「やっとできた!」 額の汗を拭い、ララは出来たばかりの発明品を見下ろす。 それはかわいらしいピンク色のポットのように見える。 だがもちろん湯を沸かすためのものではない。 ララはそれを抱えて駆け出した。「きっとリト、よろこぶよね」 服に変身しているペケに呼びかけたが、ため息しか返ってこなかった。 部屋に入るとリトはベッドに寝転んで本を読んでいた。「リト、プレゼントもってきたよ」 ララはそばに駆け寄って、持っているポットを見せた。「ポット?」 リトは身体を起こしてララが抱えているそれを見た。「台所にあるやつ……とは違うような」「うん、違うよ。私の発明品」 その言葉を聞いたリトが顔色をなくした。「またなんか変なものじゃねーの?」「いい物だよ。リトのために作ったんだ。さ、これ飲んで」 と、ララがポットのてっぺんを押した。 どこから取り出したのか、マグカップにお湯をそそいでいる。「やっぱりポットじゃねえか」「はい、飲んで」 ララは湯気のたつマグカップをリトに渡す。 しぶしぶとリトは受け取って口をつけた。「……甘い」 一口飲んでリトは驚いた声を出した。「甘いのにさっぱりしてて美味しい……」「気に入った?」 うん、とうなずいてリトはララを見上げる。「けど、これなんの紅茶?」「こうちゃ? 違うよ。これは私が作った飲み物。地球人が飲みやすいように味付けしただけ。とある薬をね」 ララがにっこり笑った。「薬?」
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