「どうしてこんなことになったんだか……」湯気を立てる浴槽に肩まで浸かりながらリトは天井を見上げてぼんやりとつぶやいた。温かい湯の張られたバスタブに身を沈めていると身体の疲れが吹き飛ぶようだ。雨に濡れて冷えた身体が芯から温まっていくのが感じられる。だが、普段なら至高のリラックスタイムである入浴が今この時ばかりは緊張で押しつぶされそうだ。なぜなら……ここは自宅の風呂場ではなく、籾岡家のバスルームなのだから。事の始まりは今から数時間前、商店街でしつこいナンパ男に絡まれている里紗を見つけてからだった。以前にもナンパ男に付きまとわれていた里紗にインスタント彼氏としてでっちあげられた記憶が蘇る。「お礼」と称して散々引き回されて、自宅に連れ込まれて押し倒されて…からかわれた。できれば関わり合いになりたくないかな…そんなことを考えるリトだったが……。「う~ん……あれはちょっと…放っとけないかな………」痺れを切らしたナンパ男が強引に里紗の腕を取ろうとしているのを見て、リトは二人の元へ歩み寄って行った。「お~、籾岡じゃん!そっちの人は誰なんだ?」「…!!結……ダーリンッ!!もうっ!ちゃんと『里紗』って呼んでっていつも言ってるでしょ!?」少し演技がかったリトに対して、一瞬でシナリオを組み立ててリトの腕を取り歩きだす里紗。「お、おい…あんまりくっつくなって!」「ぶ~!ダーリンが冷たいー!二人きりのときはあんなに……キャッ♪」素にしか見えないリトとノリノリの里紗が去って行くのをナンパ男は呆然と見送るしかなかった。その後はリトが懸念した通り…「お礼」ということであちこち引き回された。辺りが薄暗くなってきたところでこれまた予想通り「送ってよぉ」と甘えられて、そこまでは以前と同じだった。「近道」のホテル街の辺りで急な夕立に見舞われて傘を持たない二人は必死に籾岡宅への道を走った。里紗が「雨宿りにここ…入っちゃおっか?」と言ってくるのを聞こえない振りをしてリトは脇目も振らずに走る。ようやく籾岡宅に辿り着いた時には二人ともすっかりずぶ濡れになってしまっていた。「あはは…もうズボンの中までビショビショだ……」「だからあそこで『ご休憩』しよう、って言ったのにさぁ…」「バっ……と、とにかくオレもう行くからさ……」そう言って立ち去ろうとするリトの襟元を里紗が掴んで引き戻す。「送ってもらってずぶ濡れで帰すなんて…私はそんな恩知らずな女じゃないんだけどなぁ?」かくして半ば無理矢理に家に上げられ、風呂を借りることになったリトであった。ドアの向こうの脱衣所では洗濯機がリトの服を洗う音が響いている。「乾燥機もちゃんとあるからさ、乾くまでゆっくり温まっててよ」との里紗は言うのだったが…。「全部終わるのに2時間はかかるんじゃ…?ノボせちゃうだろ…」とは言え好意を無下にする訳にもいかないし、今出ても服は濯ぎの真っ最中である。「まぁ待つしかないか………」そう考えて再び湯船に肩まで浸かるリトだったが…脱衣所に人の気配がする。里紗の両親は共働きだと聞いたから、不法侵入者でも無い限りこの気配の主は里紗である。ドアに目を向けると曇りガラスの向こうで人影が身じろぎをするのが見える。聞こえてくるのは衣擦れの音。衣服の色を纏った人影が肌色の面積を増やしていくのが見えた。(え?え?………えええええ!?)パニックに陥るリトの目の前で扉が開き、タオル一枚だけを身体に巻いた里紗が浴室に入って来た。「おっ邪魔しまーっす!!」「ももも籾岡っ!?なななな何で入って来てるんだよっ!!?」「あ~、やっぱ私も寒くってさー。女の子が身体冷やすと良くないしー」驚きで二の句が継げないリトを尻目に里紗は遠慮なく湯船の中に身体を沈める。二人分の体積に溢れた湯が盛大に洗い場の床へと零れ落ちていく。「ふあ~~~~~っ!生き返るねーっ!!」広いとは言えない浴槽の中でう~ん…と伸びをしてくつろぐ里紗。一方でリトはどうして良いかわからず、浴槽の隅で身体を小さくし里紗に触れるのを必死で避ける。「結城ぃ~、そんな隅っこで小さくなって何やってんの~」里紗が背後から身体を密着させてくる。背中に当たる柔らかな感触…二つの膨らみとその頂点にある突起……って…「お、おいっ!籾岡っお前、タオル…タオルはっ!!?」「え~~?お風呂に入る時にタオル巻くのはマナー違反でしょ~?」一糸纏わぬ裸の身体をリトに密着させて、里紗はリトの耳元に唇を触れんばかりに近付けてそっと囁く。「聞いたよ?ハーレム計画……狙ってるんだって?」「!あ、あれはモモの奴が勝手に………」「そうなんだ?でもさ…あんたがその気になるんなら……―――私も結城のモノにしてもらえるってことじゃん?」里紗が言っていることを理解するのに数瞬の時間を必要とした。「も、籾岡…?お前何言って……」「だってララちぃや春菜と張り合ったって勝ち目無いのは目に見えてるしー?でもあんたがハーレム作るんだったら順番さえ気にしなければ可能性はあるわけでしょ?」本人は知る由もないが、ハーレム計画の発案者であるモモと同じ考えを持つことになった里紗だった。「私、こう見えても尽くすタイプだよ?ララちぃや春菜が出来ないことだってやれるよ?…あんたにだったら何されても良いよ?」鼻にかかった甘い声で男の欲望を刺激する誘惑の言葉を口にする。背後から手が伸ばされ、左手は胸板へ、そして右手は足の間へと滑りこんで行く。「あはっ!な~んだ、しっかり大きくなってるじゃん結城ぃ?」「こ、これはっ……!」実際のところ同級生と一緒に入浴し、あまつさえ身体を押し付けられて勃起しない男子高校生がいるとしたら1:よっぽどその女子に魅力が無い2:ガチの同性愛者3:EDの3つが疑われるべきである。里紗に魅力が無い、などと言う輩がいるはずが無いのは当然としてリトも他の2項目に当てはまらない普通の十代男子である。風呂で裸の美少女と身体を密着させてモノを膨れ上がらせている思春期真っ只中の男子学生。これで間違いが起こらない方がどうかしている。――これ以上このまま籾岡とこんなことをしてると…マジでヤバい!「オ、オレっ……もう出るっ!!」自宅の風呂場でモモにハーレム計画を持ちかけられた時と同じ言葉を発して立ち上がるリト。当然、あの時と同じ様に…里紗の目の前にリトの勃起したモノが突きつける格好になる。「出るって…。くくっ……出てどーすんの?あんた、素っ裸で私の家の中歩き回る気?」そうだった、雨に濡れたリトの服は洗濯の真っ最中。「お、親父さんの服とか…無いのか?」「あるけど、私もこうやって結城と風呂入ってるし?それとも家探し…する?」素っ裸で同級生の宅内を歩きまわり、その父親の衣服を探す。そんな行動を取れるほどリトは非常識な人間ではない。それも計算に入れての里紗の行動…「逃がさないよ」――そんな声が聞こえたような気がした。「それにしても…結構立派なもん持ってるんだね♪」目の前に突きつけられたリトの勃起したモノにそっと手を添えて、里紗は楽しげに言う。「まだララちぃ相手に使ったりしてないのかな~?確かめてみようかな~…………あむっ……ちゅぱ…」「!!!???も、籾岡ーっ!な、なにやってんだー!?」リトの絶叫が狭い浴室の壁に反射し響き渡る。至近距離で絶叫を聞かされて、しかし里紗は少し眉をひそめただけで口の中のモノを夢中でしゃぶり始める。「んくっ…ん……ちゅぱ……はふっ………れろれろ……はむ…ん……んっんっんっんっ……!」「も、籾岡……やめっ………やめ…ろって………」リトが弱々しい声で、それでも必死に制止するのを里紗は無視して延々とフェラ奉仕を続ける。「ちゅ…ちゅぱ……くちゅ、ちゅ………ちゅぱちゅぱ…ちゅぱっ……れろ…ん……」伏し目がちな目線と長い睫毛、口の端から零れる唾液、血管を浮き立たせたモノを咥え込む柔らかい唇、亀頭を舐めるときに見え隠れする赤い舌、口内でモノをしごくたびに揺れる髪。見慣れているはずの里紗の顔のパーツの一つ一つがとてつもなくエロティックで、モノへの刺激と相まってリトの興奮を煽る。「も、籾岡っ!どいて……出そうっ!!」リトが慌てて里紗の口からモノを抜こうとする、が里紗はリトの腰に抱きつきモノを離さないどころか更に奥まで咥え込んだ。「ば、バカッ……駄目っ!出るっっ!!」ドピュッ!!ドピュドピュ…ドプッ…ドプ……ドクン!堰を切ったように勢いよく放出された精液が里紗の口の中へと注ぎ込まれる。制御の利かない腰が突き出される度に鈴口から精液が吐き出され里紗の口内を満たしていく。口の中に広がる生温い粘液と青臭い匂い。そして独特の苦みと甘みが混ざり合った味。間違っても美味と言える味じゃないのに、里紗はそれを吐き出す気にはなれなかった。「ん……んく……こく……んぐ…ごく………」細い喉が何度も動き、口の中の精液を全て胃の中へと送り込んで行く。「……んくっ…ごく…ん……ぷはぁ!随分と溜めてたじゃんか結城ぃ~。体に悪いぞ?」口内発射された精液を飲み干し、ようやくモノから口を離した里紗の軽口もリトの耳には入らなかった。里紗にフェラされて、堪え切れずに口の中に出してしまい、それを全部飲んでもらって……全てが現実離れしていて、全部が夢や幻だと言われた方がよっぽど納得ができる。もちろん全て現実なのだが…。足腰に力が入らず、その場にへたり込みかけて、浴槽の縁に足を取られて洗い場の床の上に派手にすっころんだ。「ありゃりゃ…大丈夫かー結城ー?」里紗が浴槽から腰を上げ、心配そうにリトの傍らでその顔を覗き込む。リトの目の前に里紗の整った顔、少し下に視線をずらせば形の良い胸とピンク色の乳首。さらにその下には……。「だ、だだだ大丈夫……大丈夫だから………もう………」どうにか言葉を絞り出したリトに、里紗はほっとした様子で息を吐き出し…視線を下げてニンマリと笑った。「そう…なら良いけど。……でもこっちの方はまだ大丈夫じゃなさそうだねぇ」視線の先には里紗の口で抜いてもらったにもかかわらず、萎える様子の無いリトのモノ。「お口じゃあ満足できないんだ?…しょーがない!特別サービスだからね!」そう言って仰向けに転んだままのリトの上に跨る里紗。その女の中心にリトのモノの先端が押し当てられた。「な、なななな何を…………する気だ?」「何って…ナニだよ?……ホ・ン・バ・ン♪」『ナニ』『本番』。女性に免疫の無いリトだが、里紗が口にしたこれらの単語の意味が解からないほど子供ではない。「ダ…ダダ……ダメっ…」あの時と同じ情けない言葉がリトの口から漏れた。これで堪え切れなくなった里紗が大笑いして、ピンクなムードは霧散する…この前はそうだった。「ぷっ…あははっ!またそれ?………今日は……止めてあげないよ?」制止する間も無かった。躊躇いなく里紗が腰を下ろすと、リトのモノが根元まで一気に里紗の中に収まってしまった。「あ……は…いったぁ………。入っちゃったよ、結城ぃ?」リトを「食べてしまった」里紗がペロリと唇を一舐めする。「あ…ああ……も、籾岡………なんで…………」童貞を喰われてしまったリトは未だに起こったことが信じられず呆然と里紗を見上げるしかない。そのくせ女の中を知ったばかりのチェリー卒業ペニスは里紗の媚肉が与えてくる締めつけと温もりに里紗の中でビクビクと暴れて応える。「あんっ♪チン○ンが中でビクビクしてるし…じゃあお姉さんがもっと気持ち良くしてあげる……」里紗がゆっくりと腰を前後に動かす。擦れた肉襞がモノを刺激し、リトが「うっ!」と情けない悲鳴を上げた。さっきフェラで一発抜いてもらってなかったらこれだけで暴発していたかもしれない。「ぷっくくく……可愛い反応しちゃって~。もっとサービスしちゃおっかな~」円を描く様に腰をくねらせてリトの身体の上で淫らなダンスを踊る。あふれ出す愛液で満たされた蜜壺の中でモノがねっとりとこね回されて至高の快楽がリトを襲う。目の前には柳眉を歪めて悩ましげな吐息と喘ぎを漏らす里紗の痴態。腰の動きに合わせて白いバストが弾んで先端の桜色の突起が上下に揺さぶられる。「ヤバい!ヤバいって籾岡ぁっ!オレもう……もうっ!だからっ!!」離れてくれ……そう言おうとしたリトの胸板の上に里紗が身体を預けて密着し、離れるどころか必死にしがみつく。「もう出ちゃう!?イっちゃう!?……良いよ!中に出してっ!思いっきり中出ししてぇっ!!」ぴったりと重なり合った柔らかな身体から漂う甘い女の匂いを嗅がされ、耳元で淫らな懇願を聞かされてリトの我慢もここまでだった。「で……出るぅ……………っ!!」ビュクッ!…ドピュルビュル……ビュプッ…ビュ―――ッ!!「ひゃあぁぁっ!?や…あ、熱いの一杯出てるぅぅっ!!」今日二度目とは思えないほどの大量射精を子宮に打ち込まれて、里紗が悲鳴を上げて身を強張らせ…脱力した。「はふぅ~凄かった~………結城ったら女泣かせなモン持ってるじゃん。これならハーレム作っても大丈夫だねぇ」たっぷりと精液を注ぎ込まれた子宮の辺りを撫でながら満足気に一息つく里紗。そんな彼女を直視できずに落ち着きなく視線を彷徨わせるリト。その視界が捉えた排水溝へと流れ込む一筋の赤い線。恐る恐るその鮮やかな赤い色を目線で追っていく。逆流した精液と一緒に里紗の膣口から破瓜の鮮血が流れ出していた。「お、おい……籾岡…これって………」タイルに流れる赤い血を指さし、リトが震える声をやっとのことで絞り出す。「ん、まあ…そういうこと。びっくりした?」まるで悪戯がバレたかのように茶目っ気たっぷりに舌を出し平然と振舞う里紗。「びっくりって…初めてっていうのはその……何で………?」「何でって…私、これでも本気で結城のこと狙ってたんだけどぉ?」その口調は普段のようにサバサバとしつつも軽く、好きな男に処女を捧げたばかりの乙女の物とは思えない。「あっはは…押し倒したのは私の方なんだしさぁ。責任取る、なーんて考えなくて良いから」そんなことを言われて「あっそう、ラッキー」とヤリ捨て出来るようなリトではない。「で、でも……」と言葉を濁す。「……どーしても責任取るってんなら………早くハーレム作っちゃってさ、そこに私も入れてよ」「はぁっ!!?」「順番は気にしないけど、子供は2人欲しいかな。一姫二太郎ってやつ?後は気が向いたときに可愛がってくれれば良いからさ」どこまでも男にとって都合のいい話ばかりが出てくる。里紗の真意が判らずリトは言葉に詰まる。「…言っとくけど裏なんてないよ?結城に愛してもらえるなら愛人でも肉奴隷でも玩具でも…何にだってなれる、そう思ってるから」里紗の告白を最後にシーンと静まり返る浴室。その静寂を打ち破るように隣の脱衣所で乾燥機が作業終了のブザーを鳴らした。「籾岡のやつ……本気で言ってるのかな………」夕陽に照らされ家路を急ぎながら、リトは今日の出来事と里紗の告白を思い返していた。少し仲の良いクラスメイト程度の関係だと思っていた里紗に押し倒され、童貞を奪われ、処女を捧げられ、告白された。ついさっきまでの鮮明すぎる記憶を思い返してみてさえも実感が湧かない。白昼夢を見たと言われた方がよっぽど納得できる。「まぁ…夢じゃないんだけど」自分の家で使われている洗剤とは違う香りを放つTシャツに身を包み、独り言を漏らす。不意にポケットの中の携帯電話が電子音を奏でる。画面を見るとついさっきまで一つになっていた里紗からのメールである。-------------------旦那様へシたくなったらいつでもおいで♪―リサ―-------------------「…………おい……籾岡ぁ………」こんなメール、誰かに見られる訳にはいかない。リトは慌てて削除しようとして…少し考えた後、保存フォルダに移動させ、厳重にパスワードをかけて保存した。(マズい…オレ、ドツボにはまり切ってる………)自分がどんどん泥沼の深みに嵌って行くのを自覚するリトの溜息は夏の夕暮れ空へと吸い込まれていった。
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