら、今しかない。 「はっ、負け惜しみを……」 「ファルケン、モードチェンジ『TBS』!シングルモード!」 「言うんじゃないっっっっ!!」 キョウスケの命令に応じて翼が展開され、遂にファルケンの真の力が発揮された。 ゲッタービームは確かにファルケンを貫いたが、それは残像として静かに消えた。 「なっ!?」 ゲッターを遥かに超えるスピードでファルケンが大空を舞い、ブラックゲッターを翻弄する。 想像を超えるGにキョウスケの意識は飛びそうになったが、何とか耐えて操縦桿を握り締める。 「これが俺の……」 「く、来るなぁ!来るなぁぁぁぁ!!」 ブラックゲッターがゲッタービームを乱射するが、それらもことごとく残像に命中して宙に消えてしまう。 ファルケンも負けじと高速軌道でオクスタンライフルをWモードで乱射。 数発しか命中しなかったものの、空中でぐらりとブラックゲッターの体制が崩れた。 「ジョーカーだ!」 背後に接近したファルケンがブーストハンマーを振るう。 狙いはただ一点、頭部のみ。 そしてそれはブラックゲッターに綺麗に命中した。 「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 凄まじい衝撃がバーニィを襲う。 このまま地面に叩きつけられて自分は死ぬのだろうか……。 ぼんやりとした頭でそんなことを思う。 徐々に地面が迫ってくる。 そして、目の前が真っ暗になって、彼の意識はここで途絶えた。 「……俺を甘いと笑うか、エクセレン」 キョウスケの前にはあちこちが弾痕でへこんだブラックゲッターが鎮座している。 あの時、咄嗟に狙いをわずかに外し、胸部を狙ったのだ。 どうやらコックピットは頭部にあったようだ。 恐らくあのままハンマーで頭部を狙っていれば、加減していてもパイロットの命はなかっただろう。 パイロットは衝撃で気絶しているのか、こちらの通信に応じる気配はない。 だが生きていることには間違いなさそうだ。 (やはり、念のために殺しておくべきか) そんな考えが脳裏を過ぎるが、そのまま放置していくことにした。 どのみち、この腕で生き残ることは難しいだろう。 ひとまずブラックゲッターは土を掘り下げて、地中に隠していくことにした。 ここまでしてやる義理はないのだが、まあいいだろう。 キョウスケはこのゲームを戦い抜くと決めた。 だがそれは、優勝するために殺戮者になるという意味ではない。 優勝してエクセレンを生き返らせる、そのことを考えなかった訳ではないが、考える価値もない。 ゲームに乗った連中には悪いが死んでもらうが、飽くまでも狙いは主催者打倒ただ一点。まずは仲間を集めよう。 特にあの男―――ネゴシエイターと呼ばれていたあの黒づくめの男だ。 彼がこんな馬鹿げたゲームに乗るような人間でないことは、あの場にいた誰もが知っているだろう。 あのネゴシエイターと接触しよう、そう決めたキョウスケは戦場の跡地から離れることにした。 アルフィミィ、もしお前がまた元の操り人形に戻ってしまったというなら、全力で止めてみせる。 それはきっとエクセレンの意思でもある。 今はなき彼女の意思が、彼女と最も一緒にいたキョウスケにはわかる気がした。 だが安心してくれエクセレン、全てが終わったら俺はお前の所へいく。 だから、それまで待っていてほしい。 「貫かせてもらうぞ、俺の意地を」 本当にキョウスケってば不器用ねえ。 そんな風に傍らでエクセレンが笑っていてくれる気がした。 【キョウスケ・ナンブ (スーパーロボット大戦IMPACT)  搭乗機体:ビルトファルケン(L) (スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2)  パイロット状況:良好  機体状況:ブーストハンマー所持       スプリットミサイル数発消費、オクスタンライフルを半分程消費  現在位置:E-5から移動  第一行動方針:ネゴシエイターと接触する  第二行動方針:信頼できる仲間を集める  最終行動方針:主催者打倒、エクセレンを迎えに行く(自殺?)】 【バーナード・ワイズマン(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争)  搭乗機体:ブラックゲッター(真(チェンジ!)ゲッターロボ 地球最後の日)  パイロット状況:気絶  現在位置:E-5(地中に埋もれている。起動していないのでセンサーでも発見しにくい)  機体状態:地中、あちこちがへこんでいるが、戦闘に支障はない       マント損失 、エネルギーを半分程消費  第一行動方針:ブラックゲッターを使いこなす  最終行動方針:優勝する】 【初日 15:30】 ----
*&color(red){貫く、意地 ◆a1WpzCXC9g} 木々をなぎ倒しがら森を駆け抜ける黒い竜巻の姿があった。 その名はブラックゲッター、幾多ものゲッター線の可能性の中から生まれた攻撃力に特化した機体である。 その能力は1対1の戦いならこのロワイアルの中でも五指に入るだろう。 無論、パイロットが使いこなしていればの話だが。 そしてそのパイロット、バーナード・ワイズマンは酷く焦っていた。 先程攻撃を仕掛けたガンダムがあれほどまでの攻撃力を有していたことは計算違いだった。 端から新兵同然の自分にあのガンダムが倒せるとは思ってはいなかったが、手傷一つ負わせることすらできないとは。 それどころかマントを失ってしっぽを巻いて逃げる始末だ。 きっとあのガンダムはすぐに自分を追ってくるだろう。 何をしに。勿論、とどめを刺しに、だ。 未だブラックゲッターを使いこなせていない今、自分に勝てる見込みはあまりに少なすぎる。 ミサイルの群れに爆散するブラックゲッターと自分の姿を想像して、バーニィは汗の滲む手で操縦桿を握りなおした。 「ちくしょう!ちくしょう!」 恐怖、そして強力な力を得ながらも、それを使いこなせない自分への歯がゆさにバーニィは更に機体を加速させた。 最大速度のゲッターは音の壁すら越える。 並みのMSなら到底追いつくことも叶わないのだが、今のバーニィにそのことに気づける余裕はなかった。 気がつけば目前に真紅の機体がいた。 いつの間にここまで接近されたのだろうか。 センサーはとっくに警告音を発していたようだったが、まったく気づかなかった。 それでも敵であることだけは確かだ。 敵は全て倒す。そして優勝する。そう決めたのだ。 誰であろうと敵は倒すだけだ。 「おい、そこの黒い機」 真紅の機体から回線が繋がったが、 「うおおおおぉぉぉぉぉ!!」 バーニィはそれを無視してゲッタービームを放った。 赤い閃光が宙を走り、真紅の機体へと襲い掛かる。 「問答無用で攻撃とは、厄介なやつに声をかけたな……!」 コックピットでキョウスケ・ナンブは独りぼやいた。 バーニィの咆哮と共に放たれたゲッタービームをすんでのところでかわしたビルトファルケン。 旋回しつつスプリットミサイルを放ち、オクスタンライフルで反撃するものの、ゲッター合金の厚い壁の前に全て弾かれてしまう。 (典型的な特機か、つくづく厄介だ) 後方支援における遠距離射撃をコンセプトに開発されたファルケン。 装甲が分厚く、接近戦で畳み掛けてくる機体とは一番相性が悪いと言える。 「このぉ!当たれぇぇぇぇぇ!!」 「ちっ、ブースト!」 特にあの高出力のビーム兵器。 当たればファルケンの脆弱な装甲では一たまりもあるまい。 まともにぶつかりあって、勝ち目はないことをキョウスケは感じていた。 だとすればできることは一つだけ。 直接コックピットを叩いて、パイロットを黙らせる。 (あれだけの出力、炉心から直接エネルギーを供給しているのか?だとしたら……) 恐らくコックピットは胸部か、それより上の部分。 狙うとすればそこ以外になかった。 もし違っていればボン、だ。 だがまあ、 「分の悪い賭けは嫌いじゃない……!」 ここで若干時間は遡る。 「……ままならんな」 と独りごちて、キョウスケは支給された真紅の機体を見上げた。 まだ計画書でしかその存在を知らなかったのだが、既にロールアウトしているとは驚きだ。 ひとまず機体の状態をチェックをすることにしてコックピットに乗り込み、コンソールを叩きながら計器類を睨みつける。 流石に最新型といったところか、諸々の出力はヴァイスやアルトのそれを上回っている。特に背部に装備された新型テスラ・ドライブの出力は驚異的だ。 本当に計器が示す速度が出せるとしたら、とんでもないじゃじゃ馬である。 他にも様々な新型装備が施してあるが、それらのスペックになんら不満はない。……不満はないのだが。 問題は主に近接攻撃を得意とするキョウスケにとって、援護射撃用の機体はどうも性に合わないことだ。 せめて同様に開発段階であった愛機であるアルトの後継機ならば使い勝手も良いのだろうが。 近接用装備がハンマー一つだけというのももしかしたら主催者側の嫌がらせだろうか。 一旦モニターから目を離し、溜息をつく。 「文句ばかりいっても始まらんか……」 せめてと思い、ブーストの出力を変更してアルトのそれに近づけた。 接近して射撃戦か、我ながら分の悪い賭けだな、とキョウスケは自嘲する。 そしてふと思い当たることがあった。 計画段階ではアルトとヴァイスのコンビネーションを元に構築した、攻撃用プログラムがあったはずだが……。 そしてコンソールを操作すること数分、キョウスケは予測通り目当てのものを見つけた。 『MODE:TwinBirdStrike』 恐らく、本来は対になる機体―――アルトの後継機だろう―――とのコンビネーションで真の力を発揮するのだろう。 キョウスケはそれをファルケン一機でも起動できるようにプログラムに変更を施していく。 (テスラ・ドライブのフル稼働による無軌道飛行。これがジョーカーになればいいが) その時、センサーが猛スピードでこちらに接近しつつある敵機を補足した。 無機質なアラーム音に否が応でも気が引き締められる。 コンソールから手を離して操縦桿を握る。 せめてこのゲームに乗っていない人間であってくれ、とキョウスケは切に願い、 “槍”の名を関するライフルと一振りのハンマーを携え、真紅のビルトファルケンは発進した。 戦闘開始から何時間経っただろうか。 ほんの数十分だったが、バーニィにはそれぐらい長く感じられた。 遂にバーニィはゲッタービームの射程内にビルトファルケンを捕らえたのだ。 そしてそれはファルケンを貫き、爆散させるはずだった。 勝った……!今度こそ勝ったぞ! この時、バーニィは今度こそ確かな勝利を確信した。 だがそれは、 「すまないが、俺も切り札を出させてもらう」 キョウスケが待ち望んでいた時でもあった。 相手は完全に詰んだと思い油断している。 仕掛けるなら、今しかない。 「はっ、負け惜しみを……」 「ファルケン、モードチェンジ『TBS』!シングルモード!」 「言うんじゃないっっっっ!!」 キョウスケの命令に応じて翼が展開され、遂にファルケンの真の力が発揮された。 ゲッタービームは確かにファルケンを貫いたが、それは残像として静かに消えた。 「なっ!?」 ゲッターを遥かに超えるスピードでファルケンが大空を舞い、ブラックゲッターを翻弄する。 想像を超えるGにキョウスケの意識は飛びそうになったが、何とか耐えて操縦桿を握り締める。 「これが俺の……」 「く、来るなぁ!来るなぁぁぁぁ!!」 ブラックゲッターがゲッタービームを乱射するが、それらもことごとく残像に命中して宙に消えてしまう。 ファルケンも負けじと高速軌道でオクスタンライフルをWモードで乱射。 数発しか命中しなかったものの、空中でぐらりとブラックゲッターの体制が崩れた。 「ジョーカーだ!」 背後に接近したファルケンがブーストハンマーを振るう。 狙いはただ一点、頭部のみ。 そしてそれはブラックゲッターに綺麗に命中した。 「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 凄まじい衝撃がバーニィを襲う。 このまま地面に叩きつけられて自分は死ぬのだろうか……。 ぼんやりとした頭でそんなことを思う。 徐々に地面が迫ってくる。 そして、目の前が真っ暗になって、彼の意識はここで途絶えた。 「……俺を甘いと笑うか、エクセレン」 キョウスケの前にはあちこちが弾痕でへこんだブラックゲッターが鎮座している。 あの時、咄嗟に狙いをわずかに外し、胸部を狙ったのだ。 どうやらコックピットは頭部にあったようだ。 恐らくあのままハンマーで頭部を狙っていれば、加減していてもパイロットの命はなかっただろう。 パイロットは衝撃で気絶しているのか、こちらの通信に応じる気配はない。 だが生きていることには間違いなさそうだ。 (やはり、念のために殺しておくべきか) そんな考えが脳裏を過ぎるが、そのまま放置していくことにした。 どのみち、この腕で生き残ることは難しいだろう。 ひとまずブラックゲッターは土を掘り下げて、地中に隠していくことにした。 ここまでしてやる義理はないのだが、まあいいだろう。 キョウスケはこのゲームを戦い抜くと決めた。 だがそれは、優勝するために殺戮者になるという意味ではない。 優勝してエクセレンを生き返らせる、そのことを考えなかった訳ではないが、考える価値もない。 ゲームに乗った連中には悪いが死んでもらうが、飽くまでも狙いは主催者打倒ただ一点。まずは仲間を集めよう。 特にあの男―――ネゴシエイターと呼ばれていたあの黒づくめの男だ。 彼がこんな馬鹿げたゲームに乗るような人間でないことは、あの場にいた誰もが知っているだろう。 あのネゴシエイターと接触しよう、そう決めたキョウスケは戦場の跡地から離れることにした。 アルフィミィ、もしお前がまた元の操り人形に戻ってしまったというなら、全力で止めてみせる。 それはきっとエクセレンの意思でもある。 今はなき彼女の意思が、彼女と最も一緒にいたキョウスケにはわかる気がした。 だが安心してくれエクセレン、全てが終わったら俺はお前の所へいく。 だから、それまで待っていてほしい。 「貫かせてもらうぞ、俺の意地を」 本当にキョウスケってば不器用ねえ。 そんな風に傍らでエクセレンが笑っていてくれる気がした。 【キョウスケ・ナンブ (スーパーロボット大戦IMPACT)  搭乗機体:ビルトファルケン(L) (スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2)  パイロット状況:良好  機体状況:ブーストハンマー所持       スプリットミサイル数発消費、オクスタンライフルを半分程消費  現在位置:E-5から移動  第一行動方針:ネゴシエイターと接触する  第二行動方針:信頼できる仲間を集める  最終行動方針:主催者打倒、エクセレンを迎えに行く(自殺?)】 【バーナード・ワイズマン(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争)  搭乗機体:ブラックゲッター(真(チェンジ!)ゲッターロボ 地球最後の日)  パイロット状況:気絶  現在位置:E-5(地中に埋もれている。起動していないのでセンサーでも発見しにくい)  機体状態:地中、あちこちがへこんでいるが、戦闘に支障はない       マント損失 、エネルギーを半分程消費  第一行動方針:ブラックゲッターを使いこなす  最終行動方針:優勝する】 【初日 15:30】 ---- |BACK||NEXT| |[[お姉さんと一緒]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[インターミッション]]| |[[お姉さんと一緒]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[死活問題]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[opening]]|キョウスケ|[[出会いと再会]]| |[[若い、黒い、脅威]]|バーニィ|[[楽勝!]]| ----

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