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Impact of The Red ◆IA.LhiwF3A



 搭乗者の精神力を糧に動く。その特性からオーラバトラーと呼ばれるマシンの一種であるその機体は、
 現在は通常の運用とは一風違った動力、念動力によって飛行を続けている。
「さあて……そろそろケイサル=エフェスに代わる、僕の付き従うべき相手が見つかってもいい頃なんだがね……」
 赤い強獣の甲殻に身を包んだそれ、レプラカーンのコックピットの中にて、孫光龍は呟いた。
 自らの行動理念――身の安全を確保するために、自分より上の力を持った者の下に付く――に基づき行動を開始して、
 既にかれこれ3時間近くが経過している。
 その間に、彼の駆るレプラカーンは二つのエリアを東に跨ぎ、H-1へと移行していた。
 現在、彼は市街地を目指している。地図上で言えば正反対の方向へと移動していることになるが、
 地図の解説によると、この世界は球体のようにエリアの端と端が密接しているということなので問題はない。

「――ん?」
 風を切って機体を進ませていると、前方に二つの機影が見えた。双方共に、やけに悠長な速度で飛んでいる。
 形状を見る限り、二機ともに人型機動兵器の類ではない。戦闘機と――何だ、あれは。
「……ミサイル、だって?」


 その2機、正確には一機と一基であるが――も、後方から接近してくる機体の存在に気が付いていた。
「どうやら他の参加者のようだな。奴との通信回線を開けるか、アムロ?」
「貴様のせいで捕捉されたようなものだというのに、よく言う――戦闘になったときは、分かってるな?」
「私とて死に様は選ぶさ。核の炎に焼かれて朽ち果てるのは望みではない。ああ、それとだな」
「何?」
「可能な限り、相手の機体は傷付けるなよ。私の機体となるのだからな」
「…………」
 様々な思惑が絡み合う中、白き流星と赤い彗星はそこで会話を切って、背後に迫るレプラカーンへと機体(とミサイルの先端)を向けた。
 真紅に染まった昆虫型の機体。見慣れたMSとはテクノロジーのまるで違う、異形のフォルム。
 シャアがぽつりと、「赤い……」と洩らしたのが聞こえたが、とりあえずは無視しておいた。

「そこで制止しろ、赤い機体のパイロット!」
 繋がった通信回線に向けて、鋭い口調で言う。
 アムロの乗るバルキリーは銃撃戦向けの機体、対して目の前の機体は腰に挿してある一振りの剣を見る限り、
 接近戦を得意としているようだ。戦闘に突入したときのことを考えると、これ以上距離を縮めるのは得策ではない。
 ゲームに乗っていない相手であれば、これで止まってくれる筈だが――

「……ミサイルか。ミサイル……あははは、ははははははっ! こりゃいい、傑作だ! 世の中何が起こるか分からないものだね!
 けれど、悪いね。君達は僕の御眼鏡に適わないようだ――聞こえていたら君達の支給された機体の不幸を呪うがいいさ、はははははははっ!!」
「ええい、戯言を! 第一最後の台詞は私のパクリではないか!」
「黙ってろ、シャア! それとさっさと下がれっ!」
 確かに第3者から見れば笑いを堪えきれない図であるのは分かるが、行動を共にしているこちらからしてみればこの状況は笑い事ではないのだ。
 相手がゲームに乗っている者であるならば、それこそアムロは死に物狂いでシャアを守らなければならない。シャアが核ミサイルに乗っている限り。
 剣を抜き、閃光の如きスピードで突っ込んでくる紅の虫型機体に対し、
 アムロもまた紅の戦闘機を『バトロイド』と名付けられた人型形態へと変形させて迎え撃つ。
 戦闘機、中間形態、人型への変形機構。これこそがバルキリーの最大の特性であり、真骨頂であった。

「何、可変機だって!?」
 単なる一戦闘機と高を括っていたのだろう、レプラカーンが機体の勢いを若干弱める。当然、その隙を見逃すアムロではない。
「堕ちろっ!」
 ガンポッドを腰溜めに構えて連射する。これ以上ないタイミングで放った銃撃は正確にレプラカーンの胸部を捉え、爆散させる――
 ――筈だった。相手が並の機体であれば。
 無数の銃弾がレプラカーンへと直撃する寸前、金属同士がぶつかり合うような甲高い音を立て、空中で弾かれてあらぬ方向へと飛んでいく。
 レプラカーンの全身が、磁場のようなものに包まれ守られている。機体には傷一つ付いておらず、決定打となるはずだった攻撃は完璧に防がれていた。

「何だと――Iフィールド? 違う、実弾すら通用しないだと!?」
「ふふふ……いわゆるバリアってやつさ!」
 だからといって、万能にも程があるだろう――内心で悪態を吐くがどうにもならない。再びレプラカーンが突撃を仕掛けてくる。
 ガンポッドでは止められない。アムロはバルキリーを再度ファイター形態へと戻し、接近してくるレプラカーンと距離を取るべく後方へと一旦離脱。
「おやおや、旗色が悪いと見るやいなや逃げるのかい? なかなか利口だけど……僕が逃がすわけないだろうっ!!」
 背後で何かを打ち出す音がした。遠距離に対応出来る武装も積んであるとは、サイズの割に多彩な戦闘スタイルを持つ機体のようである。
「――当たるものか!」
 バルキリーの機体を僅かに逸らし、強大な熱量を持った光の噴流を回避する。そのまま音速の壁を突き抜け、追い縋るレプラカーンを引き剥がす。
 どうやら飛行速度においては、こちらの方が格段に上であるらしい。となれば、ドッグファイトに付き合ってやる道理はない。一撃離脱で片を付けるまでだ。
 十二分に互いの距離が離れたのを確認して、アムロはバルキリーを一気に反転させた。すっかり小さくなった赤い機影に向かって、
 逆に最大戦速で接近する。
 迎撃のつもりか、レプラカーンの両脚部から同時に榴弾が放たれるが、何しろ距離が距離である。
 一切の勢いを殺さずにバルキリーを突っ込ませて、アムロはその二発をも躱してみせた。
 ――これならどうだ、迂闊な奴め!
「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
 それは怒濤の如き、されどある種の芸術的な軌跡を描いて殺到する飛翔弾。裂けていく空気、舞う白煙。バルキリーから放たれた相当量のミサイルは、
 その全弾がレプラカーンの赤いボディへ吸い込まれるように飛んでいった。命中する瞬間を見届けることもなく、バルキリーは再度急速反転。
 遠ざかる二機の距離。そして、後方から続けざまに響いてくる爆裂音。アムロはバルキリーの速度を緩めつつ旋回させて、
 雄大な青空に発生した爆煙と機体を向き合わせた。全てのミサイルが無事に命中したらしい。流石に、この一撃で仕留めきれないなどということは――



「いやいや、いいものを見せてもらったよ」
 仕留め切れていなかった。



「……冗談じゃない」
「はは、中々の手応えだったよ。けれどね、僕の念動力によって存分に膨れ上がったオーラバリアだ。どんな攻撃も通用する筈がないのさ!」
 勝ち誇ったような笑みとともに、レプラカーンのパイロットがご丁寧に解説してくれた。
 なるほど、パイロットの思念を感じて増幅する力――どちらかと言えば、Iフィールドよりもサイコフレームの特性に近い力を持つ機体ということか。
 ――厄介な相手だな。実際にどの程度の威力まで無効化出来るかは知らないが、今あるバルキリーの武装で通用するのか?
 アムロは思考を巡らせる。バルキリーが持つ最強の一撃は、ゼントラーディと呼ばれる巨人類の大型戦艦すら撃沈するという反応弾であるが、
 万が一それすらも有効打にならなかった場合もはや打つ手はない。パイロットの口調からは相当の自信が伺える。まさか、ということもありそうだ。
 先刻の空中戦から、逃げ切ることは容易であるということは分かったが、そうなると残されたシャアの核ミサイルが――
 ――シャア?
「おい――」
 ミノフスキー粒子の濃度が異様に高いこの世界では、目視に頼る以外周囲の状況を把握する方法はない。
 アムロは目の前にいる敵機のことも忘れ、バルキリーでその場を大きく旋回して辺りを見回してみた。
 ――いない。
 あのショッキングピンクに角付きという、恥ずかし過ぎる流線型の姿が何処にもない。
 知らぬ間に撃墜された、などということは在り得ない。このエリア内での核ミサイルの爆発というのは、同時にアムロの死をも意味するからである。
 とすれば、残された答えは一つしかない。
 ――逃げられた。アムロを囮に、一人でこそこそと。

「シャアアアアアアアアアアア! 貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ロンド・ベル隊のエースパイロットは、ネオ・ジオン軍総帥の姑息過ぎる逃走にありったけの怒りを込めて叫んだ。


「フフフ……アムロ。大局的に状況を見るということが出来んから、貴様は永遠にパイロットでしかいられんのだ!」
 バルキリーではレプラカーンを堕とすことは出来ない。そのことに気が付いた3秒後くらいには、
 シャアは核ミサイルへと思念を送り戦いの場から遠ざかっていた。当然のことながら、何の躊躇いもなく。アムロに対して申し訳ないなどという情念もなく。
 しかしまあ、見る限りバルキリーとレプラカーンの飛行速度には相当の開きがあったので、アムロの実力ならば充分に撤退可能であろう。
「そうでなくては私のライバルなど務まらんぞ、アムロ。貴様とはいずれ決着を付けるのだからな――」




「――いずれとは言わず、今すぐに付けてやってもいいんだぞ、シャア?」

 空気が凍りついた。




「――まったく。実際あっさり逃げられてしまっては、笑うしかないね……」
 レプラカーンのオーラソードを鞘に収めつつ、光龍は自嘲気味にそうぼやいた。
 とはいえ、収穫が何もなかった訳ではない。想像以上のオーラバリアの耐久性。小さなボディに秘められたそのスペック。
 そう捨てたものではない。むしろ初戦にしては上出来と言っても良かった。結局のところ、相手は自分に傷一つ付けられず、
 這う這うの体で逃げることしか出来なかったのだから。
「――はは、素晴らしいじゃないかレプラカーン!
 今の僕を従えることが出来るような主なんて、このゲームの中に本当にいるのか? なんてね――あははは、はははははっ!!」
 高笑いを上げる光龍をよそに、コックピットの外、レプラカーンの機体は少しずつ、けれど着実に、その質量を増し始めていた。



 けれど、その辺の脅威は今のところこの二人にとっては知ったこっちゃなかったのであった。
「捕まった!? 何をする気だ、アムロ!」
「たかが核ミサイル一基、バルキリーで振り回してやる!」
「馬鹿なことは止めろ! 私の体調不良は始まっているんだぞ!!」
「バトロイド形態は伊達じゃない!!」
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」」

 ……知ったこっちゃなかったのであった。




【アムロ=レイ 搭乗機体:VF-1Jバルキリー(ミリア機)(マクロス7)
 パイロット状況:そうやって貴様は、永遠に他人を見下すことしかしないんだ!
 機体状況:ガンポッド、ホーミングミサイル共に若干消費
 現在位置:H-2
 第一行動方針:とりあえず核ミサイルをぶん回す
 第二行動方針:シャアと核ミサイルをなんとかする
 最終行動方針:ゲームからの脱出】

【シャア=アズナブル 搭乗機体?:核ミサイル(スーパーロボット大戦α外伝)
 パイロット状況:大佐の命が……吸われていきます……
 機体状況:真っピンク
 現在位置:H-2
 第一行動方針:方針とか考える余裕ない。助けて
 第二行動方針:アムロをダシに別の機体を入手する
 第三行動方針:もしくは隙を見てアムロから機体を奪う
 第四行動方針:核ミサイルをなんとかする
 最終行動方針:ゲームからの脱出】

【孫光龍 搭乗機体:レプラカーン(聖戦士ダンバイン)
 パイロット状態:オーラバリアの多用により若干の疲労、精神的には至って良好
 機体状態:オーラキャノン一発消費、グレネード二発消費、ハイパー化の兆し在り
 現在位置:H-1
 第一行動方針:情報収集のために市街地を目指す
 第二行動方針:己の力を上回る主を見つける
 最終行動方針:生き残る】

【初日 15:00】




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