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*&color(red){死活問題 ◆Nr7qwL8XuU} 一つの人影がF-6地区からE-6地区の南東の端に踏み入った。2mほどしかないその影の移動速度はすさまじく彼か人ではないこと物語っている。 彼の名は相羽シンヤ。壮絶な戦闘の末辛くも勝利を収めた彼はテックセットを解くことなく移動していた 目指すは南西方向に見える市街地。人が集まりそうなそこならば、 ただの人間にあそこまで追い詰められ苛立つ神経を癒してくれる相手がいるだろうとふんだのである しかし、このゲームの参加者が彼を癒せる手段はただ一つ―― 彼を癒すことはすなわち彼に屠り殺されること意味していた―― 哀れな贄を求め渇望する心は強く衝動に身を任せ彼は全力で市街地を目指していた 同時刻、相羽シンヤと目的地を同じとする二人組みがいた。ロジャー・スミスとリリーナ・ピースクラフトである とはいえ二人の現在地はE-7地区であり、相羽シンヤとの間にはそうとうの距離があるため互いは気づいていない。 移動開始時刻が一時間ほどはやかったのも彼らに幸いしていた 「リリーナ嬢、何度も言うようだが・・・」 いっこうに返事を返してこない依頼者に対して話しかける 「仕様書を見るかぎり凰牙の補給は君のヴァルハラでも可能なようだ。一度、デンドーデンチのストックを確認させていただけないか?」 「・・・・・・・・・」 通信機の先の彼女は以前沈黙を守ったままである 返答すら返ってこないのでは交渉にすらならない。ため息が漏れる ああは言ったが実のところ凰牙の補給はヴァルハラでしか不可能なようだ。そしてこの機体は燃料効率がすこぶる悪い この遅々とした移動もリリーナ嬢にばれないように凰牙の移動速度をいろいろ試してみて最も燃料効率のいい速度を選んだ結果である 補給のめどが立たない以上、節約するほかなかった ふてくされてしまったこの依頼者相手にどうしたものかと彼は頭を悩ませつつ西進していた 「・・・確認させていただけないか?」 何度目かの通信が入る。それに彼女は無視を決め込んでいた うかつに通信に応じれば彼の弁論に打ち負けてしまう危険がある。沈黙が一番だった 彼女が沈黙を守る理由、それには多少の理由がある。彼女とてただ不機嫌なだけで無視を決め込んでいるわけではない 確かに先の戦闘で自分の理想に同乗してくれたかと思えばあっさりと裏切った彼にたいして胸中渦巻くものはあった しかし、それにいつまでも腹を立てているほど自分は子供ではない 彼女の狙いは凰牙の燃料切れにある そう燃料さえ切れてしまえばもう勝手に攻撃をおこなわれることもない もう一人乗せるスペースくらい十分にある。移動はヴァルハラでおこなえば十分なのだ 無論、操縦などはさせる気はない 自身の考えを確認し彼女は思う そう、自分は決して腹を立てているわけではないのだと・・・ 彼女の腹の底は意外に黒いのかもしれない そして、二機は目的の場所にたどり着く市街地はもう目の前だった その頃、相羽シンヤも市街地を確認していた。同時にそこに入っていく二機の姿も見えた。目的地まであと少し、しかも獲物つきとはがぜん殺る気が沸き起こる しかし、殺る気とは裏腹に不意に彼の視界は歪む。ここまでやってきたその勢いのまま姿勢は崩れ倒れこむ。 ロワ開始からわずか3時間と少し、彼は死活問題に直面した 倒れこんだテッカマンエビルは自らに起こった状況を悟る (しまった・・・。うっかりしていた) 彼は悔やむ (二度のテックセットとボルテッカのツケか・・・クソッ!気をつけていさえすればこんなことには・・・) そう気をつけていさえすればこんなことにはならないはずだった。サイコのコックピットにはこの状況に陥らないだけの量が支給されていた 今更ながらにサイコを失ったことが悔やまれる。くわえて言えばX-2のコックピットブロックを消滅させていなければ防げていた状況でもあった 彼は気づく。 テックシステムを多用すれば現在の状況に陥る。しかし、人間体のまま移動するには一つ当たり50キロ四方のブロックが64もあるこの会場は広すぎる なによりテッカマンではあれは大量に持ち運べない。テックシステムだけで乗り切れるほどこのロワは甘くはなかった 彼は悟る 自分にとっても機動兵器は重要であることを――― 何より他の参加者からあれを早急に奪う必要があることを――― いつとまるとも知れず彼の腹の虫は盛大に鳴いていた・・・ 【ロジャー・スミス 搭乗機体: 騎士GEAR凰牙 (GEAR戦士電童)  現在位置:D-7市街地  パイロット状態:健康  機体状態:良好。ENを数%消費  第一行動方針:リリーナと共に西の市街地へ向かう  第二行動方針:リリーナを守りながら、参加者に彼女の完全平和主義を説く 第三行動方針:補給の交渉を成功させる 第四行動方針:燃料の節約  最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイションに値しない相手には武力行使も厭わないが、相手を殺す事はしない) 】  備考:凰牙は通常の補給ポイントによる補給は不可能。     セルブースターのハイパーデンドーデンチでしかENの補給は出来ません。 【リリーナ・ドーリアン 搭乗機体:セルブースターヴァルハラ (GEAR戦士電童)  現在位置:D-7市街地  パイロット状態:健康。ロジャーに対して少し(かなり?)ご立腹  機体状態:良好  第一行動方針:参加者達に完全平和主義を説く  最終行動方針:話し合いによって殺し合いを止める】  備考:セルブースターはハイパーデンドーデンチ12本(凰牙の補給6回分)を搭載。     ちなみに二人乗り。】 【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し  パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労、無茶苦茶空腹  機体状況:良好  現在位置:D-7市街地周辺 第一行動方針:食料の確保 第二行動方針:機体の確保  第三行動方針:他の参加者を全滅させる  最終行動方針:元の世界に帰る】 備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費 【初日 15:30】 ---- |BACK||NEXT| |[[東北東に進路を取れ]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[淡い記憶と、現実]]| |[[貫く、意地]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[気になる、あの子]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[The two negotiators]]|ロジャー|[[護るべきもの]]| |[[The two negotiators]]|リリーナ|[[護るべきもの]]| |[[髑髏と悪魔が踊るとき]]|シンヤ|[[パンがなければお菓子をお食べ]]| ----
*&color(red){死活問題 ◆Nr7qwL8XuU} 一つの人影がF-6地区からE-6地区の南東の端に踏み入った。2mほどしかないその影の移動速度はすさまじく彼か人ではないこと物語っている。 彼の名は相羽シンヤ。壮絶な戦闘の末辛くも勝利を収めた彼はテックセットを解くことなく移動していた 目指すは南西方向に見える市街地。人が集まりそうなそこならば、 ただの人間にあそこまで追い詰められ苛立つ神経を癒してくれる相手がいるだろうとふんだのである しかし、このゲームの参加者が彼を癒せる手段はただ一つ―― 彼を癒すことはすなわち彼に屠り殺されること意味していた―― 哀れな贄を求め渇望する心は強く衝動に身を任せ彼は全力で市街地を目指していた 同時刻、相羽シンヤと目的地を同じとする二人組みがいた。ロジャー・スミスとリリーナ・ピースクラフトである とはいえ二人の現在地はE-7地区であり、相羽シンヤとの間にはそうとうの距離があるため互いは気づいていない。 移動開始時刻が一時間ほどはやかったのも彼らに幸いしていた 「リリーナ嬢、何度も言うようだが・・・」 いっこうに返事を返してこない依頼者に対して話しかける 「仕様書を見るかぎり凰牙の補給は君のヴァルハラでも可能なようだ。一度、デンドーデンチのストックを確認させていただけないか?」 「・・・・・・・・・」 通信機の先の彼女は以前沈黙を守ったままである 返答すら返ってこないのでは交渉にすらならない。ため息が漏れる ああは言ったが実のところ凰牙の補給はヴァルハラでしか不可能なようだ。そしてこの機体は燃料効率がすこぶる悪い この遅々とした移動もリリーナ嬢にばれないように凰牙の移動速度をいろいろ試してみて最も燃料効率のいい速度を選んだ結果である 補給のめどが立たない以上、節約するほかなかった ふてくされてしまったこの依頼者相手にどうしたものかと彼は頭を悩ませつつ西進していた 「・・・確認させていただけないか?」 何度目かの通信が入る。それに彼女は無視を決め込んでいた うかつに通信に応じれば彼の弁論に打ち負けてしまう危険がある。沈黙が一番だった 彼女が沈黙を守る理由、それには多少の理由がある。彼女とてただ不機嫌なだけで無視を決め込んでいるわけではない 確かに先の戦闘で自分の理想に同乗してくれたかと思えばあっさりと裏切った彼にたいして胸中渦巻くものはあった しかし、それにいつまでも腹を立てているほど自分は子供ではない 彼女の狙いは凰牙の燃料切れにある そう燃料さえ切れてしまえばもう勝手に攻撃をおこなわれることもない もう一人乗せるスペースくらい十分にある。移動はヴァルハラでおこなえば十分なのだ 無論、操縦などはさせる気はない 自身の考えを確認し彼女は思う そう、自分は決して腹を立てているわけではないのだと・・・ 彼女の腹の底は意外に黒いのかもしれない そして、二機は目的の場所にたどり着く市街地はもう目の前だった その頃、相羽シンヤも市街地を確認していた。同時にそこに入っていく二機の姿も見えた。目的地まであと少し、しかも獲物つきとはがぜん殺る気が沸き起こる しかし、殺る気とは裏腹に不意に彼の視界は歪む。ここまでやってきたその勢いのまま姿勢は崩れ倒れこむ。 ロワ開始からわずか3時間と少し、彼は死活問題に直面した 倒れこんだテッカマンエビルは自らに起こった状況を悟る (しまった・・・。うっかりしていた) 彼は悔やむ (二度のテックセットとボルテッカのツケか・・・クソッ!気をつけていさえすればこんなことには・・・) そう気をつけていさえすればこんなことにはならないはずだった。サイコのコックピットにはこの状況に陥らないだけの量が支給されていた 今更ながらにサイコを失ったことが悔やまれる。くわえて言えばX-2のコックピットブロックを消滅させていなければ防げていた状況でもあった 彼は気づく。 テックシステムを多用すれば現在の状況に陥る。しかし、人間体のまま移動するには一つ当たり50キロ四方のブロックが64もあるこの会場は広すぎる なによりテッカマンではあれは大量に持ち運べない。テックシステムだけで乗り切れるほどこのロワは甘くはなかった 彼は悟る 自分にとっても機動兵器は重要であることを――― 何より他の参加者からあれを早急に奪う必要があることを――― いつとまるとも知れず彼の腹の虫は盛大に鳴いていた・・・ 【ロジャー・スミス 搭乗機体: 騎士GEAR凰牙 (GEAR戦士電童)  現在位置:D-7市街地  パイロット状態:健康  機体状態:良好。ENを数%消費  第一行動方針:リリーナと共に西の市街地へ向かう  第二行動方針:リリーナを守りながら、参加者に彼女の完全平和主義を説く 第三行動方針:補給の交渉を成功させる 第四行動方針:燃料の節約  最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイションに値しない相手には武力行使も厭わないが、相手を殺す事はしない) 】  備考:凰牙は通常の補給ポイントによる補給は不可能。     セルブースターのハイパーデンドーデンチでしかENの補給は出来ません。 【リリーナ・ドーリアン 搭乗機体:セルブースターヴァルハラ (GEAR戦士電童)  現在位置:D-7市街地  パイロット状態:健康。ロジャーに対して少し(かなり?)ご立腹  機体状態:良好  第一行動方針:参加者達に完全平和主義を説く  最終行動方針:話し合いによって殺し合いを止める】  備考:セルブースターはハイパーデンドーデンチ12本(凰牙の補給6回分)を搭載。     ちなみに二人乗り。】 【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し  パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労、無茶苦茶空腹  機体状況:良好  現在位置:D-7市街地周辺 第一行動方針:食料の確保 第二行動方針:機体の確保  第三行動方針:他の参加者を全滅させる  最終行動方針:元の世界に帰る】 備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費 【初日 15:30】 ---- |BACK||NEXT| |[[東北東に進路を取れ]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[淡い記憶と、現実]]| |[[貫く、意地]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[淡い記憶と、現実]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[The two negotiators]]|ロジャー|[[護るべきもの]]| |[[The two negotiators]]|リリーナ|[[護るべきもの]]| |[[髑髏と悪魔が踊るとき]]|シンヤ|[[パンがなければお菓子をお食べ]]| ----

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