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ピピピ、ピピピ、ピピピ…。
カチ。

「う~ん」

まだ起きようとしない身体をなんとか起こし、布団をずらしつつ身体をのばした。コキコキと関節が鳴っているし、男子としての朝の生理現象も一瞥して確認。いたって健康。
下の階からは、トントンと包丁でまな板を叩く音が聞こえくる、妹が朝飯を作っているんだろう。なんであんなにみそ汁美味いんだろう?なんて考えながら目を擦った。
この少年の名は、結城リト。

いたって普通の高校生である。ちょっと恋愛に対しては奥手ではあるが。

そんな彼であるが今、複雑な状況下にいる。1年くらい前になるだろうかある日突然、ホントいきなり、

風呂が爆発した。

そしてなぜか裸の美少女が現れ、求婚してくる事態になった。
普通の常識を持った人なら、驚くというよりそんなどっかの漫画みたいな話…って思うだろうが、それがリトにとっては事実であり、現実だった。
そしてその美少女は、有り得ないほどの美貌を持っているから大変だ。しかもオレを非常に好いている。成り行きで同棲もしている。
そこまでは世の男子として最高の環境だとリトも少なからず思った。
しかし、彼女は宇宙人だった。

ガシャッ。

そんなことを考えていたらリトの思考はシャットダウンされた。あまり、振り返りたくない記憶は人間拒否反応を示すらしい。最近はシャットダウンされるスピードも速くなってきた。
いい兆候だ。

しかし、シャットダウンどころかフリーズしかけない状況に数秒後になるなんてリトは想像もしていなかった。

「ん?」

鼻孔をくすぐる甘い匂いがする。ほのかに香るシャンプーの匂いだ。
オレが使っているシャンプーと同じ匂いだが、ここまで匂いが残るほど頭を昨晩洗った覚えはない。
でもすぐに答えは見つかる。
「リトと同じシャンプー使うー♪」
婚約者と同じシャンプーを使わなくてどうすんの?
と言って嫌がるオレをニコニコしながら、言い返してきた人物がそういえばいた。

下に視線を落としてみると案の定いた、寝息を立てている少女。ララだ。

「ハァ。」

この娘が風呂爆発で現れた少女、自称婚約者ララ・サターン・デビルーク。
ため息をつきたくなるほどの美貌で、少女と呼ぶには相応しくない豊満な体つきをしている。何故わかるのかというと、隣で寝ている子は全裸だから。
しかし、それによるため息ではなかった。

カワイイのは認める。そこらのテレビで持て囃されてるアイドルよりは数倍カワイイ。
今、横でスースー寝息をたてているそのララは有り得ないほどカワイイ。淡いピンクの髪がうつぶせで寝ている彼女の上に拡がり、全裸であらわになった肩に垂れかかっている、口の前にきたピンクの髪は寝息に合わせるようにして揺れていた。
ホントにオレと同じシャンプーなのかと思うほど髪はサラサラしている。その髪の奥にはプルプルした唇が…。
ちょっと下に視線を向けるとうつぶせなのではっきり見ることは出来ないが、潰れた大きなそのなんだ?あの…胸が…。

「ヤバイヤバイっ」

見とれてしまった。
何とか視線をララから外しモゾモゾと動いているララを、頼むから仰向けにはなるなよと思いつつ、チラチラと寝顔を見ていた。寝顔だけ見てれば最高な婚約者になるんだろうなとリトは考えていた。

何故かというと、いかんせん彼女には羞恥心がない。
リトは清楚で恥じらいがある子が好みだ、風呂上がりでタオル一枚で家の中をあのダイナマイトボディーで歩かれちゃ、フリーズしまくるってもんだ。
最近そんな日常に耐性が付きつつあるリトではあったが。

羞恥心がない彼女が、オレが寝ているベットに潜り込むのはある意味当然かもしれない。しかも、オレが寝付いたあとに実行する確信犯である。全裸で潜り込まれるのは思春期の男子としては耐え難いものであるが。
最初の頃は目覚ましのアラームの次はオレの絶叫が響くのが結城家の朝の日常だった。でも耐性が付きつつある彼は冷静に対処するのが一番だと知った。
ララは慌てふためくオレをニコニコしながら楽しんでいるように見えるからだ。最近やけに積極性が増しつつあるララに主導権を握られてはいけない。
そのためにはララを起こさないようにしてベットを抜け出し、全裸のララに寒くないようにシーツをかけてそーっと退室するのが得策だと考えた。
自分の部屋なのにオレが退くのは腑に落ちないがしょうがない。朝一で全裸のダイナマイトボディーに抱き着かれるよりは、全然健康的な朝に出来る。

あいつは抱き着くときにオレの朝の生理現象に気付いてるのか?と疑問に思いながらララを起こさないように布団を抜け出そうとした。

「ん?」

ある違和感にリトは気が付いた。
やけに下半身がスースーする、そーっとシーツをめくってみた。
バサッ!直ぐにクローズ。
なんで起きた時に気がつかないんだよ。てゆーかさっき一瞥したじゃん。

なぜかリトは全裸だった。朝の生理現象もまる見えだった。

独りで全裸で寝るのは全然問題ない。寝相わりぃなオレ、ハハハですむ問題だ。
しかし、隣で全裸の少女が寝ているのは全然問題ありだ。大有りだ。
冷静に対処しようとした姿はどこへやらパニックにリトはなりつつあった。

いくらそっち方面に知識が少ないとはいえ、世の男子。思春期ど真ん中。なにかがあったと思うのが当然。
てゆーかやっちまったと思う。
しかも、隣で未だにスースー寝ているカワイイ娘はオレに好意を持っている、自称婚約者だ。
羞恥心がないとはいえそっち方面の知識がないという理由にはならないし、わざと抱き着いている可能性もある。てゆーかそのほうが高いじゃん!なんでこの状況下になってから気がつくんだよ。
しかも、あのダイナマイトボディーが迫ってきて、オレの理性が保ったとは考えにくい。
あいつが来てからというもの満足にオ○ニーも出来なかったし…。ヤバイ!ホントにやっちまったかもしれない!!
あわあわしていろいろ考えてみたし、もう一度シーツをめくって下半身を見たが変化なし。そして隣には全裸のララ。

ちょっとまてっ!ちょっとまてよ!!

落ち着かせるために、自分の部屋を見渡してみる。いつものテレビに勉強机、ちらかったゲーム機と教科書。
その近くにオレのトランクス。ララの下着がないだけマシか。

「………」

また、その近くに丸められた明らかに使用済みのテイッシュ。約5つ程

「っ!!!ウワッ!ウエッ!エッ!えっ!?」

もう訳解んないというか確定じゃん!
シャンプーの甘い香りが現実味を帯びてくる。
香りのもとが動いたから、匂いが強くなったようだ。

「う~ん~~。あっ♪おふぁようりとぉ~♪」

朝一で、オレの顔を見れたのがそんなにうれしいのか、満面の笑顔で挨拶してきたもう一人の当事者が起床した。
ララはうつぶせのまま、そのまんまるの瞳をトローンとさせ、滑らかで白く纏った肩ごしに上目使いで見つめていた。
一方リトは、反則だぁァァと心の中で叫んでいた。

そして、オレの背中に一筋の冷や汗が流れるのを感じづにはいられなかった。

つづく…