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殺意は昏き火が如く」(2008/03/05 (水) 17:35:58) の最新版変更点

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*&color(red){殺意は昏き火が如く ◆ZbL7QonnV.} 「ち……さっきの奴は逃しちまったか……」  流竜馬は苛立っていた。自分が現在置かれている今の状況に、激しく怒りを憶えていた。  何もかもが気に喰わなかった。  このクソッタレなゲームの事も、こんな馬鹿げたゲームを企てたあの化け物も、そしてそれに巻き込まれてしまった事も、全てが苛立ちの対象だった。  生きる為に他人を蹴落とす。これは、まだいい。これまでに繰り広げた戦いの中でも、そういった局面には何度も出くわしてきた。  他人の為に自分を犠牲にしてやるなど、甘ったれたガキの考えだ。名前も知らない他人の為に、自分の命を譲ってやる道理は無い。  だが……それでも、この状況は気に喰わなかった。  あんな得体の知れない化け物に従わされている事が、無性に腹立たしかった。  そして、なにより――永らく待ち望み続けていた復讐の機会が奪われた事が、なによりも我慢ならなかった。 「さっきのジジイみてえに、俺以外の全員が殺る気になってるって言うんなら、面倒臭え事は考えずに済むんだがな……」  獰猛な殺気を隠そうともせずに、竜馬は冷たい声で言う。言葉の内容とは裏腹に、男の声に情容赦など微塵も無かった。  ……以前の自分ならば、こんなゲームに乗ろうとは思わなかったのかもしれない。  ここから抜け出す方法を、必死に探し出そうとしたのかもしれない。  だが……長い獄中の生活は、彼を変えてしまっていた。  自分を裏切ったあの男……神隼人。  かつては戦友でありながら、自分を裏切り獄中に貶めた神隼人!!  奴に対する激しい憎悪が胸の奥に積み重なり、このドス黒い復讐心以外には何も残らなくなってしまった。  そしてその復讐心は、今この瞬間も自分を燃やし続けている……。 「待ってろよ、早乙女のジジイ……それに、隼人……! このゲームから抜け出して、てめえらを必ず血祭りに上げてやる……!」  ……思い出す。  復活の早乙女、空を覆い尽くさんばかりのゲッタードラゴン、それに単身立ち向かう自分。  そして……ゲッターG軍団との戦闘中、のうのうと自分の前に姿を現した裏切り者の神隼人。  もう少しだ……もう少しで、あの裏切り者をブチ殺してやれたものを……!! 「俺が戻るまで……絶対に死んだりするんじゃねぇぞ……!」  憎悪に目をギラつかせながら、流竜馬は拳を握る。  迷いは無かった。この手で隼人を地獄に叩き落してやれるのならば、他など知った事ではない。  このふざけたゲームで勝ち上がらなければならないのなら、そうしてやるまでの事だった。  かつての愛機――ゲッター1のマントさながらに、大雷鳳のマフラーは吹き抜ける風に棚引いていた。 【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル)  パイロット状態:良好  機体状態:良好  現在位置:C-8  第一行動方針:サーチアンドデストロイ  最終行動方針:ゲームで勝つ】 【初日 13:30】 ----
*&color(red){殺意は昏き火が如く ◆ZbL7QonnV.} 「ち……さっきの奴は逃しちまったか……」  流竜馬は苛立っていた。自分が現在置かれている今の状況に、激しく怒りを憶えていた。  何もかもが気に喰わなかった。  このクソッタレなゲームの事も、こんな馬鹿げたゲームを企てたあの化け物も、そしてそれに巻き込まれてしまった事も、全てが苛立ちの対象だった。  生きる為に他人を蹴落とす。これは、まだいい。これまでに繰り広げた戦いの中でも、そういった局面には何度も出くわしてきた。  他人の為に自分を犠牲にしてやるなど、甘ったれたガキの考えだ。名前も知らない他人の為に、自分の命を譲ってやる道理は無い。  だが……それでも、この状況は気に喰わなかった。  あんな得体の知れない化け物に従わされている事が、無性に腹立たしかった。  そして、なにより――永らく待ち望み続けていた復讐の機会が奪われた事が、なによりも我慢ならなかった。 「さっきのジジイみてえに、俺以外の全員が殺る気になってるって言うんなら、面倒臭え事は考えずに済むんだがな……」  獰猛な殺気を隠そうともせずに、竜馬は冷たい声で言う。言葉の内容とは裏腹に、男の声に情容赦など微塵も無かった。  ……以前の自分ならば、こんなゲームに乗ろうとは思わなかったのかもしれない。  ここから抜け出す方法を、必死に探し出そうとしたのかもしれない。  だが……長い獄中の生活は、彼を変えてしまっていた。  自分を裏切ったあの男……神隼人。  かつては戦友でありながら、自分を裏切り獄中に貶めた神隼人!!  奴に対する激しい憎悪が胸の奥に積み重なり、このドス黒い復讐心以外には何も残らなくなってしまった。  そしてその復讐心は、今この瞬間も自分を燃やし続けている……。 「待ってろよ、早乙女のジジイ……それに、隼人……! このゲームから抜け出して、てめえらを必ず血祭りに上げてやる……!」  ……思い出す。  復活の早乙女、空を覆い尽くさんばかりのゲッタードラゴン、それに単身立ち向かう自分。  そして……ゲッターG軍団との戦闘中、のうのうと自分の前に姿を現した裏切り者の神隼人。  もう少しだ……もう少しで、あの裏切り者をブチ殺してやれたものを……!! 「俺が戻るまで……絶対に死んだりするんじゃねぇぞ……!」  憎悪に目をギラつかせながら、流竜馬は拳を握る。  迷いは無かった。この手で隼人を地獄に叩き落してやれるのならば、他など知った事ではない。  このふざけたゲームで勝ち上がらなければならないのなら、そうしてやるまでの事だった。  かつての愛機――ゲッター1のマントさながらに、大雷鳳のマフラーは吹き抜ける風に棚引いていた。 【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル)  パイロット状態:良好  機体状態:良好  現在位置:C-8  第一行動方針:サーチアンドデストロイ  最終行動方針:ゲームで勝つ】 【初日 13:30】 ---- |BACK||NEXT| |[[迷いの行く先]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[カフェタイム ―あんたらつくづく…―]]| |[[インターミッション]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[月の戦神と黄金の指]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[憎悪]]|竜馬|[[それぞれの立場 それぞれの道]]| ----

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