フレーム周り


前隙・発生・後隙

技の発生と隙について。とりあえずここでは攻撃技を仮定する。
  • 発生=技のモーションで攻撃判定が始まるF
  • 前隙=発生-1F
  • 後隙=全体F-攻撃判定がある最後のF(一般的に)
前隙=発生ではないことを念のため断っておく。例えばシールド。発生1Fであるわけだが、どういうわけか「1Fの遅れがある」と思い込んでいる人が多い。シールドはモーションの1F目から効果を発揮するため、前隙は0Fである。シールドが間に合うかを調べる際はお互いの行動の全体Fを比べるだけでよい。攻撃側=防御側ならば攻撃を防ぐことができる。余計に1Fを足してはならない。
後隙は一般的に持続最終Fの次から全体F終了までを指す。攻撃を空振りした相手に突っ込んでいく場面を想定するとよい。逆に持続の長い技をガードした場合、後隙と言う単語はあまりあてにならない。例えばリュカの下スマッシュ(攻撃20-21、29-30、39-40F、全体59F)は後隙19Fではあるが、1段目をガードされた場合はずっと長い後隙になってしまう。
上記の事情から、後隙という単語はフレームの話をするには適していないように思う。「後隙が短いから~」という感覚的な話をする分には問題ないが、数値を持ち出すときは全体Fを用いるべきだ。
また稀にではあるが、空中攻撃について後隙と着地隙を混同しているケースを見かける。こちらも全体Fと着地隙で区別をするのがよいだろう。



全体F・FAF・IASA

  • 全体F=技のモーションを終えるのにかかるF
  • FAF=First Active Frame。基本的に全体F+1。
  • IASA= Interruptible As Soon As。基本的に全体F+1。
海外では全体Fについて言及するとき、FAF、IASAという語が用いられることが多い。KuroganeHammerに掲載されているのもFAFである。これらはキャラが行動可能になるFを示しており、基本的に全体Fより数値が1大きくなることに注意しなければならない。

FAFとIASAの違い

FAFは技の後任意の行動が出来るようになるタイミングで、IASAは特定の行動によるキャンセルでもよいから何かしらの行動が取れるタイミングを指す。例えばマーベラスコンビネーションならば、FAFは派生せずに終わった時に初めて動けるフレームを指し、IASAは次の段に派生できるタイミングを指す(もしかしたらこの例も間違っているかも)。
またIASAは技以外にも使える概念で、吹っ飛び硬直、ガード硬直などをIASA(硬直時間+1)で表してもよい。

全体Fと全体モーション

多くの技は、全体Fが終わったあとに何も入力しないと、なめらかにモーションを続けながらニュートラル状態へと戻る。ニュートラル状態に戻り切るまでが全体モーションである。この戻りモーション中は(全体Fが終わっているので)次の行動をすぐ出せる状態にあり、何もしていないのとほぼ同じだ。そのため対戦において、全体モーションは全体Fに比べてはるかに影が薄い。両者は別物であるが、全体モーションの方はほとんど意味をなさないものという認識で問題ない。
下強攻撃の中には後隙終了後、立ち状態ではなくしゃがみ状態に移行するものがある。しゃがみへの移行モーション中はしゃがんでいる扱いになるので、しゃがみから直接出せない向き反転やそれに付随する行動は出せない。このケースでは全体Fが終わっても出せない行動がいくつか存在することになる。
全体モーションが対戦に影響を及ぼすのは、実用的な範囲で
  • 上記の下強のケース
  • 空中攻撃後に崖に掴まろうとするとき
  • アシストフィギュアをキープしながら技を出したとき
などがある。

アメリカ的発想

全体Fという単語は日本で浸透している概念であるのに対し、FAF・IASAは主にアメリカで親しまれている呼称である。以前Smashboardsに「何故アメリカではFAFで表記するのか? ゲガン氏の表のように(←!)全体Fで記述した方が分かりやすいではないか」という書き込みをドイツの人がしていたのを見かけた。世界的にと言ってよいのかは分からないが、やはり考え方として全体Fの方が自然であるのは間違いない。私も全体F表記の方がしっくり来るし、この書き込みに対する反論も私の心にはあまり響かなかったので覚えていない。メートル表記が主流の中で頑なにフィート表記を貫くように、アメリカは数値の測り方に関しては多少異端で頑固な所があるのかもしれない。
そういえば、アメリカのスマブラは日本に比べ攻撃的だという文言を時々見る気がする。FAFは自分が次に動けるのはいつか?という視点であるから、能動的・攻撃寄りの考え方である。一方で、全体Fは動けない時間がどのくらいあるのか?と考えるから、受動的・防御寄りと言えよう。こんな所にも思考回路の違いが表れているのである。



「~F目に」/「~F後に」

これは検証結果を載せる際に気を付けている、というより拘っている表記上の問題点。
ゲームにおける時間はフレーム単位で管理されていて連続ではないので、「~F目」という言い回しの方が正確さを確保できると思う。例えば全体30F・発生8Fの攻撃があったとすれば、全体の映像が紙芝居のように30枚に分割されていて、その8枚目から攻撃が発生すると捉えるという仕組みである。
この表記では開始点が1である。ところが、ふつう「~後に」と書くと一般的には開始点が0で、捉え方は連続的である。まあ「8F後に発生」といえば発生8Fとして受け取ってもらえるだろうが、「生成から615F経過すると」などと書くと何となく怪しくなってくるのではないだろうか。開始点が0か1か、発想がコマ送り的か連続的かという意識がおろそかにならぬよう、細心の注意を払いたい。

入力と動作の対応

関連して、コントローラーの入力がどの程度遅れて反映されるのか?という人間には到底認知不能な問題がある(以降は画面の表示遅延は考えず、機械的な処理のみを考える)。ガードの発生に1Fかかるわけではないと先に書いたけれども、実のところは入力から処理までにほんのわずかな時間がかかっているはずなので、遅延自体は存在する。

さて、私の書き方は入力と動作に一切の遅延が無く、入力した瞬間にその動作が反映されるという考えに基づいている。具体的な言い方をすると、「7F目の動作を決めるのが『7F目の入力』」といった具合である。
遅延が完全に0(画面表示と同時まで受け付け)だと仮定すれば、「7F目の入力」は6.01~7.00Fの間に受け付けられていることになるだろう。これは「紀元N世紀」の発想とちょうど同じである。7F目のモーションを取っている最中に入力しても、7F目の動作には反映されないので気をつけていただきたい。

実際の検証では次のようになる。例えば2Fスキップ法を用いて何かの動作開始からLボタンを3回押し、6F目のコマで時間を停止させたとする。ここから時間を動かせば7F目から動作が再開される。ここで入力を仕込みながら再開した場合、私の計測法では仕込んだボタンを7F目の入力として扱う。再開直後にボタンを押すとそれは7F目には反映されないので、8F目の入力ということになる。

1Fずれてんじゃん!と批判されても仕方ないと思う。一応私の言い分を載せておく。
  • おそらく処理時間としては1よりは0に近い。
  • シールド発生1F問題のような別の勘違いを生む可能性を避けたい。
    • 「入力から1F後に発生」と書くと、ゲーム内でも前隙があると勘違いされる気がする。
  • 1Fずらして書いたところで、6~7Fのどこに受付タイミングがあるのか分からない。
    • 「トレモ1/4スローでほんの一瞬ボタンを押すと反応しないことがあるので、受付タイミングは区間的ではなく点的なのではないか」という意見を以前いただいた。この見方で不都合を感じたことはないのできっと正しい。

論調からお察しの通り、一から十までが理論上の話なので、ツッコミの方はなるべくお手柔らかにお願いしたい。

このようにコントローラーの入力と画面の動きの話はとてもとても面倒くさい。キャプチャ検証で扱えるのもモーションだけなので、有利・不利フレームの計算をするときは、モーションのみで考えて入力そのものは無視するのが賢明である。



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最終更新:2016年09月14日 02:37