「じゃーね、里紗! 約束だよ!」「分かった分かった。じゃ、またね」今日はまあ、普通の日曜日。未央と買い物に行って、ファーストフード食べて。で、丁度今お別れしたとこ。「ふぅ……」ちょっとため息をつく。約束ってのは、未央が働いてる妹カフェと、最近流行ってるのかどうかしらないけど、執事喫茶? って奴の合同企画。メイド服の女の子と、執事服を着て男装した女の子がペアになって、そういうカップルのコンテストをするんだって。なんつーか、世の中乱れてるよねぇ。で、未央がメイド服で、私が執事服の役だってさ。未央は、『里紗なら絶対似合うから! 優勝狙って行こ!』とか言ってたけど。どうなんだか。そんなことを考えながら歩いてると、ちょっと離れた所に知った顔が歩いてる。(あれ……唯?)なんだかボーッとした感じで私のことが目に入ってないみたい。ちょっと近寄って声をかけてみようとしたんだけど……(ん……?)なんだか、様子がちょっと変。ウツムキ加減で嬉しそうな顔して、時々唇を手でさすったりしてる。(ははぁ、これは……)ピンと来た私は、唯の目の前に立って声をかけてみる。「ハーイ、唯!」唯がビクッと驚いたように顔を上げて私の方を見る。「あ、も、籾岡さん……」まだなんだかボーッと夢うつつな感じ。私はちょっと唯をからかってみたくなってきた。「なんだか嬉しそうにしてるじゃない。なんか良い事でもあったの?」「えっ!? べ、別に、何も……」「ふふーん、誰かさんとデートしてたとか?」「えぇっ!? そ、そんなの……」「キスしちゃってたりしてー」「えっ!!」なんかもう、こっちが呆れるくらいにお決まりの反応。「そ、そんなのあなたに関係ないでしょ!!」顔を真っ赤にして、大慌てで誤魔化し始める。本当にもう、こいつといい、結城といい、なんつーか、ババ抜きは一緒にやりたくないタイプだね。勝ち過ぎちゃって、かえって気を使わされちゃうから。でも、もう一回だけ遊んでみようかな。「へぇ……。でも、口紅、ちょっとニジんでるけど?」「えっ!?」唯が慌てて自分の唇を押さえる。それを見た私はクスッと笑って、「じゃねー、唯。お幸せに」そう言って手を振って、呆然としてる唯を尻目に立ち去っていく。本当にまったくもう、自分が何付けてるかも忘れたのかよ。あんた、クソ真面目に透明なリップしか着けない風紀委員様だっつーの。そんなこんなで家に帰って来た私。ドアを開けて、日本人のお約束を口にしてみる。「ただいま」少しだけ待ってみる。家の中は、物音一つしない。もう一つのお約束は、破られちゃったみたいだ。まあ、それは別に構わない。この家では、お約束が破られるのがお約束なんだから。私は靴を脱いで揃えてからスタスタと家に上がる。ふと、居間を見てみる。誰もいない。テーブルがあって、ソファがあって、誰も見ていないガラクタのテレビがあって。「……」なんとなくそこで立ち止まって、じっと真っ黒な液晶の画面を見つめる。ふと、この間の結城との会話を思い出した。『テレビとか見る?』『結構見るな』「……」ちょっとうつむいてから顔を上げる。なぜかソファに結城の奴が座ってた。液晶に映ってるのは、なんだっけ。男共が玉をおっかけて必死で走り回る奴。結城の奴、テレビ画面に夢中になっちゃって、まぁ。私は肘を結城の肩に乗っけて、からかってみることにした。『あんた、こんなの何が楽しいの?』『うるせえな。今いいとこなんだから邪魔すんなよ』なんだ、その言い方。ムカツク。もうちょっと私のことを構いなさいって言うんだ。『まったく、ガキだねー、あんたも』私は肘で結城の肩をグリグリしながら言った。『うるせーって……おおっ! そこっ! そこだっ! 行け……あーっ!? 何やってんだよ! ったく……』結城は立ち上がってテーブルに手を付いて、テレビと喧嘩し始めた。私はその後ろで、手を組んでフッとため息をついた。『まったく。男って奴は……』「……」そんなバカな妄想を、首を振ってフッと笑い飛ばす。(ったく、何やってんだか、私は……)私はスタスタと自分の部屋に向かった。しばらく聞いてなかったCDをなんとなく掛けてみて、ベッドの上でボーッとしてみる。「ふぅ……」なんか最近、ため息が多くなった気がする。なんでだろ。自分でも良く分からない。ふと、さっきの唯の態度を思い出した。(あいつ、結城とキスしたのかな……)「……」なぜか、寝返りを打って顔を横に向けてしまう。どうしたんだろう、私。最近なんか、結城のことを考える時間が多くなってきた気がする。「……」(まさか、ね……)おっと、CDが止まったみたい。また、私の周りが静寂で包まれる。「……」そう言えば、しばらくやってなかったっけ。(やってみようかな、ヒマだし……)私は上着のシャツとスカートを脱いで、下着姿になる。ネタは……温泉旅行の時のこれでいいかな。結城と私と、春菜と未央とララちぃが写ってる写真。ま、結城と私は反対側にいるんだけどね。結城の所をじっと見て、念を込める。むん!結城が私を攻めてるとこ、結城が私を攻めてるとこ……で、私の頭に思い浮かんだのは、結城がやられてる女みたいな顔して……『ダ、ダダ、ダメぇ……』プッ!「ギャーッハッハッハ! 無理、無理! 絶対無理だって!あいつが攻めてるとこなんて、絶対想像できねー!」私が一人でそんなバカをやってると、ケータイから未央の着信音が鳴り出した。「ハーイ、何?」「あ、里紗? さっきの話だけどさ。私、あの日ちょっと用事が出来ちゃって、行けなくなっちゃったんだ」「ふーん。じゃ、止めにする?」「うーん、仕方ないねえ。せっかく、里紗なら良い線イケると思ったのになぁ」「ま、私は別にどうでもいいけどさ」「うーん。誰か代わりの娘がいないかなぁ」「代わり、ねぇ……」その時。私の頭に電光の様にキラめく、スーパーナイスアイディア!私は口元にニヤリと笑みを浮かべて未央に告げた。「いるよ、代わり。最高に可愛いのが、ね」「え! 誰、誰? 私の知ってる人?」「うんうん。えっとね……」さて、『執事とメイドコンテスト』の日になった。私は未央からもらった執事の衣装を着けて、リコりんと会場の前で待ち合わせ。話によれば、未央から衣装は渡しておいてもらえる手はずだけど……。お、来た来た。「う、うぅ……」おお、予想通り良く似合ってるぅ!今にもパンティが見えちゃいそうなミニスカメイド服。おーリコりん、パンティが見えないように前を押さえながら歩いてるよ。立派に女の子してんじゃん。あんなに顔を赤くしちゃってまぁ。「ハーイ、リコりん」今日の私の彼女に声をかけてみる。「も、籾岡……」恥ずかしそうに顔を赤くしたままリコりんが返事をする。「いやあ、似合ってるねえ。ほんと。予想以上だね」「う、うるさいっ! こ、こんなことさせやがって……」私はクスッとリコりんに笑いかける。「あーら、そんな言葉使いはダメよ。リコりん、女の子なんだから」そう言って、リコりんのあごにスッと手を当てて、ちょっと顔を近付けてみる。「な……?」女になったリコりんと私だと、私の方が少し背が高いみたい。んー、背の釣り合いもちょうどいい感じじゃん。「リコ。今日はお前と会えて嬉しいよ」「は!?」眉をひそめて変な顔してるリコりん。「ダーメ。今日は私は執事であんたはメイド。あんたは私の彼女なんだから、そういう言葉使いしてみなよ」「うー……」イヤそうな顔してるリコりんだったけど、冷や汗をタラしながら、「も、籾岡くん。り、リコ、籾岡くんに会えて、嬉しいな」ちょっと震えながらなんとか言えたみたい。(プッ……)思わず吹き出しそうになるのを堪えて続けてみる。「リコ。おはようのキスしてもいいかい?」「な!?」私はリコりんの肩をグッと両手に持って私の方に引き寄せる。だんだん近付いて行く、リコりんと私の顔。「お、おい、ちょっと……」リコりん、目を見張って冷や汗をダラダラ流してる。「リコ、キスの時は目を閉じるもんだぜ」私、リコりんのまぶたに手を当ててスッと閉じさせた。「……!」リコりんびっくりしたみたいで、なんか顔を赤くしてプルプル震えてる。私はクスッと笑うと、バッと思いっきりリコりんのスカートをめくってやった。「!?」おー!! さっきから私達に注目してた周りの通行人から声が上がる。「きゃっ!?」顔を真っ赤にして慌ててスカートを押さえるリコりん。「な、な、なにすんだー!?」その大慌ての顔を見て、私は思いっきり笑ってしまった。「あーっはっは! ほ、本当立派な女の子になっちゃったねー! ぎゃっはっは!」「うーっ……」膨れっ面で私を睨みつけるリコりん。ほんっと、可愛い彼女だね。面白いからもうちょっとイジメてたい気もするけど……。「ま、とにかく入りましょうか。そろそろ始まるから」私達二人、ステージの袖で出番を待ってるとこ。「はい! 次はエントリーナンバー14番、籾岡里紗、夕崎梨子ペア!」どうやら私達の出番のようだ。「じゃ、行こっか」「うぅ……」リコりん、まだなんか躊躇してるみたい。「ほらっ」「お、おいっ……」私はリコりんとグッと腕を組んで、リコりんを引っ張ってステージに歩いて行った。「オーッ!!」私達が現れた途端、客席から歓声が上がった。執事服に白い手袋を着けて颯爽とリコりんをエスコートしてる私と、私の腕にもたれかかって頼りなげにヨタヨタ歩いて来るミニスカメイド服のリコりん。「あ、あの執事の人カッコよくない!?」「カッコいいーっ」なんだか女子どもが私を見てキャーキャー言ってる。「おいっ! あのメイド少女、可愛くないかっ!?」「おうっ!! 一体、どこのメイドカフェの娘だ?」「いや……データにないなぁ」なんか男どもがリコりんにチェック入れてる。司会役の男がマイクを持って私の所にやってきた。「はいっ! 自己紹介をお願いします」私はマイクを受け取って答える。「執事の籾岡です。ご主人様、よろしくお願いします」胸の前で白い手袋をはめた右手を平行にかざして恭しくお辞儀をする。きゃー!一部の女の子から声が上がったみたい。で、リコりんにマイクを渡したんだけど……「うぅ……」リコりん、ぷるぷる震えてなかなか声が出て来ない。(ちょっと手伝って上げようかなぁ……うふふ……)私はペロリと唇を一舐めして、リコりんのお尻に手でスッと触ってみた。「ひゃんっ!」ビクン! リコりんの体が跳ねる。ニヤッと笑ってリコりんに囁きかける。「ほらほら、はやく言わないともっとしちゃうよ?」スリスリとお尻を触ってみる。「ううぅ……わ、分かったから、止めて……」リコりん、なんとかマイクに向かってしゃべり始める。「は、初めまして……め、メイドの、夕崎、梨子です……ご、ご主人様、よろしく……ひゃんっ!?」私はリコりんの台詞の途中でまたリコりんのお尻を触ってみる。ピクンッとリコりんが反応して、顔が赤くなって手足がピンとなっちゃった。「も、もう止めてよ! 籾岡くんのエッチ!」「あはは、ごめんごめん。リコがあんまり可愛いからさ」クスクス……。会場から笑い声が上がる。そこに司会役の人が上手い事合わせてくれる。「おーっと! これはまた、仲睦まじいお二人ですねぇ。お二人が付き合い始めたきっかけはなんですか?」おお、そう来るのか。ニヤッと笑って私は返事する。「オレ達、高校の同級生なんです。それでオレ、リコのこと一目見て気に入っちゃって……」おー! 歓声が上がる。「なんと、一目惚れですか! イヤー、素晴らしい。で、リコさんは?」マイクを渡されたリコりんがちょっと動揺してる。「え!? わ、私は、その……」どう反応していいか分からずに、私の方を見て助けを求める。クスッと笑って、私は助け舟を出してやる。「リコ。ありのままに答えればいいんだよ」そう言われてリコりん、しぶしぶ話し出した。「え、えっと……私……さ、最初はそういう気、なかったんですけど、も、籾岡くんにアプローチされて、断りきれなくて……」「ほう! じゃ、今はどうですか? 籾岡くんの事、好きですか?」「えっ!?」会場の視線がリコりんに集まる。リコりん、顔を真っ赤にしてビクビクしながら答える。「え……き、嫌いじゃないですけど……だ、だって、も、籾岡くん、すっごく意地悪で……」ドッと会場から笑いが起きる。私はクスッと笑って、リコりんの肩に手を置いて言う。「リコ。オレが君に意地悪してるのは、オレが君の事愛してるからさ」おーっ!!一際大きな歓声が上がる。「あ、う……」リコりん、私にそう言われてタジタジになっちゃってる。そこでまた司会の人がうまくまとめてくれた。「はいっ! まだ発展途上みたいですが、これからの二人の恋愛に期待したいですね!じゃ、籾岡・夕崎ペアでしたー」パチパチパチパチ!私は一礼した後、拍手の音を聞きながらリコりんと腕を組んで舞台袖に歩き出した。で、ようやくふぅ、と一息ついたリコりんの足に、チョンと足を引っ掛けてみる。「わ!?」いきなり足を掛けられて転びそうになるリコりん。「危ない!」言いながら、リコりんの腰の辺りを支えてリコりんが転ばないようにすると……オオオッ!!男共の歓声が上がる。だって、リコりん4つんばいになって、リコりんのパンティ、ミニスカがめくれて丸出しになっちゃってるんだもん。「おーっと!? これは、白だーっ!!」司会の人が絶妙の間の手を入れる。「キャッ!?」慌てて手を後ろにやってスカートを押さえてるリコりんが、「うー!」なんか顔を赤くして私の方を恨めしそうな目で睨みつけてる。私はその顔を見てプッと吹き出して、リコりんを立たせて舞台の袖に引っ込んだ。「な、なにすんだよっ! みんなの前であんなことしやがってぇ!」真っ赤な顔で私に抗議してくるリコりん。「あはは、ごめんごめん。ちょっと観客にサービスしようかと思ってさ」「うー!」出番が終わった後、私とリコりんは人気の少ない女子トイレの個室に入ってた。リコりんの話によれば、どうやらそろそろ男の体に戻る時間らしい。おっ、なんかリコりんの体から煙みたいなのが出て来た。パッ!「へぇ……」あっという間にリコりんの体が結城に戻った。「ふーっ。やっと、元に戻れたぜ……」結城がなんだか一息ついてるみたい。トイレの中には便座に座った結城と私の二人だけ。なかなかの危ないシチュエーションなんだけど、結城はメイド服を着てて、私は執事の服を着てたりするんだけどね。「で、これからどうするの?」はぁ、と結城がため息をつく。「やっぱ、また女になるしかないのかなぁ……」そう言いながら、懐から光線銃みたいなのを取り出した。ああ、これが例の男と女を入れ替える銃か。結城は浮かない顔をして、自分に銃口を向けた。「……」それを見た瞬間、なぜか私はその結城の持ってる銃をそっと両手で包み込んでいた。「へ?」結城が意外そうな顔をして私を見る。「そんなに急がなくてもいいじゃない」私は結城から銃を取り上げて、棚の上におく。「そ、そんなこと言っても……ここで、何すんだ?」私は執事服のズボンを脱ぐと、便座にまたがってる結城の太ももの上に自分の太ももを乗っけて向かい合って座った。「おいっ!?」驚いた顔の結城。私はクスリと笑みを浮かべて結城に告げた。「ナニ、しない?」「な、ナニって……何だよ!」「あーら、男と女が狭い個室で二人っきり。やる事なんて、決まってるじゃない? ダーリン……」私は人差し指で結城の乳首を服の上からツツッとなぞって挑発する。「あっ! な、なな、何言ってんだよ! 冗談はよせ!」もうちょっとだけ、結城に顔を近付けてみる。「なんで冗談って決めつけるの?」「な、なんでって……」「あんた、唯とキスしたんだってね」「へっ!? な、なんで……」「唯とあんた、本気なんだ」「ほ、本気って……」スッ。そっと、手を結城の頬に当ててみる。「じゃ、私があんたに本気になっちゃいけないの?」「えっ……」「この間の、あんたの告白相手の話……」少し間を置いて、ゆっくりと告げた。「やっぱり、私、ってことにしてくんない?」「お、お前……」「今だけで、いいからさ……」ゴクリ。私の顔を見た結城が唾を飲み込む音が聞こえた。私はじっと結城の目を見つめた。結城は私に見つめられるのに耐えられなくなってきたみたいで、私から目を反らしてしまう。「目を反らさないで」「えっ」「どうしても反らしたいなら」一呼吸おいて、私は告げる。「目を、閉じて……」一瞬目を見張って私の瞳をジッと見つめていた結城が、怯えるように目を閉じた。私は結城に顔を近付ける。「結城……」私の声の温度すら、結城の唇に伝わってるだろう。「私、あんたの事……」結城の顔は、私の態度に混乱しているのか、怯えているのか、その両方なのか。その中に、私への気持ちは入ってるのか。まあ、こいつの顔見てたらなんとなく分かっちゃうよね。顔を赤くして、キュッと唇を固く閉じてプルプル震えてる……。ま、そうだよね……。(ダメ、か……)……。ま、分かってたけどさ。分かってたけど……。(なんで、こんなに、私……)……。フッ。自分があんまり可哀想で、ちょっと笑ってしまった。だから、私は……ムギュ!「んっ!?」思いっきり、結城の鼻をつまんで言ってやった。「大バカ、って思ってるわよ」「んーっ!? んーっ!?」鼻をつままれた結城が、痛そうに涙目になる。「ギャハハハ! まただまされてやんのー! バーカバーカ!」私は思いっきり涙を流しながら大笑いしてやった。「にゃ、にゃにすんにゃー!!」必死の顔で結城が私に抗議してくる。それを見た私が、ますます涙を流しながら結城のことを笑い飛ばす。「ギャハハハハ! アハハハハ! ヒーッ、ヒャハハハ!」ああ、笑うってのは本当に便利だな。どんな涙でも、笑い涙のフリが出来るから……。「アハハハハ……アハハハ……アハハッ……アハッ……」あれ? おかしいな。「アハ……ハ……ハ……ヒッ……」どうしたんだろう、私。「ヒック……ヒック……」笑いだけ収まって、涙が止まらないなんて……。「籾岡……?」結城が私のことを心配そうに見つめて来る。あーあ、私。同情されちゃってんのかな。「ちっ。ちっと笑い過ぎちまったい!」涙を手で拭って、無理矢理笑いを浮かべて見る。あ、ダメだなこりゃ。多分、目は赤くなってるし、声がちょっと震えちゃってる。うー、止まれ! 私の涙!「お前、まさか本気で……」なんか生意気なことを言って来る結城。そのまま私の目をじっと見つめて来る。うっ……。これじゃ、さっきと逆転しちゃったみたい……。あっ!結城の奴、私のほっぺた触りやがって!結城のくせに!結城のくせに!結城のくせに、私の唇を奪いやがって……。結城の唇が、私の唇に触れてる。ああ、こいつらしい、優しいキスだな。それにしても、結城。こいつがこんな強引なキスの仕方をしてくるとは。結城リト、意外に男だったんだな。私としたことが、油断してた。チキショー。あ、なんかムカついてきた。よし。仕返ししてやる。その計画を練ってるうちにリトが私から唇を離した。私は、素直に感想を述べる。「リト、あんた意外にやるじゃん」「そ、そうか」リトは照れたように鼻の頭をポリポリと掻いた。「じゃ、ご褒美あげようか」「えっ?」私は、リトの腰から下りると、リトのミニスカメイド服のスカートに右手を入れて、パンティの中からリトのモノを取り出した。「お、おいっ!?」リトの声を無視して、リトのモノをしごき始める。「んっ……うっ……あっ……」んー、さすがにここは敏感に反応するなあ。だんだんとリトのモノが大きくなってきた。モノが、リトの履いてるパンティからはみ出して、ニョキッとそそり立っちゃってる。私はリトのモノに顔を近付ける。「お、おいっ」パクッ。「うっ!」右手で棒を持ちながら唇でくわえた。で、右手の3本の指で棒をこすって、ついでに左手で袋を優しく揉み揉みしちゃったり。「はうっ! あっ!」でもって、先っぽの傘の根本を唇でくわえてキュキュッと唇で締め付けてみたり、口の中の先っぽを舌でペロペロなめ回してみたり。「あうっ! はんっ! ぐっ……!」おお、なかなかの反応。実際にやるのはこれが初めてなんだけど、私ってなかなか才能あるじゃんっ。ニヤッと笑って続けてみる。今度は唇で棒を締め付けながら上下に擦ってみる。ついでに口の中で動いてる先っぽを舌で擦ったりね。「うっ……はぁっ……あっ……!」だんだん、リトの息が荒くなり始めた。棒がもうギンギンになって、手がピンッと伸びてて、腰がブルブル震えて、あ、なんか左手で持ってる玉が、ちょっとキュンッてして来た……。「う……で、出るっ……籾岡っ……」なんかリトの奴、一生懸命必死な顔してる。うふふ。そろそろ頃合いね。私は棚から例の銃っぽい奴を手に取って、「出るっ……出るぅっ……え? お前、な……あーっ!?」ニヤリと笑いながら、出す寸前のリトに向けてビームを発射してやった。「は……ぅ……ぐぅっ……」リコりん、顔を真っ赤にして、あそこを押さえて悶え苦しんでる感じ。「な、何すんだよーっ!! 今出るとこだったのにーっ!!」涙目でプルプル震えながら抗議して来る。まあ、そりゃねえ。今出そうとしてたものが、いきなり出せなくなっちゃねぇ。私はククッと笑いながら言い訳してみる。「あはは、ごめんごめん……。でも、今出したら未央から借りた衣装が汚れちゃうでしょ?」「うぅ……」リコりん、まだ苦しそうにあそこを押さえてる。なんか自分の中のモヤモヤが行き場を失ってあそこの中でグルグル回ってる、って感じかな。ニヤリと笑ってリコりんに告げる。「でも、女の子にだって付いてるじゃない。ア・レ」そう言ってリコりんのスカートをめくって、パンティを見てみる。おっ。なんか、クリトリスがちょっと大きくなってるみたい。男だった時のが残ってるのかなぁ。私は右手の指先でそれをパンティ越しにそっと触ってみる。「ひいいぃっ!!」ビクビクッ!!リコりん、体中に電撃が走ったみたいに大きく飛び跳ねた。「あああぁ……」体がガクガク震えて、歯がかみ合ってないみたいにカチカチ言ってる。(ウ、ウソ……なんか、ムッチャクチャ感じやすくなってない?)うーん。もう一回試してみよう。クニ。「いひゃああああぁんっ!!」ビクビクビクッ!!もう、リコりん体がガクガク震えて、よだれ垂れ流して、顔はもう真っ赤っかで……。「や……やめへぇ……そこ……さわんないれぇ……」マジ?もしかしてリコりん、一回触られただけでイッちゃうの?じょ、冗談キツイよ……。「ククク……」私は手を顔にやって、笑い出しそうになるのを必死で堪えていた。な、なんでこう、こいつは私を笑わせずにはいられないんだろう。私はリコりんに向かってニヤリと笑って言った。「そんじゃ、天国に連れて行ってあげるよ」「や……や……やめ……」ツン。「いひゃあぁんっ!!」クニ。「ひいいいぃんっ!!」コリ。「うっ……ひいいいぃっ!!」何度も何度も、私に触られるたびにイッちゃうリコりん。もう体はビクンビクンしっぱなし。よだれをダラダラ垂らして、だんだん目の焦点が合わなくなってきたみたい。(じゃ、そろそろこの辺にしといてやるか……)私は最後にキュッとリコりんのクリトリスをつねってみた。「いっ……いいいいいいいいぃぃぃっ!!!」もう、すんごい大声上げて体が弓なりにビクンッ! て仰け反って……「あ……は……は……」顔を上に向けたまま……あ?「れ……れちゃう……れちゃうっ……」プルプルッてリコりんの腰が震えたかと思ったら、もう濡れ濡れだったパンティにだんだん染みが出来てきた。(え……ちょっと……マジ?)染みはどんどん広がって、パンティの横からリコりんのおしっこがはみ出して来た。「うわっ!?」ビックリして思わず手を離す。リコりん体に力が入んなくなっちゃったみたいで、涙目で顔を真っ赤にして震える手で一生懸命パンティを押さえるんだけど、「ら……らめぇ……と……とまんにゃいよぅ……」パンティを履いたまま、ボーゼンとした表情でオモラシしちゃってる。シトトトト……。パンティからおしっこが染み出て落っこちて、太ももからもリコりんのおしっこが伝い落ちてる。(あちゃー。ちょこっと、やり過ぎちゃったかな?)「あ……はぁん……」ボーゼンジシツでプルプル震えながらオモラシしてるリコりんを見て、私はちょっとだけ頭を掻いて反省するフリをしてみた。オモラシをし終わったリコりん、顔に手を当てて泣き出した。「ぐすっ……ひ、ひどいよぅ……籾岡のバカぁ……」さすがの私も、ちょっとだけ罪悪感を感じてる……かな?「あ、ははは……ごめんごめん、こんな風になるなんて思ってなくてさ……」男の時に出せなかったのが、こんな形で出て来るなんてねぇ。いやー、ビックリビックリ。「じゃ、私が悪かったから、洗って来てやるよ。さ、パンティとタイツ脱いで。あと、ハンカチ持ってたら貸してくれる?」「うー……」リコりん、なんか不満そうな顔して、便座の上でおしっこに濡れたパンティとタイツを脱いで私に手渡した。「じゃ、ちょっと待ってて」リコりんを個室に残して洗面台に向かう。で、パンティとタイツをよーく洗って、奇麗にたたんで両手のひらで挟んで水を押し出して、私とリコりんのハンカチで挟んで水気を出来るだけ吸い取ってやる。(ん、こんなもんかな……)それが済んだら、ハンカチをお湯で濡らしてリコりんの所に戻る。便座の上で、下半身丸出しで体育座りしてるリコりん。「じゃ、拭くから。足上げて」「あ、ちょ、ちょっと……」リコりんの足をVの字に上げさせる。おお、御開帳ーって感じね。「ううぅ……」リコりん、なんだかすっごく恥ずかしそうに顔を赤くしてる。私はまず、太ももに暖かいハンカチを当ててそっと汚れを拭き取る。「あっ……」私に太もも触られて、リコりんちょっと感じてるみたい。ほんと、感じやすい体ねぇ……。そのまま足の先まで拭き取って、もう片方の足も拭いてやる。次はお尻。「んっ……」リコりん、目を閉じてなんかプルプル震えてる。お尻もやっぱり、敏感なんだねぇ。で、最後はリコりんのあそこに暖かいハンカチを当ててみる。「は……んっ……」暖かい感触にうっとりするみたいに、リコりんが目を閉じて感じてる。ハンカチがリコりんのチョー敏感なクリトリスに当たる。「んっ……はぁ……」また、リコりんの体がプルプル震え出した。おいおい。またイッちゃうんじゃないだろーな。で、一回拭いて、もう一回。「い……ひぃ……」あーあ、ヤバいな。リコりん、私のハンカチですっかり感じちゃって、せっかく拭いたのにあそこがまたトロトロになってきちゃった。キリが無いので、この辺にしとくか。「はい、おしまい。じゃ、これ履いて。ちょっと濡れてるけど」リコりんに洗ったパンティとタイツを履かせてる間に、私はもう一度ハンカチを洗いに行った。「ふー。まったく……人の体、オモチャにしやがって……」リコりん、ため息をついて私に文句をつける。私はちょっとムッとして言葉を返す。「あーら。私のファーストキスに比べたら、安いもんじゃない」「ファースト……ええっ!? お、お前、初めてだったのか!?」リコりん、ギョッとして私に食ってかかる。その様子を見た私は、クスッと笑ってリコりんに告げる。「バーカ。冗談よ」「な、なんだ……。ビックリさせるなよ……」リコりん、ホッと胸を撫で下ろしてる感じ。それを見て私はフッと鼻で笑った。(ほんっと、冗談と本気の区別が全然つかないんだな、こいつ……)『冗談よ』なんて、冗談なのにねぇ。うふふ……。「じゃ、そろそろ出ましょうか」「はぁ……またあそこに戻るのか……」ガックリ肩を落とすリコりん。私はその様子を見て、クスッと笑って言った。「そうだね。もう面倒くさいから、このままフケちゃおうか」「え!?」「せっかくだから、このままデートしない?」「デートって、この格好でか!?」私はスッと手をリコりんのあごに当てて言った。「リコ。今日は忘れられない一日にしてあげるよ」唇をリコりんの口に近付ける。「お、おいっ! 今は女同士……」「あれ? 前言わなかったっけ。私、どっちでもイケルから」「えーっ!?」大慌てでオロオロし出すリコりんを見て私はクスッと笑いながら考えていた。(ほんと、遊びがいのあるオモチャよねぇ……)ずっと、遊んでいたいな。できれば、一生ずっと。(終)
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