暁犬士

『暁犬士。それは犬として生まれ暁の円卓に在りて、忍びを受け継ぐ。人の友たる暁の猟犬達の形。』


L:暁犬士 = {
 t:名称 = 暁犬士(種族)
 t:要点 = くくく、忍者、犬
 t:周辺環境 = 暁の円卓
 t:評価 = 体格3,筋力3,耐久力1,外見1,敏捷2,器用4,感覚2,知識4,幸運2
 t:特殊 = {
  *暁犬士の人カテゴリ = 犬士種族アイドレスとして扱う。
  *暁犬士は根源力200000を持つ。
  *暁犬士は一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。
  *暁犬士は低物理域戦士系職業についたさい、全能力に+4する。
 }
 t:→次のアイドレス = 犬忍者(職業),工作犬(職業),八艘飛び(絶技),雲隠れ(技術)


ミスト イン デイブレイク

「お、お前……、メスだったのか!」
「いきなり失礼な人ね。何だと思っていらしたの?」

                              ――ミスト(人型)と藩王の会話より


 暁の円卓の王犬、ミストは藩王と共にこの地に訪れた犬士達の王である。
先祖返りしたと言われる雪甲斐犬であり、一代一主の主として藩王を認めたという。
それが暁の円卓という国ができる切掛の一端をになっているのである。

暁の地にたどり着いたミストは建国作業に勤しむ藩王を横目に大いに国土を見て回っていた。
東へ行き訓練士とともに剣を学び、西へ行き暁山で訓練を見学する。
これも一つの建国した国の安定を図るためのミストの考えだったのかもしれない。

が、それだけではなかった。

暁山からの帰り道。その時に出会ったのが暁光の里に住まう忍犬衆である。
忍者であり、犬妖精である彼らは犬士達にとても大きな影響をあたえることになった。

”変化の術”である。

人とパートナーであるためには意思疎通ができたほうが都合がいい。
それならば、いっそ人型が取れれば意思疎通しやすいのではないか?
そう考えたミスト達は暁忍より人型になるというだけの術を学ぶことになる。

”変化の術”を覚えたミストは、藩王を大いに驚かせたものであった。


暁の猟犬

 暁の犬士たちは所謂猟犬である。

猟犬。それは狩猟に使われる犬の総称のことで、
つまりは狩猟に使われれば狩猟犬であるし、その類であればいいということになる。

暁の円卓でよく見られる猟犬は主に3種となる。

1,甲斐犬。2,ファラオハウンド。3,雑種。

甲斐犬種の犬士は非常に知性が高く一代一主を貫く者が多い。
ファラオハウンド種の犬士は人の長年の友として、狩猟をサポートしていたのである。
この2犬種は特に戦士系の割合が多いと思われる。
そして、雑種犬種の犬士はそのどちらにも当てはまらない純系ではない犬士達が含まれている。
ここからは医者などの医療系に進む犬士、映画監督をやる犬士などさまざまであった。

もう少し猟犬について掘り下げてみよう。
猟犬は大きく区分すると3つに分けられる。
ハウンド種、猟犬種。その他。

ハウンド種とは暁ではファラオハウンドに代表され、獲物の発見や改修に優れた種である。
大きく分けると視覚に優れたサイトハウンドと嗅覚に優れたセントハウンドの二種類に細分化され、
ファラオハウンドはサイトハウンドに分類される。

猟犬種にはポインター、レトリーバー、セッターなどがある。ポインターとは狩猟対象を探索し、
発見した獲物を狩人に指し示す(ポイントする)ものである。また、レトリーバーとはレトリーブ(回収する)から着ており、
射撃等で撃ち落とした獲物などを回収する役割を担うもののことだ。そしてセッターとは獲物にそっと近づき狩人が
獲物を狩るのに最適な位置へ追い出しをかける(セットする)ものである。これらから派生を含めるとさらに沢山の品種が含まれるだろう。

その他としてはテリアやカー、そして日本犬などがあり、これらは大小の哺乳動物等に対して使用されるもので、
総合的な能力が高いものも多く見られる。これらの特性は犬士達にも確実に引き継がれており、
元がどの種だったかによって、その特性は大きく異なることなるが、ひとつだけ変わらないことがある。

どんな種であろうとも、人と犬は有史以来の友であるということだ。
だからこそ、猟犬は暁の民とともにある。これからもその関係が続くように努力は日夜続けられて行くことだろう。
なによりも一緒にいる者たちとすれば、其れは家族であるからだ。


狩人と猟犬。

「というわけで、相棒、今日の狩り場はここな!」
「わふ!」

 大地を弾むように一人と一匹が森を駆ける。数こそ少ないものの、狩猟民族の血も混じる暁の民には狩人も存在している。気高く黒い毛並みの友は狩人の意図を完全に理解して獲物を狙う。お遊びはなしだ。

狩人は一定の距離まで近づくと減速し、音を立てないないよう待機する。ここからが猟の始まりだ。この国では鉄砲ではなく弓矢で狩りを行っている。猟犬はそれに応じた追い立て、時には直接格闘により狩りすら行うのが仕事でもあった。

 今回狙っている獲物は随分先に見える一頭の大鹿らしい。ダブルグラス越しに見るに結構な肉付きの良さからいい値がつきそうだ。
 眺めていると友は風下から獲物に静かに近づきはじめた。間違っても猟犬は風上には行かない。その臭いで獲物に位置を知らせてしまうからだ。

 しばらくして、遠目に見ても分かるぐらいに綺麗な追い立てが始まった。

 ギリギリと絞り、弓矢を構える。友の動きは大鹿の行動を完全にコントロールしていた。悲鳴を上げる弦から放たれる矢はこちらに逃げ来る鹿の眉間を一撃する。こんな時獲物は何が起こったかわからないまま、もんどり打って倒れることになる。友が獲物を確保すると嬉しそうに廻りの警戒を始めるのだった。












脈々と続く暁忍の系譜

 細々と続いていた犬妖精の忍者達の里、”暁光の里”。
それは現代も連綿と受け継ぐ人の姿に化けることができる忍犬として定着していた。
人の姿に化けるとはいっても、それとなく犬っぽさは隠しきれないし、犬耳や犬尻尾をみれば一発で見抜かれてしまう。
遠目から見て分からなければ用をなしていたことも事実なので十分だったのかもしれないが…
また、多種多彩な姿に化けられるわけでもなかった。変装まで加えればいいのだろうが、
一匹の忍犬が化けられるのはその姿を元にした人の姿、のみであった。
見抜かれてしまえばそれこそ化けていないのと同じという、言わば弱点とも言える特性も持っていた。
だからこそ忍ぶしかなかったとも言えるのだが。

かつては弱点だったレパートリーの少なさも、今では親しみやすい隣人としての地位を築くのに一役買っている。
歴史の影に隠れながらも途絶えることなく受け継がれてきた変化の術が、暁の猟犬をして国民のパートナーとしての地位を
しっかりと根付かせてくれたのである。

では暁忍の系譜にあたる者達がどこで活躍したか見ていこう。
近年もっとも活躍した分野は医療に関する分野だろう。人の姿を取れることや高い知性を持つことから
早くから犬士達の活躍をみることができる。芸術分野においても彼らの培った変化の術が役に立つシーンが
多いことから、近年映画業界やアイドル業界からも注目を集めている。

過去において不思議なことの代名詞だった”暁忍”という言葉は今では慣用句の中だけの存在だ。
なぜなら現在において暁忍つまり暁光の里の忍者の名は犬士たちの刻んできた歴史の中に燦然と輝く存在だからである。
暁の猟犬達がその系譜を継ぐものとして、次世代へ更に引き継いでいくことだろう。

人と犬の関係、それは古来より連綿と続く友である。

※余談となるが、暁光の里自体は現存するし、そこに忍者がすんでいるのも事実である。
 かつてと違うのはそこにいるのは全て犬士と同じ暁の猟犬の一員となってるということだ。


王犬ミスト

 王犬ミストは犬士達の女王である。犬耳を持つ人型に変化していてもそれは変わらないのである。
元々はその性、狩猟に同伴する猟犬の類であったが、人型を取れるようになっても変わらず、たまに鳥などを狩ってくることもあった。
だが、いつしか行方がしれなくなって随分経った。

別に人に嫌気が差した、というわけではない。気まぐれな女王は、その気まぐれのままに渡り歩いて居ただけだ。
それを人は「野良犬」というが。

初めは暁忍と共に様々な地方を見て回っていた。そしてその技術を身につけると自分で色々見てまわるようになっていた。
その流れている間に様々な事を経験した。変化できるからと戦士達に混ざって訓練していたこともある。
今もなお直接力を比べれば戦士にも遅れを取ることはない。暁犬士の身体能力に戦士達に研鑽された技が加わり、
一流の戦士に押し上げているからだ。
医療に従事したこともある。女王であるが放置されていたからには病院で働いていても服さえ着替えて居たら気づきもしないのだ。
ちょっとしたイタズラというのができない職場なので長続きはしなかったが。

そして、ある時、人の良さそうな人相の男の人間―多分昔見たよんた藩国の王様が白石と共にミストを探しに来た。
ミストは内心『遅い、遅すぎる』と思ってぷいっと他所を向いて知らんぷり。
何度も平謝りしてる白石を横目に見つつそれを聞きつづけた。
あまりにもその姿が滑稽で思わず笑いが込み上げてくる。笑いを押し殺して一言。

「昔はあんなに一緒にいたのにね」
「う……ゴメンナサイ」
「家族ができたら用済みなのかな?」
「あ……いや、すまん……」

その本当にシュンとしている姿がおかしくてミストは思わず吹き出した。
笑いすぎて涙目になりながらこう宣告するのだ。

「なーんてね。長い付き合いだし。この辺で許してあげますわ。ただし、三食昼寝付き、ご飯は美味しい物じゃないとだめだからね! 覚悟しておきなさい?」

そして今、ミストはといえば白石の家にて悠々自適な生活を送っている。

「もちろん私も人型にもなれるけど、犬型は気楽でいいのよ。」

とは、ミストの言だ。今日も白石の家には日だまりの中微睡むミストの姿があるだろう。
もちろん三食昼寝付きの高待遇。そう、これは約束だった。


スタッフ

イラスト:白石裕、八重垣慶、岩澄龍彦
設定文:風杜神奈
その他:白石裕
  
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