「ふぁ…あぁぁ~…」眠い朝の登校時欠伸をしながら歩いているリトの足がふいに止まる「お!」足を止めた理由は明白だった校門の前に停まる一台の黒塗りの高級車そして恭しく開けられた長い車体の後ろドアから現れた、見るからにお嬢様な一人の女の子正しくは、女の"子"と呼ぶには失礼なのかもしれないほどに、大人びている容姿スラリと背が高く、遠目から見てもわかるほどのスタイルの良さ瞳の色は見る者全てを惑わせるような、黄昏色とも琥珀色とも取れる、不思議な色合いを帯びているそんな女の子――――天条院沙姫は、校門前で出迎えたいつものお付きの二人、凛と綾に朝の挨拶を済ませると、その二人を後ろに従え優雅に校庭に足を踏み入れた校門をくぐる時、ふいに目と目が合ったリトと沙姫ドキン、と一瞬、胸の高鳴りを覚えたリトとは違い、沙姫は、そんなリトを一瞥すると何も言わずに目を背ける「……ってオレには何にもなしかよ!?」ムッとした顔をしながら慌てて小走りで追いかけるも、すでに沙姫たちの背中は遠く校舎の入口近く「お~い! 沙…っと、この呼び方はダメだったんだ…」"沙姫"と言おうとしてリトは、慌てて口を噤んでしまう学校では"沙姫"と呼ばずに、ちゃんと"天条院センパイ"と呼ぶように、とキツク言われたことを思い出すそうこうしている内に沙姫の背中は完全に校舎の中に消えてしまうハァ~っと、溜め息を吐くリトの背中に、小声ながらも筋の通った男の声がかかる「失礼ですが結城リト様でございますか?」振り返ると、小柄な初老の男がいつの間にか立っていた帽子を取って恭しく一礼する男に、リトは慌ててペコっと頭を下げながら尋ねる「そう…ですけど。何か用ですか?」「お嬢様の申しつけで、伺ったしだいにございます」「お嬢…様? あ~沙姫んトコの!」いつも車で沙姫を送り迎えしているその顔に、リトはようやく気付く「えっと、それで用って?」「はい。今日の放課後、校門前で待っているようにとの事でございます」「今日の放課後…? あ、は、はい。わかりました」リトの返事に運転手の男は再び一礼すると、車へと戻っていく「……つーかわざわざこんな事しなくても、自分で言えよな…」別に二人が付き合っている事は秘密でもなんでもないのだがたまに垣間見せる沙姫のおかしなトコロに首を捻りつつ、いつの間にか遅刻ギリギリになっている事に気付いたリトは、走って校舎に向かったそして放課後「おそ…」帰っていく生徒を見ながら、リトは校門にもたれながら沙姫が来るのを待っていた遅いすでに時刻は、放課後というより夕方を廻ろうかとしている「ったく何やってんだよ…」秋の肌寒い風が身体に染みてきた頃、遠く、校舎から見知った姿が見える「あ!」リトは思わず校門から背中を離す「つーかおせェーって! 何やってたんだよ?」「別に…」「別にって…あのなァ」溜め息を吐くリトの横にすっと並ぶと、沙姫はチラリとリトの顔を見つめたリトより背の高い沙姫どうしてもその身長差でリトを見つめるその目は、切れ長の上、細められてしまう「う…」お嬢様独特の雰囲気と相まって、その視線はいつもリトをドキリとさせる「でで、で、用って何だよ?」「そうですわね。まずは車に乗りなさい。ココは寒いですわ」「お、おう」沙姫の合図を待っていたかのように運転手は、ドアを開けた走る車の中「なァ…。いい加減、なんの用か言えよ」沙姫はさっきから窓の外を眺めてばかりで、無言沈みがちな車内の雰囲気もだが、いい加減リトの我慢も限界が近い「おい、沙…っておあッ!?」沙姫に詰め寄ろうとして視界が一転いつの間にかリトは車の天井を見ていた天井に吊るされたシャンデリアを見ながらリトは目をパチパチとさせる「へ? あれ?」頭の中がこんがらがって事態を整理できないそんなリトのおデコにやわらかいモノが触れる「ん?」おデコにかかる前髪を掻き分けて触れられているのは、沙姫の手「え…」その柔らかくてスベスベな感触に頬が熱くなってくるも、リトはようやく事態を呑み込み始める頭の後ろに感じるやわらかい太ももの肉感ほのかに香る花の香りをしたトワレそして、上を見つめれば、天井ではなく沙姫の顔やっと自分が沙姫に膝枕をされている事を理解すると、リトは身体の力をゆるめ、頭を太ももに沈めたどっと疲れたが取れたかの様に溜め息を吐くリトに、沙姫の口から小さな笑い声が出てくる「ぷ…くく…」「って何で笑うんだよ!? つかいきなりこんな事されたら誰だってあーなるだろ?」「くっ…あははっ」口に手を当てながらも、すでに笑いを堪える気配のない沙姫次第にリトの目が半眼になっていく「沙姫…」「ごめんなさい…。あなたの慌て様が、あまりにもアレなものだったから…」そう言いながら沙姫は目尻に浮かんだ涙を指で拭き取っていく「それで、落ち着いて?」「ま、まーな」太ももの上でバツが悪そうにふいっと目を背けるリトの頭を、沙姫の手が撫でていくやわらかくて、あったかくてリトはムッとなった顔が緩んでしまうのを誤魔化す様に、慌てて口を開いた「それで用ってなんだよ?」「ん? ああ、その事ね」逡巡するかのように口元に手を当てながら黙ってしまう事、数秒後「…あなた、今日、学校でまた私のこと名前で呼ぼうとしましたわね?」「え? ああ…えっとアレはその…勢いっつーか、いつものクセっつーか、その…って聞こえてたのかよ!!」「当たり前です」顔を背きながら当然といった顔をする沙姫「だったら止まるとか振り返るとかさ……まーいいけど。つかもしかして用ってそれだけ?」「……」「沙姫?」「……」「おい!」沙姫は再び窓の外に視線を向けてしまう「…カンベンしてくれよ…。こっちはずっと気にして…」「…いけない?」「へ?」「……用がなければ一緒にいてはいけませんの?」「え…」窓ガラスに映る沙姫は耳まで真っ赤になっていてリトはその顔を下からジッとその眼の中に映していた交わらない視線のまま、車はやがて、天条院家の門をくぐろうとしていた――――「う~ん…」と、目いっぱい両腕を伸ばして伸びをしても、有り余るほどの広さをほこる沙姫の部屋白を基調とした室内には、レースをふんだんに使った天蓋付きのふわふわなベッドアンティークな家具と、ところどころに置いてある大小さまざまなぬいぐるみそこはまるで、大人の世界に子供が遊びにきたかの様な部屋だった足首まで埋まるふかふかの絨毯を踏みしめながら、数日ぶりの来訪にリトの胸が高鳴る(やっぱ沙姫の部屋って…)「リト…」「ん?」背後から投げかけられた少し静かな声色に振り返ろうとしたリトの口が、ふいに塞がれる「ん、んん!」目を丸くして見つめる先は、すぐ間近にある沙姫の顔(さ…沙姫!?)身体を押しつけながら貪るようにキスを繰り返す沙姫にリトは反応できないでいたそうしている間も沙姫の両腕が首筋に回り、制服に包まれたそのやわらかい胸がリトの胸板に押し付けられる唇を割って入ってこようとする小さめな舌の感触リトはまだ、テンパる頭で、それでも少しずつ沙姫に合わせ口を動かしていった「ん…く…ちゅ…んん、ちゅく…ぅ」舌と舌が交じりあい、唾液の交換が始まるリトは持っていたカバンを絨毯の上にポトっと置くと、そのまま沙姫の背中に腕を回し、身体を抱き寄せた「あ、ん…」キスの間からもれる沙姫の吐息ちゅくちゅくと生々しい水音をさせながら二人のキスは続くリトの舌が沙姫の口内を余すところなく蹂躙していき、それに沙姫が応えようとするも、稚拙さが混じる舌使いに、中々、思うように出来ないでいる「あ…ん、ぐ…」送られてくる唾液を嚥下させながら沙姫も負けじと唾液を送りこむ二人の口元はあっと言う間に唾液でベトベトになっていった誰の唾液なのかわからないほどに互いの口を舌をまさぐり合うリトの舌も、沙姫の舌も、互いの口内で触れていないところはもうない苦しくなれば口を離し、それでも舌の先端と先端は繋がったまま荒い息と、熱い息をぶつけ合いながら二人は互いの顔を見つめ合い、またキスを繰り返す少しすると、リトの膝が、沙姫の両太ももを割ってせり上がってくる太ももに包まれるというなんとも言えない気持ちよさを堪能しながら、リトは膝を沙姫の太ももの間、大事なところに当てた「ん、ん!」ビクンと沙姫の身体が震え、リトの制服をクシャっと手で握りしめるリトはその反応を楽しむように膝をグリグリと押し付ける「ん! んん、ぁ…ん!」キスで封じられた口からは抗議とも喘ぎとも取れる声がしきりに聞こえるが、リトの動きはとまらない沙姫を壁際まで連れて行くと、ますます膝に力を入れるくちゅくちゅと聞こえだす水音に、沙姫の頬に自然と赤が灯る「ぷは…ぁ…はぁ…ん…ぁ」「はぁ、はぁ…す、げー。沙姫のココもうびちょびちょだぞ?」「…はぁ…じゃあどーしますの?」その瞳に蟲惑色を湛えた沙姫の手は、すでにリトの下腹部に伸ばされているベルトの留め金に指を掛け、革の部分を弄っている様は、誘っているかのようだ少し膝を動かすだけでくちゅりと卑猥な音がしてくる「私にこんなコトをして許されると思っていますの?」リトに膝で責められ、片足立ちになってまでも挑発的な口調は止まらないスカートからスラリと伸びる魅力的な脚のラインにリトの心拍数がどんどん上がっていく「リト…」甘い囁きそれはリトの理性を崩壊させるのは充分すぎたカチャカチャと留め金を外し、熱り立ったモノを取り出すリトその長い竿に、白い指が絡みつく「まあ! こんなにさせるなんていやらしい」「仕方ねーだろ! お前のせいなんだから」「ふふ…」自分のせいでこうなっていると言うリトの言葉にうれしくなる緩んだ顔の沙姫にキスをすると、リトは沙姫の太ももを広げさせ、黒のショーツの股部分をズラした「入れるな?」「ええ…」くちゅくちゅと先端で割れ目を広げながら、入口を探すリトの様子を、沙姫ジッと見つめていたすでに十数、数十回と繰り返した行為の中でも、今、この瞬間が一番幸せだと感じられるそれは決して慣れることのない感情だったそして、決して慣れてほしくない感情でもあるやがて、くちゅっと音を立てて入ってくる熱い肉の感触に眉を歪め、睫毛を震わせるも、沙姫の瞳は逸らされる事はない一生懸命な顔もいつまで経っても満足にリードできない歯痒さもカッコいいセリフも、甘い言葉も言えないその性格もみんなみんな愛おしく想う"リト…。私はあなたのそんなところに惹かれたのかもしれませんわね…"心の中でそう呟くと、沙姫は両腕をリトの首に回し、その身体を抱き寄せた背中は壁に預けたまま、太ももを両腕で支えてもらい、完全に宙に浮いたままの状態体重がかかる結合部からは、しきりに蜜が溢れ、絨毯を汚していく「沙姫の奥…。オレのあたってる」「え…ええ。リトのが当たって…ん…これだけで私…」膣内がキュッと蠢き、子宮口から逃さないようリトを締め付ける「動いていい?」「え? あ、ちょ…ちょっと待っ…」沙姫の声を遮る様にリトは本能の赴くまま腰を動かしていくじゅぷっじゅぷっと、結合部から愛液を垂らしながら、沙姫はリトに合わせようと必死に腰を動かす突かれる度に背中にあたる壁の堅い感触が痛むが、それ以上に下腹部を覆う快感に、沙姫の端整な顔が歪む「リト…リト…きもち…気持ちイイですわっ! もっと、もっとぉ」沙姫の言葉に応えるようにリトの腰使いが荒く激しくなっていく制服の下で揺れる胸を想像しながらリトは、顔を沙姫に近づけていく鼻先にあたる荒い息遣い半開きになった口から覗かせる舌沙姫はリトを欲すようにチロチロと舌を動かす「欲しい…上も下も全部リトで塞いで」リトは沙姫の求めに応じると口に吸い付き、口内を舌と唾液で犯していく「あふ…ん、んちゅく…ちゅ…ぱぁ」口を離した沙姫の顔は泡立つ涎でベットリとなっているその涎を舌で掬い取ると、リトは沙姫のおデコに軽くキスをした「ごめん…。オレもう限界…。出していい?」「え、ええ。出して。リトのいっぱい出して」「どこがいい?」沙姫は何も言わずチロっと舌をだすと、クスッとほほ笑んだ「口? マジでいいのか?」コクコクと頷く沙姫にリトは自分の喉にツバが落ちていくのを感じた口内に出せるという興奮がリトの動きにますます拍車をかけるリトはヒョイっと沙姫を抱えると、そっと絨毯の上に寝かした白の絨毯の上に広がるプラチナブロンドの髪と、制服に包まれていてもわかる誰もが欲す理想形の様な身体沙姫は人差し指をリトの制服の襟首に入れると、グイッとリトを引き寄せる「さァ…もっとあなたを感じさせて…。もっと、もっと…」そう甘い声色で囁きながら、瞳の色がどこまでも濃い黄昏色に、蟲惑的な色へと変わっていく(やっぱ沙姫って…)この日、二度目になる喉の奥の高鳴りを感じつつ、リトの視線は沙姫の顔を外さない、外せない「リト…」また甘い声。けれども、今度はその中に鈴が鳴った様なくすぐったさが混じるリトは手を伸ばすと、沙姫の制服のリボンを、ブラウスを、シャツのボタンを、どんどん脱がしていくその必死さに沙姫はなんとも言えない笑みを浮かべた後輩を見る様に、弟を見る様に、かわいい彼氏を見る様にやがて、思わず目を覆いたくなるようなLUXXAの黒のブラにリトの手が一瞬止まる「どうしましたの? いつから胸…嫌いになりましたの?」「え? い、いやそーじゃなくて! いつも思うけど沙姫っていろんな下着着けるんだなァって」赤くなった顔でぼそぼそと呟くリトに、沙姫の口から軽やかな笑みがこぼれる「さァ…私もいくつ持ってるかとか、数えた事ないから…。ふふ…今度、あなたが選んでくれてもよくてよ? 私の着ける下着」「え…!?」悩ましげな色を湛えた視線を向けながら、沙姫の手がゆっくりと自身のスカートの裾を上げていくブラと同じ黒のタンガショーツは愛液でヌラヌラと濡れている「でも今はこっちが先ですわ…ね? リト」見るたびに色を変える琥珀の瞳がリトを捉える沙姫は舌を出すとチロっと唇を舐めとる「沙姫…」ぐちゅぐちゅと止まっていた動きの再開に沙姫の中は、悦びの声を上げてリトをしごいていった絡みつく膣壁を前後に擦りながら、リトは欲望を込み上げていく自然と手を繋ぎ、互いの目を見つめながら感度を上げていく「だ…ダメもう…ん、ん、ん…く」「オレも出…」「リト! 口に! 私の口に…」「わかった…」リトは歯を食いしばって沙姫の中から引き抜くと、急いで自身のモノを沙姫の口に持っていく。勢いよく吐き出される欲望の塊を沙姫は、口を開けて全て呑み込んでいく舌で口元からこぼれる白濁液を掬い、それでも伝い落ちていくものを手で掬い取る「あふ…こんなひっぱい…すごひですわァ」口だけに止まらず、顔いっぱいを白で汚した沙姫は、どこか恍惚とした顔のまま息を整える欲望を吐き出し終えてもまだ震えの止まらないリトの下腹部に顔を寄せ、萎えかけた竿に細い指を這わせ、先端に口をつける「沙姫!? ちょ…」「まだ…残ってますでしょ? 私が全部…ん、んん…ちゅぱ…んぐ…」言い終わらない内に口をすぼめて残ったものを吸い出そうとする沙姫に、リトの口から情けない声が出る「あ…だ、だからちょ…と待っ…」(……かわいい)心の内でそう呟くと沙姫は、亀頭から口を離し、舌を出して裏スジに線を引いていくつーっと裏スジを伝う熱い生唾の感触に、リトの奥歯が鳴る「ココ、気持ちいいのでしょ?」「だ、だから…」カリ首に爪を立てながら何度も擦り、反対の手で袋を揉みし抱く沙姫に、ものの十数秒でリトのモノは回復を見せ始める「まァ、もうこんなに。まだ出来るってことでいいのかしら?」「つ、つーかこんなの誰でもこーなるって!」「あら? それだけ私が上手ってことかしら?」ニッコリと笑顔のまま立ち上がった沙姫は、脱げかけのブラウスを無造作に絨毯の上に放り投げると、リトの前で仁王立ちになったハラリと広がるシャツから見える、黒のブラに包まれた豊満な胸が、下から見上げるリトの下腹部を熱くさせる「続き…しますわよね?」口元に残った精液を指で掬い、それを口の中に入れると、ちゅぱちゅぱと舐め始める沙姫その両太ももからは、先ほどの名残を表す愛液が、白い太ももを伝いつーっと伝い落ちていくリトは四つん這いになると、太ももに顔を寄せ、落ちていく愛液に舌を這わす太ももを撫でまわし、何度もキスを繰り返し、そして、リトの手は形のいいお尻に移る「ん…あ」身動ぎするように脚を震わせる沙姫の両脚を広げさせると、薄く口を広げた割れ目の中にリトは舌を入れた「ん…ん、ぁ」震えの大きくなる下腹部を両手でガッシリと固定させたまま、リトの舌使いは続くその様子を上から見下ろすように、けれども柔和な笑みを浮かべながら沙姫は、シャツのボタンを一つずつ外していくハラリと頭に落ちてくる、まだ温かく匂いの残るシャツその感触にリトは口元から糸を引かせながら、スカートの中から顔を上げたその顔にポトリと脱ぎたての黒のブラが落ちていく上半身裸の沙姫残るのはスカートと、ショーツと、黒のソックスだけだそして、そのショーツもリトの手によってスルスルと脱がされていくリトの頭にトン、と手を置きながら、片足立ちでショーツを脱ぎ捨てる沙姫立ち上がるリトと入れ替わる様にスカートが落ちていく「次はあなたの番ですわね?」沙姫は白く細い指を艶かしげに動かしながら、リトの制服を脱がしてく最後のボタンが外れたあと、沙姫はリトの唇を指でなぞっていったあなたは私だけのモノ――――とでも言いたげにベッドに手を付いた瞬間、危うくバランスを取り損ねてしまいそうになるほど、ふわふわな沙姫の寝具いったい中にどんな羽毛が引き詰めているのか訊いてみたくなるが、リトの注意は、今はそれどころではなかった目の前で悩ましげにくねらせる腰付きと、その持ち主である沙姫に釘付けだ要求通りに四つん這いの姿勢になってくれた沙姫に息を荒くさせながらリトは近づく白い、肉付きのいい丸みを帯びた沙姫のお尻は、それだけでリトの欲望を嵐のように掻き乱すその肉付きのよさを堪能する様に両手で円を描くように揉み出しくリトに、沙姫の口からくぐもった、押し殺したような甘い吐息が、断続的に聞こえてくるとろりと溢れ出す蜜に誘われる様に、リトは左手で割れ目を広げると、右手で自身のモノを持ち、沙姫の秘所へと突き入れる沙姫の声が一際、高く上がり、白い背中が仰け反ってリトに応える引き抜くと同時にまた、さっきとは違う甘い声が上がるリトは夢中で腰を突き動かしていったパチュパチュといやらしい水音に混じって二人の熱い吐息が合わさり、それが二人をさらに高める前後に揺さぶられる胸を鷲掴み、乱暴に、愛おしむように揉みし抱く先端を指の間で何度も引っ張っては、軽く抓ってみる沙姫は美しい顔を歪めながらも、快楽に抗うことなく、リトの一挙手一投足に素直に反応を見せる「す…げ…、沙姫の中、ホントに気持ちイイ」「出して…! 出してくれても…、いつでも…出しても…ぉ」「沙姫…!」リトは込み上げてくる欲望を沙姫の中へと吐きだした一度では終わらない。何度も。何度も吐きだしていく少しでも沙姫とくっ付きたくて、想いを中に出したくて、ぴったりとくっ付けたお尻と腰の間からは、中に入りきらない欲望がベッドに染みを作っていく「あ…ああぁ…ん…くぅぅぅ!」沙姫の腰がガクガクと痙攣を初めて、リトの欲望を一滴残らず吸い取ろうと膣内で収縮を繰り返す「ああぁぁあ…すごっ…イッてる! リトの射精で私…イっ…て…んんんッッ!」下腹部から全身を襲う激しい波が終わると沙姫は、ぐったりと身体をベッドに沈める荒い息を吐きながら、身体全体で呼吸をする沙姫の白い背中の上を、浮き出た汗が珠となってすべり落ちていくリトは割れ目から引き抜くと沙姫の顔へ移動した「沙姫」名前を呼ばれ、リトの顔と差し出されたモノとを気だるげな視線で追っていくと、少し顔を寄せて、まだ痙攣を繰り返す熱い肉棒を口に咥えた「ん、ん…ちゅぱっ…んぐ」中に残ったモノを吸い出される快感に、リトの口から何とも言えない溜め息が吐き出されるカリ首や竿までキレイに舐め終わると、口から離した亀頭にキスをし、「これでおしまいですわ」と合図を送るやわらかすぎて埋まってしまう様な気さえするベッドの上に腰を下ろすと、リトはまだ荒い息が続く沙姫の頭に手を置いた「ん」"何ですの?"とでも言いたげに見つめてくる沙姫に、内心ドキっとしながらも、リトは手を動かしていく細い絹のような感触をその手に感じつつ、リトは沙姫の頭をやさしく愛おしみながら撫でていく無遠慮に触れられた事でいつもより切れ長になっていたその目に、次第にやわらかさが滲み出す長い睫毛を震わせながらリトを見つめるその顔は、すでに恋する女の子になっている沙姫は頭を撫でているリトの手に自分の手を重ねると、キュッと握りしめた「沙姫…?」不思議そうな顔をするリトにクスっとほほ笑むと、沙姫は重ねた手を自分の頬に当て、ホッと小さく溜め息を吐く「な、何だ? どしたんだ?」と言いたげなリトの疑問を余所に、沙姫は手を離すと仰向けにゴロンと寝転がった長く白い肢体に豊かに揺れる双房が、リトに悩ましげなナニか訴えかけてくる再び自己主張をし始める自分のモノに赤くなるリトに沙姫の瞳の色が変わる「…汗も掻いたことですし、シャワーでも浴びにいこうかしら」「だ、だな。このままだと気持ち悪いし」「そうですわね…」リトに意味深は視線を送りつつ、沙姫は身体をゴロンと転がすとリトに寄るリトの両ももの上で両腕を組み合わせ、その上に顎を乗せながらジッと上目遣いでリトを見つめる目の前でビクビクと大きくなっているモノには敢えて目もくれず、見つめ続ける沙姫の視線からリトは逃れられないでいた「何だよ…」「あなたはどうしますの? リト」「え…」キレイに整えられた爪先で、太ももに何やら"の"の字を描きながら、沙姫の目がキュッと猫のように細まる「もちろんあなたも付き合いますわよね? シャワーに」チャームの魔法でも宿しているかの様な沙姫の瞳いつ見ても色を変え、見る者を魅了してやまないその魔法にものの見事に掛かってしまっているリトは、沙姫の言葉に首を振るしかなかった日曜日の午後「―――で高校生二人」リトは窓口でチケットを受け取ると、後ろで腕を組んで待っている沙姫に渡す「ホラ、これがチケット」少し長めの長方形をしたチケットを手に沙姫の目が好奇に輝く裏面を見たり、ピラピラと振ってみたり(……マジで初めてなんだな…。映画)『私、映画館で映画って見たことありませんの』「へ?」受話口から聞こえた沙姫の声に、リトはつい気のない返事を返してしまった『いつも映画は、家にある専用のホームシアターで見るんですのよ』「ま~…だろうな」『……』「え…?」『……』「……あれ? 沙姫?」『…どうしてこう鈍いのかしら…』受話器のむこうの、あからさまに機嫌をそこねた声にリトの顔が引きつる「ちょ…ちょっと待ってくれって! オレなんかおかしな事言った?」『別にあなたは言ってませんわ! "何も"ねっ!』"何も"のところだけ強調して話す沙姫に、さすがのリトも後悔の念を禁じえない「あ、あのさ…。もし気に障るようなこといったんなら…」『別に。何も』「そ…そっか。じゃあ…」『……もぅ…この鈍感ッ!』と、言ってから沙姫はブチッと電話を切ってしまった受話口から聞こえるつーつーという機械音が空しく頭の中で反響する結局、その後、急いで電話をし直すのだが中々出てくれず何回目かの電話でようやく出てくれた、あからさまに機嫌が悪い沙姫に何度も謝りつつ、映画を見る約束までこぎ付けたのは、それから二時間後の話し「―――と、席は……あった、あった。ココだ」薄暗がりの中、沙姫の手を引いて自分たちの席へとやってきたリトは、沙姫を席に座らせる「じゃあ、オレ、今からなんか買ってくるけど。なんか欲しいのとかある?」「欲しいもの…。そうですわね……」細い顎に人差し指を当て、眉を顰めながら、沙姫の口から次々と単語が飛び出す「とりあえず、マリアージュ・フレールのグラン・ボワ・シェリと…」「……へ?」「ラデュレのマカロンを。ヴァニラとオレンジフラワーと……そうですわね、ショコラでいいですわ」「…え…えっと…沙姫?」まったく聞きなれない単語の数々にリトはついていけない「ん~…あとは……ジャン・ポール・エヴァンのチョコ…」「だからちょっと待てって!」映画館の中だと言うのに思わず声を大きくさせてしまったリトに、沙姫ばかりでなく周りの客たちもリトに視線を集める「何ですの? そんな大きな声をだして」「いやだから…」「さっさと行かないと映画が始まってしまいますわ。あぁ、それと。ミルクはノンホモジナイズド製のでお願いしますわ。私、それ以外のものは口にしませんから」腕を胸のあたりで組みながら、ツンと澄まし顔で話す沙姫にリトは深々と溜め息を吐く「だから、そんなのココにあるワケねーだろ…」「え…?」オウム返しで訊いてくる沙姫にリトは半眼になって応える「だからないんだって! ココ、どこだと思ってんだよ」「な…ない? う、ウソですわ…」「ウソついてどーすんだよ…。とりあえずオレ、コーラか何か買ってくるからさ。お前も同じのでいいだろ?」「え、ええ…私は…」「じゃ、買ってくるけど、ココ動くなよ?」と、釘を刺すや否や、リトは急ぎ足で売店へと向かったその背中を茫然とした顔で見送りつつ、どっと疲れたかの様に沙姫は椅子に深く腰を下ろした「ない…。そんな…そんな事って…」家で映画を見る時はいつもお付きのメイド達が、なんでも訊いてくれたそれこそ世界中から直に取り寄せたり、時には、シェフやパティシエを呼んで作らせたり自分の好きな物を好きなだけ食べながら映画を見るそんな時間がとても好きで、幸せだと思っていたのに「どーいう事ですの…」わなわなと、信じられないモノでも見たかの様に声を詰まらせる沙姫。それでも余裕を見せつける様にその端整な顔は歪めない優雅に脚を組み替え、スカートから覗き見える白い太ももとブーツに包まれた足が、周りの男どもの眼を惹きつけるさっきから隣りや、斜め後ろの男の視線が痛いほど注がれている事に、沙姫は気付いていた気付いていながらまるで意に介した様子はない沙姫にとっては周りの男は全て、路傍に転がる石と同意だったお目当ての洋菓子のお預けをくらったこともあり、沙姫の機嫌はすぐれないまた脚を組み変えながら長い溜め息吐く何か文句の一つでも言ってやろうかと思った時、沙姫の顔に影が射す「ホラ、買ってきたぞ」何事もなかったかの様に持っている紙コップを差し出すリトに、沙姫はチラリと視線を送ると、またすぐに視線を前に戻す「……ずいぶん遅かったですわね」「だって仕方ねーだろ? 映画が始まる前の売店ってスゲー混んでるんだからさ」ストローに口をつけてコーラを飲みながら沙姫の隣りに座るリトに、周りの男たちから舌打ちや冷やかな反応が上がるリトは気付いていないのかまるで気にした様子はない紙コップを手の中でくるくる回しながら、中でシュワシュワと泡がハジケているコーラに、沙姫の視線が落ちていく紙コップは手の中でくるくると回り続ける「―――ねェ、リト。あなた…」急に室内の照明がしぼられたかと思うと、スクリーンに『もうしばらくすると上映いたします』の文字そして、間を置くことなく、スクリーンに映画館でおなじみのCMが流れ始める沙姫の声は暗がりの中に消えていった映画は可もなく不可もなく。ありきたりな恋愛映画だった農家の男と貴族の娘の許されざる恋。そして、戦争によって引き裂かれる二人の絆「ふぁ…あ~…」欠伸を噛み殺しながら退屈そうに見ていたリトの手に、ふいに重なるもう一つの手眼を丸くさせながら肘掛を見ると、自分の手の上に沙姫の手が重ねられていた沙姫はずっとスクリーンを向いたままその横顔をしばらく見つめると、リトは手を動かして沙姫の手を握りしめた拒絶を表すかの様にわずかに震える白い手けれども少しすると、握り返してくる柔らかい感触に、二人は手を握り合ったまま映画を見続けた「ん…んんん~~」と、両腕を伸ばしながら大きく伸びをするリトの横で沙姫は腕を組んだまま、どこかムスっとした表情になっていた「映画おもしろかった?」「ええ…まァ」口数も少なく、口調も落ち着いているというより元気がない印象を受ける「沙姫?」リトは人通りが少なくなったロビーの中で、すっと沙姫の顔を覗き見る「……ッ」琥珀色の瞳と一瞬だけ眼が合い、そして、逸らされるリトは少しキョトンとしたまま何気なく訊いてみる「あのさ。もしかして泣いてる…?」「えぇ…!?」あからさまに動揺する素振りを見せる沙姫の前髪を、人差し指で分けながら、リトの指が沙姫の目元にそっと触れる「だってお前の眼、ちょっと赤くなってるし」「…ぇ…違…こ、これは…」リトの手から逃れる様に後ろに半歩下がった沙姫は、左手を胸の前で握りしめながら、オロオロと身を捩じらせた「そ、そーいった意味でなく…これは…、そ、そうですわ! 欠伸! 欠伸が出てそれで…」「いいじゃん! そーゆーのってスゲーいい事だって思うけどな」「え…」リトはニッと歯を見せると、その屈託ない笑顔を沙姫に向けた「それに沙姫の泣き顔見れて、うれしいけどな。オレは」「な…!?」一瞬で沙姫の顔が真っ赤に染まるとっさにリトから身体ごと顔を背けると、いつもよりトーンが上がった声で話し始める「さっきから何をおかしな事をいってますの? 言ったでしょ? 欠伸をしたって! だいたい私が映画程度で…」沙姫の言葉を聞きながらリトは、映画を見ていた時の沙姫の横顔を想い浮かべていた映画の世界に入り込んだ様に、ジッとスクリーンを見つめる眼差しは熱っぽく、潤んでいて主人公とヒロインの心が触れ合う度に、それに呼応するかのように、手に力がこもる握っている手と反対の手が、ずっと膝の上で、小さく震えていた「―――ホントにバカバカしいですわ! 言いがかりも甚だしいっ」沙姫の独演は止まらない。リトは嵐に触れないよう、過ぎ去るのを待つように、苦笑いを浮かべてやりすごすこの数ヶ月でリトなりに沙姫の一連の対処法を身につけ始めていた沙姫は一頻り話した後、ツンと顔を背けたままリトの横を通り過ぎていく「って、どこ行くんだよ?」「……女のコにそんな事を訊くだなんて、恥知らずもいいところですわ」「え…。あ、そっか。ごめん…」「まったく。そこで待ってなさい」相変わらず顔を見せない様に話す沙姫だったが、その声にはもうトゲが含まれていない事に、リトは心の中で溜め息を吐く沙姫の入っていった女子トイレの見える位置の壁にもたれながら、リトは沙姫が戻って来るのを待つ事にした「…つーかおせー!」あれからどれぐらい経っただろう次の映画が始まったのか。映画館のロビーからはますます人の数が減り、閑散とした雰囲気すら漂っていた時計を見ると、もう夜の七時を廻っているさすがにお腹も限界に近く、さっきからぐ~ぐ~と警笛を鳴らしている「何やってんだよ。沙姫のヤツ…」一方その頃、化粧直しの鏡の前「はぁ~…」と沙姫は何度目かになる溜め息を吐いていた蛇口からは水が引っ切り無しに出ているガラス製の洗面ボウルに溜まった水に映る、自分の顔に視線を落とすボウルの中で揺蕩う水は、今の自分の気持ちのように波打ち、歪む「はぁ…」沙姫の口からか細い、喘ぎのような吐息がこぼれる「ダメですわね…。私…」水の中の自分も、鏡の中の自分も、そんな自分を嘲笑うかのように何も応えない沙姫はカバンからケータイを取り出すと、ポチポチとボタンを押して画面を操作する黄昏色の瞳に出てきた番号を映しながら、短い逡巡のあと、沙姫は発信ボタンを押したブブブ、ブブブ…映画館の中という事でマナーモードにしていたリトのケータイが鳴りだす画面に表示される番号と名前は沙姫の名「沙姫…? 何だ」小首を傾げながら、ケータイに出るリト「もしもし? 沙姫?」『…………ええ』「どーしたんだよ? なんかあったのか? 具合悪いとか」沈黙。受話口の向こうから微かに水の音が聞こえる「沙姫? マジでへーきなのか?」『……その…』「ん?」珍しく口籠ってばかりの沙姫にリトはケータイを耳に押し当てながら、トイレの出入り口を見つめた『…その、だから…』「なんだよ? らしくねーじゃん」『…ッ』受話口の向こうから歯噛みする音と、蛇口を捻る音がするそして、沙姫の溜め息が聞こえた『……リト。ちょっとこっちに来なさい』「は?」言われた事が理解できずにリトは眉を寄せる『いいから来なさいッ!』「いや、来いっていわれても…」リトは視線を再びトイレの入口へと向ける。と、いつの間にか沙姫がそこに立っているリトはケータイを閉じると、沙姫に駆け寄る「どーしたんだ? どっか…って、なっなっ!?」沙姫は有無を言わさないと言った顔でリトの手を取ると、そのままトイレの中に連れていく「ちょ…ちょ待…!?」「心配いりませんわ。今この中にいるのは私たちだけですから」「そ、そーゆー問題じゃねーだろッ!!」聞こえてくる声を全て無視しながらリトを一番奥のトイレの中に押し込める「沙姫!?」カチャッ、と後ろ手でトイレのカギを締めると、沙姫はスッと顔を上げ、真正面からリトの顔を見つめる「う…」黒みを帯びた琥珀の視線はリトの口をそれだけで黙らせてしまう沙姫はリトの横を通り過ぎると、便座に腰を下ろした耳に掛かる髪を手で払いながら、悠然と脚を組む沙姫に、我が帰った様にリトは声を荒げる「何なんだよ! 何考えてんだ!! いったい…」「疲れましたわ…」「え…」「疲れました」沙姫はリトの声を意に介した様子はなく、その長い脚を伸ばして、上下に小さく振る「疲れた?」「そうですわ。疲れたので、リト、何とかしてくださらない?」狭い個室内は、二人いるだけで軽い圧迫感が生まれるその長い脚は、伸ばしきることなく、易易とリトの下半身を弄ることができる沙姫は脱ぎ捨てたブーツの下から現れた白く悩ましげな脚を、余すことなくリトに見せつけると、その爪先を膝の当たりに這わし、す~っと上へと脚を持ち上げていく琥珀色の瞳に影が生まれ、妖しく光る「なん…だよ?」胸の奥から込み上げてくるモノを押さえながら、なんとか声を絞り出そうとするが、眼は沙姫の脚から離れられないズボン越しとはいえ、爪先の感触と、なにより短めのスカートの奥に覗き見える純白の下着に、冷静さがとけていく沙姫はそんなリトの内心がわかるのか、口の端を歪めた「なんとかしてくださらない?」「だ、だから何んとかってどーゆー…」「いつもの様に……ですわ」「いつもの…」長い脚が上下に振られ、足の裏が眼の前で艶かしげに踊る様子に、胸の奥が熱くなってくる「リト。早くなさい」責めるでも、急かすでもない沙姫の声それはまるで、やさしくお願いしているかの様な涼やかな声だったリトはその場で跪くと両手で恭しく脚を持ち、黙って口を近づけていく「…ん…っ」チロっと素肌に感じる舌の感触に、背中をゾクゾクとしたモノが駆け上がっていくのを、沙姫は唇を噛み締めてガマンするその間もリトの動きは止まらない太ももを撫でまわし、揉み、キスを繰り返し、頬ずりをする「そんなに私の足好きですの…?」「好きっつーか…、ずっと触ってたいぐらい」その言葉どおり、ずっと触り続けるリトに沙姫の口から熱い吐息がこぼれる沙姫はリトの顎を人差し指で持ち上げると、すぅっとその瞳の色を変えた両手でリトの頬を包み込み、顔を近づけながら、沙姫は艶然とほほ笑む「でもそれだけでは満足できないでしょう? お互いに…」「…ッ…!?」リトの視線は自然と、スカートの奥、広げられた脚の間、沙姫の大事なところに注がれるぐっしょり濡れたショーツの下に見える、薄く開いた割れ目すでにショーツとしての役割など微塵も働いていないソコからは、脳髄の奥を刺激する、女の匂いが立っている「沙姫…」「アナタのモノでしょ? 私の身体は…」ゾクっと背筋を走る昂揚感。リトは慌てて立ち上がると、ベルトを外し、ズボンを下ろした「そんなに慌てなくてもいいですわよ」冷静さを出そうとするも、視線はリトの反り立つモノから離れないし、息もすでに喘ぎと同じになっているリトは身体を寄せながら、肉棒を割れ目に当てたぬちゃぬちゃと愛液を絡ませながら、少しずつ入ってくる熱い感触に、沙姫は反射的にリトの背中に腕を回す下腹部に広がる熱い波に、背中に回した手がリトの服を握りしめる「あ…ふっ…入って…」端整な顔立ちを歪め、性にむしゃぶり付く様はとてもお譲様には見えないそんな姿を見られるという事は、リトにだけ許された特権なのかもしれない「んっん…ん…全部っ…入り…ましたわ…ぁ」「動いていい?」息も絶え絶えにコクコク頷く沙姫の了解を得て、リトは腰を動かし始める両脚を高く持ち上げ、欲望の限り腰を突く「そ…そんなひきなりっ!?」「沙姫…沙姫…」耳元で囁き続かれる甘い声に、身体どころか心までとろけてくる「リっ…トっ…あっ、やっ、ああぁ…」ガコンガコンと便座の擦れる音も二人の世界には聞こえてこないただ、水音の音と、甘い声だけがその世界にはあった「き…キモチよすぎて止まらな…」「あ…あっ、もっと…もっとしてっ」琥珀の瞳が爛と輝き、舌を出してリトを手招きする絡み合う舌と舌が新しい水音を生み、二人の動きに拍車をかけるガコガコと前後に動く便座に沙姫は少し眉を寄せた「んく…ん…ちゅぱ…んっんっ…ぷはっ…はぁ、ちょっと待って」「何?」訊き返す間も腰の動きは止まない沙姫はチラリと後ろを見ながら、リトの頬に手を這わした「少し腰が痛くなりましたわ…。ちょっと身体の位置を変えさせて」「あ、ああ。わかった。じゃあさ、ソコの壁に両手ついて」「両手を…? こ、こうですの?」言われた通り壁に両手をつきながら、腰を突きだす様にリトの喉が小さく唸る「そうそう。じゃ、続きな」「え、ええ」くちゅりと入ってくる肉感に沙姫は奥歯を噛み締める「すごっ…んっんっ…り、リト。そんながっつかなくても…」本能のままに動きを再開し始めるリトに沙姫は、喜悦が入り混じった吐息を向ける好きな男に抱かれるという悦びに身体の火照りを止められない服の上から弄られる胸も、スカートを捲くられ乱暴に揉みし抱かれるお尻も、身体中、全てでリトのぬくもりを受け止めたいと想うパチュパチュと鳴る水音に混じって、沙姫の押し殺したような喘ぎが、個室の中に反響する人に聞かれないよう、指を咥えながら身悶える様に、リトの中で欲望が込み上げてくる服を捲り、ブラの上から胸を弄る手をやめると、細い腰に手を置き、より奥へと腰を突き刺す「はひっ、んっ…ひト、もっとやさひく…あふっ」咥えた指の間から唾液をこぼしながら、沙姫の身体に熱がこもっていく下腹部を中心にソレは、散々中を掻き回すリトにも伝わる震える下半身を感じながらリトは沙姫の耳元で囁く「沙姫のかわいい声がもっとききたいからイヤだ」「んふっ…ん、んっ!」耳まで真っ赤にさせながら、横目で睨む沙姫にリトは笑みで応える「ふぅんっ、んんぅっ…んん!!」何か言いたげに視線を向けてくるが、今のリトには涼しいものだただ、その眼差しをジッと見つめながらリトはあることを想う「…でもやっぱ沙姫ってキレイだな」「んんっ…な、なにひって!?」「やっぱ最高のカノジョだよ」「へっ!!?」今度こそ目を丸くして言葉に詰まらせる沙姫に笑顔を送ると、リトはその頬にそっとキスをする「…ッ!?」「ってそろそろ限界…」リトの言葉通り、すっかり膨れ上がったモノは沙姫の中をギッチリと圧迫し、吐き出す時を待っている「沙姫…もっ、もう出す…な」「ふぇ? ちょ…ちょっとまっふぇ! もぅふこひで…」「ごめん…っう!!」ビュルビュルと勢いよく出された欲望は、沙姫の子宮へとほとばしり、あっという間にいっぱいにしてしまう「んんんんっ!!」指を噛み切らんばかりに咥えながら、沙姫は上ってくる快楽そのままに、ブルブルと身体を震えさせる「あはっ…すごひ…ひっぱい出てるぅ。リトのがひっぱいひっぱい出て…」脚までもガクガクと震えだすと、自分では立っていられないのか、急にその場にへたり込んでしまう沙姫を、リトはとっさに腕で支える便座の上にそっと座らせると、リトは汗でベタ付いた沙姫の前髪をやさしく掻き分けていく眼が虚ろでどこを見ているのかわからない沙姫の股からは、とろりと溢れ出る白濁液に続いて、チロチロとおしっこが出てくる「見てはいけませんわよ……リト…」なんて言われてもその官能的な光景に眼を逸らすことができない喉の奥に消えるツバと共にジッと見つめ続けるリトに、沙姫はばつが悪そうに眼を彷徨わせる「だいたい、あなたがいけないんですわよ? あんな…」「ってオレのせいかよ! つーかオレ、そんな激しいコトやってないだろ?」「そ、それはその…まァ…」「ん?」急に余所余所しくなる沙姫にリトは眉を寄せた「沙姫?」「な、なんでもありませんっ!」乱れた服や、髪を、手で軽く整えていく沙姫にリトの疑問はますます膨らむ(…オレ、なんかヘンな事言ったっけ?)リトの疑問を余所に、終始、顔を真っ赤にさせたままの沙姫は、その気持ちを誤魔化すかの様に、極力リトを見ないように、身なりを整えていった結局その後、沙姫の計らいで無事トイレから抜け出せたリトは、沙姫と共に人ごみでごった返すロビーを抜け、映画館入口へと来ていた「うぅ…さむ…」季節はまだ十月だと言うのに、街を吹き抜ける風は木枯らしに近いブルっと震えるリトの隣で沙姫は、そのいつもの頼りない横顔を見つめていた(ハァ…。私ってああいう愛情表現しかできないのかしら…)映画館の中や、眼の前を歩くカップルの仲良さそうな雰囲気に心躍るも、いざ自分は? となると何もできなくなってしまう沙姫なりに色々考えるも、いつもああいった行為でしか自分の気持ちを表せないでいた(それもできているのかどうか疑問なんですけどね…)と、心の中で自問自答を繰り広げる沙姫に、隣のリトは相変わらずの様子(まったく…。このコがもう少しちゃんとしてくれれば…)リトを想えば溜め息は深くなりリトを見れば溜め息の数が増えていく冬の冷たい風で手が冷たくなってきた頃、ふいに温かい感触が手を覆っていく「え…」隣を見れば、リトがハニカミながら手を握ってくれていたギュッと握る強さに反応するように、沙姫の顔にぽぉっと熱が帯びてくる「…ぁ…ちょ…な、何ですの?」「えっと…あのさ。これから何か食いにいかない? ほら、まだ何も食ってないだろオレたち」それはそうなのだが、沙姫の頭の中は、すでに空腹どころではなくなっている繋いだ手の先から頭の芯までが沸騰したかの様に熱くなっていた「り、リト…!? こ、コレはどーゆー…」「つーかオレたちって、ちゃんと手を繋いだ事なかったから」苦笑いが混じるその笑顔は、リトなりの精一杯の気持ちなんだと沙姫にもわかるわかるのだが「だ、だからってこんな人前で…」「…イヤならヤメるけど…?」少ししょんぼりしたリトの声に、沙姫の瞳が揺れる「ち…違…、べ、別にイヤなのではなくて…」「なくて?」沙姫はリトから手を離すと、腕を組みながらそっぽを向ける「その…人前でこんな風に手とか繋いだことがなかったからで…。だから別に、アナタと手を繋ぐのがイヤなのではありません」繋いでいた方の手をそわそわさせながら、沙姫は眼を彷徨わせる。どこを見て、どうしたらいいのかわからないでいたそんな沙姫にリトは顔を綻ばせる「そっか。安心した。それじゃあ、あらためて」すっと差し出された手を一瞥すると、沙姫はわずかに口を尖らせたまま、オズオズと手を伸ばす「し、仕方わりませんわね! そのかわり、ちゃんと私をエスコートしなさい!」「わ、わかった」甘いトゲを含んだうれしそうな声音に、少し自信のない背伸びした声が応える重なる手と交わる眼に、二人の頬がほんのりと赤く染まるどちらともなくギュッと握りしめると、街の中へと歩き出す「ところで夕食だけど、私、今日は、おいしいシュブルイユかリ・ド・ヴォーが食べたいですわ」「よ、よくわかんねーけど…たぶんムリ」「まァ! 即答するとかいったいどーゆー了見ですの? リトッ!! さっき言いましたでしょ! ちゃんと…」街のざわめきの中に二人の声はとけていくもうすぐ冬がやってきて、二人にとっての初めてがたくさん訪れる
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