「ねえリトー、これも買おうよ~♪」「余計なもん入れるな。お菓子はまだ家に残ってんだろうが」ララとリトはスーパーのお菓子コーナーで腕を組んでいた。買い物かごに放り込まれたお菓子をリトは棚に戻す。リトの素っ気ない態度に少し唇を尖らせるララだったが、渋々引き下がる。「えーと、あとはベーコンとソーセージか?」「あ、私取ってきますね」「お、特売やってんじゃん。3袋セットでお得だぜ?」リトとララの後ろにナナとモモもおり、リトとデビルーク三姉妹で美柑に頼まれた買い物をしているところである。と、そこに聞き覚えのある女性の声がした。「あら、結城君にララさん、ナナさんとモモさんも」「あ、こんにちは、御門先生」ララが声の主に笑顔で挨拶を返す。声の主、御門涼子もどうやら買い物に来ていたところのようで、彼女の買い物かごにも野菜や肉などが入れられている。「御門先生も買い物ですか?」モモの問いかけに御門は笑顔で答えた。「ええ、そうよ」「えー、なんか御門先生ってスーパーで買い物するイメージわかないなー」ナナがそんなことを口走るが、御門は笑顔のままである。「私だって買い物くらいするわよ。まあいつもはお静ちゃんに行ってもらってるし、私が行くことは確かに稀だけどね」と、そこに今度は小さな男の子の泣き声が聞こえた。男の子の傍には御門と同じくらいの年頃の若い母親が立っている。どうやら男の子がお菓子を買ってほしいと駄々をこねているようだ。その様子を見て、先ほどまで笑顔だった御門の表情が少しだけ寂しげな、どこか物思いにふけるようなものに変わった。「どうかしたんですか?御門先生?」モモが御門の表情の変化を察知して声をかける。御門はハッとしたように答えた。「いえ…。大変そうだなって思っただけよ…」御門はそう言ってから話題を変えるように話を切り出した。「そう言えばモモさん、以前分けてもらった薬草、もう一度譲ってもらえないかしら?」「あ、ストック無くなりました?いいですよ」「ありがとう。明日お静ちゃんに取りに行ってもらうことになると思うけど、何時ごろが都合がいいかしら?」「いえ、もう薬草の種類はわかってるので、こちらから届けに伺いますよ。時間はどうします?あとどのくらいいるのかも…」「量はできればこの前と同じで、時間はいつでもいいわ。」「わかりました」「ありがとう。ごめんなさいね。じゃあ私はこれで…」御門はそう言うとレジの方へ歩き出した。その姿を見送り、リトたちも買い物の続きへと戻る。そして次の日…どんよりと曇った空の下、御門宅を目指して歩いているのはリトだった。左手に紙袋、右手に折り畳み傘を持っている。「はあ…。どうして俺が…」昼食をすませると、モモが突然リトに御門のところに薬草を届けてくれないかと頼んできた。「リトさん、すみません。例のゲームにちょっとバグが見つかって、その修正をしたいのでリトさんが代わりに御門先生のところへ行ってもらえませんか?お姉様は春菜さんと服を買いに行くみたいですし、ナナは今どこかに出かけてしまったので…」 モモの台詞に美柑が反応する。「なにリト。またモモさんが作った体感ゲームで遊んでんの?」あんたも物好きね、そんな声が聞こえそうな様子で美柑が口を挟む。「いいだろ別に…」「まあそうだけど。私を巻き込まないでね」あのゲームに美柑を巻き込めるわけがない。倫理的にも、道徳的にも。リトはため息をつきながらモモの持っている紙袋を受け取る。「わかった。行くよ」「ありがとうございます、リトさん♪お礼として今夜はたっぷりと奉仕させていただきますので、期待しててくださいね?」モモは途端に妖しい目つきになり、リトに体を預ける。その様子をセリーヌが首をかしげながら見ていた。それに気づいた美柑がモモに向かって怒声を上げる。「ちょっとモモさん!セリーヌにそういうこと見せないで!ほら!リトも行くならさっさと行く!」モモのとばっちりを受け、半ば追い出されるようにリトは家を出ることになった。回想を終えると、リトは再び大きなため息をついた。雲は先ほどよりも厚くなり、空の灰色はますます濃さを増していた。「少し急ごうか…」リトはそうつぶやくと御門宅を目指して足を速めた。御門宅に着いたリトは玄関のチャイムを鳴らした。しばらくしてから御門が出てくる。「あら、結城君?」「ああ、モモから薬草を預かって来たんだ。はい、これ」リトは御門に紙袋を渡した。「じゃあ俺はこれで…」「あ、ちょっと待って」用事が済んだので帰ろうとするリトを御門は呼びとめる。「上がってお茶でも飲まない?喉が乾いてるでしょ?」「いいの?診療所の仕事とかあるんじゃ…」「今日はお休みなの。それに、せっかくダーリンが来てくれたんだから、ね?」そう言ってウインクしてくる御門にリトは思わず顔を紅くして目を背ける。「ダーリンって…。からかうのはやめてよ御門先生」そう言いながらもリトは御門の家の中へ向かって足を伸ばしていた。「そうね。ごめんなさい。すぐに淹れるからね」リトはこのときは気づいていなかった。背中越しの彼女の顔、その寂しげな表情に。そのとき、空からぽつぽつと雨粒が落ち始めた。「はい、お待たせ」「ありがとう、御門先生」リビングのソファに座っていたリトの前にお茶の入ったカップが二つ置かれた。リトがそれを疑問に思っていると、御門はテーブルを挟んで向かい側のソファではなく、リトの隣に密着するように座った。「…御門先生、どうしたの?いつもの冗談にしてはちょっときついと思うんだけど…」御門は黙ってリトの腕に自分の腕を絡め、そのままリトの肩に頭を預ける。気がつくと雨は本格的に降り出していた。黙り込んだままの御門をそのままにしてリトはお茶を飲み、心を落ち着かせてから口を開いた。「雨…かなり強くなってきたね…」リトは当たり障りのないようなことを言った。それに一言だけ御門が反応する。「うん」「…先生、いつまでこのまま…」またしばしの沈黙が流れた。だが…「…やっぱり私にあなたのそばは似合わないのかな…」ポツリ、降り始めの雨粒のような声がリトの耳に届いた。今の彼女は明らかにリトの知っている彼女ではなかった。「ねえ結城君。私がどうして地球に来たか知ってる?」御門は不意にそんなことを言った。そういえばそんな話は聞いたことがなかった。「ううん、知らない」「…ソルゲムの事は覚えてるわよね?」忘れもしない。春菜と唯を人質に御門先生を連れ去ろうとした宇宙マフィアだ。「私ね、故郷の星から地球に逃げて来たのよ」「ソルゲムに接触されて?」「そう…。あのケイズにね」ケイズ…。ソルゲムの重要メンバーの一人で御門先生の誘拐を指揮していた男だ。「私ね、当時恋人がいたの。深く愛し合っていて、将来一緒になりたいって本気で思ってた」御門の話は続く。「でもソルゲムにマークされて、私と一緒にいたんじゃ彼に危害が及ぶと思って、彼に一方的に別れを告げて故郷の星を飛び出してきた。その日も今日みたいに雨が強く降っていたわ」強い雨がその時の記憶を今でも蘇らせるのだろうか。今の彼女は余裕たっぷりの大人の女性ではなかった。一粒の雨のように何かに当たれば途端にはじけ飛んでしまう、そんな御門の脆さをリトは初めて目の当たりにした。「地球に来ても正直怖かった。いつまで自分は安心して暮らせるのかって。それに、彼への未練もあったから、地球で恋人は作らないって決めてた」「そしてあいつらはやって来た」リトはソルゲムがやって来たときのことを思い出していた。春菜と唯を辱め、挙句には人身売買に二人を使おうとしたソルゲムを許すことはできない。「そう。あのとき私はもう地球にはいられないって思った。私のせいで西連寺さんと古手川さん危険な目に遭わせたしね。でも…」御門はここで少し言葉を詰まらせた。リトは静かに彼女の次の言葉を待つ。自分がいつの間にか彼女の肩に手をかけていたことにも気づかずに。「あなたやララさんやヤミちゃんが助けに来てくれて、しかも私にここにいていいんだって言ってくれたこと、すごく…嬉しかった…。だって私、迷惑だからどっか行けとか言われるんじゃないかって思ってたから…」 「御門先生…」リトは彼女を抱き寄せて背中を擦っていた。「特にあなたは西連寺さんのことが好きだったでしょ?だからあなたの口からそう言われたのが一番意外だったわ…」彼女の涙のぬくもりがTシャツにしみ込みリトの胸に届く。「そしてね、恋愛をあきらめていたはずなのに、もう一度愛されたいと思ってしまった」御門はリトの背中に回した腕に力を込めた。その瞬間、リトは御門の唇を奪っていた。唇が離れると、御門は少し顔を伏せて言った。「ここから先は、寝室のほうでお願い…」初めて入った彼女の寝室、しかも彼女はいま自分の隣で裸で横になっている。リトは御門を抱き寄せて彼女の上に覆いかぶさり、彼女と舌を絡めあう。彼女の豊満な胸が自分の胸の舌で柔らかく潰れ、その感触に興奮したリトは今すぐにでも彼女を貫いてやりたいという衝動に駆られる。すっかり勃起したリトのペニスの感触を下腹部に感じていた御門は、リトの耳元で優しく囁いた。「入れたいならいつでもいいわよ…」その言葉に、リトは御門を貫くべく亀頭を濡れた花弁に押し当てる。いよいよひとつになるのだと御門が喜びに体を震わせるが、リトはなかなか自分の中に入ってこようとしなかった。「…?どうしたの?位置は合ってるし、このまま…」「このままでいいの?だって、ゴムもつけてないよ?」御門はようやくリトの気持ちを理解した。「そっか。優しいのね結城君は」御門はくすくすと笑いながらリトの背中を優しく愛撫した。「確かに妊娠したら困るからって人もいるけど、でも愛する人とひとつになる感触を直に感じたいって思う人もいるのよ?」「そうなんだ…」春菜や唯もそうなのだろうか。「結城君の本音はどっち?つけるべきだと思う?それとも生のままがいい?」御門がそんな質問をしてきたので、リトはどう答えるべきか困ってしまう。「なんて言ったらいいのかな…。俺としてはやっぱ付けなきゃいけないって思うんだけど、でもいざするときになると生のまま入れたい、中に出したいってつい思っちゃうって感じかなあ…。ダメだよね、こんなに意志が弱くちゃ…」 「へえ…。もう他の女の子相手にそんなことまでしちゃってるんだ?」御門に突っ込まれドキッとするリトに、御門は優しく言った。「でも生物学的にいえば、女性に赤ちゃんを宿らせるのが男性の役割なんだから、あなたは健康な男の子だわ。そうね…」御門は軽く舌舐めずりをして見せ、リトの耳元に囁いた。「私、今日が排卵日なんだけど、結城君はどうしたい?」「ちょっと御門先生、それって…」御門の言うことが本当なら、彼女は自分の体内に新鮮な卵子がある状態でリトに生のままやらせるつもりだったことになる。「そう、私に赤ちゃん産ませたい?って聞いてるの」その囁きを受け、リトの雄の本能が理性を蝕んでいった。そしてリトは御門の花弁に自身を突き立て、一気に子宮口のある最深部まで貫いた。「ああっ!」御門が甘い喘ぎ声を上げ、膣肉が粘液を分泌しながらリトの精を絞り取ろうと絡みつく。「御門先生っ…!先生の中すっげー気持ちいい…」リトは我を忘れて快感を貪り、彼女の肉体の虜になる。重ねた唇から吐息が漏れ、お互い背に回された腕にぎゅっと力が入る。本能に任せた雄の激しいピストンに、御門の膣は真っ白な愛液を分泌し、奥の方を突かせるように雌の本能を全開にして応える。「ああっ…はあんっ…!結城君、そんなに激しくされたら私耐えられない…!」御門の声を聞き、リトのピストンは彼女と自身を一気に絶頂へ導くべくさらに荒れ狂う。その動きに御門の膣は真っ向勝負を挑んでくるように激しくうねり、リトのペニスに強く強くかみついてくる。「先生…っ!このまま中でイくよ?」「いいわ…っ、このまま…私の中で…!」「「あああああああっ!!!」」そして二人の中で快楽がはじけ飛び、それとともに子宮口に押し当てられたリトの亀頭から大量の精液が決壊したダムの水のように御門の子宮に流れ込む。「ああぁ…、すごい…。初めて中に出されたけど、こんなに気持ちいいんだ…」御門のその言葉にリトはつい反応してしまう。「え?初めてって…」リトの射精が未だに続く中、御門はリトの背中に優しく腕を回して言った。「前の彼はね、まだ私が仕事を始めたばかりのころだったこともあって、ちゃんと避妊してくれてたから…。ソルゲムにマークされて逃げてきてからは子どもなんてもう一生産めないって思ってたし…」 ここでリトはふと昨日のスーパーで御門の様子がおかしかったことを思い出した。「もしかして、御門先生昨日の親子を見てたのは…」「ああ、あれ…。私も道が少し違えば、今頃彼の子どもを産んでお母さんになってたのかなって思っちゃってね…。でももういいの。きっとこれからは、雨が降ってもあなたに愛された今日のことを思い出せるから」 そう言ってほほ笑んだ御門に、リトは精一杯の想いを込めてキスをした。唇が離れ、リトは御門の膣からペニスを引き抜こうとした。すると御門は足を絡めてリトの邪魔をしてきた。「あれ?御門先生…?」「もう離れちゃうの?」彼女の濡れたような眼差しが、リトに彼女が再び発情していることを告げた。「先生ったらけっこう甘えん坊なところもあるんだね…」半ばあきれたように、リトは御門と何度も何度もキスを交わした。目を閉じてリトとキスを交わしながら、御門は地球に来たばかりのことを思い出していた。あのころの自分は希望なんて持っていなかった。神様がいるのなら、今すぐ自分を愛するあの人の元へ帰れるようにしてほしい、そんなことばかり思っていた。地球での生活に慣れてきたころ、その想いは諦めに変わり、もう変化することはないだろうと思っていた。だが彼女の予想は今大きく裏切られた。――― ねえ神様、私はもう一度愛されることができて幸せです ―――愛する人と体を重ねながらそう心の中で呟き、御門は再び快楽の中へと落ちて行った。
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