「はぁっ…はぁ…っ」初恋の相手、春菜と結ばれた喜びに浸る間もなく、息を切らしてリトは走った。「古手川…」春菜が言った言葉、唯は今ボロボロで、自分は彼女に会うべきだと。春菜だって本当はもう少し結ばれた余韻に浸っていたかったはずだ。なのに彼女は唯の元へ行けと言った。きっと今の唯は相当ひどい状態なのだろう。それも自分のせいで。責任感が重くのしかかり、彼は更に足を速めた。「着いた…」リトはようやく唯の家に着いた。夏の太陽の照りつけもあってか、体中から汗が噴き出していた。「…」ここまで走ってきたものの、リトは最後の最後で唯に会うのが怖くなった。一体どんな顔で彼女に会えばいいのだろう。リトは唯の家の敷地内に踏み込めずにいた。春菜に会いに行ったのは、昨日の行為の後やはり自分の気持ちを春菜に伝えるべきだと思ったからだ。ならば唯は?彼女はクソがつくほど真面目な性格だから、あのような関係が許せないのだろう。自分は唯に嫌われているはずだし、火に油を注ぐだけではないのか?でも…― 古手川さんに会いに行って ―春菜の懇願するような顔。春菜はおそらく唯の家に行くつもりだったのだろう。そこに自分が春菜に会いに行ったため、結局春菜は唯の家に行けなくなってしまったのだ。いや、春菜は明確に自分だけが唯の元に行くべきだということをわかっていた。ならば春菜のためにも今唯から逃げることは許されない。「…行こう…」リトは一歩、唯の家の敷地内に足を踏み入れた。すると…― ガチャッ ―タイミング悪く、唯の兄、遊が家から出てきた。「ん?リト…?」「あ…遊さん…」少し険しい顔で遊はリトを見つめた。どうやら自分のせいで唯の様子がおかしいのは事実のようだ。普段の彼なら自分にこんな顔を向けることはない。遊にとって唯はたった一人の大切な妹なのだから、彼女を傷つけた自分を笑顔で迎えられるはずがない。『ひょっとしたら、追い返されるかもな…』リトがそんなことを考えていると、遊が口を開いた。「ぼーっと突っ立ってないで入れよ。唯のことで来たんだろう?」「え…」「え?じゃねーよ。お前が俺に用があるとは思えねーしな」リトはゆっくりと歩を進める。リトが遊の横を通り過ぎようとしたとき、さらに遊が言った。「お前と唯の間に何があったのかは俺にはわかんねぇ。でも唯は俺の大切な妹だし、今のまま放っとくこともできねえ」リトは思わず足を止めた。「放っておけねえけど、今のあいつを支えてやれるのは、悔しいけど俺じゃないんだ」ここまで言われても、リトは遊が何を言わんとしているのかいまいち掴めずにいた。『遊さんでダメなら俺なんてもっとダメなんじゃ…』「あいつに会ってやってくれ。どんな結果になろうと俺はお前のことを恨んだりはしねえから」遊はそれだけ言い残すと家を出て行った。「あ?遊さん、どこに…」「ちっと買い物してくる。しばらくは帰らねーから」小さくなっていく遊の後姿を見ながら、リトは唯に会う決心を固めた。唯は窓の外をぼーっと見ていた。青空がやけに鬱陶しく感じられる。きっと今の自分の心がこの空とは正反対のものだから、余計にそう感じるのだろう。そこに…― コンコン ―リトは唯の部屋をノックして中の様子を窺ってみた。「古手川…?」返事がないので、リトは唯の部屋に入ってみることにした。唯はベッドに座ってボーっとしており、ドアが開いたことに特に驚きもしなかった。「結城君…?」平坦な口調で唯はリトの名を口にする。勉強机の上には手がつけられていない朝食が置きっぱなしになっていた。「…何しに来たの…?」もはや疑問形であるかもよくわからない口調で唯は尋ねた。口からとりあえず出ているだけの言葉がリトの心に冷たく刺さる。自分に向けられた目は虚ろで、自分のことを本当に見ているのかも疑わしい。彼女は自分のせいでこんな状態になってしまったのだろうか。「いや…、古手川のことが心配で…。だって昨日あんなことがあったから…」「…」唯からの返事は無い。それがリトの不安をさらに煽った。「…あんなゲームに巻き込まれて、迷惑だったよな?あのカード、まだ持ってるんだったら俺がモモに返しとくから…」真面目な唯のことだ。もう二度とあのゲームには関わらない方がいいだろう。リトはそう思って唯の枕元に置かれたままになっているゲーム参加者のカードを取ろうとした。そのときだった。「…結城君はまだあのゲームを続けるの?」唯からの問いかけ。しかもさっきまでの虚ろな感じが消えていた。「…」リトはとっさに答えることができなかった。唯の雰囲気が突然変わったから、もちろんそれもある。だがそれ以上に、自分が複数の女性と関係を持つ決心を固めつつあることを唯に言うことができなかったからである。そんなリトの心を唯は敏感に察知していた。「…どうして答えないの…」唯の言葉にだんだんと生気が戻ってくる。だがそれは、小さな命が宿った荒野を撫でる優しい風のようではなく、狭い檻に閉じ込められた獣の唸り声のように聞こえた。リトは感じた。唯はあのゲームの件についてとても真剣に考えているのだと。ならば自分も嘘をついて唯の真剣さをかわすわけにはいかない。「…あのゲームを続けるかどうかは別にして、俺、皆の想いに応えてやりたいって思うんだ…」それでもリトは続けた。「皆が俺のどこがいいと思ってるのかはわからない。でも皆は俺のことがいいって言ってくれる。俺だって皆のこと…その…好きだから…。古手川は許せないだろうけど、俺なりに考えて決めたんだ…」 その瞬間だった。― パンッ ―乾いた音が部屋に響いた。リトの頬がすこし赤くなっている。唯の肩がブルブルと震えた。「…馬鹿じゃないの…」唯はついに我慢の限界に達した。「本当にそんなことができるって思ってるわけ!?ふざけるのもいい加減にして!!」「…古手川…」リトは叩かれた方の頬を押さえながら唯の方を見た。唯の目からは涙が溢れていた。今のリトには彼女にかけてやれる言葉は無い。それでも唯のことをなんとかしたくて、リトは彼女を優しく抱きしめた。「い…いきなりなにするのよっ!?離して…」「だって、古手川泣いてるから…」「なによ馬鹿…」強張っていた唯の体の力が抜けていく。本当は自分のことを見てほしかった。本当はリトの心が他の女性の方へ向いてしまうのが嫌だった。なのに素直になれなくて、心配してくれた春菜にも強がりを言って、素直になれない自分を棚に上げて彼につい当たってしまった。それでも彼は自分を抱きしめてくれた。そんな自分が悔しくて情けなくて、唯はリトにしがみついて泣いた。涙や鼻水がリトのTシャツを汚していったが、リトは唯の後ろ頭を優しく撫でるだけだった。
しばらくして落ち着いた唯は、リトから離れると彼の目をじっと見つめた。「古手川…。もう落ち着いたのか?」「ええ…。それに言わなきゃいけないことがあるから」「言わなきゃいけないこと?」唯はここで少し大きく息を吸った。「結城君、私もあなたのことが好きなの…。私もあなたの傍にいたいの…」突然の告白だった。そう、今まで唯に嫌われていると思っていたリトにとっては。だからまたとっさに返事ができなくなる。そんなリトを見て唯はすこし不安になる。「…やっぱりダメだったかしら…?」悲しそうな唯を見てリトははっと我に返る。「あっ!いや…その…だめってわけじゃなくて…その…、本当に俺でいいのかなって思っちゃって…」そんなことを言うリトに唯は呆れてつい声を荒げてしまう。「結城君!私はあなたがいいって言ったのよ?その耳は飾りなの?」そしてリトの耳をぎゅーっと引っ張る。「あたたっ!ちょっと古手川、痛いって…」唯はリトの耳を離す。そしてリトは唯に静かに答えた。「古手川が俺がいいって言うんなら、いくらでもそばにいてくれていいよ」「もう…。でもありがとう」「いいんだ。これからよろしくな」そう言い合った二人の顔には一点の曇りもなかった。「そういえば、結城君、私のせいでTシャツが…」唯は自分の涙と鼻水を吸ったリトのTシャツをじっと見た。「え?いいよ別に。帰ってすぐ洗濯すれば…」「ウチで洗濯すればいいじゃない。それにかなり汗をかいてるみたいだし、シャワーも浴びてく?」唯の意外な提案にリトは驚く。「…はい…??」「…なによ…。今日は快晴だし、すぐに乾くからいいでしょ?」「いや、そうじゃなくて…」「もう、人の好意はありがたく受け取りなさい!」「…はい…」結局リトは唯に言われるがまま浴室に入った。 シャワーのコックをひねると、温かいお湯が出てくる。「古手川の家でシャワー浴びることになるなんてな…」ふとリトの頭にこの後の展開のことがよぎった。自分の服が乾くまでは家には帰れない。このあとはやはり唯を抱くことになるのだろうか?そんなことを考えていると、唯が浴室のドアの向こうから声をかけてきた。「バスタオルと着替えを置いとくからね。お兄ちゃんの部屋着だけど」「…あ、うん。ありがとう…」シャワーを浴び、体を拭いてから唯が用意してくれた服に着替える。唯の部屋に戻ると、唯は夏休みの宿題を始めていた。「宿題してんのか?」「そうよ。夏休みだからって勉強を怠るわけにはいかないし。本当は昨日から始めるつもりだったんだけど、昨日はなんだかんだで手がつけられなかったから…」そう言って問題集に目を通す唯は、少し怒っているようにも見えた。「…やっぱり怒ってる…?」リトが恐る恐る尋ねてみると、唯は首を横に振った。「昨日のことはもう怒ってないわよ。でも、これから私のこと一瞬でも忘れたりしたら許さないから」そう言って唯がリトの方を振り向こうとすると、リトの顔が目の前にあった。「うん」「ちょっと…、近いってば…ん…」リトがキスで口をふさいできた。少し驚きながらも唯はリトのキスを受け入れる。二人は舌を絡め会い、そして二人の体はその先にある行為のための準備を始める。「…するの…?」唇が自由になると、唯は恐る恐るリトに尋ねた。二人が結ばれた以上いつかはこうなるとわかってはいたが、初めての唯は不安でいっぱいだった。だが、リトが自分のことを頭から離さないと言ったところで、もしここで体を差し出さなければ、彼は自分のことを見向きもしなくなるかもしれない。彼に快楽を与えてくれる女性は他にもいるのだから。唯は意思を固めた。初めて性行為に及ぶことよりも、この先彼が自分を見てくれなくなることの方がよっぽど怖かった。「…してもいいけど、私初めてだし、優しくね…」一応彼に釘を刺しておく。「俺だってゲームの外じゃこれが初めてだから、あんまり厳しくしないでくれよな?」そう言ってリトは唯の胸を優しく撫で始めた。服の上から胸の丸みに沿って優しく、そしてそのまま唯にキスをする。それからリトは唯の胸を揉んでみた。「あ…」なにかに気づいたようなリトの声に思わず唯は反応してしまう。「なによ…」少し間を置いてからリトが答える。「いや、なんでもないんだ…」その様子が気に食わなくて、唯はリトを問い詰めた。「私は気になるの!なにかあるならはっきり言ってよ」唯の様子に押されてか、リトが観念したように口を開いた。「…言っても怒んないでくれよ?古手川の胸の感触、すっごく好きだなって思って…」「…はい?」唯はリトの言葉に呆気にとられる。「昨日御門先生の胸とかララの胸に触ったけど、みんなすっごく柔らかくてさ。それはそれで気持ちいいんだけど、古手川の胸、すっごく張りが強くて俺の手を跳ね返してくるような感じで…。俺、どっちかっていうとこっちの感触の方が好きだなって…」 リトはよほど唯の胸の感触が気に入ったのか、唯の胸から手を離そうとしない。「ば…ばか…。何言ってるのよ…」唯は言葉とは裏腹に、リトが自分の体を気に入ってくれたことを内心で喜んでいた。嬉しさと恥ずかしさが入り混じって唯の声にはいつもの勢いがなくなっている。そんな唯にリトが追い打ちをかけてきた。「古手川…。あのさ…、服、脱いでくれる?」「えぇっ?」唯は驚いた。こういうときは男性が女性の服を脱がすものだと思っていたからだ。ちなみにリトは唯に嫌な思いをさせまいとして言ったまでである。唯が脱ぐ気もないのに服を脱がせようなどと彼は微塵にも思わなかった。「あ…嫌ならいいんだ…」唯が恥ずかしそうにしているのを見てリトはそう言った。「べ…別に嫌だなんて言ってないわよ…。でも、恥ずかしいからむこう向いててよね」「あ…うん…」リトは唯の体を離して彼女に背を向けた。衣擦れの音が聞こえる。リトの耳にもその音は届いており、彼のペニスがその音に反応する。「…いいわよ…」唯の声にリトは彼女の方を向く。そこには生まれたままの姿の彼女がおり、白く美しい裸体が彼の目を釘づけにする。
「あんまりじろじろ見ないでよ…」唯は豊満な胸を腕で、生殖器を太ももで隠すようにして座っている。「古手川…」唯に誘われるようにリトは彼女に近づいていく。すると唯が言った。「結城君も服脱いでよ…。私ばかりじゃフェアじゃないでしょ…」「…うん…」リトは頷くと唯から借りた服を脱ぎ始める。リトがズボンとパンツをぬぐと、完全に勃起したペニスが露わになった。今度は唯の目がリトのペニスに釘づけになる。「…これが私の中に入るんだ…。ねえ、触ってみてもいい…?」「え?うん…」唯は左腕で胸を隠したまま右手でリトのペニスに触れてみる。海綿体には血液が充満してリトのペニスは逞しく反り返っており、その反りに沿って唯は指先でペニスを撫でる。「古手川…」リトは我慢できなくなって唯の前に座ると、そのまま唯を抱き寄せてキスをする。「…ベッド使ってもいいかな…?」ロストヴァージンの時が刻一刻と迫る。リトからの問いかけに唯はこくんと頷き、リトは唯をベッドの上に寝かせ、その隣に自分も寝転ぶ。「古手川…」リトは再び唯の胸を揉み始めた。服越しでも伝わった豊かな弾力が手に心地よい。「すげえ…。生で触れると全然違う…」「もう、ハレンチなんだからぁ…」唯がリトに抗議すると、リトは唯の下半身に手を伸ばした。「あっ…そこは…ん…」唯は抵抗を試みたが、リトにキスされて抵抗できなくなり、秘所を優しく撫でられた。リトはそのまま唯のクリトリスを指先で撫でる。すると唯の秘所から蜜がじゅわっと出てきた。唯が恥ずかしさから体を強張らせていると、リトが唇を離して唯に尋ねた。「…入れてもいいかな…?」ついにこの時が来た。唯は緊張で言葉を発することもできなくなっていた。その様子を見てリトは唯を気遣って声をかける。「やっぱり怖い?」唯はか細い声でやっと答える。「…少しだけ…」その返事を聞きながらも、リトは唯の脚を開かせて亀頭の先端を唯の膣口に合わせる。そして…「ごめんな、怖い思いをさせて。でも俺は唯の味方だから…な?」初めて呼ばれる下の名前に唯の緊張が少し解ける。そしてリトは唯の膣にペニスをねじ込んでいく。リトを押し返すような抵抗を感じたが、それでもリトはゆっくり、ゆっくりと唯の奥を目指した。そして処女膜のところに差し掛かると、少し強めに腰を進ませてそのまま突き破った。破瓜の激痛が唯を襲い、それに反応して彼女の体に一気に力が入る。「唯…。もう終わったから、大丈夫だよ…」リトは歯を食いしばって痛みに耐えている唯の後ろ頭を優しく撫でる。唯がどの程度の痛みを感じているのかはリトにはわからない。しかし唯をそのまま放っておけなくて、リトは唯を抱きしめて頬や唇に優しくキスを落とす。リトの気遣いが通じたのか、唯の体から力が抜けていった。「…私たち、ひとつになってるの…?」「うん、そうだよ」リトが少し動くと、処女膜を破られたばかりの膣から、痛みとともにリトのペニスの感触が唯に伝えられた。「…いたっ…」「ごめん…。もう抜いたほうがいいか?」リトは唯を気遣うが、唯は多少の痛みがあろうとリトと繋がっている感触を手放したくないと思った。「抜かないで…」「でも…」「今抜かれるくらいならまだ痛い方がいいの…」愛しい人と繋がる喜びを確かに感じていた唯の想いをリトは理解できなかった。でも唯がこのままを望むのならリトにそれを拒む理由などない。「結城君はどうなの?その…私の中は…。さっき抜こうかって言ったのは気持ち良くないから…?」唯が悲しそうな目を向けるのでリトは慌てて答えた。「そんなことないって!唯の中すごく気持ちいいよ」「そう…。よかった…あれ…?」その返事を聞いた唯の目から涙が溢れてきた。「唯…?」「ごめん…。でも私、結城君とひとつになれたのが嬉しくて…」目の前で泣きじゃくる唯が愛しくて、リトは唯をぎゅっと抱きしめる。そうするとリトのペニスが唯の子宮口に当たった。ペニスの感触、形が先ほどより鮮明に感じられる。痛みも残ってはいるものの、唯の体には先ほどに比べてかなりの余裕が生まれていた。唯もリトをぎゅっと抱き返し、二人は唇を重ねる。「ゆっくりなら、もう動いても大丈夫よ…」その言葉を聞き、リトはゆっくりと腰を動かし始める。まだ快楽と呼べるほどのものは唯には感じられない。だが唯の心を溢れんばかりの愛しさが満たし、リトが動くたびに体に走る痛みもそれほど気にならない。「…結城君っ…結城君っ…」吐息とともに耳元で呼ばれる自分の名前がリトの興奮を高め、射精感がペニスにこみ上げてくる。「唯…。俺もう出そう…」唯はその言葉を聞き、ペニスがもう抜かれるのだと思った。だがリトは意外な発言をした。 「でも俺、抜きたくないんだ…」今更だったが今自分たちは避妊をしていない。そしてここはゲームの世界ではないのだ。このまま中に出されれば自分は妊娠するかもしれない。それなのに唯の心に迷いが生まれた。今までの自分なら絶対に「節度ある学生らしい付き合い方を!」などと言って中出しはおろか性行為に及ぶこともなかっただろう。『私…変わったな…』本当にそう思う。誰かを愛しいと思う気持ちの前には、ときには節度もモラルもあまりに無力になってしまうことを知り、唯はもう今までの自分には戻れないことを悟った。「唯…俺もう…」唯は小さく笑うと、リトの後ろ頭に手を回してキスをした。その瞬間、熱い迸りが唯の中に注ぎ込まれた。『…やっぱり…』唯の中でペニスがドクドクと脈打ち、リトの精液が唯の子宮を目がけて吐き出されていく。唯はリトに中出しされたことに確かな喜びを感じていた。「ごめん、唯…」リトは唯に謝った。二人は今ベッドの上で裸のまま寝転んでいる。「中に出したこと?いいのよ別に」「よかねーだろ。俺も本能に負けちゃったけど…」「そうね…。でも、私嬉しかった。結城君とひとつになって、結城君と愛し合って、その証が私の中に注がれたんだって思えたから」唯は自分のお腹を擦りながらリトに言った。「唯…」「私ね、結城君のせいで変わったと思う。今までなら絶対こういうことはお断りだったし、まして高校生なのに赤ちゃんができるかもしれない行為なんて…ってね」リトは黙って唯の話に耳を傾ける。「私だって、結城君に生のまま入れられた時は中出しだけはさせまいと思ったけど、でも結城君に優しくされるうちにこのまま出されてもいいかなって…。で、いざ出されてみたらやっぱり全然嫌じゃなくて、それどころか嬉しいなんて思ってるんだから、私も勝手だなって思っちゃった」「唯…」リトは唯を抱き寄せた。「愛してるから、私のことも愛してね?」「うん」「よろしい♪」唯は今までで最高の笑顔をリトに向けた。
「あ、そうだ。洗濯ものを干さないと」唯はここでリトの服や自分のパジャマを洗濯していたことを思い出した。「俺も手伝うよ」リトも体を起こし、借りていた遊の服を掴む。「ありがとう」唯とリトは二人で庭に出て洗濯ものを干し始めた。そんな二人の様子を窺う影がひとつ…「なんだよ…。あいつら随分仲良くやってんじゃねーか…。こりゃ帰るに帰れねえな…」本屋で雑誌を買って帰ってきた遊だが、二人の様子を見て再び家を離れることにした。『よかったな、唯。これから頑張れよ…』心の中で、たった一人の大切な妹にエールを送りながら…。
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