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*紅月胴鎧 アカツキノキシニヤキズニタオルルモノナシ。 ソノモノヒイロノコガネヲミニヨロイ、 アカツキノココロザシデタマシイヲヨロウモノナリ。 -暁士伝より- #image(yoroi.jpg) #contents() **概要  この文は暁士伝という史書の一節である。ここに出てくるヒイロノコガネとは暁山系で採掘される赤みを帯びた金属のことであり、焔群(ほむら)伝と呼ばれる鍛冶師の一派の手により加工され、暁の騎士たるもののふの身につける鎧に使われる。  暁騎士団当時自体以前の時代においては胴を覆ういわゆる胴丸などといった形に近いものが普及していたが、集団戦や中距離・遠距離からの攻撃を受けるような戦いなどが広がるにつれ、機能性及び堅牢性が求められるようになった。それに応じ従来の姿に囚われない革新的な鎧が作られるようになったのである。  また集団戦が行われるようになった影響により敵味方の識別の必要性が出てきたため、装飾性も向上している。この鎧にはデザイン自体が単純であるがために、装飾を施しやすいといった利点があったのである。   **特徴  紅月胴鎧と呼ばれるオーダーメイドの鎧が基本となっている。重装備であるが故に、動きを制限しないよう、それぞれ個人ごとに合わせて作られるからだ。多少の誤差であれば締める紐などで対処されるが、あまりにも体格が変わる場合(若い騎士が多いため、成長により着れなくなることも多かった)作り直されることもある。  胴体部は防御面積を増やすために、前面・側面・後面のすべてがヒイロノコガネでできた金属板で構成されている。赤みを帯び、つるりとした平曲面は見た目の美しさもさることながら強度としても銃砲ですら通さないほどの堅牢性を誇る。その装飾としては基本ではメタリックレッドの鏡面の胴前に暁の紋章があしらわれている。  腕部については袖が覆っており、関節部をうまく稼働できるように工夫されているため非常に動き易いのが特徴である。また腕部にある金属板については留めてあるので動きに連動して邪魔になることがないよう非常に実戦的な工夫がなされている。  完全な全身鎧となってないのは、大太刀を振り回す時に邪魔にならないようにという配慮でもある。ある程度の可動範囲がないと大太刀を柔軟性を持って扱うことができないからだ。  これらを見てわかるように紅月胴鎧はそのすべてが実戦向きに作られているのである。 #image(200801124bb.jpg) 本人に合わせて鎧は作られる (ちなみに下の枚方は鎧の上に鎧を着るというかなりワンダーな男) **物語~紅月の帰還  鍛冶工房に鎚の音がはずむ。その熱気はまるで暁山の火口のようでもあり、赤く溶けたヒイロノコガネはさしずめその中に踊るマグマだろうか。幾つもの炉が稼働しているこの鍛冶街にはこういった工房がいくつも立ち並ぶ。  その街に枚方は珍しく一人立っていた。いつもなら横にいるはずのヴィザの姿はない。今日は刀匠斎からの手紙で呼び出されたからだ。  そこには齢100をとうの昔に超えているだろう老人の姿がある。もはや人ですらないかもしれない、と枚方は思った。 「ったく、珍しいこともあるもんだな、爺から呼び出しなんて」 「ったく、お主はかわっとらんの。おしめをしてた頃から知っとるが結局変わらぬままか。趣味の悪い鎧を着おって」 「うるさいぜ」  そうお互いに笑いながら悪態を付き合うと握手を交わす。  その後の刀匠斎の発言は驚くべきものであった。  /*/  紅月胴鎧。それは文献及び国の宝物庫に一領のこるのみの国宝級の鎧である。これを復元する術を見つけてきたとのことだった。すでに工房では試作を開始している、と聞き枚方はすぐに見せろといったと、記録には残ってる。  その準備はすぐに終わった。白州に巻き藁を建て、その上に紅月胴鎧を着せつける。人が着けずにすらその威容に圧倒される。枚方がその手に握る大剣を大きく振りかぶった。最も遠心力をつけて叩き斬る一撃を放とうというのだ。鎧姿の青年が大きく飛び上がる。回転と重力。その両面を兼ね備えた一撃は山をも断つといわれているものだ。  重き刃が鎧に牙をむいた。並みの鎧では鎧ごと両断できる自信はある。 一瞬の太刀筋のみが残る……はずだった。  鈍い感触。なんという重さだろう。 「ガラスの剣でっていうわけにもいかないよな」 「なにおもしろそうなことをやってるのよ。」 「はっわが君!」  後ろからとてとてと現れたのは年若き王であった。 「ふうん」 その一言で終わらせられたが、ヴィザは手に持ってるその蛇腹の剣を振り回し始めた。 「いくの」  駆けだしたヴィザは止まらない。枚方の背中を駆けのぼり空中で大きく回転させて巻きつける。金属の擦れる音が鳴り響いた。 「すばらしいの。これほしいのよ」 「おお、ちっこいの、これが欲しいか。いい目をしておる。爺が作って進ぜよう」 この後着用での試しを行い、国家プロジェクトとしての推進が決定することになる。 この鎧はたいそう多くの命を救ったという。暁の騎士の命とその騎士が守る幾千倍もの命を守るその鎧がここに誕生したのであった。 **データ L:ますらおの鎧の開発(イベント) = {  t:名称 = ますらおの鎧の開発(イベント)  t:要点 = {ますらおとは丈夫のことであり、丈夫がつける重装鎧をますらおの鎧と称した。文句なく丈夫にできており、これによって多くの命を救った。}  t:周辺環境=鍛冶場 ・イラスト:岩澄龍彦 ・文章:風杜神奈
*紅月胴鎧 アカツキノキシニヤキズニタオルルモノナシ。 ソノモノヒイロノコガネヲミニヨロイ、 アカツキノココロザシデタマシイヲヨロウモノナリ。 -暁士伝より- #image(yoroi.jpg) #contents() **概要  この文は暁士伝という史書の一節である。ここに出てくるヒイロノコガネとは暁山系で採掘される赤みを帯びた金属のことであり、焔群(ほむら)伝と呼ばれる鍛冶師の一派の手により加工され、暁の騎士たるもののふの身につける鎧に使われる。  暁騎士団当時自体以前の時代においては胴を覆ういわゆる胴丸などといった形に近いものが普及していたが、集団戦や中距離・遠距離からの攻撃を受けるような戦いなどが広がるにつれ、機能性及び堅牢性が求められるようになった。それに応じ従来の姿に囚われない革新的な鎧が作られるようになったのである。  また集団戦が行われるようになった影響により敵味方の識別の必要性が出てきたため、装飾性も向上している。この鎧にはデザイン自体が単純であるがために、装飾を施しやすいといった利点があったのである。   **特徴  紅月胴鎧と呼ばれるオーダーメイドの鎧が基本となっている。重装備であるが故に、動きを制限しないよう、それぞれ個人ごとに合わせて作られるからだ。多少の誤差であれば締める紐などで対処されるが、あまりにも体格が変わる場合(若い騎士が多いため、成長により着れなくなることも多かった)作り直されることもある。  胴体部は防御面積を増やすために、前面・側面・後面のすべてがヒイロノコガネでできた金属板で構成されている。赤みを帯び、つるりとした平曲面は見た目の美しさもさることながら強度としても銃砲ですら通さないほどの堅牢性を誇る。その装飾としては基本ではメタリックレッドの鏡面の胴前に暁の紋章があしらわれている。  腕部については袖が覆っており、関節部をうまく稼働できるように工夫されているため非常に動き易いのが特徴である。また腕部にある金属板については留めてあるので動きに連動して邪魔になることがないよう非常に実戦的な工夫がなされている。  完全な全身鎧となってないのは、大太刀を振り回す時に邪魔にならないようにという配慮でもある。ある程度の可動範囲がないと大太刀を柔軟性を持って扱うことができないからだ。  これらを見てわかるように紅月胴鎧はそのすべてが実戦向きに作られているのである。 #image(200801124bb.jpg) 本人に合わせて鎧は作られる (ちなみに下の枚方は鎧の上に鎧を着るというかなりワンダーな男) **物語~紅月の帰還  鍛冶工房に鎚の音がはずむ。その熱気はまるで暁山の火口のようでもあり、赤く溶けたヒイロノコガネはさしずめその中に踊るマグマだろうか。幾つもの炉が稼働しているこの鍛冶街にはこういった工房がいくつも立ち並ぶ。  その街に枚方は珍しく一人立っていた。いつもなら横にいるはずのヴィザの姿はない。今日は刀匠斎からの手紙で呼び出されたからだ。  そこには齢100をとうの昔に超えているだろう老人の姿がある。もはや人ですらないかもしれない、と枚方は思った。 「ったく、珍しいこともあるもんだな、爺から呼び出しなんて」 「ったく、お主はかわっとらんの。おしめをしてた頃から知っとるが結局変わらぬままか。趣味の悪い鎧を着おって」 「うるさいぜ」  そうお互いに笑いながら悪態を付き合うと握手を交わす。  その後の刀匠斎の発言は驚くべきものであった。  /*/  紅月胴鎧。それは文献及び国の宝物庫に一領のこるのみの国宝級の鎧である。これを復元する術を見つけてきたとのことだった。すでに工房では試作を開始している、と聞き枚方はすぐに見せろといったと、記録には残ってる。  その準備はすぐに終わった。白州に巻き藁を建て、その上に紅月胴鎧を着せつける。人が着けずにすらその威容に圧倒される。枚方がその手に握る大剣を大きく振りかぶった。最も遠心力をつけて叩き斬る一撃を放とうというのだ。鎧姿の青年が大きく飛び上がる。回転と重力。その両面を兼ね備えた一撃は山をも断つといわれているものだ。  重き刃が鎧に牙をむいた。並みの鎧では鎧ごと両断できる自信はある。 一瞬の太刀筋のみが残る……はずだった。  鈍い感触。なんという重さだろう。 「ガラスの剣でっていうわけにもいかないよな」 「なにおもしろそうなことをやってるのよ。」 「はっわが君!」  後ろからとてとてと現れたのは年若き王であった。 「ふうん」 その一言で終わらせられたが、ヴィザは手に持ってるその蛇腹の剣を振り回し始めた。 「いくの」  駆けだしたヴィザは止まらない。枚方の背中を駆けのぼり空中で大きく回転させて巻きつける。金属の擦れる音が鳴り響いた。 「すばらしいの。これほしいのよ」 「おお、ちっこいの、これが欲しいか。いい目をしておる。爺が作って進ぜよう」 この後着用での試しを行い、国家プロジェクトとしての推進が決定することになる。 この鎧はたいそう多くの命を救ったという。暁の騎士の命とその騎士が守る幾千倍もの命を守るその鎧がここに誕生したのであった。 **データ L:ますらおの鎧の開発(イベント) = {  t:名称 = ますらおの鎧の開発(イベント)  t:要点 = {ますらおとは丈夫のことであり、丈夫がつける重装鎧をますらおの鎧と称した。文句なく丈夫にできており、これによって多くの命を救った。}  t:周辺環境=鍛冶場 L:ますらおの鎧(アイテム) = {  t:名称 = ますらおの鎧(アイテム)  t:要点 = 長い,重い,格好いい  t:周辺環境=鍛冶場  t:評価 = なし  t:特殊 = {   *ますらおの鎧のアイテムカテゴリ = 着用型アイテム,マジックアイテムとして扱う。   *ますらおの鎧の着用箇所 = 鎧(全身装備)として扱う。   *ますらおの鎧の特殊1 = 着用者の装甲判定の評価を+5する。   *ますらおの鎧の特殊2 = 体格と筋力が9以下では使用することが出来ない。#強靱刀とあわせると18以下では使用できない  }  t:→次のアイドレス = 悪魔鎧(アイテム),聖なる鎧(アイテム),大戦士(職業),極上の鎧の開発(イベント) } #このアイテムの初期量産数50 ・イラスト:岩澄龍彦 ・文章:風杜神奈

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