「なんだこりゃーー!!」夏休みのある日、彩南高にリトの叫び声が響き渡った。いつもの彼より、大分低い叫び声が・・・。―――「ったく・・・なんだってこんな暑い日に、学校なんて・・・」リトは一人ぼやきながら慣れ親しんだ通学路を歩く。まだ朝の8時とはいえ、真夏の光線がじりじりと身を焦がす。「それも御門先生から呼び出されるなんてな・・・」保健の先生から呼び出される生徒というのも珍しいだろう。関係ないとは思うが、参考までにいうと保健のテストは赤点を免れている。「ま、なるようになるか」自らの家にトラブルメーカーの少女が来て以来、彼の精神は多少の困難など屁とも思わなくなっている。「ごめんなさいね、呼び出しちゃって」大人の女性の柔らかい微笑みに迎えられ、リトの胸はそれだけで一つ高鳴る。「適当にかけていいわよ」その言葉を受けて、一番近いベッドに越しかけ汗を拭う。「麦茶ですが」「あ、すいません」と受け取ったものの、リトとしては早く用件を知りたい。「あのー、今日はいったい・・・?」「うふふっ。焦らないの」鼻頭を真っ白な人差し指でちょんとつつかれ、暑さによってすでに赤かったリトの顔がその度合いを増す。気持ちを落ち着かせるために、麦茶を口に含む。御門は実に誘導がうまい。さほど大きくないコップに注がれた麦茶を、ゆっくり時間をかけてリトは飲み干した。ようやく心臓がいつものペースを取り戻すと、リトは改めて問うた。「御門先生、そろそろ用件を聞きたいんですけど・・・」すると御門は子供のような仕草で舌を出しながら、こう返した。「デートしましょ?ゆ、う、き、くん?」御門のその言葉と同時に、リトの身体が強烈な熱に襲われた。「・・・は、ぐっ・・・ぁ」外部から焼かれるなんて生易しいものだと、混乱した頭でリトは思った。内部から、臓器の全てを溶かしつくされるかのような異様な感覚。目に映る全てが真っ白になったと思った次の瞬間、リトは気絶した。そして冒頭の叫び声へと、話は繋がって行く・・・。―――道行く人々の奇異の視線を一手に集める、一組の男女。誰がどう見てもかなりの美女である女性のほうは、薄紫のカットソーに黒のタイトスカートでバッチリ決めている。しかし男性のほうはというと・・・。下は脛までしかない学校制服と思わしきズボンで、上は白衣をはおっているという、デートとしては(デートじゃなくてもだが)全くシマラナイ格好である。そんな二人が炎天下の中腕を組み、肩を寄せ合って歩いているのだから注目も集まるというものだ。「あ、の・・・センセイ・・・?」「なぁに?」「歩きにくいんですけど・・・」ただでさえ自分の格好が恥ずかしくて精神的に堪えているのに、御門の豊満すぎる胸が当たって理性的にもキツイ。「だぁめ。我慢なさい」御門が背伸びをしてリトの耳に囁く。彼女の息が鼓膜を震わせ、リトの身体がビクリと反応する。鋭い方ならもうお気付きだろう。御門がリトの耳に囁くのに、背伸びをする必要がある。つまり、今のリトは・・・デカイ。元の彼より身長は10センチ以上伸び、身体全体に程よく筋肉がついている。遠目からパッと見たならば、誰もが20台だと思うだろう。原因はもちろん、麦茶に混入されていたドクター御門お手製の特殊薬。「さ、着いたわよ」狼狽しているリトに御門が明るく弾んだ声を掛ける。見上げると、そこはカジュアルショップだった。「まずはカッコから入らなくちゃね」御門はリトの腕を引いて店内に入っていった。1時間後。「うんうん。いい感じよ」ご満悦の御門と先程よりさらにぐったりしたリトが店から出てきた。「ハァ・・・」リトからしたら、ため息の一つもつきたくなるというものだ。いきなり身体がでかくなったというのに混乱する時間も与えられないまま街中に引っ張り出され、1時間もああでもない、こうでもないと多種多様の服を試着させられたのだから。「どうしたの、ため息なんかついて」あまりにも屈託なく言うので、怒る気もわかない。「そりゃ、つきたくもなりますよ・・・」「そんなに落ち込まないでよ。あと10時間もすれば元に戻るわ」薬の効果は半日限定。まあ、そうじゃなきゃさすがの御門も使わない・・・だろう。「カッコいいわよ、結城くん。私の恋人としても外見は申し分なしね」御門はとっかえひっかえの末に靴、ブラックジーンズ、Tシャツにコットンシャツと洋服一式を購入してしまった。「やっぱりお金出しますよ。結構高かったし・・・」あまりの状況の変化にへこんではいたが、リト自身も御門のコーディネートを実は気に入っていた。しかし御門はこの申し出をばっさりと切り捨てた。「今日は私のわがままで付き合ってもらうんだから、これくらいさせなさい」そしてもう一度マジマジと、リトを見つめる。服装がまともなると、グッと精悍さを増した顔が引き立つ。「どうかしたんですか?」聞きなれた声よりもだいぶ大人びた、落ち着いた声に思わずドキッとしてしまう。「な、なんでもないわ」本気でときめいてしまった自分を隠すように微笑んで続ける。「ちょっと早いけれど、昼食にしましょ」御門は旺盛なリトの食欲を、微かに目を細めて優しく見つめている。リトは猛烈な勢いでカルボナーラを啜っている。「結城くん、そんなに急がなくてもパスタは逃げやしないわよ」「いや、なんか腹減っちゃって・・・」もちろん胃袋も一時的に大きくなっているのだろう。「ほら、ソースついちゃってるわ」唇の端にべったりと残ったそれを拭ってやる。身体は大きくなっても中身はまるで変わってないようだ。(クスクス。結城くん、可愛いな・・・)外見が格段に大人びても、自覚がない彼はまるで飾るところがない。「ところで先生、聞いてもいいですか?」カルボナーラを完食したリトが、口元を拭いながら言う。リトの意図を察した御門は、知らんぷりをせず、先回りした。「なんであんな薬を飲ませたかって事よね?」「はい」リトが我が意を得たりと返すと、御門も間をあけずに続けた。「デートがしたかったのよ・・・」それは穏やかな口調だったが、どこか感情を抑えたものだった。一方リトは御門の答えがピンときていない。そもそも「デートがしたかった」ことと薬を飲ませたことに何の関係があるというのか。身体がでかくなるなんていう"普通はありえない薬"を断りもなく飲まされたわけだから、ある程度納得の行く説明をして欲しかった。「地球じゃ、先生は教え子に手を出しちゃいけないんでしょ?」「ああ、それで・・・」と納得しかけて、リトはおかしな点に気づく。「身体でかくなっても、俺は先生の教え子でしょ・・・?」「見かけ上そうじゃなきゃいいのよ」あっさりと返されて、リトは苦笑するしかなかった。しかしリトはすぐに新たな疑問に辿り着く。「でも先生くらい、その、綺麗なら相手なんていくらでもいるんじゃ・・・」御門は瞳を閉じて俯き、わずかに間をとった。その艶やかな唇が、静かに言葉を紡ぐ。「そんなことないわ・・・」堂々とした、いつもの口調ではなかった。その切なげな声が、リトの心を大きく震わせた。「私はね・・・もう恋愛なんてしないつもりだった」どうしてですか?と聞きかけて、リトの記憶が思い当たる過去に辿り着く。宇宙マフィアが必死になって居場所を探し、汚い手を使ってまで手に入れようとした、その医学。御門はいつも、危険な連中と隣りあわせだ。「私は、キミが思っているよりずっと危険人物なのよ?」明るい態度をとろうと作られた笑顔が痛々しくて、リトの胸が締め付けられる。「大切な人なんて・・・作れるわけがない。私はいつ、その人に迷惑をかけるか分からない・・・」地球に来て、もう3年。住み心地もいいし、本当に気に入っている。だけど、いつこの星を出て行かなくてはならなくなるか分からない。そんな場所で、こんな私が、誰かを愛していい訳がない。愛されていい訳が、ない。「でもね・・・」御門の笑顔が、虚ろなものから優しさを湛えたものに変わる。「あなたたちを見ていたら・・・私も、確かめてみたくなったの。私にもまだ、胸が躍るという感覚を味わうことができるのかを」リトは声を発することができなかった。少なくとも見た目では、まだまだ若く見える御門。彼女が普通の人であれば、まだ素敵な恋愛を、結婚を、夢見ていてもおかしくないはずだ。(俺は先生の過去なんて知らない。だけど・・・)当たり前のことをできない御門のささやかな望みを、叶えてあげたいとリトは思った。「行きましょう」急にリトが立ち上がったので、御門が少し驚いた表情を見せる。「俺、デートとかわかんないですけど・・・。時間制限があるんですから、ゆっくりしてちゃもったいないですよ」伝票を持ってレジへと歩いていく後姿に、御門は小さく呟いた。言おうとしていた「ごめんね」ではなく、「ありがとう」を。それから二人は仲睦まじくデートを楽しんだ。今度はしっかりと腕を組んで歩いてブランド店を冷やかし、喫茶店でお茶をして、その後はカラオケ(御門は地球のポップスを難なく唄いこなした)。まるで高校生のようなデート。ある意味御門のイメージにそぐわないデート。しかし彼女は、見たこともないほど楽しそうだった。二人は何度も笑いあった。カラオケ店から出ると、御門が何気ない調子でリトに話しかけた。「ねえ結城くん。この後行きたいところがあるんだけど、いいかしら?」リトとしてはもう今日はとことん付き合うつもりでいた。「もちろんいいですよ」「ありがとう」少し照れたような御門の横顔に、リトの心臓が早鐘を打つ。その気持ちは身体が大きくなったからなのか、それともデートというシチュエーションがもたらしたものなのか。御門がいつもよりもずっと身近に感じられていた。一人の女性として、彼女が可愛いと思った。市街地から40分は歩いただろうか。二人が辿り着いたのは、表札のない、お城のような家。そこが御門の家であることはリトにも明白だった。「先生・・・、さすがにこれは・・・」いくらリトでもただお茶を飲んでお疲れ様、で済まないことくらい分かる。それにここで歯止めを掛けないと、もう自分は抗えなくなることも。「・・・結城くん、今日は楽しかったわ」リトに背を向け、玄関へと視線を向けながら御門が言う。リトはその言葉にデートの終わりを感じて、寂しさに襲われた。(違うだろ。ここはホッとするところだ・・・)自分に言い聞かせ、踏み出そうとする足にブレーキを掛ける。「でもね、まだ私の目的は果たせていないの」「えっ?」御門の言葉にリトは戸惑った。自分と同じように、御門も楽しんでくれていると思っていたのに。あの笑顔は、本物だと思っていたのに。目的を果たせていないといわれてしまえば、立ち去ることなどできない。そう思うことで、心のうちに潜んだ自らの欲望を正当化しようとしていたのか・・・。「どうすれば、いいんですか?」しかし御門はすぐには答えない。「とりあえず、入ってくれる?」表向き穏やかな言葉の裏には、御門の激情が潜んでいた・・・。御門が後ろ手で玄関ドアを閉める。「ごめんね・・・」耳元に掠れた声が届き、振り返ったリトに口付けが降り注いだ。いや、襲い掛かった。「んぷっ!?ん!」その柔らかさを認識する間もないまま、口内に侵入者が現れた。それは深くまで入り込み喉奥をかき回したかと思えば、入り口に戻って歯列を舐め回す。まさに蹂躙だ。何とかして顔を離そうという意思はあるのだが、いかんせん身体に力が入らない。口内をひとしきり探検して、ようやく侵入者は去って行った。リトの理性を溶かし、情欲に火をつけて。「センセイ・・・なんで・・・」息も切れ切れに問う。ジーンズの内部では己が既にはちきれんばかりに昂ぶっている。「ごめんね、結城くん・・・」御門の瞳が、潤んでいた。あまりにも甘美な、雄という雄を引き寄せそうな彼女の香りが、リトを包む。「本当はね・・・忘れたくなかっただけなの。女としての悦びを・・・。誰かに抱かれたいっていう気持ちを・・・」眩暈がした。頭が熱くなりすぎて卒倒しそうだった。「お風呂に、行きましょ・・・?」もうリトの頭の中に、少女たちの姿はなかった。「んぐっ、んっ・・・んっ、んちゅ、ぬちょ・・・」「っ!!・・・ぅ、ぁ!」バスタブの一端に腰掛けたリトの足の間に、御門が膝をついている。淫靡な舌の動きに、リトは呻きを漏らさずにはいられない。自分のものとは思えない(実際、自分のものと言えるかは怪しい)ほどの大きさとなった一物が、御門の口内で跳ねる。「ンンッ!結城くんの、はむっ・・・おっきい」しっとりとした唇と、別の生き物かのように這い回る舌のコンビネーションにリトの意思とは無関係に腰が動いてしまう。「んぅ!?っ・・・こほっ!こほっ!」「うあっ!・・・ぁあ、センセイ・・・すいません」しばらく舌を向いて咽せていた御門だが、顔を上げたその表情は嬉しそうだった。「もう・・・暴れん坊さんね」御門の表情は淫らなのに透明感に満ちていた。その顔が再びリトの竿に近づいていく。「センセイ・・・もういいよ」それが疲労や嫌悪から出たものではないことを声色が教えている。「これ以上されたら・・・もう出ちゃうって」雄雄しく天を向き、血管が力強く浮き出たそれ。御門は口元に手を当てて、いつもの思案顔だ。こんなときでも大人の女の余裕は失われないようだ。「でも、こんなに大きいなら・・・一度出してくれたほうがいいわ」御門は悪戯っぽく言うと、再び唇を窄めた。「ちゅ・・・んっ、ちゅる・・・ちゅっ」今度は亀頭に、カリに、裏筋に、キスの雨が降ってくる。「くっ・・・あ、すげっ!」ただでさえいつもとは違う違和感があるのに、そこに痺れるような刺激を与えられてはたまらない。今度は竿を手でしごきながら、先っぽのほうを軽く舐められる。舌先と唇の上下を巧みに使って舐めあげられる。自分がアイスクリームになったかのようだ。背筋に電気が奔り、迸りが上ってくるのを感じる。リトの昂ぶりにあわせるように、しごきあげる御門の手の動きも加速していく。「っ!!センセイ・・・もう出る!」リトの身体を大波が襲った次の瞬間。「あっ!!ぐっ、あああ!!」腰が砕けるかと思うほどの振動とともに、命の種子たちを弾丸のように吐き出す。それらは焼きつくような熱を伴って御門の喉奥を叩き、口内を満たしていく。「ン゛ンッ!!・・・あぐっ、ぅん・・・はふ」収まりきらなかった白濁液が、唇の端に縦筋を作る。リトは絶頂の余韻で働かない頭のまま、御門の喉が隆起し鎮まるのを、ぼんやりと眺めていた。「んっ・・・こんなにたくさん・・・。若いってすごいのね・・・」リトの瞳に映る御門が、妖しく微笑んだ。その表情が、今度はキミがわたしを満たす番よと語っていた。寝室のベッドの上、仰向けに寝た御門にリトが覆いかぶさっている「すげぇ・・・何センチあるんだ?コレ・・・」リトの両手はすっかり大人の大きさになっているというのに、豊満すぎる胸は掌から溢れる。しっとりと吸い付いてきたと思った次の瞬間には、もう零れ落ちていく。「乳首たってるよ?」「あっ、ばか・・・言わないでよ」瞳を細めて恥らう御門が愛しい。リトは確認も取らずに、谷間へとまっしぐらに顔を埋めた。柔らかい。ふわふわだ。天にも昇る気持ちとはまさにこのことだろう。「ふふっ・・・。ずいぶん大きな赤ちゃんね」御門のからかいの言葉も耳に入らない。今のリトは腹をすかせた子犬も同然だ。そのゴージャスすぎる裸体を惜しげもなく晒されたというのに、ベッドで愛されたいという御門に風呂場では触れることを許されなかったのだ。一度絶頂に達した分身も、とっくに怒張していた。「舐めてもいい?」「ここまで来てダメなんていうほど、私は鬼じゃないわよ?」承諾がもらえたので、桜色の突起にしゃぶりつく。舌を使って舐め挙げ、唇で挟み込む。「ぁ・・・結城くん、んっ・・・可愛いわ、よ・・・はぁ・・・」ようやく御門の口からも、艶っぽい声が漏れ始める。そのことに満足して、リトは愛撫のペースを増す。ミルクを飲む猫のように、リズミカルに舌を動かしてみる。ピアノを弾くようなイメージで、指先を順に乳房に埋めてみる。「あ、は・・・気持ちいいわ、ぁんっ・・・はぅ」御門のほうも、実は声を出さないのに必死だった。久しぶりに味わう、他者からの愛撫。女の自分にはない大きな手、太くて固い指先。情熱的な唇と舌の動き。そして何より、目の前の男が可愛くて、愛おしくてしょうがなかった。しっかりと筋肉がついた逞しい肉体。洋服を選んだときから待ち焦がれていた。お湯と汗にまみれた髪の毛、時折のぞく鋭い視線、野性味を増した風貌。男としての魅力に溢れた外見とはアンバランスな、幼さを残した反応。随所に見せる経験のなさ、隠しきれない優しさ。(結城くんが、欲しい・・・)なぜ自分は相手にリトを選んだのか。答えは簡単、彼が自分の正体を知る、数少ない男だからだ。それ以外の理由はないはずだった。興味を持っていたのは、彼とララや春菜との恋愛がどうなるのか、それだけだったはずだ。でも、本当にそれだけだったのか。リト自身に興味はなかったのか。どうしようもなく鈍いけど純粋で真っ直ぐ。そんなリトに、ただの教え子以上の感情を抱いていなかったとはもはや言い切れない。そんな彼が今、一人の魅力的な男の姿をして、目の前にいる。(ダメよ・・・本気になんかなっちゃ。結城くんはまだ子供。今の姿は、あくまでも薬による一時的なもの・・・)しかし。(あんな大きいので愛されてしまったら・・・私・・・)好きにならずにいれるのだろうか。この関係を一度きりで終わらせられるのだろうか。自信は、ない。それでも、女の本能には抗えない。ぐちょぐちょになった膣から零れた秘蜜はすでに太ももを濡らし、性器はリトの侵入を今か今かと待ち望んでいるのだ。自分はまだ、男に愛されることができる。愛されることを、幸せに思うことができる。だから御門は、微笑みながらその言葉を口にすることができた。「結城くん・・・おいで?」リトは無言のまま、自身の性器を御門のそれに宛がった。「・・・ぁ、ん・・・ふっ」陰裂の上を何度か滑らせると、すでに先走りによって濡れていた一物は御門の愛液と混ざり合いテラテラと輝いた。「焦らさないで・・・お願い・・・」焦らしたつもりなどない。ただあのタイミングで挿入すると、あっという間に射精しそうだったから誤魔化しただけだ。もっとも、今にも訪れそうな射精感はちっとも衰えやしなかった。ただ、御門への愛しさが増しただけだ。「・・・はぁぁ・・・ぁっ、ん・・・」この上なく悩ましげな御門の吐息に、挿入したばかりの性器が膣内で歓喜に跳ねる。「ぁう・・・はぁんっ!!そ、んな・・・あふぅ」まだ動いてもいないのに、御門の声はどんどん大きく、艶っぽくなっていく。そんな御門がどうしようもなく愛しくて、リトは「涼子・・・」初めてその名を呼んだ。ありったけの愛情を詰め込んで。「あぁっ!・・・ゆ、うきくんっ・・・」名前を呼ばれただけで御門の膣内が絶妙なタッチでリトを締め付けた。「ぅあっ!・・・な、んだ・・・これ、すげっ」充分に潤んだ大人の秘穴が、蕩けるような快楽を与えてくる。「来てぇ・・・。早く結城くんのおっきいので・・・あんっ!」御門が言い終える前にリトが腰を奥へと大きくグラインドさせた。膣壁を滑り、逞しいそれは最奥へと到達する。「あっ、あっ、ダメッ・・・気持ちよすぎるわ!こ、んな・・・」「ぅく・・・涼子、俺も気持ちいいよ・・・」快楽によって掠れ、震えたリトの低い声が、御門の快感を更に高める。「もっと呼んでぇ!涼子って・・・。もっと聞きたいの!」「涼子・・・。すごく綺麗だよ・・・」「あはぁっ!ウンッ、嬉しい・・・。もっと・・・んちゅ、ちゅ」もっとと要求しながらも激しく口づけをしてくる。「んむっ・・・ちゅ、りょう、こ・・・ん」そんな理不尽な行動も、何もかもが愛しい。保健室の先生じゃない、御門涼子の全てが愛しい。感情そのままに、リトの性器はあっという間に昂ぶり、限界に到達する。「涼子、俺もう・・・」「あぁっ、で・・・るの?はああっ!いいわよ・・・どこでも、あんっ!・・・受け止めるからぁ」そんなこと言われちゃったら、最高の居心地のソコから出ることなどできるはずもなく。最後の力を振り絞って、御門を味わいつくす。「結城くんっ!・・・私も、イクッ!・・・はあああぁ!!」「っ!!!」ドクッ!ドクッ!ドクッ!精気が抜ける、とはまさにこのことだ。圧倒的な放出感に、リトの身体は震え続けた。男からの愛に飢えていた御門の膣奥は激しすぎるほどリトに絡みつき、搾り上げ、その全てを奪っていった。「はっ・・・はぁ、はぁ・・・結城くん・・・」リトもぼんやりした頭のまま反応する。「お役に、立てましたか?・・・先生」その言葉に、御門は唇を尖らせリトを睨んだ。「・・・先生?もしかして俺・・・早すぎたり、とか」外見上20台半ばに差し掛かろうかという男が、おどおどと視線を泳がせる。まあ確かに早かったが、達してしまったのは御門だって同じ。どこまでも鈍いリトに、御門は小さくため息をついた。「ま、ある意味助かったわ・・・。これでカッコいいこと言われちゃったら、危なかったし・・・」リトは御門が何を言っているのか、全くもって理解できない。明るくなった彼女の表情につられて、ただなんとなく笑みを作っているだけだった。そんなリトに、御門の言葉が続く。「ありがとう、結城くん。キミのおかげで、私は思い出せた・・・。恐怖でも驚きでもなく、心臓が震える感覚を。誰かに愛されたいという、女としての本能を・・・」からかいを一切含まない穏やかな笑みで真っ直ぐ見つめられて、リトは「あ、いや・・・」と、もう照れるしかない。「まだもう少し・・・そばにいてくれるでしょ・・・?」ラベンダーピンクの唇が、そっと、しかし熱く、魅惑的に囁く。リトの脳内に数分前までの濃密な二人が蘇った。精気とともに消え去っていた、御門への切ない気持ちがぶりかえしてきた。つまり、断れるわけなどなかったわけで。リトの身体が元に戻る数分前まで、二人が愛し合ったことは言うまでもない・・・。その二日後、リトの家に小包が届いた。差出人は不明。「なんだろ・・・」訝しがりながらも開けてみると、出てきたのはさらに小さい、白い袋。用法 1日に1度 20日分その下には、朝食後服用と書いてある。「これって、まさか・・・」リトは急激な寒気に襲われた。身体が震えた拍子に袋を落としてしまう。と、一枚の白い紙が目に入る。どうやら袋と一緒に掴んでいたらしい。処方箋 結城リトくん私と愛し合うことのできる、魔法のお薬お水に混ぜて飲んでねでも使いすぎには注意するのよ(はぁと) 御門涼子いつかあなたの元にも魔法の処方箋が届くかもしれない・・・?
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