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*&color(red){はじめてのしゃいにんぐふぃんがー ◆h13q4eyrNs} 昆虫のようで、昆虫と呼ぶには余りにも巨大なロボットが空を飛んでいる。 「…なんてことだ」 パイロット、孫光龍は少し複雑そうな笑みを浮かべ、眼下に聳える山々を見据える。 「少し進む方向がずれたかな?ま、いいか。たいして距離が変わるわけでもないし」 本来彼はA-1に向かっていたのだが、現在彼がいる場所はA-7とA-8の境目。 「少し調子に乗りすぎてたかな?ふふ………」 実際、彼はじわじわと己の念動力を吸って力を付けていくレプラカーンに心酔し、集中力をやや削られていた。 「いけないいけない………少し落ち着こうか」 念動力を抑え、レプラカーンの成長を止める。 「さて、こっちだな」 昂ぶる心を鎮め、A-1へと向かおうと機体を街の方向に向ける。 山の上にロボットがいた。 「………………はい?」 モニターを望遠にしてもう一度良く見る。 山の上にロボットがいた。 「ふはははははっ!やっと見つけたぞ!」 ギンガナムは遂に見つけた念願の敵をしっかと見据えながら哄笑する。 だが、その目に映るは黒歴史にもなかった謎の機体。 「黒歴史に無い機体!珍妙だなぁ!モビルスーツが虫のようだ!」 実際には目の前の機体――レプラカーンはモビルスーツではないのだが、ギンガナムにそんなことが分かるはずもない。 「地球人共が造ったか、あの化物の産物か、それとも【かぐや姫】だのなんだのの御伽噺から飛び出てきたか…」 一瞬逡巡するが、しかし直ぐにどうでもいいことだ、と自己完結し。 「戦えればよいのだからな!イレギュラーとでも呼ぼうか!?あの機体!」 通信を繋ぎ、相手に明確な敵対意思を伝える。 『ぬおおおおおおっ!!小生は、ギム=ギンガナムであるッ!いざっ!』 ……理不尽な、敵対意思を。 「フン…!いいだろう、相手になってあげるよ!」 光龍は山から山へと飛び移って近づいてくるロボットにフレイボムを放つ。火球がロボットに迫り――だが、かわされる。 『あたるわけねえだろぉ!こっちはモビルファイターだぞ!』 太い声が通信機を通して聞こえる。 既に足元まで寄ってきた『モビルファイター』なる機体が頭部のバルカンを発射した。 「そんなもの、かわすまでもないさ!」 オーラバリアを展開してバルカンを防ぎ、オーラソードを抜く。相手が地上にいて射撃武器が当たらない限り接近戦が最も効率的だろう。 牽制と眼暗ましの意味を兼ねてオーラバルカンとフレイボムを撃ち、爆炎と硝煙で辺りが覆われるのを確認して急降下する。 煙の中に敵機影が映り、オーラソードに念動力を注ぐ。オーラ斬り、いや念動斬とでも言うのだろうか。 機影に接近し―――煙を掻き分け―――敵に気付かれたが、もう反応できるような距離ではなく―――オーラソードを振り下ろす。 「もらっなっ!?」 反応すらできないはずの攻撃がビームで形成されたサーベルに止められる。念動力とビームが混ざり合って弾けあい、耳障りな音を立てる。 『このシャイニングガンダムは機人一体!普段なら反応できない攻撃にも…十分対応できるのだぁぁ!』 耳が痛くなるような大声を聞きながら光龍はオーラソードを引き、空中に離脱しようとする。 『逃がさん!』 シャイニングガンダムがもう一本のビームソードを抜き、レプラカーンに斬りつける。 オーラバリアを展開させる暇さえない高速の攻撃。だが、その一撃はレプラカーンの左脚部を切り落とすだけに留まる。瞬間、爆発。 空中に舞い戻った光龍は舌打ちしながら呟く。 「まったくやってくれる…どうやら脚部に装填されていたグレネードが爆発したようだね。これでくたばってくれていればいいが…」 しかしその思いも虚しく、殆どダメージを受けていないように見えるシャイニングガンダムが山岳に立っていた。 『はーはっはっは!どうしたイレギュラー!そんなことでは小生の闘争本能は満足せんぞ!』 高らかに、挑発的に笑うギンガナム。 その挑発に乗ることもなく、光龍は思考する。 (接近戦では恐らく勝ち目は無い…この機体は結構な重武装だから、装甲と機動力が低い。かといって遠距離戦闘では決着がつくまい。  いっそ逃げようかな?) 特に戦いから逃げることを忌避しない光龍はそんなことを考えたが、しかし思いとどまる。 (今の僕にはあるじゃないか…切り札が!) 先にあげた全ての弱点をなくせる手段。危険は伴うが―――きっと、爽快だ。制御できる自信だってある。 『どうした虫けらぁ!臆したか?ならば、さっさと御伽噺の世界に帰りな!』 その言葉を皮切りに、光龍は決意した。 『ふふふ、ギンガナム、とかいったね?面白いものを見せてあげよう』 『何ぃ!?』 光龍は今まで意図的に抑えていた念動力を開放する。レプラカーンの小さな体が徐々に膨れ上がる。 『これが…こいつの本当の姿さ!まだまだ大きくなるよ!吸えっ!僕の念動力を吸えっ!レプラカーンよ!』 強大なオーラを周囲に漂わせながら、巨大化していくレプラカーン。既にそのサイズはオーラバトラーの、そしてモビルスーツの常識を超えている。 『まだまだ大きくなるだとぉ…貴様!そんなにパワーアップが好きかぁぁぁ!』 『好きさ!』 『実は小生も大好きだぁぁぁぁあ!むうん!』 今までにない跳躍。レプラカーンの位置よりはるか上に舞い上がるシャイニングガンダム。 『小生の!月面で溜まりに溜まったフラストレーションが真っ赤に燃えるぅぅぅ!』 両腕を広げ、荒ぶる声で叫ぶギンガナム。 『な、なんだ!?』 いきなり飛び上がったシャイニングをみて、光龍が疑問の声を上げ、だが尚念動力をレプラカーンに注ぎ続ける。 『剋目せよ!これぞ!  ス   ー   パ   ー   モ   ー   ド    で   あ    る    !』 急激に機体色を金色へと変えていくシャイニングガンダム。その余りの美しさに、一瞬光龍も目を見張る。 『そぉして!これが!』 凄まじい勢いで自分のレプラカーンの懐に飛び込んで来るシャイニングガンダム、オーラバリアは…何故か、展開しない。 (巨大化中の副作用…?いや、僕が恐れているとでもいうのか、この孫光龍が!?あいつを!) もはやシャイニングガンダムは目の前。 (く……だが、サーベルを抜くのにはその機体でも数瞬かかるだろう、ギンガナム!) レプラカーンの口部にある近接用の隠し武器でもある牙が開き、シャイニングガンダムを真っ二つにせんと迫る。 やはりシャイニングはサーベルを抜かない。苦し紛れだろうか、右手を突き出して牙に挟ませる。 (無駄さ!このまま腕ごと本体も―――なんだ?) 牙が動かない―――それどころか、砕けていく―――? 『本物の!  シ   ャ   イ   ニ   ン   グ   フ   ィ   ン   ガ   ー  というものかぁぁぁぁっ!』 「なにぃぃぃっ!……う、うわぁぁぁぁっ!?」 発光した掌がレプラカーンの頭を掴み、地に引き吊り下ろしていく。 間もなく地上に撃突し、押し切られて山岳を滑り落ちる。レプラカーンの牙が完全に砕ける。 『ヒート!エンドォォォォ!』 その叫びとともに掌は離され、そして――レプラカーンは隣の山に激突し、その巨体を消した。 ギンガナムは再び山岳を移動していた。 「先程の戦い―――中々に楽しめた」 噛み締めるように言って、跳ぶ。 「だが、足りん…全く持って足りん!開放のカタルシスが足りんぞ!」 鬱屈としていた闘争とは無縁の生活を、闘争に最適な精神で過ごしてきた男、ギンガナム。 目指しているのは奇しくも孫光龍と同じ、A-1の市街地。 ただし目的は全く違う。 地図の端と端がつながっていることに気付き、人が集まる場所に行って更なる戦いを。 「我が世の春!ここに来たれりぃぃぃぃぃッ!」 彼は既に先程の敵に興味などない。 彼の関心を得られるのは、強く、自分を楽しませてもらえる物のみ。 故に、彼は先程の敵の、生死を確かめさえしなかった。 そして、【先程の敵】は。 【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム) 現在位置:A-8から移動中(A-1へ向かっている) パイロット状態:絶好調であるッ!(気力140) 機体状態:良好(EN割と消費) 第一行動方針:市街地で人を探す 第二行動方針:倒すに値する武人を探す 最終行動方針:優勝】 山に穿たれた穴。 そこには、虫のようなロボットが横たわっていた。 牙を砕かれ、足を一本失っている。 「面白い奴だったな…先刻のミサイルといい、どうも常識外の機体がこのレプラカーン以外にもたくさんあるようだね」 独りごちているのは、孫光龍。 吹き飛ばされた後、外部からのダメージか、それとも別の要因かは分からないが、レプラカーンは通常サイズに戻っている。 「しかし…完全に僕の念動力をこいつに注ぎこめていれば、勝てていた」 どの程度が巨大化の限界かは知らないが、自分の感覚では戦艦に匹敵するまでに成長してもおかしくない、と光龍は考える。 だが。 彼の自信は、先程の男、ギンガナムとやらに打ち砕かれた。 「このままではおかないよ…僕はあんたを倒さないと、前には進めないんだからさ」 【主】と認めるには力不足なはずのただの人間に受けた恐怖と屈辱。 ならば、その屈辱の根源を断たねば、レプラカーンに完全に自分の念動力を注ぎ込んでも、制御できるとは思えない。 「だがしかし」 仇敵を討とう、と覚悟したのはいいけれど。 「どうやって出ようか………」 穴の出口は、大岩で覆われていた。 【孫光龍 搭乗機体:レプラカーン(聖戦士ダンバイン)  パイロット状態:オーラバリアの多用により若干の疲労、ギンガナム怖い…でも頑張る!  機体状態:オーラキャノン一発消費、グレネード二発消費、ハイパー化の兆し在り、顔の牙消滅、左脚部切断  現在位置:A-8  第一行動方針:山から脱出する(大岩が出口をふさいでいる)  第二行動方針:ギンガナムに打ち勝つ  第三行動方針:己の力を上回る主を見つける  最終行動方針:生き残る】 【初日 16:00】 ---- |BACK||NEXT| |[[一応スゴい人達]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[楽勝!]]| |[[一応スゴい人達]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[我が道を往く人々]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[]]|ギンガナム|[[]]| |[[]]|孫光龍|[[]]| ----
*&color(red){はじめてのしゃいにんぐふぃんがー ◆h13q4eyrNs} 昆虫のようで、昆虫と呼ぶには余りにも巨大なロボットが空を飛んでいる。 「…なんてことだ」 パイロット、孫光龍は少し複雑そうな笑みを浮かべ、眼下に聳える山々を見据える。 「少し進む方向がずれたかな?ま、いいか。たいして距離が変わるわけでもないし」 本来彼はA-1に向かっていたのだが、現在彼がいる場所はA-7とA-8の境目。 「少し調子に乗りすぎてたかな?ふふ………」 実際、彼はじわじわと己の念動力を吸って力を付けていくレプラカーンに心酔し、集中力をやや削られていた。 「いけないいけない………少し落ち着こうか」 念動力を抑え、レプラカーンの成長を止める。 「さて、こっちだな」 昂ぶる心を鎮め、A-1へと向かおうと機体を街の方向に向ける。 山の上にロボットがいた。 「………………はい?」 モニターを望遠にしてもう一度良く見る。 山の上にロボットがいた。 「ふはははははっ!やっと見つけたぞ!」 ギンガナムは遂に見つけた念願の敵をしっかと見据えながら哄笑する。 だが、その目に映るは黒歴史にもなかった謎の機体。 「黒歴史に無い機体!珍妙だなぁ!モビルスーツが虫のようだ!」 実際には目の前の機体――レプラカーンはモビルスーツではないのだが、ギンガナムにそんなことが分かるはずもない。 「地球人共が造ったか、あの化物の産物か、それとも【かぐや姫】だのなんだのの御伽噺から飛び出てきたか…」 一瞬逡巡するが、しかし直ぐにどうでもいいことだ、と自己完結し。 「戦えればよいのだからな!イレギュラーとでも呼ぼうか!?あの機体!」 通信を繋ぎ、相手に明確な敵対意思を伝える。 『ぬおおおおおおっ!!小生は、ギム=ギンガナムであるッ!いざっ!』 ……理不尽な、敵対意思を。 「フン…!いいだろう、相手になってあげるよ!」 光龍は山から山へと飛び移って近づいてくるロボットにフレイボムを放つ。火球がロボットに迫り――だが、かわされる。 『あたるわけねえだろぉ!こっちはモビルファイターだぞ!』 太い声が通信機を通して聞こえる。 既に足元まで寄ってきた『モビルファイター』なる機体が頭部のバルカンを発射した。 「そんなもの、かわすまでもないさ!」 オーラバリアを展開してバルカンを防ぎ、オーラソードを抜く。相手が地上にいて射撃武器が当たらない限り接近戦が最も効率的だろう。 牽制と眼暗ましの意味を兼ねてオーラバルカンとフレイボムを撃ち、爆炎と硝煙で辺りが覆われるのを確認して急降下する。 煙の中に敵機影が映り、オーラソードに念動力を注ぐ。オーラ斬り、いや念動斬とでも言うのだろうか。 機影に接近し―――煙を掻き分け―――敵に気付かれたが、もう反応できるような距離ではなく―――オーラソードを振り下ろす。 「もらっなっ!?」 反応すらできないはずの攻撃がビームで形成されたサーベルに止められる。念動力とビームが混ざり合って弾けあい、耳障りな音を立てる。 『このシャイニングガンダムは機人一体!普段なら反応できない攻撃にも…十分対応できるのだぁぁ!』 耳が痛くなるような大声を聞きながら光龍はオーラソードを引き、空中に離脱しようとする。 『逃がさん!』 シャイニングガンダムがもう一本のビームソードを抜き、レプラカーンに斬りつける。 オーラバリアを展開させる暇さえない高速の攻撃。だが、その一撃はレプラカーンの左脚部を切り落とすだけに留まる。瞬間、爆発。 空中に舞い戻った光龍は舌打ちしながら呟く。 「まったくやってくれる…どうやら脚部に装填されていたグレネードが爆発したようだね。これでくたばってくれていればいいが…」 しかしその思いも虚しく、殆どダメージを受けていないように見えるシャイニングガンダムが山岳に立っていた。 『はーはっはっは!どうしたイレギュラー!そんなことでは小生の闘争本能は満足せんぞ!』 高らかに、挑発的に笑うギンガナム。 その挑発に乗ることもなく、光龍は思考する。 (接近戦では恐らく勝ち目は無い…この機体は結構な重武装だから、装甲と機動力が低い。かといって遠距離戦闘では決着がつくまい。  いっそ逃げようかな?) 特に戦いから逃げることを忌避しない光龍はそんなことを考えたが、しかし思いとどまる。 (今の僕にはあるじゃないか…切り札が!) 先にあげた全ての弱点をなくせる手段。危険は伴うが―――きっと、爽快だ。制御できる自信だってある。 『どうした虫けらぁ!臆したか?ならば、さっさと御伽噺の世界に帰りな!』 その言葉を皮切りに、光龍は決意した。 『ふふふ、ギンガナム、とかいったね?面白いものを見せてあげよう』 『何ぃ!?』 光龍は今まで意図的に抑えていた念動力を開放する。レプラカーンの小さな体が徐々に膨れ上がる。 『これが…こいつの本当の姿さ!まだまだ大きくなるよ!吸えっ!僕の念動力を吸えっ!レプラカーンよ!』 強大なオーラを周囲に漂わせながら、巨大化していくレプラカーン。既にそのサイズはオーラバトラーの、そしてモビルスーツの常識を超えている。 『まだまだ大きくなるだとぉ…貴様!そんなにパワーアップが好きかぁぁぁ!』 『好きさ!』 『実は小生も大好きだぁぁぁぁあ!むうん!』 今までにない跳躍。レプラカーンの位置よりはるか上に舞い上がるシャイニングガンダム。 『小生の!月面で溜まりに溜まったフラストレーションが真っ赤に燃えるぅぅぅ!』 両腕を広げ、荒ぶる声で叫ぶギンガナム。 『な、なんだ!?』 いきなり飛び上がったシャイニングをみて、光龍が疑問の声を上げ、だが尚念動力をレプラカーンに注ぎ続ける。 『剋目せよ!これぞ!  ス   ー   パ   ー   モ   ー   ド    で   あ    る    !』 急激に機体色を金色へと変えていくシャイニングガンダム。その余りの美しさに、一瞬光龍も目を見張る。 『そぉして!これが!』 凄まじい勢いで自分のレプラカーンの懐に飛び込んで来るシャイニングガンダム、オーラバリアは…何故か、展開しない。 (巨大化中の副作用…?いや、僕が恐れているとでもいうのか、この孫光龍が!?あいつを!) もはやシャイニングガンダムは目の前。 (く……だが、サーベルを抜くのにはその機体でも数瞬かかるだろう、ギンガナム!) レプラカーンの口部にある近接用の隠し武器でもある牙が開き、シャイニングガンダムを真っ二つにせんと迫る。 やはりシャイニングはサーベルを抜かない。苦し紛れだろうか、右手を突き出して牙に挟ませる。 (無駄さ!このまま腕ごと本体も―――なんだ?) 牙が動かない―――それどころか、砕けていく―――? 『本物の!  シ   ャ   イ   ニ   ン   グ   フ   ィ   ン   ガ   ー  というものかぁぁぁぁっ!』 「なにぃぃぃっ!……う、うわぁぁぁぁっ!?」 発光した掌がレプラカーンの頭を掴み、地に引き吊り下ろしていく。 間もなく地上に撃突し、押し切られて山岳を滑り落ちる。レプラカーンの牙が完全に砕ける。 『ヒート!エンドォォォォ!』 その叫びとともに掌は離され、そして――レプラカーンは隣の山に激突し、その巨体を消した。 ギンガナムは再び山岳を移動していた。 「先程の戦い―――中々に楽しめた」 噛み締めるように言って、跳ぶ。 「だが、足りん…全く持って足りん!開放のカタルシスが足りんぞ!」 鬱屈としていた闘争とは無縁の生活を、闘争に最適な精神で過ごしてきた男、ギンガナム。 目指しているのは奇しくも孫光龍と同じ、A-1の市街地。 ただし目的は全く違う。 地図の端と端がつながっていることに気付き、人が集まる場所に行って更なる戦いを。 「我が世の春!ここに来たれりぃぃぃぃぃッ!」 彼は既に先程の敵に興味などない。 彼の関心を得られるのは、強く、自分を楽しませてもらえる物のみ。 故に、彼は先程の敵の、生死を確かめさえしなかった。 そして、【先程の敵】は。 【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム) 現在位置:A-8から移動中(A-1へ向かっている) パイロット状態:絶好調であるッ!(気力140) 機体状態:良好(EN割と消費) 第一行動方針:市街地で人を探す 第二行動方針:倒すに値する武人を探す 最終行動方針:優勝】 山に穿たれた穴。 そこには、虫のようなロボットが横たわっていた。 牙を砕かれ、足を一本失っている。 「面白い奴だったな…先刻のミサイルといい、どうも常識外の機体がこのレプラカーン以外にもたくさんあるようだね」 独りごちているのは、孫光龍。 吹き飛ばされた後、外部からのダメージか、それとも別の要因かは分からないが、レプラカーンは通常サイズに戻っている。 「しかし…完全に僕の念動力をこいつに注ぎこめていれば、勝てていた」 どの程度が巨大化の限界かは知らないが、自分の感覚では戦艦に匹敵するまでに成長してもおかしくない、と光龍は考える。 だが。 彼の自信は、先程の男、ギンガナムとやらに打ち砕かれた。 「このままではおかないよ…僕はあんたを倒さないと、前には進めないんだからさ」 【主】と認めるには力不足なはずのただの人間に受けた恐怖と屈辱。 ならば、その屈辱の根源を断たねば、レプラカーンに完全に自分の念動力を注ぎ込んでも、制御できるとは思えない。 「だがしかし」 仇敵を討とう、と覚悟したのはいいけれど。 「どうやって出ようか………」 穴の出口は、大岩で覆われていた。 【孫光龍 搭乗機体:レプラカーン(聖戦士ダンバイン)  パイロット状態:オーラバリアの多用により若干の疲労、ギンガナム怖い…でも頑張る!  機体状態:オーラキャノン一発消費、グレネード二発消費、ハイパー化の兆し在り、顔の牙消滅、左脚部切断  現在位置:A-8  第一行動方針:山から脱出する(大岩が出口をふさいでいる)  第二行動方針:ギンガナムに打ち勝つ  第三行動方針:己の力を上回る主を見つける  最終行動方針:生き残る】 【初日 16:00】 ---- |BACK||NEXT| |[[一応スゴい人達]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[楽勝!]]| |[[一応スゴい人達]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[我が道を往く人々]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[武人ギム・ギンガナムの独白]]|ギンガナム|[[混乱]]| |[[Impact of The Red]]|孫光龍|[[コーヒーブレイク]]| ----

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