作戦

イラスト/SS/RP



(2)
「……!」
せめて剣の邪魔をしないように黙っている。ターラ王はもともと普通の女の子であった。
だが、戦場にでなければならないのは、その身の不幸でもあった。
王となる素質があったのだ。
それは誰にも誰にもまねできないターラ王だけの素質。

迫り来る敵の手に怯えながらもターラ王は賢い子だった。
そして自分の剣を信じることが出来る子でもあった。

「命にかけても御護り致します。我が君。どうか後方へ」
「ごめん!お願い!」
体は剣に隠しているが、培ってきた危機への嗅覚が最適な場所へと導く。岩澄の邪魔にならない位置で敵の位置を的確に伝え、まさに一心同体、そして戦力としては数倍にも跳ね上がるかにも見える。

「帰ったらみんなに上手い炒飯作ってやるんだ、だからこんなとこじゃ死ねねぇんだよ!」
近くの戦場よりまさきちの声が聞こえる。
「ああ、まさきちくんの炒飯は美味しいでしょうね。それを食べるまでには死ぬ訳にはいきませんね」
それに呼応して答えた。決意を新たに次の攻撃を柄で制し、刃を使って後ろへ跳ぶ。
そこに合わせる敵の攻撃を遠心力で持ってきた刃を叩きつけて止めた。
「この命、この心、全てをかけても護りたいものがある。ここで倒れる訳にはいかない!」

「この戦い終わったら皆に美味いお茶を入れて飲んでもらうんだ!それまで死んでたまるかよぉ!!」
またもや戦場から聞こえてくる叫び。
「……お茶、ですか?」
ターラ王は不思議そうにその叫びに首をかしげた。
「ええ、先日良いお茶を仕入れましてね。さるきくんが煎れてくれるそうです。皆さん、それを飲まないと、きっと怒られてしまいますよ。無事に帰還致しましょう」
この余裕。もう、きっと大丈夫。
ターラ王は落ち着きを取り戻した。反撃はこれからだ。


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