「それで、新しい部屋は決まったの?」携帯電話の向こうから霧崎恭子の声がする。ルンは声を弾ませて答えた。「うん!いい部屋見つかったよ!引っ越しが今週末なの」ルンは荷物をまとめたダンボールの山を見渡しながら額の汗を拭った。地球に来て以来ずっと宇宙船で生活をしていた彼女だが、ルンの事情を知る宇宙人のマネージャーが病気にかかり、しばらく仕事に就けなくなったため、急遽代わりに地球人のマネージャーが就くことになったのだ。 彼はルンの事情を全く知らないため、立ち入り禁止区域に宇宙船暮らしをしていると知られてはまずいと判断した彼女は、町のマンションに引っ越すことにしたのだった。 「私もルンの引っ越し手伝うよ。今週末は私もオフだしさ」「ありがと、キョーコ。じゃ、土曜日にね」ルンはにっこりと笑って親友の申し出を受けることにした。本当はレンをこき使って引っ越しの荷物運びをやらせるつもりだったが、親友にこう言われては、ルンも自分で汗を流すのも悪くないと思わざるをえなかった。 ルンはケータイを切り、もう1度ダンボールの山を見渡した。「とはいえ、メモルゼ星人の引っ越しって結構大変なのよね~…」メモルゼ星人には男女二つの人格が一つの体に備わっており、表に出ている人格によって体も変化する。つまり性格も体も趣味も異なる二人が同居するメモルゼ星人一人の引っ越しは、衣服をはじめ、他の種族の引っ越しのおよそ2倍の荷物を運ばねばならないということなのだ。 ルンは部屋の隅に置かれた、レンが荷造りをしたダンボールの山を見る。「なんだかんだでレンも結構荷物あるわね…」前日がレンの荷造り日だったのだが、レンも銀河通販で男らしくなるためにトレーニング器具なんかを買っていたりするので、その量はルンに負けず劣らずである。最後のダンボールをガムテープで閉じたルンは、しばらくの間お別れとなる宇宙船のベッドに腰掛けた。「さ、業者さんに電話しなくちゃ」―そのころ、結城家では―「リトさんったら、かわいい寝顔…」モモ・ベリア・デビルークはリビングのソファで横になっている結城リトの寝顔を覗き込みながら妖しい笑みを浮かべていた。昨日、リトは父親、才培の漫画の仕上げの手伝いをしていたので疲れ果てていた。リビングのテレビではララとナナがテレビゲームに夢中になっている。突然、リトのケータイのバイブが着信を告げた。「あら?リトさぁん、お電話ですよぉ」「むにゃ…」モモが呼びかけるも、まだまどろみの中から抜け出せないリト。口からは涎が垂れている。「ほらぁ…早く出てください…」モモはリトの口元の涎を右手の人差し指で拭い、そのまま自分の舌でリトの唾液を舐めとった。ララとナナはゲームの画面に釘付けである。自分の口に触れられ、リトはようやく体を起こした。「う~ん…。あ、悪いモモ」左手でケータイを手渡しながら、モモはその幼い顔からは想像もつかないほど妖艶な笑みを浮かべた。唇には右手の人差し指が置かれている。「いいえ、いいんですよ。それよりほら」「サンキュ」モモの表情にリトは少し怪訝な顔をしたが、とりあえずそれは脇に置いて着信の相手を確認する。「え?」リトは意外な人物からの着信に慌てて電話に出た。「あ、リトくん?私、キョーコだよ♪」「どうしたの?」「あのね、リトくん。今度の土曜日って空いてないかなあ?」「土曜日?空いてるけど…」「あのね、ルンが引っ越しするんだけど、そのお手伝いを頼んじゃだめかなあ?もちろん私も行くけど、やっぱ女手だけじゃちょっときついから…」「ああ、そういうこと?別にいいよ。待ち合わせの時間と場所は?」「彩南駅に1時でお願いできる?」「わかったよ」リトが電話を切ろうとしたとき、キョーコが慌てて付け足した。「あ、ちょっと待ってリトくん!あのね、当日は、できるだけ一人で来て欲しいの」「…?ああ、わかった」リトは恭子の真意を測りかねたが、二つ返事でOKした。「じゃ、土曜日にね♪」最後に聞こえた恭子の妙に明るい声が腑に落ちないリトにモモが尋ねた。「遊びの約束ですか?」「いいや、ルンが土曜に引っ越しするんで手伝って欲しいんだってさ。キョーコさんも来るらしい」リトの口から出た恭子の名にララが食いつく。「え?キョーコちゃんと、ルンちゃんの引っ越しの手伝いに行くの?」「おまえも行きたいのか?」「うーん…。でも土曜は春菜と服を買いに行く約束をしてるから…」「じゃあいいよ。向こうもその方が都合がいいらしいから」このリトの台詞にモモはピンと来た。「ははぁん…そういうことですか…」一人納得するモモにリトは再度怪訝な表情を向ける。「リト…。あんた、一体どれだけの罪を作れば気が済むの?」いつのまにかリトの妹、そして恋の電波をキャッチすることにかけては米軍の最新鋭レーダーも真っ青な女、美柑まで会話に加わっていた。「あら、いいじゃないですか。罪作りなオトコって、それだけオンナから見れば魅力的に映ってるってことですから…。ねえ?」モモがリトの隣に腰掛け、リトの肩と太ももに手を置き、耳元で囁いた。その様子を見た美柑はモモに食って掛かる。「ちょっと!モモさん!!」「あら、ごめんなさい。私ったらつい…」「おいリト!おまえなにデレデレしてんだ!」「ちょっとナナ!やめなさい!」「あーもう、皆静かにしろっ!!近所迷惑だろうが!!」「まうー」結城家がいつもの喧騒に包まれる。―そして約束の日―「そろそろ時間か…」12時55分、リトは恭子との約束の彩南駅の前にいた。「こんにちわー!リトくん♪」そこに恭子がやってくる。谷間の見える白地にブルーのラインの入ったキャミソールにジーンズ生地のマイクロミニのスカートとかなり露出度の高い服装である。「こんにちわ、キョーコさん」「いきなりお手伝いお願いしちゃってごめんね。でも助かるよ」「いや、いいよ。それより、ルンの新居ってここから遠いの?」「うぅん、駅のすぐ近くだよ。ルンに場所は教えてもらってるから、行こ♪」恭子はリトの手を取り、歩き出した。「って、手をつないだらまずいんじゃ…」「いいからいいから♪」顔を真っ赤にして抗議するリトを恭子は笑顔で捻じ伏せ、そのままリトをルンの新居に案内した。マンションのエレベーターの中でも、恭子はリトの手を離さなかった。リトは相変わらず赤い顔のまま、エレベーターの階を表す数字をじっと見つめていた。そんなリトを見つめながら、恭子は少し口を尖らせていた。―時間は遡り、昨晩の霧崎家―「いよいよ明日か…。仕事でリトくんになかなか会えないルンにもチャンスがないとね」恭子がリトを誘った理由はまさにそれだった。ルンの恋を応援すると決めた自分に出来ることは、ルンが彼にアプローチをかけるチャンスを少しでも多く作ってやることだと思ったからだ。「恭子ー!お風呂入りなさーい!」2階の自室で明日着ていく服を選んでいた恭子に、彼女の母親から声がかかる。「はーい!」恭子はタンクトップと下着、ショートパンツを持って1階に降りていった。「恭子、明日はお友達のお引っ越しの手伝いに行くって言ってたわよね?女二人だけじゃきつくない?メモルゼ星人の引っ越しって荷物多くて大変らしいじゃない?」恭子の母が降りてきた娘に話しかけた。リビングでスポーツ新聞を読んでいた恭子の父が妻の声に反応する。「え?これもしかして俺に手伝いに行けって流れ?俺明日は…」「あなた、明日は会社の同僚の方と競馬に行くんでしょ?端から期待してないわよ」ため息混じりの声で、恭子の母は夫の言葉を遮った。そのやり取りに恭子はクスッと笑みを漏らす。「大丈夫だよ。明日はちゃんと助っ人が来てくれることになってるから」間髪入れずに恭子の母がその助っ人の正体を見破る。「この前知り合った結城リトくん?」「よし、明日はパパも手伝いに行こう」二人のやり取りに恭子の父がいきなり割り込んできた。が、すぐに妻の辛辣な一言で迎撃される。「あなたは空気を読んで競馬に行きなさい」自分の母親の口からリトの名が出てきたことに恭子は驚きを隠せなかった。「ママ…なんでわかったの?」「そうねえ…。強いて言うなら、女だから…かなあ?」恭子の母は娘に意味深な笑顔を見せた。母の笑顔が腑に落ちないながらも、それ以上の会話はせず、恭子は浴室に入っていった。その様子を見ていた恭子の母は小さくつぶやいた。「やれやれ…。部屋でごそごそとクローゼットを漁る音が聞こえてれば、嫌でもわかるわよ」マンションの6階、607号室がルンの新居だった。エレベーターを降りた二人はその部屋の呼び鈴を鳴らした。「はーい」ドアが開き、中からルンが出てきた。迷彩柄のショートパンツにへそだしのダークグレーのタンクトップと、かなりラフな格好である。「キョーコ!リトくん!手伝いに来てくれてありがとう!」「お邪魔しまーす」二人はルンの部屋に上がりこんだ。部屋の奥へ進んでいくリトの背後で、ルンと恭子はひそひそと話した。「キョーコ、リトくんを呼んでくれてありがとね」「いいのよ。ルンの恋を応援するって言ったでしょ?私は適当なところで席を外すから、しっかりアプローチしなさいよね」部屋に積まれたダンボールの山を見て、リトは背後の二人に声をかけた。「早く片付けようぜ。まずはどうすればいいんだ?ルン」「あ、ごめんねリトくん。それじゃ、まずは…」こうして作業が始まった。風呂、トイレ、キッチン、リビングと一人分の生活環境を整えるのはなかなか大変である。リトとルンが食器棚を一緒に組み立てていたとき、浴室にシャンプーやボディソープを運ぼうとしていた恭子がこう言った。「なんか二人を見てると、新居に越してきた新婚さんみたいだねー」「ちょっ…なに言って…」「えへへ…新婚さんだって、リトくん♪」作業の手が思わず止まってしまったリトの腕にルンが抱きつく。柔らかい彼女の乳房の感触がリトに伝わる。「ちょ…これじゃ作業できねーだろっ」慌てふためくリトに恭子は追い討ちをかけた。「私、来ないほうがよかったかなあ?」「そんなことないよ、キョーコ。今日は本当に感謝してるよ」この言葉は本当だった。ルンは今日リトを呼ぶつもりはなかったので、恭子からリトが手伝いに来てくれると聞いたときは心から喜んだ。「ところでさ、ルン。もう残りの作業も少ないでしょ?後は二人に任せちゃっていいかな?私、その間に飲み物とかおやつとか買ってくるからさ。二人は何か欲しいものある?」 「私は紅茶がいいな」「あ…じゃあ俺はポカリで…」「オーケー。じゃ、行って来るね~」ルンの部屋を出ると、恭子は軽くため息をついた。「はー…。リトくんって相変わらず純情よね…。でももう少しこっちの方を見てくれてもいいのに…」我ながら矛盾しているな、と恭子は思った。リトには初めて会ったときから好感を持っていた。変態に追われたとき彼に手を引かれて思わずドキドキしたりもした。しかし、ルンの恋を応援すると言いながら、昨晩は今日リトに見せる服を選ぶのに時間をかけ、エレベーターでは自分の方を見てくれない彼に少し苛立ちも覚えた。なにより、彼に今日会えることを1番楽しみにしていたのは他ならぬ自分自身だった。「ママには敵わないなあ…」母は自分の内心を見抜いていたに違いない。現に恭子はルンとリトをいざ二人きりにすると、まるで心の中に靄がかかったような感覚を覚えた。「…がんばれ、ルン」その言葉は本当にルンに向けられたものだったのだろうか。恭子はマンションを後にし、近くのスーパーマーケットに向かった。
「これで終わりかな」「ありがとう、リトくん」作業は全て終了し、ルンはリビングに座っているリトにミネラルウォーターを持ってきた。「サンキュ」リトはコップを受け取ると、中の水を一気に飲み干して大きく息をついた。その様子を見ていたルンは、先程の恭子の言葉を思い出していた。『新婚さんみたい…か…』ルンはその言葉に気分を高揚させていた。「ねえ、リトくん」「なに?ルン」「あのね、キョーコに『新婚さんみたい』って言われたときどう思った?」ルンの突然の質問にリトはしどろもどろになる。「どうって、別に…」「私は嬉しさ半分、寂しさ半分って感じかなあ…。だってリトくん、真っ赤になるだけでちっとも嬉しそうじゃなかったんだもん。リトくんは私に好かれるのは嫌?」そう言いながら、ルンがリトとの距離を詰めていく。「い、いや、そんなことないけど…」「本当?じゃあ私、少しでもいいから新婚さん気分でいたいなぁ…」ルンは鼻先がくっつくほどにリトと顔を近づけた。そして、緊張で反応できないリトのズボンに手をかける。「ちょ…!!何して…!!」「リトくんは旦那様なんだから、私がいっぱい尽くしてあげるの♪」ルンはそのままリトの肉棒を取り出し、舌を這わせた。「ちょ…ルンやめ…」リトの言葉を無視し、ルンはそのまま肉棒をくわえ込む。抵抗の意志をを見せていたリトもルンのフェラチオの快楽に少しずつ理性を蝕まれていた。ルンの舌はリトの感じる部分を的確に刺激していき、肉棒はその大きさと硬さを増していった。 リトの下半身から彼の脳に、彼の限界が近いことが伝わってくる。このままルンの口に出してしまいたいという思いもあったが、リトは残された理性でルンに向かって叫んだ。 「ルン!もう出そうだから離れて!」しかしルンはリトの肉棒から口を離すことはなく、彼女の口内にドクドクと白濁した粘液が注がれた。射精を終え、荒い息をつきながら、リトは肉棒を彼女の口から引き抜いた。 「ル…ルン!ティッシュを…」リトは慌ててルンにティッシュを差し出すが、ルンはリトの精液をそのまま飲み干した。「ルン…、ごめん…」反射的に謝罪の言葉が彼の口から漏れていた。その瞬間、ルンはリトに抱きついた。「謝るくらいならこのまま抱いてよ…。リトくんのこと本気で愛してるから、あのくらい私平気だよ…」発情した雌の眼差しがリトの目を釘付けにする。ついさっき射精したばかりだというのに、彼の肉棒は目の前の女を抱くための準備を始める。「ルン…」リトの手がルンの服に向かって伸ばされていった。「ふう…。ルン、しっかりアプローチしてるかな…」買い物を終え、恭子はルンの部屋の前に戻ってきていた。ドアノブに手をかけると、鍵がかかっていないことに気づく。「あれ…ルン、閉めてないんだ。リトくんがいるとはいえ、無用心だなあ…」そっとドアを開け、忍び足で部屋の奥へ歩を進める。なぜかそうしなければならないような気がした。部屋全体に漂う空気になにか違和感を感じる。恭子は息を殺し、耳に全神経を集中した。「…ぁん…はっ…あっ…」リビングからかすかに聞こえてくるルンの声。それは、今まで恭子が聞いたことのないものだった。「まさか…」二人に気づかれないよう恭子はリビングの中を覗き込んだ。「あぁっ…気持ちいいよリトくんっ…」「ルン…!俺もすごく気持ちいい…」リビングの中で二人はお互いに裸で体を重ね、下半身を激しく打ち付け合っていた。激しく重ねられる唇の間から二人の荒い息遣いとともに、ルンの膣内でリトの肉棒が粘液をかき混ぜるヌチュヌチュという音が恭子の耳に届いてくる。「うわ…セックスしてる…」出るに出られず、恭子はそのまま二人の性行為を食い入るように見つめる。「ルン…」リトがルンの名を呼びながら彼女と舌を絡めあい、それから首筋に舌を這わせていった。エレベーターの中にいたときの彼からは想像できない彼の雄の表情に、恭子は胸を鼓動を速くする。そして、思わずスカートの中に手が伸びていった。下着の上からでもわかる粘液の感触。恭子は快楽を求めて、そのまま指を自分の生殖器に這わせた。二人に気づかれぬよう必死に息を殺す。しかし、そうすればするほど二人の声や行為の音が脳に響き、恭子の興奮をますます高めていった。「リトくんっ…私もう…」ルンがリトに限界が近いことを訴え、リトの腰に脚を絡めた。リトも興奮しきっているのか、ルンの行為に抗議の声を上げなかった。「ちょ…嘘でしょ?まさか、ほんとにするの…?」恭子は息を呑んで二人の様子を見つめた。驚くと同時に指に触れる粘液の量は増え、自身の生殖器への刺激はますます強いものになっていく。「リトくん!リトくんっ!ふあああああぁぁぁっ…!!」ルンの絶頂の声とともにリトはルンを最深部まで貫き、そのまま動きを止める。しばらく二人はそのまま動かなかったが、やがてリトはルンから自身の肉棒を引き抜いた。恭子は、リトの二人分の粘液にまみれた肉棒を凝視した。避妊具はついていない。ルンの膣からはリトの精液が溢れ出していたが、それでも名残惜しそうにリトの肉棒との間に愛液が糸を引いていた。「はあ…はあ…あっ!…」その様子を見て興奮が極限まで高まっていた恭子は思わず嬌声を漏らしてしまった。二人はハッとして声のしたほうを見る。「今の声…キョーコ?」ルンが服も身に着けずにリビングとキッチンを隔てる壁の陰を覗き込んだ。「…ルン…」キャミソールの肩紐はずり落ち、今にも泣き出しそうな顔をしている恭子がいた。「ご…ごめんなさい…。二人の様子が気になって戻ってきたら、まさかあんなことしてるなんて思わなくて…」「キョーコ…。うぅん、こっちこそ驚かせてごめんね」ルンは恭子を抱き寄せ、、恭子の後頭部を撫でて落ち着かせようとする。ホッとした恭子はルンの背中に手を回した。そこでルンが気づいた。「キョーコ…。指が…」ルンの背中に粘り気のある液体の感触がした。「キョーコ…私たちの見て一人でしてたの?」恭子は真っ赤になって何もしゃべれなくなる。しかし、指についた愛液は彼女が二人の行為をどのように見ていたかをルンに教えていた。「ふーん…。キョーコって本当はエッチなんだ…」ルンがぺロリと舌を出し、妖しい笑みを浮かべた。一方、リトはいそいそと服を身に着けようとしていた。恭子に自分たちのセックスを見られていたことを知り、彼の顔は火が出そうなほどに真っ赤になっていた。「ちょっと、リトくん!何してるの?」ルンの声にリトは振り向く。「おまえも早く服を着ろよ。キョーコさんが戻ってきてるのにいつまでも裸ってわけには…」「まだ服を着るのは早いよ?」「え?」ルンが恭子を連れてリビングに入ってきた。恭子は顔を赤らめてリトから視線をそらしている。「…あ…あの…キョーコさん…その…ごめんなさい…」そのときのリトはいつもの純情少年の顔だった。先程までルンを抱いていた男と同一人物なのかと疑いたくなるほどに。「すぐに誤っちゃうの、悪い癖だね、リトくん。謝るくらいなら抱いちゃえばいいのに」一瞬ルンの言葉の意味がわからず、リトは混乱する。「え?それってもしかして…キョーコさんと…?」「…リトくんさぁ、キョーコのことどう思ってるか知らないけど、キョーコってすっごく身持ちが固いの知ってる?そのキョーコがこんな露出の多いキャミソール着てくるってことは、リトくんに自分のこと見てほしかったんだと思うよ?」 『キョーコさんを…抱ける…?』一度女の体の味を知ってしまったリトは、それ以前の彼ならまず浮かばなかったであろう考えを頭に浮かべた。それに伴い、リトの顔がだんだんとルンを抱いていたときの表情に近づいていく。「キョーコは今日の恩人だから特別だよ?ちょっと待っててねキョーコ…。すぐ準備するから…」そう言うと、ルンはリトの肉棒を口に含んで、先程の交わりの名残を舐めとっていった。「あう…ルン、ちょっと…」恭子の前でフェラチオされるのが恥ずかしいのか、リトはルンを制止しようとする。チュポッと小気味よい音を立て、ルンが唇を離した。「えー?だって、私のにまみれたまんまキョーコに入れるのはちょっと申し訳ない気がするっていうか…」ここで今まで無言だった恭子が口を開いた。「あ…あのね、ルン…。私に代わってもらっていいかな…?」少し驚いたように、リトとルンは恭子の方を見る。「いいよ…」ルンはリトから少し離れ、恭子はリトの肉棒に顔を近づける。「初めは咥えなくてもいいから、舌を出してそっと舐めてみて」「う…うん…」恭子はルンに言われたように軽く舌先でリトの肉棒に触れてみる。『ほんとに舐めちゃった…』自分のしていることを考えると、恭子は顔から火が出そうなほど恥ずかしかったが、同時に妙な興奮も覚え、そのままリトの肉棒に舌先で刺激を与え続けた。ぎこちないフェラチオだったが、リトは有名アイドルに奉仕されていると思うと十分に興奮した。「ねえ…リトくん。気持ちいい…?」恐る恐るといった感じで恭子がリトに尋ねる。ルンに比べると気持ちよさでは劣っているのは否めなかったが、リトは恭子を傷つけまいと嘘をついた。「うん、気持ちいい…。もう少し下の方を舐めてもらえるともっといいかも…」「ここ?」恭子はリトに言われた通りに舌の位置をやや下方に移す。「そう、そんな感じ…」その様子を見ていたルンが恭子のすぐ隣に来て膝をついた。「なんか見てたら変な気分になってきちゃった…」そしてルンもリトの肉棒に舌を伸ばしていく。『うわ…ダブルフェラだ…』ルンと恭子の二人がかりのフェラチオはリトを性欲を極限まで高ぶらせていった。すぐにでも恭子の服を剥ぎ取って彼女を貫いてやりたいという衝動に駆られる。「二人とも、もういいよ…」リトがそう言うと、二人はリトの肉棒から顔を離す。リトは恭子の服を脱がせ始めた。キャミソールとブラジャーを脱がせると、綺麗な乳房がリトの前で露になる。リトは思わず恭子の乳房に見とれてしまう。「やだ…。あんまりおっぱいばかりじろじろ見ないでよ…。リトくんのえっち…」恭子の抗議にリトは慌てて彼女のスカートとパンツを脱がせ始める。全ての衣服を脱がせてしまうと、リトは恭子の裸体に思わず声を漏らしてしまう。「…綺麗だ…」「あ…当たり前でしょ…。アイドルなんだから、自分の体のケアには気を遣ってるんだからね…」リトは恭子の膣の具合を確かめる。かなりの量の愛液を分泌しており、下手に前戯をするよりもすぐに入れてしまったほうがよさそうである。リトは恭子を仰向けに寝かせ、彼女の両脚の間に自分の体を潜り込ませた。そして、リトは恭子とキスを交わす。リトの反り返った肉棒の先が恭子のクリトリスをつんつんとつつき、その刺激に恭子は思わず腰を浮かせてしまう。そのせいでリトが位置を合わせるまでもなく、肉棒は恭子の膣に飲み込まれていった。「うわ…キョーコさん、入ってるよ…」リトに言われるまでもなく、恭子は自分の中に彼の存在を感じていた。そして、繋がってしまった後で恭子はハッとする。『そういえば私たち、避妊してない…』だが、下半身から脳に流れ込む快楽の電流が彼女の思考を麻痺させていく。理性がいくら叫ぼうとも、本能のささやきが彼女の全てを支配してしまう。―気持ちよければそれでいい―「あんっ!はぁんっ!」リトが突きこんでくる動きに合わせて恭子は自然と腰を浮かせ、自分の子宮をリトの肉棒にアピールする。恭子の子宮口とリトの亀頭の先端がぶつかり合い、まるで彼の射精をその場所に望んでいるかのような動きだった。 「キョーコさん…俺もうイキそう…」リトの訴えに、恭子はリトの背中に回していた腕にさらに力を込めた。さっきから一突きごとにイカされており、恭子はとっくに限界など超えていた。「ああああああぁぁぁぁ…っ!!!!」恭子が一際高い嬌声を上げ、リトは恭子と繋がったまま精液を吐き出していく。自分の中に流れ込んでくる熱い液体の感触を感じながら恭子は考えていた。『中に出されちゃった…。でもすごく気持ちいい…。私とリトくんって体の相性バッチリかも…』リトも恭子もとろんとした目でお互いを見つめ合っていた。そして二人は口付けを交わし、それは再び舌を絡めあう激しいものに変わっていった。その様子を見ていたルンが、少しすねたようにリトに甘えてくる。「…ねえリトくん…。キョーコのことそんなに気に入った?」ルンはリトの頬にキスをし、そのままリトの首筋に噛み付くようなキスをする。リトは恭子とのキスを中断し、ルンのほうを見る。「ルン…」「今度は私の番だよ…」そのままリトはルンと再び交わり、それが終わると今度はまた恭子を抱いた。「二人とも…俺もうそろそろやばい…」リトが音を上げると、既に荒い息をついていたルンと恭子もそれに同意する…かのように見えた。「そうね…じゃあ、次でラストにしよっか…」「そうだね…」仰向けになったルンの上に、恭子が覆いかぶさるような体勢を二人はとった。二人の膣からは、愛液とリトが2回ずつ吐き出した精液が混ざった粘液がとろりと滴り落ち、フローリングの上では三人分の粘液が混ざり合っていた。その様子に、完全に萎えかけていたリトの肉棒に最後の力が漲っていった。「さ、リトくん。最後にきちんと気持ちよくして締めてね」リトはルンの膣に肉棒をねじ込んだ。「ぅあああっ!」自分の目の前で喘ぐルンを見て、恭子の性欲にも火がつく。「リトくん、私のほうにもしてっ!」ルンの中から引き抜くと、リトは今度は恭子の中に肉棒をねじ込んだ。アイドル二人を交互に犯しながら、リトは最後の射精のときを迎える。「リトくん、もうダメぇぇ…」ルンが自分の限界を訴えると、リトは彼女の中に最後の精を解き放った。「あああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」ルンの膣が精液を全て搾り取ろうとするようにリトの肉棒に噛み付いてくる。だが全てをルンに持っていかれるわけにはいかない。リトは半分ほど出したところで射精を止め、絡み付いてくるルンの中から強引に肉棒を引き抜く。そして間髪入れずに恭子の膣に挿入し、彼女の子宮に亀頭をぐりぐりと押し付けながら残りの半分を思いっ切り射精した。「ぅああぁぁっ!リトくん、それイイっ…」完全にダウンして床に転がる二人の間にリトは体を滑り込ませ、二人を抱き寄せながら息を整えた。「リトくん…。気持ちよかった?」右腕に抱かれているルンがリトに尋ねた。「うん、すごく…」今度は左腕に抱かれていた恭子が話しかけてくる。「私もやばかったぁ。なんか自分が自分でなくなってくみたいな感じがしたもん」「ねえリトくん…キスマークつけて…」ルンが右側の髪をかき上げ、首筋を露にした。リトは体を起こし、ルンの首筋に噛み付くようなキスをする。「えへへ…。これで私はリトくんのものだよ♪」ルンのマンションを後にしたリトと恭子は二人並んで家路についていた。リトはルンと別れ際にキスを交わした。結局食べなかったお菓子とジュースの袋が少し重く感じた。 夕日はだいぶ傾き、薄暗い空には星が見え始めていた。公園にさしかかったところで、恭子はリトに言った。「ねえリトくん。ちょっと公園に寄ってもいい?あまり時間は取らせないから」二人は公園のベンチに腰掛けた。周りに人はおらず、二人きりだった。恭子は顔を赤くしながらリトに話を切り出した。「リトくん…。今日はまあ仕方ないんだけど、これからは…その…するときはゴムつけて…ね?」恭子は今日のセックスで確信したことがあった。それは、次のセックスでリトが自主的に避妊しないならば、きっと自分はこれからリトに避妊を頼めなくなるだろうということだった。次に生のまま肉棒を入れられたら、きっと自分はそれ以降ずっと快楽第一のセックスをやめられなくなり、彼に膣内射精ばかりを求めてしまうだろう。彼に、そして自分自身に釘をさすチャンスは今しかないと思った。「ご…ごめん…キョーコさん…」うなだれるリトに恭子は付け加える。「…呼び捨てでいいよ…」「え?」リトは少し驚いて恭子の方を見る。恭子も恥ずかしいのか、リトと目を合わせようとしない。「私のこと、さん付けしなくていいから…」「あ…うん…」「それとさ…私にもキスマークつけて欲しいな…」そう言って恭子は髪をかき上げる。「キョーコ…」リトは恭子の首筋に口付けをし、そのまま強く肌に吸い付く。唇を離すと、恭子は少し潤んだ目でリトを見つめた。リトは恭子の肩を抱き寄せ、そのまま二人の唇が重ねられた。 リトが唇を離すと、恭子が頼みごとをしてきた。「リトくん、明日もし暇なら、買い物に付き合ってくれないかな?」リトは恭子の中に出してしまっていた手前断ることも出来ず、その申し出を承諾した。「ただいまー」家に帰ったリトをセリーヌが迎える。「まうー」「ただいま、セリーヌ。ほら、おみやげだぞー」リトはそう言ってお菓子の袋をひとつセリーヌに渡す。「まうっ♪」セリーヌは大喜びで、袋を持ってキッチンに消えていった。「こらー、セリーヌ。もうすぐ晩御飯なんだから、お菓子は晩御飯を食べ終わってからにしなさい」キッチンから美柑の声が聞こえた。キッチンから夕飯のにおいがしている。リトは今更ながら自分の空腹に気づいた。『そういえば、何も食べないでヤリまくってたんだっけ…』靴を脱いで家の中に上がる。そこにモモが2階から降りてきた。「おかえりなさい、リトさん」「ただいま、モモ」「…楽しんできましたか?」モモが意味深な笑顔でリトに尋ねた。「な…なにを言って…」「ですからぁ…ルンさんと恭子さんとキスとか、もっといろいろしてきたんじゃないかって聞いてるんです」「そ…そそそ…そんなわけないだろ…」リトは必死に否定するが、モモにはリトの首筋に残るキスマークが見えていたのでバレバレである。「ふーん…そうですか…」モモはリトのすぐそばに立ち、背伸びをする。「ちょっとモモ、顔が近いって…」冷や汗を流すリトはモモを制止しようとするが、モモは構わずにリトの首筋のキスマークの部分を舌でなぞった。そしてにっこりと笑って一言「これは嘘をついている味ですね♪」と言った。次の日、リトは恭子と、恭子の家の近くのドラッグストアの中にいた。目当ての品はもちろんあれだ。「…ねえ…早く買おうよ…。それリトくんが使うものなんだし…」恭子は顔を赤くしながらそわそわしている。「…うん…。でもやっぱ初めては勇気がいるって言うか…」リトも恭子と同じような状態である。二人は棚に並べられたコンドームを見ていた。「…キョーコ…。一緒にレジについてきてくれない?一人だとなんか恥ずかしくて…」懇願するリトに恭子は思わず声を荒げてしまう。「ちょっ…!なに言ってるのよ!?二人で行ったら、いかにもこれからエッチしますって感じで恥ずかしいじゃん…!」二人に周囲から奇異の目が向けられる。「「…………」」二人は恥ずかしさのあまり真っ赤になって俯いてしまった。結局、二人はそのままコンドームの棚の前でしばらく痴話喧嘩を交えながらそわそわし続け、店を出たのはそれから1時間も経ってからだったいう…。
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