「今日は来てくれてありがとう。それじゃあね」「うん。それじゃまた」別れ際に唯とリトはキスを交わした。唯はリトの小さくなっていく姿を見ながら頬を少し緩めた。自分の体には彼に抱かれた余韻がまだ残っている。それを思うと唯はまた自分の体が熱くなっていくのを感じた。『…やだ…。私ったらまた結城君と破廉恥なことしたいなんて思ってるのかしら…』自分が変わってしまったことを一度は認めたものの、やはり唯には気恥かしさが残っていた。「…宿題しよう…」唯はそう呟いて頭を切り替えることにした。「まさか唯とあんな風になるなんてなー…」リトは唯を抱いたことを思い出した。綺麗な黒髪、なめらかな白い肌、彼女の感触を思い出すと自然と顔がにやけてしまう。「でも…」リトの気にかかったのは唯が自分の精液を膣内で受け取ったことだった。あのとき自分の中を満たした圧倒的な快感、充足感、彼女に対する征服感。それを思い出すと同時に不安に駆られてしまう。自分もやはり性別としては雄であり、女性の中に出したいと本能的に思ってしまうのだ。それが彼女たちを妊娠させるという結果に繋がるとしても。リトは少し考えてから、まっすぐ家に帰るのではなく少し寄り道をすることにした。「ふう…」唯は古語辞典を置き、用意していた冷たい麦茶に口をつける。そのとき唯のケータイが着信音を鳴らした。着信は春菜からだった。「はい」「あ、古手川さん?今電話大丈夫?」「ええ。大丈夫よ」唯の声は春菜が前に電話をかけたときよりも明るくなっており、春菜はほっと胸を撫で下ろす。「ひょっとして心配して電話してくれたの?」「うん。まあね」「ありがとう。でも結城君も来てくれたし、もう大丈夫よ」唯の口から嬉しそうに彼の名前が出ると、春菜の胸はちくりと痛んだ。彼と結ばれた余韻に浸る間も春菜にはなかったのだから。そんな想いを表には出さず、春菜はリトのことを尋ねてみた。「結城君はまだ古手川さんの家にいるの?」「いいえ。結城君ならさっき出て行ったわ」「そう…。でも、古手川さんが元気そうでよかったわ」「結城君のおかげでね。西連寺さんも心配してくれてありがとう。それじゃあ」電話が切れると、春菜はふっとため息をつき、急にリトのことが恋しくなった。唯の声の感じからして、リトは唯とも関係を持つことにしたのだろうということは容易に想像ができた。もしかしたら唯はもうリトに抱かれたのではないだろうか。そんな考えが頭をよぎると、春菜の中にどす黒い嫉妬心が生まれた。リトは自分のことを初恋の相手だと言った。だからゲームの中ならばともかく、現実の世界では自分が一番先に彼に抱かれたいと思っていたし、そうなるものと勝手に思い込んでいた部分があった。春菜はつい我慢できなくなり、リトに電話をかけた。「はい?」リトはドラッグストアから出てきたところで着信が来たことに気づき、電話に出た。「春菜ちゃん?どうしたの?」どうしたのと聞かれると春菜は返答に困った。そしてつい唯のことを話題に出してしまった。「古手川さん、大丈夫だった?」「あ、うん。はじめはちょっと機嫌が悪かったけど、もう大丈夫だよ」「そっか…。よかった」そう言いながらも春菜は唯のことを聞くと、少し心が痛んだ。本当は知りたかったが、具体的に彼女と何があったのかなど野暮なことは聞けない。「ねえリトくん、今からちょっとでいいから会えないかな…?」恐る恐るといった感じで春菜は切り出した。夕方に差し掛かる時間ではあったが、彼と結ばれた余韻に浸る間もなかった彼女はリトに会いたくて仕方なかった。「わかったよ。春菜ちゃんの家に行けばいい?」「うん、待ってるね」リトも正直春菜と一緒にいたかったという気持ちもあったため、春菜の会いたいという一言は正直嬉しかった。リトは電話を切ると春菜のマンションに向かって歩き出した。呼び鈴が鳴り、リトが家にやって来た。春菜は待ちきれないといった感じでリトを迎え入れる。「いらっしゃい。外は暑かったでしょ?麦茶用意するから先に私の部屋に行ってて」「ありがとう。じゃあお邪魔するね」「はい、どうぞ」「ありがとう」リトが春菜の部屋で待っていると春菜が麦茶を持ってやってきた。リトは麦茶を受け取ると一気に飲み干した。「ふー、暑かった~」「無理言ってごめんね。急に来てなんて頼んで…」「気にしなくていいよ。その…俺も春菜ちゃんと一緒にいたいって思ってたから」リトの言葉に春菜は頬を緩める。そしてリトが持って来たドラッグストアの袋に目をやる。「ドラッグストアで何か買ってきたの?」「え?ああ、これ?うん、まあ…」リトは少し歯切れの悪い返事をした。「何を買ったの?」「…見ても軽蔑しない?」リトは袋の中身をあまり見せたくないらしい。彼が見せたくないなら追求すべきではないのかもしれないが、春菜は袋の中身が何なのか気になってしまった。「別に軽蔑なんてしないよ?」春菜の優しい笑みに少しホッとしたのか、リトの緊張が少し解ける。「…じゃあ、はい」リトは春菜に袋の中身を渡した。袋の中身は小さな紙袋に包まれた何かだった。「…なにこれ?」春菜はそう言いながら紙袋の中身を確認する。「あ…これって…もしかしてコンドーム?」春菜の顔は少し赤くなっている。「そ、その…、春菜ちゃんとしたいとかそんなんで買ってきたわけじゃなくて、いずれは必要になるかなって思ったから…」リトのこの台詞は春菜の心にちくりと刺さった。「…そうだよね…。エッチしたいなら私なんかより、ずっといい人がいるもんね…」春菜の声のトーンの変化にリトはしまったと思った。そして春菜はリトに追い打ちをかけてきた。「ねえリトくん…。古手川さんとエッチしたの?」直球の質問にリトは返答に困ってしまう。だが春菜の雰囲気からして言い逃れはできそうになかった。「…うん…」「コンドーム、まだ使ってないってことは古手川さんとは付けないでエッチしたんだね?」間髪いれずに切り返してくる春菜の迫力に負けてリトは黙り込んでしまう。「…私ともしてよ…」「え…」「私だって好きな人と触れ合いたい…。それは他の人と一緒だよ?」「春菜ちゃん…」春菜はそう言うとリトに体を預ける。「私の体じゃ古手川さんほどは満足できないかもしれないけど、私頑張るから…」春菜はそのままリトの唇を奪い、それからリトのズボンのジッパーに手をかける。その様子を見たリトは春菜を制止しようとした。「待って春菜ちゃん、そこは汚いって…」リトの制止を無視して春菜はリトのペニスを引っ張り出してそのまま口づける。その様子にリトは興奮し、リトの亀頭の先から透明な粘液が分泌される。春菜もそれに興奮したのか、リトの亀頭の割れ目に重点的に下を這わせ、唇で粘液を吸い出すようにして刺激を加えていった。「…春菜ちゃん、もういいよ…」すっかり勃起したリトのペニスに春菜は目を丸くする。『これが古手川さんの中に入って、これから私の中に入るんだ…』春菜がそんなことを考えていると、リトから強く抱き寄せられて唇を奪われ、そのまま口内をリトの舌が這いずりまわる。そしてリトは春菜の服に手をかけ、一枚一枚脱がせていく。「春菜ちゃん、怖い?」裸にされた春菜はリトの問いかけに首を横に振った。不安がなかったわけではなかったが、リトとひとつになりたいという気持ちがそれを凌駕していた。そしてリトも裸になると、春菜と一緒にベッドの上に横になった。ベッドの上で二人は濃厚なキスを交わし、お互いの体を愛撫する。唇が離れると、リトは床に転がったままになっていたコンドームの箱を見つめた。「やっぱり付けなきゃだめだよね…」少し間を置いてから春菜は答えた。「…今日古手川さんにしたように私にもして?古手川さんの方が私よりスタイルいいし、私じゃ勝負にならないかもしれないけど、私だって古手川さんに負けたくないもん…」 春菜に涙を浮かべた目でそう言われては、リトに逆らえるはずもなかった。「じゃあ、入れるよ?」リトは亀頭の先端を春菜の膣の入り口に合わせた。先ほどの愛撫で春菜のそこからは愛液が染み出しており、膣肉が柔らかくリトのペニスを包み込んだ。『うわ、春菜ちゃんの中めちゃくちゃ気持ちいい…』リトはつい本能に任せて春菜をめちゃくちゃに突いてやりたいという衝動に駆られるが、ふと今日の唯の顔が脳裏をよぎる。『でも初めては痛いみたいだから、ちゃんと春菜ちゃんを気遣ってあげないとな…』リトが春菜の最深部まで貫くと、春菜は緊張が解けたのか吐息を漏らす。「春菜ちゃん、全部入ったよ…」「…うん、リトくんのが入ってるのがわかるよ…」「動いてもいいかな?」「うん、でもあんまり激しくはしないでね…?」リトはゆっくり、ゆっくりと腰を動かし始めた。春菜の中は優しくリトを包み込み、柔らかく吸いついてきてとても心地よかった。「…あっ…、んんっ…」春菜は眉間に皺を寄せ、声を押し殺そうとしている。リトは春菜の声が唯のときのそれとどこか違うことに気づいた。「…ねえ春菜ちゃん、初めてだし、痛いよね?」リトの問いかけに春菜は答えない。「…」リトは試しに腰を一度大きく引き、春菜の子宮口に叩きつけるように一気に突き込んだ。「ひあっ!」春菜はたまらず腰を浮かせ、リトのペニスをさらに奥まで呑み込もうと膣内がうねった。「…春菜ちゃん、気持ちいい?」「は、激しくしちゃダメって言ったのに…」春菜は顔を真っ赤にしてリトから目を背けた。「…だって初めてなのに気持ちよくて、激しくされたら私のはしたないところリトくんに見られるんじゃないかって不安で…」リトは春菜に優しくキスをして、彼女をぎゅっと抱きしめた。「気持ちいいって素直に言ってくれる方が俺は嬉しいな。まして相手が春菜ちゃんならなおさらだよ?」リトは優しい笑顔を春菜に向ける。春菜がリトの笑顔に安心していたそのとき、リトは春菜の子宮口に亀頭の先端をぐりぐりっと押しつけた。「あっ…!だからそんなことされたら私おかしくなっちゃうって…!」「春菜ちゃんがおかしくなったとこ、たくさん見たいな…」リトはそのまま、春菜の中でさまざまに角度を変えながら彼女の中を味わいつくす。春菜の中はその度リトのペニスに柔らかく絡みつき、リトに射精を促してくる。とうとう我慢できなくなったリトは、息を荒げながら春菜に声をかけた。「ねえ春菜ちゃんっ…、唯にしたのと同じこと、春菜ちゃんにしていいんだよね?」「うんっ、いいよっ…」リトと同じく、体を走り抜ける快感に息を荒げながら春菜が答える。春菜もそろそろ絶頂を迎えようとしていた。「春菜ちゃんっ、春菜ちゃんっ…!」「リトくんっ…リトくんっ…!」互いに互いの名前を呼びながら二人は絶頂を迎えた。リトのペニスから精液が放たれ、春菜の膣内を満たしていく。その感覚にたまらない愛おしさを感じ、春菜はリトの背中に回した腕にさらに力を込めた。リトの射精が終わっても二人はまだ繋がったままでいた。「ねえリトくん、古手川さんってコンドーム付けないだけじゃなくて中に出させるんだ?」「え?いや、今日は俺が我慢できなかっただけで…。今度からはちゃんと付けるよ」「私とするときも?」「もちろん」「ふーん…ちょっと残念かも。私はリトくんなら付けないでいいし、リトくんが中に出したいなら別に…」「春菜ちゃん…」「私、リトくんに初恋の人だって言われて嬉しかった。でもだからこそ、リトくんが古手川さんと先にエッチしたのが悔しかったの」春菜の言葉にリトは黙って耳を傾ける。「けどそれは私の勝手な思い込みだったのね。リトくんなら初恋相手の私を一番最初に抱いてくれるなんて思い込んでた。リトくんの初めては古手川さんに取られちゃったけど、リトくんの最初の赤ちゃんは私が産みたいな」 春菜はそう言ってリトの背中に回していた腕にぎゅっと力を込める。それとともに膣肉が再び柔らかくリトのペニスを刺激し始めた。「春菜ちゃん、そんなふうにされたら俺また…」「もう一回して?もう一回私の中にたくさんリトくんを感じさせてほしいの…」春菜にそう言われると、膣の中でリトのペニスはすっかり力を取り戻していた。「…んっ…あんっ…リトくん、気持ちいいよっ…ひゃんっ…」リトの激しいグラインドに春菜は髪を振り乱して喘いでいる。「俺も気持ちいい…。春菜ちゃん、もっと気持ちよくなろ?」そう言いながらリトは更に力強く春菜の奥を突いていく。「ああんっ!そんなにされたら私…っ」リトは春菜の唇をキスで塞ぎ、そのまま舌を絡めていく。二人の吐息が混ざり合い、二人は二人だけの世界に堕ちていく。リトは射精感の限界を感じ、春菜の中に再び精を解き放った。二人は放心状態のままベッドに横になっていた。しばらくボーっとしていた二人だったが、春菜がのろのろと起き上った。「そろそろお姉ちゃんが帰って来るから、晩御飯の用意しなきゃ…」春菜は乱れた髪を整えるべく、一旦前髪のヘアピンを外す。その様子を見ていたリトがふとこう言った。「春菜ちゃんが前うちに泊まりに来た時も思ったけど、俺、春菜ちゃんは前髪をおろしてる方がかわいいと思うな」「え?そうかな…」「うん、絶対」「じゃあ、前髪おろそうかな…」春菜はそう言ってヘアピンをベッドの上に置く。「…どう…かな?」春菜は少しはにかみながら尋ねた。その様子がかわいくて、リトは春菜と離れるのが寂しくなる。「きゃっ」リトは春菜を抱き寄せ、春菜が上になる形でベッドに倒れ込んだ。控え目ながらしっとりと柔らかい春菜の胸の感触が心地よい。「もう、リトくんたら…。私だって本当は離れたくないんだから…」春菜はそう言ってリトにキスをする。「今度どこかでデートしようよ?」春菜の提案をリトは快諾する。「もちろんいいよ。でも今はもう少しこのままがいいな」「もう…。じゃあ、あと少しだけね」春菜とリトはそのまましばらく二人でじゃれあっていた。もちろんリトは帰りが遅くなり、美柑にこってり絞られることになるのだった…。
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