「寝る前にちょっと付き合えよ」ナナがそう言って取り出したのはあのゲームのパスカードだった。リトは驚いて目を見開く。「ナナ…」「な…なんだよ?別にいかがわしいことしようってわけじゃないんだからなっ!」ナナはそう言うが、リトと目を合わせようとしないし明らかに動揺している。「…ちょっと二人で話がしたいだけだよ…。あたしは先に行ってるから、すぐ来いよ?」ナナはそういうとゲームの世界へ入っていった。リトもカードを取り出し、ゲームの世界にログインする。時は遡って一時間ほど前、モモの部屋でナナとモモが紅茶を飲んでいたときのことである。隣のララの部屋からはベッドが軋む音がギシギシという音が聞こえてくる。「なあモモ…。この部屋ってこんなに防音酷かったか?」ナナは顔を赤くしながらモモに尋ねた。今姉はリトのペニスを受け入れて腰を振っている最中であろうことは容易にわかる。「仕方ないわよ。リトさんもお姉様も年頃の男女なんだから」モモは平然と紅茶をすする。「…なあ…。やっぱああいうことって気持ちいいのか?」ナナは恐る恐るといった感じでモモに尋ねる。「あんな大きいモノを入れるんだから、必ずしも気持ちいいとは限らないでしょうけど、少なくともお姉様にとっては気持ちいいみたいね」あんな大きいモノと言っている時点でモモもリトとの性行為を経験済みなことがナナにも伝わった。「…モモにとっては?」「私?もちろん最高だったわ」抱かれたときの思い出に浸っているのか、モモは顔を赤らめうっとりとしながら答えた。「ナナも興味あるの?」突然のモモの切り返しにナナは慌てふためく。「な…!んなわけないだろ!!」「だってリトさんとのセックスが気持ちいいかなんて、興味がないと聞けないわよ?」ナナは真っ赤になっ言い訳を続ける。「あ、あたしがあいつに興味があるかどうかは別として、ちょっとは見直してやってもいいかなって思っただけだよ…」ナナはここで再び真剣な表情になった。「あいつが言ってたこと、あたしにも少しわかったような気がしたんだ。あいつ言ってたろ?姉上のことを信じるしか自分にはできないって。あいつ、姉上のこと信じて探し続けたんだよな」 「そうね」「あいつ、帰り道であんまり喋らなかったけど、姉上の心をあいつが支えてるんだって何となく伝わって来た」「…」隣の部屋では二人の行為が終わったのか、もうベッドの軋む音は聞こえてこなかった。「あたしもさ、恋をするなら自分の心を支えてくれる人がいいなって思う。そんで、そいつがへこんでたらあたしがそいつを支えてやりたい」ナナが恋愛ごとの話でここまで真剣なのは珍しいな、と思いながらモモはふと別の話をした。「そっか…。ナナ、あのゲームの秘密をちょっと教えてあげるわ」「ん?なんだよモモ…。いきなり…」「あのゲームね、ログインしてるプレイヤーがセックスすると必ず気持ちよくなれるようにプログラムしてあるの」「はあ!?それって…」「まあゲームなんだから楽しい方がいいと思ってね。でもそのあとで皆さんが現実の方でセックスする方が多くなってるのは、やっぱりあの快楽が仕組まれたものだとなんとなく感じてのことかもしれないわね」 モモはふっと笑って言った。「なんでそんな話するんだよモモ…」「別に?ナナもせっかくなんだから遊んでみればいいのにって思っただけよ。お子様のナナにも大人の恋が少しはわかるかもしれないわよ?」モモは最後にナナに対して憎まれ口を叩いた。先にゲーム内のリトの部屋に入っていたナナはふとつい先ほどのモモとのやり取りを思い出していた。そこにリトもやって来る。「ナナ、話したいことってなんだよ?」ナナは少し呼吸を整えてからゆっくりと口を開いた。「あたしさ、あんたのことちょっと勘違いしてたみたいだ」いきなりの言葉にリトは少し驚く。「あたし、最初はあんたが姉上とか春菜とかコテガワの気持ちにつけ込んであんなことしてんのかと思ってた。でも今日のこと見てたら、リトはリトなりに姉上とか皆のこと支えようとしてるんだなってよくわかったんだ」 「ナナ…」「でも…ああいうのがやたらと多いのはちょっとどうかと思うぞ?」ナナの言うああいうのとはもちろんセックスのことである。それはリトにも伝わっていた。「あれが大人の恋愛のやり方なのかもしれないけど…」どうやらモモにまたお子様云々とからかわれたらしい。リトはふっと笑って口を挟んだ。「恋愛に大人も子供もないよ。ただ好きな人と一緒にいるだけさ」ナナはリトが突然口を挟んできたのに驚いて言葉を止める。「モモにまたなんか言われたんだろ?ナナのいうああいうのだって、好きな人の温もりに触れると安心するっていうか、なんか幸せな気持ちになれるから結果的にやっちゃうだけ。確かに気持ちいいけど、恋愛の本質かと言われたら必ずしもそうじゃないと思う」 リトがここまで言うと、今度はナナが口を開いた。「ふーん…、そっか…。リトはそう思うんだな?」「うん」「じゃあ、あたしのこと抱けるか?」突然のナナの言葉にリトはぶっと吹き出す。「ちょっと待て!今の流れでその台詞はおかしいだろ!」「な…?別におかしかねーだろ!」ナナはついむきになってしまいそうな自分を抑えながらリトに説明し始めた。「…なあリト、王族の恋愛ってどんなもんか知ってるか?」ナナの言葉にリトは首を横に振る。「よくおとぎ話に出てくるようなのなんて夢のまた夢だよ。実際は政治や権力絡みでろくなもんじゃない。恋愛と呼んでいいのかすら怪しいもんだ」ナナはそう言うとリトのベッドにどさっと倒れ込む。「あたしたちはまだマシだったけど、姉上は第一王女ってこともあって特に権力目当ての奴が多くてさ。正直言って王宮から逃げ出して当然だって思ったよ」リトはナナの話に黙って耳を傾ける。「でもあんたは違った。あんたに会ってからの姉上、すっごく活き活きしててさ。その理由が今日やっとわかった気がする」ナナは体を起こしてリトの方をじっと見つめた。「あたしさ、付き合うなら自分の心を支えてくれる人がいいなって思う。あんたみたいにさ、権力とか損得とか関係なしにそういう風にしてくれる人がいい」「ナナ…」王族の結婚の現実、政治や権力が絡み思い通りに恋愛できない現実。自分にはそういうものは実感が湧かないが、ララ、ナナ、モモはそういった環境で育ってきたのだ。「俺のこと認めてくれたのか?」リトの質問にナナは答える。「ん~、それはまだかな。だってあんたがケダモノってことには変わりないし」リトはその返事に少し苦笑いを浮かべる。「だから練習も兼ねてまだゲームの中だけな?あたしが心からあんたのこと認めたら、現実の方でもオーケーしてやるよ」ナナはそう言って再びベッドの上に仰向けになる。「ナナ…」リトは彼女の名を呼びながら覆いかぶさる。「バカ…。そんなんだからケダモノだってんだよ…あっ…」リトはナナの頬にキスをし、少しずつ彼女の服を乱していく。「服…完全に脱がしちゃダメだぞ?あたしも恥ずかしいんだから…」ナナは全身に降り注ぐキスの雨の刺激に身をよじらせながら言った。リトはそのままナナのTシャツに手を入れ、膨らんできたばかりの乳房を指先で丁寧に愛撫していく。ほぼ平坦な乳房の先端で乳首が自己主張し、ナナの声がだんだん艶っぽくなってくる。「ばか…そんなに胸ばっかいじるなよスケベ…。ていうかコテガワとか姉上と比べたらあたしのなんていじってもつまんないだろ…」やはり胸にコンプレックスがあるのか、ナナはそんなことを言ってそっぽを向いてしまう。そんなナナをリトはぎゅっと抱きしめる。「つまんなかったらこんな風にはならないよ」リトのペニスは勃起して既に彼女を貫く準備をしており、ズボン越しに伝わるその大きさにナナは不安を覚える。『すっげーでかい…。てかこんなのほんとに入るのかよ…』リトはズボンのジッパーを下ろしてペニスを取り出す。ナナのショートパンツと下着を脱がせると、湿った膣が露わになる。「ナナ、入れるぞ?きつかったら言えよ?」ああ、そうか。リトはこのゲーム内では必ず気持ち良くなれることは知らないんだっけ。でもこいつならたとえ知ってても同じことを言いそうだな。ナナはふっと笑って言った。「大丈夫だよ」ナナの返事にリトはゆっくり、ゆっくりと彼女をいたわるように慎重に奥へと進んでいった。ナナの中がリトのペニスによって圧迫され、その圧迫感は快感となって彼女の全身を駆け巡る。ナナはぎゅっと目を閉じて声が出そうになるのを我慢した。『こ…こんなこと皆してるのか…』リトはナナの様子を見るために腰の動きを止めている。「ナナ?大丈夫か?」「だ…大丈夫だよ…」ナナの答えを聞いてもリトは不安を拭えない。しかしナナの中の時折キュッと締まる感触が心地よく、抜こうにも抜けないという状態だった。更にTシャツだけを残したナナの恰好がまるで彼女を襲っているような錯覚を彼に与え、それが彼の興奮を高めていた。リトが意を決して一度抜こうと腰を引くとナナの中はキュッとリトに絡みつき、それが彼に快感を与えて彼の動きを抜ききる直前で止めてしまう。「ナナの中、めちゃくちゃ気持ちいいよ…」「…恥ずかしいこと言うなよばかぁ…」ナナの目には涙が浮かび、膣の中もかなり潤ってきている。「ナナ、ちょっときついかもしれないけど、耐えてくれよ…っ」リトはそう言うと一度引いたペニスを奥にぶつけるように突き入れた。子宮を直撃するペニスの感触にナナは思わず大きな声を上げる。「ひあっ!いきなりすぎるだろ…っ…」「ナナかわいい…」リトはそう言ってナナの唇をキスで塞ぎ、腰を振った。モモよりも幼い体つきなのに、自分を受け入れ甘い吐息を漏らす彼女を見て、彼女の女としての魅力をリトは今更ながら思い知る。「ナナ…このまま出すぞ…っ」リトはただでさえ強く突き入れているのにさらに強くナナの子宮口に叩きつけた。「リ…リトっ!そんなに激しくしちゃだめっ…!!あああああっ…!!」自分の中に熱い濁流が押し寄せ、ナナの体に今までにない快楽の電流が走った。ナナは絶叫し、体をビクビクと震わせる。リトはそんなナナを優しく抱きしめ、彼女の背中を擦って息を整えさせる。ナナは落ち着くと、上目遣いでリトを睨んだ。「…このヘンタイ…ケダモノ…」そんな言葉すらかわいらしく感じられ、リトはナナをからかってみる。「なんだよ?その変態とエッチして気持ち良くなってたのは誰だっけな?」ナナは顔を真っ赤にしてリトの腕の中で暴れる。「あ…あれは…その…」ナナの声はだんだん小さくなり、暴れる勢いも弱まっていく。「…リトは気持ち良かったのか?」「うん」「…あたしも…恥ずかしかったけど気持ち良かった」ナナは顔を伏せてそう言った。「なあリト…。リトの体、あったかいな」ナナリトの背中に腕を絡める。「リトの言ってたこと、なんとなくだけどわかった気がする。それと、皆どうしてこんなことするのかも」リトはナナに再びキスをした。二人の唇が離れてからリトはナナに言った。「そろそろ戻ろうか」「…うん…」そして翌朝、リトは股間に違和感を感じて目を覚ました。「ようやくお目覚めですね。今朝も元気そうでなによりです」モモは裸でそう言うと、リトのペニスに再び舌を這わせた。「モモ…またこんなことして…」「だって尽くしたいんですもの…あっ…」リトはモモを押し倒して覆いかぶさり、キスをしながら器用にモモの中に挿入する。「俺が前戯しなくてもすぐに入っちゃうな」「リトさんなら…あっ…、いつでも大歓迎ですよ…っ…。私、いつでもどこでも…っ…リトさんに求められれば応じますから…っ…」朝の光を浴びながらリトとモモは絶頂へと昇り詰める。その瞬間ドアが開き、ナナが部屋に入って来る。「おいリトー。そろそろ起きろよ…」ナナの目に飛び込んできたのはモモとリトが二人で絶頂を迎えるところだった。腰をぴったりと合わせ、リトは精を吐き出す快楽に、モモは出される快楽に浸っている。「…朝っぱらからどうしようもないケダモノだな…。ま、そうじゃなきゃリトじゃねーか。あんまり美柑を待たせんなよな」ナナはそれだけ言うと部屋から出て行った。あいつはケダモノだ。でも皆の心を支えようと必死になってる。昨日抱かれてわかった。あいつはあたしの心も支えようとしてくれるだろう。『…ったく。このカードがいらなくなる日もそう遠くなさそうだな…』ナナは一度取り出したゲームのパスカードをポケットにしまい、結城家の食卓に一足先に向かっていった。
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