「護るべきもの」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

護るべきもの」(2008/03/05 (水) 18:06:28) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*&color(red){護るべきもの ◆T6.9oUERyk} 「まるで積み木の街だな」 ビルの谷間で騎士凰牙を進めながらロジャーはつぶやく。 この街にはまるで生活臭がない。 ゴーストタウンとも違う。街という物は、人が絶えた後でもそこに生活の残滓があるものだ。 だが、この街にはそれが無い。まるで店頭に並べられた真新しい家具の様に、人に使われた雰囲気が無い。 「始めから人が住むことを前提としていない、ゲームの舞台にあつらえたジオラマという訳か。」 悪趣味なことだ、と思う。 すでに分かってはいた事だが、このゲームの主催者はどうにも悪趣味極まりない様だ。 あの無愛想なアンドロイドなら何と評するだろうか? この場にはいない身内のことを思いつつ、ロジャーは上空のヴァルハラへと通信を開く。 「リリーナ嬢、周囲には誰もいないかね?」 上空を大きく旋回するヴァルハラから返答が 『少なくとも、街の北には何も見えません。街のほうも怪しいものは見えませんが…』 「とりあえず目立つ動きが見当たらなければ大丈夫だろう。ここで少し休憩をしようと思うのだが…」 その言葉を言い終える前に、 『ロジャーさん!!』 騎士凰牙の左腕は、光の三叉鉾によって切り落とされた。 「何てこと…」 自分のミスだ、先刻から何度も周囲の探索はしているのにあのMSの存在にまるで気がつかなかった。 自分の失態があのネゴシエイターを窮地に陥れている。 戦闘を止めるべく、降下に入ろうとするヴァルハラ。 だが、自体は彼女の思考を超えて進んでいく。 「あれは…ガンダム!?」 「くそっ、このぉぉぉ!!」 神名綾人は健闘していると言えるだろう。 彼がD-7の市街地に到達してからしばらくして、上空に航空機の姿を見つけた。 航空機に見つからぬように慣れない操縦法に苦戦しつつ慎重に観察しているうちに、 航空機が旋回飛行をしながらゆっくりと西へ移動移動していることに気づいた。 旋回の中心点に味方機がいるのだろうと、ビル郡に隠れながら接近し、黒いロボット を発見。 そのまま慎重に後をつけ、黒いロボットが“油断”を見せるのを一時間近く待ち続けた。 神経をすり減らすような尾行に耐え、ついに見せた黒いロボットの一瞬の気の緩み。 綾人はスラスターを全開まで吹かしビームトライデンで袈裟切りにに切りかかり… 切り裂いたのは黒いロボットの左腕だった。 「これは少々まずいな…」 ロジャー・スミスは顔をしかめる。 奇襲を受けたのは自身の失態である。 戦闘の素人であるリリーナ嬢に満足な監視が出きるわけが無い、だから奇襲を受けたのは 彼のミスだ。だが、それはこの際どうでもいい。 問題は騎士凰牙のENである。ここまでの移動と現在の激しい戦闘により、EN残量は危険な 域に達しつつある。一回り小柄な機体の、しかし強烈な斬戟を捌きながらも思案する。 このままではいずれENが尽きてしまう、そうなればまな板の上の鯛だ。 だが、説得が通じるか? 相手の動きにはぎこちなさがあるが、それを補って有り余るほどの気迫がある。 この強烈なまでの敵意を相手に、ネゴシエイトが出来るのか? 「いや、出来る出来ないの問題ではない…」 そう、これは成功するか見込みがあるか否かという問題ではない。 この法も人倫も及ばぬ狂気の舞台で、それでも己の在り方を貫き通す。 それがリリーナ嬢から与えられた報酬、ネゴシエイターとしての矜持。 「緑の機体のパイロットよ、戦闘を停止して欲しい。こちらに戦闘の意思は無い。」 『生き残った最後の一人だけが元の世界に帰れる。確かにこの状況では唯一の希望だろう。』 ビームトライデントを唐竹割りに振り下ろす、黒いロボットは膝立ちのまま足のタービンを使い高速回避。 『だが、考えてみたまえ。あの主催者が我々をこのような不条理に巻き込んだ輩がはたしてその約束を守ると思えるだろうか?』 右手へと高速で離れた相手に右腕のドラゴンハングを繰り出す、うねりながら喰らいつこうとする竜の頭はしかし右腕のタービン の回転に払われ大きく反れた。 「それこそ、あんたの思い込みじゃないのかよ!!」 叫びと共に踏み込む。払われた竜の顎はそのまま背後のビルへと食い込み、その構造材へと喰らいつく。 竜の頭をアンカーとし、腕の収縮力とブースターの推力で一瞬で加速。機体ごと突進し、全重量を載せた高速の突きを黒いロボット へと叩き込む。ビルを背にした黒いロボットは逃げ切れない。 『そうかもしれんな、だが君は人の命を玩具にする輩を信用できるのか!約束事とは信義の上に成り立つものだ。人の尊厳を奪い ゲームの駒にするあの怪物が、人間との約束を守ると思うのか?奴にとっては我々は単なる駒に過ぎないのだぞ!!』 必殺の突きを前方・アルトロンガンダムの上へと跳躍することで回避した黒いロボット。左右か真上に逃れれば十分に反応できた はずだが、さすがに相対速度が速過ぎて狙いを修正し切れなかった。それでも、右足のタービンに損傷は与えた。 そして、上空からも通信が入る。 『もう分かったはずです、私たちに戦闘の意思が無いのは。』 その通りだ、彼らは一度も攻撃を仕掛けてこない。上空から攻撃をされれば、対空兵器の乏しいこの機体では苦しかっただろう。 反転し、背後に着地した黒いロボットへと突き進む。 『戦闘を停止して下さい。話し合いましょう。この戦いが無益なことは分かっているはずです。』 「わかってるさ!!」 反射的に怒鳴り返す。 「わかってるさ!こんなことをしちゃ行けないってことは。だけど…」 バックステップで距離を取ろうとする黒いロボットだが、右足の損傷のためか若干動きが鈍い。 「俺は帰るんだ…帰って、朝比奈を…」 その声をかき消すように、騎士凰牙とアルトロンガンダムの間で巨大な爆発が生じた。 「な…!」 リリーナは驚愕した。 後退する騎士凰牙と追撃するガンダムの間で突如として大爆発が生じたのだ。 両機ともこのような大爆発を起こす兵器を使用したそぶりは無い。そして、爆発の直前に“何か”が両機の間に落下した。 リリーナ・ピースクラフトは完全平和主義を掲げる関係上、人類の戦争の歴史も熱心に学んでいる。その知識が弾き出した答えは 「これは…艦砲射撃!?」 実弾砲撃、それも戦艦級の大口径砲による。 即座に砲撃してきた相手を探そうと周囲を見回し… 彼女は見た、蒼空から逆落としに青黒い戦闘機が急降下する姿を。 無敵戦艦ダイによる長距離砲撃は、信じがたいことに争う二機のど真ん中に着弾した。 連中の動きを一瞬でも止めるために市街地に派手な一撃を撃ち込んでくれ、と適当に距離と方位を告げたのだが。 結果はまさかのラッキーヒット。まあユリカらしいといえばらしい。 動きを止めた二機のうち、緑の小型機に狙いを定める急降下する。 先ほどからの通信を拾えば、どちらがより危険かは一目瞭然だ。 突然目の前で起きた大爆発に、追撃は完全に止められた。 相手の切り札か第三者の介入か、どちらにせよこのままでは危うい。 「くそ、後退する!」 TERRAにいたことで付いたの癖か、報告を入れつつもこの場から離脱しようとする。その判断は遅すぎたが。 ミサイル警報と共に上空から多数のミサイル。綾人は反射的に機体を横に投げ出す。  激しい爆炎から飛び出したアルトロンガンダムはビームトライデントごと左腕を失い、左半身の装甲もボロボロであった。 着地と同時に、コンソロールからは無数の警報が悲鳴のように鳴り響く。 「こんな所で死んでたまるかよ!!俺は朝比奈を…」 MUとの戦いの中で培った勘が危機を告げる。機体を右手、ビルの壁面に投げ出す。薄い外壁に潜り込むように機体を叩きつけ、 背後からの銃撃を回避。そのまま鳴り響く警報を無視してビルの内部を突き破り反対側の道路へと飛び出る。 「朝比奈を護るんだぁぁぁぁああああ!!」 飛び出すのと同時に右腕のドラゴンハングを突き出す。 傷つき、瀕死の竜は黒い左腕を食いちぎり… 急降下しつつ砲撃で止まった敵機に上空からミサイルを斉射。そのままガウォーク形態へと変形し、緩降下からホバリングへ。 ミサイルの雨を辛うじて切り抜けた敵機に背後から銃撃するも、敵機はビルの中へと強引に突っ込んで回避。 そのままビルを通り抜けて闘争するであろうとあろうと判断し、勢いを殺さぬままビルを回り込み敵機の先回りに成功したが… 「人の執念、か…」 すでに死に体の相手は、それでもこちらが先回りをすることを予測しカウンターの一撃を放ってきた。 そして、相手の一撃はYF-21の左腕を食いちぎり、こちらの拳は敵機のコクピットを完全に叩き潰した。 あのパイロット叫びが耳から離れない。彼にも全てと引き換えにしてでも、悪魔に魂を売ってでも護るべき人がいたのだろう。 そんな思いを振り切るように、YF-21は腕を引き抜き身を翻す。死した竜はゆっくりと崩れ落ち… 振り向いた先には黒いロボットがいた。 【ロジャー・スミス 登場機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童) パイロット状態:若干体力消耗 機体状態:左腕喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)、ENレッドゾーン 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:乱入者(アキト)と交渉する 第二行動方針:リリーナを護りながら、参加者へ彼女の完全平和主義を説く 第三行動方針:リリーナを説得してENの補給 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉) 備考:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能】 【リリーナ・ドーリアン 登場機体:セルブースターヴァルハラ(GEAR戦士電童) パイロット状態:健康、綾人の死に深い悲しみ 機体状態:良好 現在位置:D-7市街地上空 第一行動方針:乱入者(アキト)に完全平和主義を説く 最終行動方針:話し合いによって殺し合いを止める 備考:ハイパーデンドーデンチ12本(凰牙の補給6回分)搭載】 【テンカワ・アキト 登場機体:YF-21(マクロスプラス) パイロット状態:良好 機体状態:左腕喪失、マイクロミサイル1/3消費、ガトリンクガンポッド若干消費、EN若干消費 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:ロジャーたちとコンタクト 第二行動方針:ユリカを護る(そのためには自分が犠牲になってもかまわない) 最終行動方針:ユリカを元の世界に帰す(そのためには手段は問わない)】 【ミスマル・ユリカ 登場機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!) パイロット状態:良好 機体状態:良好、大砲を一発消費 現在位置:D-7補給施設 第一行動方針:襲われていた人たち(ロジャー・リリーナ)を助ける。 第二行動方針:補給施設を占拠して仲間を集める 第三行動方針:ガイの顔を見たい 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:YF-21のパイロットがアキトだと知りませんが、もしかしたらとは思っています    アキトの名前はガイだと思っていますが若干の疑問もあります】 &color(red){【神名綾人 登場機体:アルトロンガンダム(新機動戦士ガンダムW EndlessWaLtz)} &color(red){パイロット状態:圧死} &color(red){機体状態:コクピット破壊、左腕喪失、左半身ボロボロ】} 【残り48人】 【初日 16:20】 ----
*&color(red){護るべきもの ◆T6.9oUERyk} 「まるで積み木の街だな」 ビルの谷間で騎士凰牙を進めながらロジャーはつぶやく。 この街にはまるで生活臭がない。 ゴーストタウンとも違う。街という物は、人が絶えた後でもそこに生活の残滓があるものだ。 だが、この街にはそれが無い。まるで店頭に並べられた真新しい家具の様に、人に使われた雰囲気が無い。 「始めから人が住むことを前提としていない、ゲームの舞台にあつらえたジオラマという訳か。」 悪趣味なことだ、と思う。 すでに分かってはいた事だが、このゲームの主催者はどうにも悪趣味極まりない様だ。 あの無愛想なアンドロイドなら何と評するだろうか? この場にはいない身内のことを思いつつ、ロジャーは上空のヴァルハラへと通信を開く。 「リリーナ嬢、周囲には誰もいないかね?」 上空を大きく旋回するヴァルハラから返答が 『少なくとも、街の北には何も見えません。街のほうも怪しいものは見えませんが…』 「とりあえず目立つ動きが見当たらなければ大丈夫だろう。ここで少し休憩をしようと思うのだが…」 その言葉を言い終える前に、 『ロジャーさん!!』 騎士凰牙の左腕は、光の三叉鉾によって切り落とされた。 「何てこと…」 自分のミスだ、先刻から何度も周囲の探索はしているのにあのMSの存在にまるで気がつかなかった。 自分の失態があのネゴシエイターを窮地に陥れている。 戦闘を止めるべく、降下に入ろうとするヴァルハラ。 だが、自体は彼女の思考を超えて進んでいく。 「あれは…ガンダム!?」 「くそっ、このぉぉぉ!!」 神名綾人は健闘していると言えるだろう。 彼がD-7の市街地に到達してからしばらくして、上空に航空機の姿を見つけた。 航空機に見つからぬように慣れない操縦法に苦戦しつつ慎重に観察しているうちに、 航空機が旋回飛行をしながらゆっくりと西へ移動移動していることに気づいた。 旋回の中心点に味方機がいるのだろうと、ビル郡に隠れながら接近し、黒いロボット を発見。 そのまま慎重に後をつけ、黒いロボットが“油断”を見せるのを一時間近く待ち続けた。 神経をすり減らすような尾行に耐え、ついに見せた黒いロボットの一瞬の気の緩み。 綾人はスラスターを全開まで吹かしビームトライデンで袈裟切りにに切りかかり… 切り裂いたのは黒いロボットの左腕だった。 「これは少々まずいな…」 ロジャー・スミスは顔をしかめる。 奇襲を受けたのは自身の失態である。 戦闘の素人であるリリーナ嬢に満足な監視が出きるわけが無い、だから奇襲を受けたのは 彼のミスだ。だが、それはこの際どうでもいい。 問題は騎士凰牙のENである。ここまでの移動と現在の激しい戦闘により、EN残量は危険な 域に達しつつある。一回り小柄な機体の、しかし強烈な斬戟を捌きながらも思案する。 このままではいずれENが尽きてしまう、そうなればまな板の上の鯛だ。 だが、説得が通じるか? 相手の動きにはぎこちなさがあるが、それを補って有り余るほどの気迫がある。 この強烈なまでの敵意を相手に、ネゴシエイトが出来るのか? 「いや、出来る出来ないの問題ではない…」 そう、これは成功するか見込みがあるか否かという問題ではない。 この法も人倫も及ばぬ狂気の舞台で、それでも己の在り方を貫き通す。 それがリリーナ嬢から与えられた報酬、ネゴシエイターとしての矜持。 「緑の機体のパイロットよ、戦闘を停止して欲しい。こちらに戦闘の意思は無い。」 『生き残った最後の一人だけが元の世界に帰れる。確かにこの状況では唯一の希望だろう。』 ビームトライデントを唐竹割りに振り下ろす、黒いロボットは膝立ちのまま足のタービンを使い高速回避。 『だが、考えてみたまえ。あの主催者が我々をこのような不条理に巻き込んだ輩がはたしてその約束を守ると思えるだろうか?』 右手へと高速で離れた相手に右腕のドラゴンハングを繰り出す、うねりながら喰らいつこうとする竜の頭はしかし右腕のタービン の回転に払われ大きく反れた。 「それこそ、あんたの思い込みじゃないのかよ!!」 叫びと共に踏み込む。払われた竜の顎はそのまま背後のビルへと食い込み、その構造材へと喰らいつく。 竜の頭をアンカーとし、腕の収縮力とブースターの推力で一瞬で加速。機体ごと突進し、全重量を載せた高速の突きを黒いロボット へと叩き込む。ビルを背にした黒いロボットは逃げ切れない。 『そうかもしれんな、だが君は人の命を玩具にする輩を信用できるのか!約束事とは信義の上に成り立つものだ。人の尊厳を奪い ゲームの駒にするあの怪物が、人間との約束を守ると思うのか?奴にとっては我々は単なる駒に過ぎないのだぞ!!』 必殺の突きを前方・アルトロンガンダムの上へと跳躍することで回避した黒いロボット。左右か真上に逃れれば十分に反応できた はずだが、さすがに相対速度が速過ぎて狙いを修正し切れなかった。それでも、右足のタービンに損傷は与えた。 そして、上空からも通信が入る。 『もう分かったはずです、私たちに戦闘の意思が無いのは。』 その通りだ、彼らは一度も攻撃を仕掛けてこない。上空から攻撃をされれば、対空兵器の乏しいこの機体では苦しかっただろう。 反転し、背後に着地した黒いロボットへと突き進む。 『戦闘を停止して下さい。話し合いましょう。この戦いが無益なことは分かっているはずです。』 「わかってるさ!!」 反射的に怒鳴り返す。 「わかってるさ!こんなことをしちゃ行けないってことは。だけど…」 バックステップで距離を取ろうとする黒いロボットだが、右足の損傷のためか若干動きが鈍い。 「俺は帰るんだ…帰って、朝比奈を…」 その声をかき消すように、騎士凰牙とアルトロンガンダムの間で巨大な爆発が生じた。 「な…!」 リリーナは驚愕した。 後退する騎士凰牙と追撃するガンダムの間で突如として大爆発が生じたのだ。 両機ともこのような大爆発を起こす兵器を使用したそぶりは無い。そして、爆発の直前に“何か”が両機の間に落下した。 リリーナ・ピースクラフトは完全平和主義を掲げる関係上、人類の戦争の歴史も熱心に学んでいる。その知識が弾き出した答えは 「これは…艦砲射撃!?」 実弾砲撃、それも戦艦級の大口径砲による。 即座に砲撃してきた相手を探そうと周囲を見回し… 彼女は見た、蒼空から逆落としに青黒い戦闘機が急降下する姿を。 無敵戦艦ダイによる長距離砲撃は、信じがたいことに争う二機のど真ん中に着弾した。 連中の動きを一瞬でも止めるために市街地に派手な一撃を撃ち込んでくれ、と適当に距離と方位を告げたのだが。 結果はまさかのラッキーヒット。まあユリカらしいといえばらしい。 動きを止めた二機のうち、緑の小型機に狙いを定める急降下する。 先ほどからの通信を拾えば、どちらがより危険かは一目瞭然だ。 突然目の前で起きた大爆発に、追撃は完全に止められた。 相手の切り札か第三者の介入か、どちらにせよこのままでは危うい。 「くそ、後退する!」 TERRAにいたことで付いたの癖か、報告を入れつつもこの場から離脱しようとする。その判断は遅すぎたが。 ミサイル警報と共に上空から多数のミサイル。綾人は反射的に機体を横に投げ出す。  激しい爆炎から飛び出したアルトロンガンダムはビームトライデントごと左腕を失い、左半身の装甲もボロボロであった。 着地と同時に、コンソロールからは無数の警報が悲鳴のように鳴り響く。 「こんな所で死んでたまるかよ!!俺は朝比奈を…」 MUとの戦いの中で培った勘が危機を告げる。機体を右手、ビルの壁面に投げ出す。薄い外壁に潜り込むように機体を叩きつけ、 背後からの銃撃を回避。そのまま鳴り響く警報を無視してビルの内部を突き破り反対側の道路へと飛び出る。 「朝比奈を護るんだぁぁぁぁああああ!!」 飛び出すのと同時に右腕のドラゴンハングを突き出す。 傷つき、瀕死の竜は黒い左腕を食いちぎり… 急降下しつつ砲撃で止まった敵機に上空からミサイルを斉射。そのままガウォーク形態へと変形し、緩降下からホバリングへ。 ミサイルの雨を辛うじて切り抜けた敵機に背後から銃撃するも、敵機はビルの中へと強引に突っ込んで回避。 そのままビルを通り抜けて闘争するであろうとあろうと判断し、勢いを殺さぬままビルを回り込み敵機の先回りに成功したが… 「人の執念、か…」 すでに死に体の相手は、それでもこちらが先回りをすることを予測しカウンターの一撃を放ってきた。 そして、相手の一撃はYF-21の左腕を食いちぎり、こちらの拳は敵機のコクピットを完全に叩き潰した。 あのパイロット叫びが耳から離れない。彼にも全てと引き換えにしてでも、悪魔に魂を売ってでも護るべき人がいたのだろう。 そんな思いを振り切るように、YF-21は腕を引き抜き身を翻す。死した竜はゆっくりと崩れ落ち… 振り向いた先には黒いロボットがいた。 【ロジャー・スミス 登場機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童) パイロット状態:若干体力消耗 機体状態:左腕喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)、ENレッドゾーン 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:乱入者(アキト)と交渉する 第二行動方針:リリーナを護りながら、参加者へ彼女の完全平和主義を説く 第三行動方針:リリーナを説得してENの補給 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉) 備考:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能】 【リリーナ・ドーリアン 登場機体:セルブースターヴァルハラ(GEAR戦士電童) パイロット状態:健康、綾人の死に深い悲しみ 機体状態:良好 現在位置:D-7市街地上空 第一行動方針:乱入者(アキト)に完全平和主義を説く 最終行動方針:話し合いによって殺し合いを止める 備考:ハイパーデンドーデンチ12本(凰牙の補給6回分)搭載】 【テンカワ・アキト 登場機体:YF-21(マクロスプラス) パイロット状態:良好 機体状態:左腕喪失、マイクロミサイル1/3消費、ガトリンクガンポッド若干消費、EN若干消費 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:ロジャーたちとコンタクト 第二行動方針:ユリカを護る(そのためには自分が犠牲になってもかまわない) 最終行動方針:ユリカを元の世界に帰す(そのためには手段は問わない)】 【ミスマル・ユリカ 登場機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!) パイロット状態:良好 機体状態:良好、大砲を一発消費 現在位置:D-7補給施設 第一行動方針:襲われていた人たち(ロジャー・リリーナ)を助ける。 第二行動方針:補給施設を占拠して仲間を集める 第三行動方針:ガイの顔を見たい 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:YF-21のパイロットがアキトだと知りませんが、もしかしたらとは思っています    アキトの名前はガイだと思っていますが若干の疑問もあります】 &color(red){【神名綾人 登場機体:アルトロンガンダム(新機動戦士ガンダムW EndlessWaLtz)} &color(red){パイロット状態:圧死} &color(red){機体状態:コクピット破壊、左腕喪失、左半身ボロボロ】} 【残り48人】 【初日 16:20】 ---- |BACK||NEXT| |[[出会いと再会]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|[[パンがなければお菓子をお食べ]]| |[[パンがなければお菓子をお食べ]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|[[楽勝!]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[死活問題]]|ロジャー|[[それぞれの立場 それぞれの道]]| |[[死活問題]]|リリーナ|[[それぞれの立場 それぞれの道]]| |[[気になる、あの子]]|アキト|[[それぞれの立場 それぞれの道]]| |[[気になる、あの子]]|ユリカ|[[それぞれの立場 それぞれの道]]| |[[黄色い幻影]]|&color(red){綾人}|| ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: