雨上がりの道路は独特の雰囲気を持っている花の葉っぱについた雫、溜まった水溜りが太陽の光に照らされて光る。運がよければ虹も見る事ができるだろうプラチナブロンドの髪を縦ロールにした、いかにもお嬢様な雰囲気をだし、天条院沙姫はそんな道を歩いていた彼女は別に散歩が趣味だからとこの道を歩いているわけではない。「(き、来ましたわ!)」電柱の影にそっと隠れるようにして見る。彼女の視線の先には自転車カゴの中にたくさんのスーパーの買い物袋をいれてこいでいる黒服の男・・・ザスティンがいた。「(今日も、素敵ですわ・・・)」うっとりとしばらくその姿を眺める。ここの道をザスティンが毎日通ると知ってからというもの、これが沙姫のいつも一緒にいる綾や凛も知らない秘密の日課となっていた。「(ザスティン様・・・)」出会って恋に落ち、様々なアプローチを掛けてきたものの、今のところすべて失敗におわり、逆に彼に恥ずかしい姿を晒してしまったりしていたしばらく眺めた後、電柱から顔を出し何事も無かったかのようにまた歩き出す短時間ザスティンを眺め、すれ違うだけだが、それでも沙姫は十分だったしかし、今日はいつもと違った。いよいよすれ違おうとしたときである『ビシャ・・・っ!!』「きゃ・・・?!」自転車が水溜りの上を走ったのと同時に水が跳ね、同時に沙姫の服を濡らしていた「・・・っ!申し訳ありません!」驚いたザスティンが慌てて自転車から降りて謝罪する「あぁ・・・貴女は」ザスティン自身、沙姫に見覚えがあるので余計に悪い気がした「べ・・・別に、構いませんわ・・・っ!」沙姫はただ、今ザスティンと自分が見つめあい、話している事にドキドキしていた思っても無い出来事である「いいえ、私の責任です。本当に申し訳ありません・・・・。」「そんなに謝らないで・・・」「いいえ、ララ様のお知り合いの方に風邪など引かせるわけにはいきません。」しばらく考えるようなしぐさをしてからザスティンは思いついたように言った。「そうだ。私の家に行きましょうか。濡れた服を乾かしたりしないといけませんからね。」「え・・・えっ?!それは・・・本当、ですの?」「えぇ。責任を取らせてください。あぁ、家はすぐ近くなので大丈夫ですよ。」突然降って沸いたチャンスにただ沙姫は喜ぶ事しかできなかった。「じゃ・・・じゃあ、お言葉に甘えさせていただきますわ。」+なんてことはない、普通の家だったが、そんなことはもう沙姫にとってどうでもよかった「シャワーはこちらです」「シャワー・・・?」「濡れたのは服だけではないでしょう?泥水を被ってしまったんですから。狭いところですが十分に機能しますから。乾燥機の中に濡れた服を入れていただければいいです。」"ニコ"と笑う顔に沙姫のドキドキは高まるばかりだった。+脱衣所の中で濡れた服を脱いで言われたとおり乾燥機の中に入れてスイッチを押す下着はかろうじて濡れてはおらず、ホッとしながらバスルームに入った「今日このようなことになったのは・・・このチャンスは神様かなにかが与えてくれたものなんですわ・・・」神などあまり信じているわけではないが、何時までも告白できない自分にはちょうどいいことだと思ったいつも邪魔をするララ達ももいない。頼りになる凛と綾がいないのは心細いが、告白は自分ひとりでやるものだ。つまり、本当にチャンスなのかもしれない。脱衣所においてあったバスローブに身を包んで沙姫は決意した。「(今日は・・・今日は言うんですわ。)」+「あぁ、よかった。バスローブがあって。服どうしようかと思っていたんですよ」沙姫を椅子に座るように促してから自分も座った。目の前のテーブルには、暖かそうなお茶。湯冷めを考えたザスティンの優しさだ。「それ、どうぞ」「あ、ありがとうですわ・・・」一つ一つにドキドキを感じながら部屋を見回した。「余り、物がありませんのね」見る限りベットなど最低限生活に必要なものはそろっているが、基本的に物が無いそれが沙姫には不思議だった。「えぇ。ここには本当にたまにしか帰ってきませんから。普段は仕事が忙しく、仕事場で寝泊りばかりで」「そうなんですの・・・」「それより、貴女に謝る事がありました。」「え?」「以前はお食事に誘っていただいた事もあるのに何も言わずに帰ってしまい・・・」スポーツフェスティバルでのことだ。確かにそんな約束をしたものの、ララの所為で恥ずかしいところを見せてしまった事がある「別に、気にしてませんわ・・・。私こそ、都合も聞かずに頼み込んで・・・」「そういっていただけると嬉しいです。」『ピーーー』乾燥機の音が鳴る。「ああ、乾いたみたいですね」乾燥機から沙姫の服を取り出し、そのまま手渡す。少し指先が触れ、思わず指を引いてしまった。「・・・沙姫殿?」「は、はいっ。着替えてきますわ」半ば強引に服を受け取り、再び脱衣所で着替える「(な・・・名前を呼ばれてしまいましたわ)」先ほどからドキドキしっぱなしだ。「(頑張るのです。今日、今日だけがチャンスなのですから)」+完全に覚悟を決めた沙姫に待っていたのはつらい現実だった。「では、そろそろ出ましょうか」「え・・・・?」「服も無事に乾きましたし、コレで風邪を引く心配もありません。今日は本当に申し訳ありませんでした。」「そ、んな・・・」だがザスティンの言う事は正しい。ザスティンは沙姫に風邪を引かせないために家に立ち寄らせただけであり、特にそれ以外にここにいる意味は無いのだ。「ちょ・・・ちょっとお待ちになって!」先に外にでようとしたザスティンを引き止める。「まだ、何かありましたか」困り顔で聞いてくるザスティンに沙姫は勇気を出して言った。「わ、わた・・・私っ!貴方が・・・ザスティン様の事がっ・・・」「沙姫、殿?」今日頑張らなければもう一生チャンスは来ないかもしれない。「好き・・・なんですわっ・・・!」言い切ったあと、短い沈黙が空気を包む。「・・・・・・・・・・」無言なのが余計につらかった。せめて、『ご冗談を』と言ってくれたなら諦めがつく。「駄目なら・・・駄目ならせめて、せめて一晩でもいいですわ!お願い、お願いですわ。それならもう・・・あきら、め、ますから」最後途切れ途切れになったのはなぜだろうか目が熱いのはなぜだろうか一晩でもザスティンに愛されるのなら、本望だった。だが、現実は本当に辛いものだ「申し訳ありませんが・・・私は恋人以外の方を抱く事は出来ません。一晩なら、とかそういうわけにはいかないんです」「・・・っ・・・」分かっていた事が、こんなにも辛いとは思わなかった。自然と涙が溢れ出していく。「すみ、ません・・・すみません・・・」「そんなに泣くまで、私のことを?」「・・・貴方に、出会って、から、一目ぼれってヤツ、ですわ・・・すみません、ご迷惑を、おかけ、しましたわ・・・」「沙姫、殿・・・」「私は・・・私は・・・わたくしは・・・」これ以上惨めな姿を見せたくなくて家を飛び出そうとした。が「な、にを・・・するんですの」「先ほど私は恋人以外の人を抱く事はできないといいましたね」「えぇ・・・」「行かないでください。もう少し、話を聞いてください」「・・・わかり、ました」フられた以上、もう何を言われてもいいと思っていた。「私は、今の私は、貴方を抱く事が出来ます」「何を・・・」わけが分からない「何故だか言いましょうか」「・・・・」「私も、貴方が好きだからですよ」「何を・・・言っていますの?私、意味が分かりませんわ。だって貴方は先ほど・・」言ったじゃないか"恋人で無いなら抱けない"と―という言葉はかき消された急に奪われるような形のキスで。「ザスティン・・・様・・・?」何が起こったかわからなかった。「これでも、信じてはもらえないでしょうか。」信じるも何も、何がなんだか分からない。「私も・・・その、恥ずかしいのですが以前からララ様に貴女のことを聞いておりまして話を聞くたびに一度お会いしたいと思いましてね、あなたの車を持ち上げた時、とても素晴らしい方だと思ったんです」「・・・・・・」沙姫はただ、話を聞いていた。「いつも貴女はあの道で歩いているでしょう?とても素敵な偶然だと思って、毎日会うために私はあの道を通っていたんですよ」あの道・・・いつも沙姫が待ち伏せして得ていたささやかな幸せの時間。アレを彼も同じ気持ちで通っていたとは知らなかった。「いつものようにすれ違うときに、今日はこんなチャンスも訪れた。嬉しかったですよ。」「なら・・・私のことが好きだというのなら・・・どうして、さっきあんなふうに・・・」「貴女はとても素晴らしい方です。私を中途半端な憧れで好きだと勘違いされては困ります貴女の幸せを考えてだったんですが。貴女が本気で私を好きになってくれているとは思いませんでしたから。」「・・・・・」「だから、もう迷わないと決めました。そしてキスをした。」「では・・・証拠を見せて、いただけるの?」「えぇ。貴女が望むなら。」+めったに使われないベットは冷たく、沙姫にとっては硬いものだった「ん・・・ふっ・・・ちゅ、・・・あ」「ん・・・・」互いに唇を重ねあい、舌を絡めあう。「は、ぅ・・・」「服、いいですか」こくんと頷く沙姫に承諾をとり、ゆっくりと服を脱がせていく。「あっ・・・」首元に顔を埋め、ぺろりと首筋を舐めると、キツく吸って後を残す「み、見えますわ・・・そんな、ところ・・・ん」「見せ付けるといいですよ」「あ、はっ・・・ザス、ティン様っ」沙姫の胸を片手で揉みしだき、先端を軽く弄ってやると嬌声が漏れた反応に手ごたえを感じながら、もう片手はスカートの中へ忍ばせる「あ・・・ひゃっ・・・」太ももを優しく撫で、下着に触れる。「濡れてますよ・・・こんなだ・・・」「や、め・・・言わない、でくださ・・・」スカートと一緒に下着も脱がせ、沙姫の足を立たせる「あ・・・や、恥ずかし、いですわ、こんな格好・・・」「いい、ですよ凄く。ココは、どんどん溢れてくる」舌でぺろりと舐めていく「ん、んっあ・・・そ、こ熱い・・・なんか熱い、の」「ココですか?」指を沙姫の愛液で濡らし、ゆっくりと中に挿れていく「あ・・・っは、あ・・・あぁっあ・・・」第二間接あたりまで挿れ、ぐるりと沙姫の中をかき回す親指で膨れているそこを弄ってやると、耐え切れずに声が溢れる。「あ、は・・・っあ、や、ザスティン、様、変に、な・・あぅ・・んあんっあ・・・はんっ・・・ああんっ」硬く、狭かった内部もゆっくりと蕩けだし、指を求めだしてくる。「そろそろ、ですね・・・いいですか」カチャリと金属音をさせてズボンの中から自分を取り出し、そこにあてがう「あ・・・ぅ・・・」「怖い、ですか」少し、だけですわ。と訴えてくる愛しい人に「力を抜いていてください。辛いなら、私の肩にツメを立てて構いません」「は、い・・・・・・ん!!」一気に突き立てるとさすがに苦しいような顔をする。「あ、あっ・・・はぁっあ・・・ぅ」「すみません、キツいですか」「もう、いい・・・ですわ、いい、から・・・っ」早くという訴えを叶えてやろうとじっくりと腰を使っていく「あ、ぁぁっあんっは・・・あ、やぁ・・はぁんっ!」「いい、ですよ凄く。あなたの中は、とてもイイ・・・」「あ、ぁザス、ティン様、あんっぁはっ・・・あ」「ここ・・・か」感じる箇所を的確についていくとさらに淫らな声が聞こえる「あ、はぅ、ザス、ティン、様、も・・・ぁあんっは・・・イ、イ・・・凄くもう、は・・・我慢、できな・・・」「っ・・・私もです・・・いきますよ」一気に激しく動かし、攻め立てていく「あ、も・・・駄目、で・・・あぁぁんっ!!」「・・・・っ」ビクリと跳ねて沙姫がイくのを見届けると同時に中から取り出し、沙姫の腹上に射精した「次は、いつ会えるのでしょうか」ベットの上は行為前の冷たさをなくし、すっかり熱くなっていた。沙姫はほとんど夢心地みたいに満たされた顔でそういった「どうしたんですか、そんな事を。いつでも会えるじゃないですか」「もしかして、また私にあそこの道を通れと言うのですか?もう、恋人なのに・・・」「そうではないですが・・・」「それに、家がココだと分かったところでお仕事が忙しいのならここで待っていても駄目ですし」「不安ですか?」「・・・少し、だけ」「安心してください。一晩だけではないと約束したでしょう。そうですね・・・それでは。」バックの中から携帯電話を取り出すと、番号をメモ帳に書いて渡す。「これは?」「私の番号です。会いたいときはコレに電話してください。―必ず、会いに行きます。」学園のクイーン天条院沙姫の想いはこうして見事報われる事になりました。
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