日曜日の朝、ララはいつもより早く目を覚ました。普段ならリトの悲鳴によって起こされるのだが今日はまだ寝ているらしい。隣でまだ規則正しい寝息が聞こえる。「リートー、まだ寝てるの?」リトは一向に起きる気配がない。ララが顔を覗き込むと、いまだに目を閉じ熟睡しているリトの顔があった。(やっぱりリト、可愛いな~)そんなことを思いながらララはちょっとした悪戯を思いついた。顔に近づきながらリトの鼻の頭を優しく指で押し、唇に触れる。ゆっくり指でなぞりながら顔をさらに近づけ手をリトの両頬に添えてキスを落とした。「ん・・・んぅ・・・」リトは一瞬息苦しそうに声を漏らしたが起きる気配は一向にない。日ごろからララに振り回され続け、せめて休日ぐらいはゆっくり休みたいという思いからか、ぐっすりと眠ったままだ。そんなリトの思いも空しくララはリトの唇を存分に味わった後、今度は耳に舌を這わせ、唇を首筋に寄せた。ぺろぺろと外耳を舐め上げ、首筋を吸い上げる。リトは寝苦しそうな寝息を立てたがまだ起きなかった。(つまんないな~)ここまでしてもまだ起きないリトにララは業を煮やし、リトの上半身の衣類を剥ぎ取りにかかった。シャツをたくし上げ、露になったリトの上半身を手でさすり上げた。時折脇に手を這わせ、くすぐるようにするとリトは体を無意識に捩った。「ん・・・うぁ・・・!?」そこまでされるとリトはようやく目を覚ました。勢いよく起き上がったため、たくし上げられたシャツは元に戻ってリトはそのことに気付きはしなかった。「あ、リト起きちゃった?おはよ~」いまだに寝ぼけ眼で自分のおかれている状況が把握できていないリトは、毎朝のごとくララが裸で自分のベッドに潜り込んできた事を悟った。「うわあぁぁっ!!服着ろ服っ!!お前っ・・・またかよ!?」大声で叫んだリトにララは言った。「リト、今日はなんだかぐっすり寝てたよ。リトの寝顔可愛かったなぁ~♪」寝顔を見られたことにリトは赤面し、叫ぶように言う。「あぁ~っ!んなことどうでもいいから早く服着ろっつーの!」そんなことを言いながらも、ララの裸を見てしまわないようにしっかり目を手で覆いながらだ。「も~リトってば照れないでよ~」そんなやり取りが交わされながら、リトは自分の耳や首筋、特に唇の辺りに違和感があるのを感じた。(何だ?この感じ・・・なんか濡れてるような気が・・・まさか・・・)リトがわずかに湿り気の帯びている自分の唇を指でなぞっているとララがそれに気付き、言った。「あれ、リトもしかして気付いてた?」「気付いてったって・・・何にだよ?」たらり、と冷や汗がリトの頬を伝う。そんなの、と言わんばかりにリトの顔を覗き込み、ララが言った。
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