DLCキャラの考察【前編】

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DLCキャラの考察【前編】 - (2016/12/08 (木) 00:22:24) のソース

#contents(,fromhere=true)
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**はじめに
この記事の内容は当wikiの趣旨から大きく外れたものになります。

「興味ないね」「退屈だわぁ」

という方は遠慮なくイーヤッ!してください。

また筆者はそこそこ1on1の対戦をして、そこそこ大会動画を見て、バリバリにデータを調べまくってはいますが、当然これらのキャラのことを知り尽くしているわけではありません。なるべく当たり障りのない文言で通していきたいと思いますが、このように断ってなお

「エアプじゃないかふざけるな!」「ちゃんと課金したのか!」

とおっしゃられる方は、ぜひ拳で語り合いましょう。

準備はいいですか?

それではまず配信日と価格の確認から。
|キャラクター|配信日|製作発表日|価格|備考|
|ミュウツー|2015/4/15|2014/10/24|450|両機種購入特典。一般配信は4/28。|
|リュカ|2015/6/15|2015/4/2|450||
|ロイ|~|2015/6/14|450||
|リュウ|~|~|650|ステージ「朱雀城」とセット|
|クラウド|2015/12/16|2015/11/13|650|ステージ「ミッドガル」とセット|
|カムイ|2016/2/4|2015/12/16|550|楽曲「if~ひとり思う~」とセット|
|ベヨネッタ|~|~|650|ステージ「アンブラの時計塔」とセット|
WiiU版基準。3DS・WiiU版セットはこれに+100円。


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**ミュウツー

&big(){''「私はなぜここにいるのか…」''}

&youtube(https://youtu.be/ImcbvjNqH-I){480,360}

ver1.0.6から参戦。「スマブラforWiiUがスゴい50の理由」の終盤に突如参戦発表。DLCでキャラクターを出してくることを予測できたユーザーは果たして何人いたのでしょうか。では早速アプデ履歴を見ていきましょう。

#region(close,クリックで開く)
-Ver.1.0.8
--上スマ 1段目判定調整
--空N 着地隙減少19F ⇒ 16F
-Ver.1.1.0
--横強 上シフトの持続減少
--下スマ KBG増加
--前投げ 全段ヒット時10% ⇒ 13%
-Ver.1.1.3
--歩行速度上昇 1.1 ⇒ 1.2
--走行速度上昇 1.7 ⇒ 1.9
--横スマ 根元のダメージ増加15% ⇒ 16% & サイズ拡大
--空N 着地隙減少: 16F ⇒ 13F
--空前 着地隙減少: 18F ⇒ 14F、発生高速化: 7F ⇒ 6F
--空後 着地隙減少: 21F ⇒ 17F、根元判定サイズ拡大&位置変更
--空上 着地隙減少: 16F ⇒ 13F、ダメージ増加: 11%/9%/7.5% ⇒ 11%/10%/9% [根元/中間/先端]、KBG減少: 100 ⇒ 97、BKB増加: 0 ⇒ 40サイズ拡大
--空下 着地隙減少: 22F ⇒ 18F、ベクトル変更: 69 ⇒ 74、判定位置調整、持続増加
--下投げ ベクトル変更: 69 ⇒ 74
--NB サイズ拡大、発射時の反動減少
-Ver.1.1.5
--体重増加: 72 ⇒ 74
--走行速度上昇: 1.90 ⇒ 2.05
--上スマ 全体F 減少: 73F ⇒ 68F
--空N 最終段以外サイズ拡大: 2.3 ⇒ 3
#endregion

…多っ!(あまりの多さに思わず折り畳み表示です)

発売当初は中堅くらいの位置づけだったと記憶していますが、ご覧の強化を受けて凄まじい変貌を遂げました。なかでもver1.1.3、1.1.5と2度にわたる移動速度アップは見逃せません。これを1.1.6現在の走行速度ランキングに当てはめてみるとこんな感じになります。
-1.7(初期)…23位。ドンキーコング、WiiFitトレーナーとほぼ同じ
-1.9(v1.1.3)…12位。メタナイトと同じ
-2.05(v1.1.5)…7位。シークを上回る。6位ゲッコウガ、5位ゼロサムと続く。
もはや駅伝のエースランナーばりのゴボウ抜きです。移動速度は少し上がるだけでも反確や連携などできることが大幅に増えるもの。それをここまでやって強くならないわけがありません。

しかも足が速くなっておきながら増量に成功しているというのも憎いですね。軽さ3位のゲーム&ウォッチの体重が75なので、これ以上は重くできないはず。ギリギリまで体重調整してくる姿はまさにアスリートのそれです。

それでいて空中攻撃の強化も著しい。空Nはもとから後隙がたった5Fしかなかったのに、着地隙が大幅に減少し判定まで強くなってとんでもないことになっています。

んでもって空前。スペックがこんな感じ。
-判定:6-8F
-全体:38F
-攻撃力:13
-角度:50
-KBG:100
-BKB:40
-着地隙:14
-オートキャンセル:36~
他の空前と比較してみましょう。
-発生の早い空前
--発生5F:ワリオ、シーク
--発生6F:ロボット、ディディー、リュウ
-吹っ飛ばしの強い空前
--ピーチ:発生16F、着地隙22F
--トゥーンリンク:発生14F、着地隙18F
発生と吹っ飛ばしをこの次元で両立しているキャラはミュウツーだけなのがよく分かります。性能が良いと空中からの差し込み能力が強すぎてバランスが壊れてしまうからなのでしょう、空前は比較的扱いづらい技が多いのですが、その中でもぶっちぎりのスペックです。独特な軌道の空中ジャンプだからこそ許された性能なのでしょうか。

#image(HNI_0052.JPG,width=640,blank)
&small(){↑ミュウツーの空前。}&small(){ひたすら持ち上げましたが、50°なので角度変更が効きやすく意外と生き残れたりします。}

他にも全体20Fの下強、全キャラ中でも屈指の強さを誇る上投げバーストなど、並のチャージ弾キャラが見たら泣き出す技が勢揃いです。数多の強化により、「軽い上に体が大きくて防御性能が低いが、それに見合うだけのパワーがある」というキャラコンセプトは素晴らしく実現されました。配信が早かったのはラッキーだと言えるかも知れませんね。


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**リュカ

&big(){&b(){「PK Fire!」}}

&youtube(https://youtu.be/olTPWmDAEss){480,360}

ミュウツー販売の2週間前に復活発表。結局出すならなぜ消した。
ではこちらもアプデ履歴からご覧ください。

#region(close,クリックで開く)
-Ver.1.1.0
--歩行速度 0.82→0.85
--空中横移動速度 1.05→1.1
--横強 サイズ拡大、腕の攻撃判定の位置変更
--下強 ベクトル変更: 70/0 ⇒ 76/40 [根元/中間]、根元・中間BKB増加、判定位置調整
--下スマ 全体F減少: 63F ⇒ 59F
--空前 根元のダメージ増加: 8% ⇒ 9%、根元サイズ縮小&位置調整
--つかみ サイズ拡大、全体F減少: 55/65/65 ⇒ 50/60/55 [通常/ダッシュ/振り向き]
--上B 球のサイズ拡大
-Ver.1.1.3
--横強 持続増加、PK部分サイズ拡大
--空N 最終段以外のダメージ増加: 1% ⇒ 2%
--空前 着地隙減少: 15F ⇒ 12F
--つかみ 全体F減少: 50F/60F ⇒ 45F/55F [通常/ダッシュ]
--下B 味方からの飛び道具を吸収した際の回復量が半減。
#endregion

やはり印象的なのは掴み後隙減少です。振り向き掴みは5F、通常・ダッシュ掴みに至ってはなんと10Fも後隙が減っています。
ワイヤー掴み&投げコンボが超優秀なこのキャラにとって、この上方修正が絶大な効果を持つことは言うまでもありません。

forではヒモヘビとPKファイヤーで細かく牽制していくキャラになったのかと思われましたが、投げコンが嵐のように飛び交う今作の空気を吸って大きく成長してくれました。なにかこう、藍より青しみたいな雰囲気もありますけれども。

#image(HNI_0053.JPG,width=640,blank)
&small(){↑先輩と空上勝負。頑張れ。&s(){脳筋なネスvs頭が弱いリュカ…なんてね。}}

リリース当初、Xに比べ各種スマッシュの威力が和らげられたこと、空N空前などの性能がだいぶ控えめになったことを嘆く声もありましたね。が、空中攻撃弱体化はX→forで全キャラに見られる傾向の1つです。スマッシュの性能が丸くなったのもforの環境に合わせてのことでしょう。Xから堂々復活!という謳いが先述のような感想を生んだのでしょうね。でも3ヒットしない下スマは許せない。多分崖周りが強くなりすぎるからだと思いますが…

アプデの話に戻りますと、個人的には横強・空前がクリーンヒットしやすくなった調整がとても気に入っています。あと、空Nの回転部分のダメージ1%→2%。これはちょっとびっくりしましたね。ここは1.5%じゃないの、と。もっと言うとSDI=2なのも微妙に納得がいきません。どうしてこうなった?という調整もあるといえばあるという感想です。これは突貫工事の産物なのか、はたまた私が気付いていない意図があるのか。答えは神のみぞ知る、です。


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**ロイ

&big(){''「ついに帰ってきたぞ!」''}

&youtube(https://youtu.be/T7srlslIM0w){480,360}

2015/6/14、即日配信特番の冒頭で復活発表。ボイスは全て新録ですが、どれもスマブラDXを忠実に再現しています。桜井氏のコメント「スマブラのロイはこうでなくては」には、流石分かってらっしゃる!と返したくなってしまいますね。ついでにマルスも録り直してあげればよかったんじゃ…とも思いますが。

技のモーションの方も、
 弱攻撃・ダッシュ攻撃・横/上強攻撃・横/上スマッシュ攻撃・前/下空中攻撃・通常/上必殺ワザ、下必殺ワザ構えのモーション
が変更されて大幅にパワーアップ。昔は“未熟なマルス”というコンセプトがあったとかなかったとか聞きますが、今比較すると上下方向の移動の速さ・連携しやすい投げなど、マルスが苦手とする部分が強みになっていたりして面白いですね。

さて、気になるアップデート履歴はこちら。

#region(close,クリックで開く)
-Ver.1.1.0
--上必殺ワザ 繋がりやすいように判定微調整
-Ver.1.1.4
--全ての空中攻撃着地隙減少 13F/15F/19F/16F/28 ⇒ 11F/13F/16F/14F/23F
--横B 1段目の発生高速化: 7F~9F ⇒ 6F~8F、全体1F減少
#endregion

後隙の少なさを生かした連携&攻撃後の択の多さがこのキャラの強みの一つですので、着地隙2F減少は数少ない変更でありながら非常に重要な強化だったと言えるでしょう。

とはいえ、鬼のような変貌を遂げたマルス・ルキナとは対照的にとても謙虚です。実はVer1.1.0でマルス・ルキナのマベコンのコンボ接続が後ろに5F伸びているのですが、ロイには変更がありませんでした。また、 [[マーベラスコンビネーション]]のダメージもマルキナより明らかに劣っています。こちらはおそらく走行が速い点を考慮しているのだと思いますが、この辺を見ているとロイをあえて玄人向けのキャラに仕上げようとしている意図が感じられます。

他にも、
-剣キャラだが、根元が強いという性質上インファイトが推奨される
-しかも腕を畳んで剣を振るのでリーチが短め
-縦横ともに機動力は高いが、差し込み技の性能はそこまでよくない
-ダッシュ初速や加速度は低めで小回りが利かない
というあたりが一筋縄ではいかない感じです。これをどう使いこなすか探っていくのも一興でしょう。

#image(HNI_0054.JPG,width=640,blank)
&small(){↑3人で空前比較。マルスは先端、ロイは根元が光っていますね。ちなみにこの画像撮るのに20回くらいやり直しました。}

さて、ロイの楽しさと言えばやはり根元当てでしょう。ほとんどの技は根元にHS補正値×1.3、先端に×0.7がついています。これが根元を当てる爽快さを演出してくれているんですよね。マルスの先端/根元にも類似の設定がありますが、あちらはID優先度の関係で本当てが結構難しい。それに対して、ロイの難しすぎないクリーンヒット判定は使い手の快感をうまーく刺激してくる作りになっています。独特のSEも相まって、一度楽しさを知ればやみつきになること受け合いです。

性能自体は割とシンプルでありながら使い込むことで面白さが発掘できる、いぶし銀的なキャラクターだと思いますね。DLCらしくないといえばそうですが、こういうのは個人的にとても好きです。

余談ですが、ちょっとしたきっかけで「一番スマブラならではのキャラは誰?」という質問について考える機会がありました。何を以て「スマブラならでは」とするかも人それぞれでしょうが、私はこれを「他の(格闘)ゲームにはいないような」と解釈しました。そして、私が最終的に辿り着いた答えがロイです。あえて理由は伏せておきましょう。面白い問題ですので、是非皆さんも考えてみてください。


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**リュウ

&big(){''「ここが大乱闘の世界か…」''}

&youtube(https://youtu.be/MpdmjUYSmfk){480,360}

ついに来た格ゲーからの刺客。個人的に一番サプライズ感のあった参戦キャラです。
今更ですが2015/6/15発売の3キャラについては、海外の解析勢によるリークが一部で出回ってしまっていましたね… ちなみにその頃の日本には解析ツールは存在せず、私に至ってはキャプチャーボードすら持っていない検証勢のタマゴでした。一応念のため、断っておきます。

アップデート履歴はなし。たしかver1.1.3あたりで昇竜拳のパラメータか何かが変わっていましたが、実機での影響は確認されていません。いじる必要のないほど完成度の高いキャラということなのでしょう。

キャラそのものへの変更こそありませんが、皆さんご存知の通りver1.1.1のガードストップの仕様変更による強化は目を見張るものがあります。

リュウのほとんどの技はヒットストップ補正値が1.8です(HS時間1.8倍)。ver1.1.0以前はヒットストップ補正値はガード側にはかからず、攻撃側のストップ時間だけが長くなる仕様でした。HS補正の高い技は、ガードさせたときに攻撃側が不当に不利フレームを背負っていたのです。それがver1.1.1でガード側にも補正がかかるようになり、リュウ側の不利フレームは以前に比べ大きく減りました。例えば空前なら8Fの減少です。すごい。

リリース直後、私はガードさせたときの不利F増加は開発側の意図のうちだと考えていました。ヒット確認のしやすさの代償であり、これを考慮して技の後隙が少なくなってるんだろうなあ、という風に。しかしそれはどうやら見当違いだったようですね。ノックバックや硬直の式も変わっているので一概には言えませんが、アップデートの恩恵を最も受けるキャラがリュウであったことは間違いありません。リュウがきっかけでXから流用した仕様が変更されたのでは…と考えるのは早計でしょうか。

#image(HNI_0055.JPG,width=640,blank)
&small(){↑リュウの下アピール。地味に全アピール中で全体Fが最短。}

スペックも文句なし。
空中技はすべて発生8F以下。その上、空N・空後は十分低空でガードさせると硬直差±0F。
こんなキャラ他にいません。…いないよね?

そして昇竜拳。BKBが80もあります。上方向に飛ばす技はBKBが低め(30~40程度)に設定されているものが多いです。あんまり大きいとラインの有無に関係なくすぐ上に撃墜できてしまうからだと解釈していますが、そんなものどこ吹く風といった顔をしてますね。
※昇竜拳くらいの角度の場合、「BKB+(面倒な式)=190」くらいで終点台上から上バーストです。

参戦ムービーで宣言されている通り、作り込みも本当に素晴らしいとしか言えません。モーションについては原作とスマブラの比較動画でその再現度を紹介したかったのですが、現在は該当動画は削除されてしまったようです。

弱・強攻撃は、ボタンを押した時点では(強)のモーションを取り始め、ボタンを離したフレームに(弱)が出ます。(弱)を出すつもりでも中途半端に長く押してしまうとその分発生が遅くなるわけです。副産物として、「上強(弱)→上強」のキャンセルができるように設定しておくだけで、「上強(弱)から上強(弱)or(強)」の選択ができるようにもなってます。

弱強攻撃同様、技を詰め込むために切り札も2種類。真・昇竜拳は撃墜可能かどうかで声のトーンが変わります。

#image(ryu.jpg,width=640,blank)
&small(){↑波動拳 小・中・大。中波動は受付7Fだからまだいいとして、中昇竜(受付2F)が安定する人っているんですかね。}

また、ジャンプで自分から空中に出ると空中抵抗の値が0になり、スティックを離しても横移動速度が全く減少しません。反対に倒しても減速が非常に遅いです。格ゲーチックな演出であると同時に、空中制動に癖があるという性能調整の一面も持ち合わせているように思われます。ここ、スマブラを格ゲーと比較したときの特徴が垣間見えてちょっと感激するポイントです。

このように、格ゲーをスマブラの枠内でいかに再現するかという努力が至る所に見られる、非常に力の入ったキャラです。しかし普通に参戦させるにはあまりにも型破り。DLCで出すに相応しいファイターだと言えますね。開発班の皆さん、本当にお疲れ様です。


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今回はこの辺にして後編に続きます。
皆さん文字を読むより参戦ムービーを見る方が楽しかったと思いますので、6月の特番を載せて締めくくりとしましょう。

&youtube(https://youtu.be/xvSiyZsiV8U){480,360}

文:DRAFIX

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