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唯の返事を待つと、リトは入り口を広げながらゆっくりと挿入していった
「あ…うぅ…」
唯の手がシーツを握りしめる
久しぶりの感触に体が痛みとも気持ちよさとも取れる感覚を唯に伝える
「大丈夫か?」
「へ…平気!だから…このままお願い!」
少し苦しそうな唯にリトはためらいがちに腰を動かしていく
「ん…ぁ…ふ…」
本人の苦しさとは裏腹に、膣内はキューっとリトを締め付けていった
膣壁が波打ち、リトを奥へ奥へ導こうと急かす
「や…やばッ」
背中にゾクゾクと電気が走った
まだ半分しか入れていないのに、リトは早くも射精感が込み上げて来てしまう
少し不安そうに見つめる唯に愛想笑いで応えるリト
だが、込み上げる欲望と、その焦りで、リトは一気に挿入してしまった
「あっ…くぅ」
唯の腰はビクビクと浮きあがり、半開きの口からは涎がこぼれ落ちている
「わ、悪い!」
咄嗟に引き抜こうとするが、それが仇となってしまう
「ん、ン…あぁあ、あ」
カリが唯の敏感な部分を擦り上げ、竿全体が肉壁をめくり上げる
一度の出入りだけで二度絶頂してしまった唯の身体は悲鳴を上げた
「は…はぅ、は…ぁ…」
シーツには唯の爪痕が刻まれ、その身体は小刻みに震えている
亀頭だけを膣内に残したリトの竿は、唯の本気汁で白くテカっている
「だ…大丈夫か?」
身も蓋もない言葉をかけるリトに、唯は震える口でなんとか返す
「バ…バカぁ」
手を伸ばそうとするも途中でふにゃんと折れてしまう
痙攣を繰り返す体には、まったく力が入らないのか、口元からとろりと唾液が滑り落ちた
リトは唯に覆いかぶさると、舌を使ってその唾液を掬い取り、そのまま口内へ持って行く
「ん…あふ」
突然のリトの行為に、唯は最初戸惑うも次第に舌を絡ませ始める
「ん、ちゅ…ぱぁ…ンン…はふ、ン…」
いつしか手を繋ぎ、指を絡ませ合いながら互いの口を貪るリトと唯
唾液の糸を何本も引かせながら、リトは唯から離れる
「やっぱ、お前の口ってすげーうまい」
「…ヘンな事言わないの」
唯はハニカム様に頬を染めると、口元についた唾液を指で取り、それを舌の上に這わせた
小さくクスっと笑う唯
淫靡さの中にすらある唯のたまらなくかわいい笑顔にリトの理性は崩壊する
リトは自分のモノを手にすると、唯の顔を見ながらその位置を確かめる様に何度も入口に押し付ける
「ン…あっん、そこ…違う」
「ここ…?」
唯はコクンと首を振ると、リトの首に腕を回した
ヌプヌプと音を立てて熱い肉棒が膣壁を押し広げていく
「あ…ン、うぅ」
再び感じる苦痛と快楽がごちゃ混ぜになった感覚
唯はリトを抱きしめた
「今度は大丈夫だから!ちゃんとするよ!」
「…当たり…前でしょ。優しくしなきゃダメだからね!?」


息を切らせながらも普段と同じ様に振る舞おうとする唯に、リトは苦笑した
リトのモノが根元近くまで入っていく
その動きに合わせる様に、唯はリトを上に乗せながら大きく深呼吸した
首にあたるリトの荒い息
すぐにでも打ち付けたいのか、リトの腰はぶるぶると震えている
「す…げー! お前の中、ピクピク痙攣しっぱなしだぞ?」
「ゆ、結城くんが乱暴にするからでしょ!?」
そう言いながら唯は足をずらすと、リトの腰にゆっくりと回していく
お尻に感じるハイソックスの感触にリトは顔をニヤケさせた
「動くな?」
「う…うん」
唯が言い終わるより早くリトは腰を動かした
パチュン、パチュンと卑猥な音を立てながら、リトは唯の中を掻き回していく
ネットリとした愛液と肉壁が出て行こうとする肉棒に絡みつき
また入ってくる肉棒を今度は離さないように締め付ける
「あ、あ…ふっ…や…」
リトが動く度に、唯の声がどんどん高くなっていく
リトを抱きしめる腕に力がこもり、その体を離さないように締め付ける
唯の腕と膣の抱擁に、リトは唯の首筋に顔を埋もれさせながら幸せいっぱいに笑った
「すげェ……気持ちよすぎ! 全部持って行かれそうになっちまう」
リトは手を伸ばすと、唯の頭をギュッと抱きしめる
「唯…」
「ン、あふ…あっ…あっ」
唯の体がますます熱を帯び、背中に回した腕に力がこもる
「あぁっ…あぁん…いい…わよ」
「え?」
「結城くんの好き…に動いても」
リトは腕に力を入れると上体を少し起こす
「いい…のか? その、好きにしても?」
唯はしばらくリトの顔を見つめた後、ふいっと顔をそらした
「そ…そんな事、聞き返さないでよ…」
ほんのりと赤くなっている唯に苦笑すると、リトは唯のおでこにキスをする
「ん!」
離れていくリトを名残惜しげな視線で見つめる唯
唯はリトのぬくもりが残る体を服の上から指でなぞっていく
その仕草がリトにはとても艶かしく映った
唯の細い腰を両手で掴むリト
もう繋がっているだけでは満足できない
キスも抱擁も甘い言葉でも
唯を内から外から、唯の全てを貪りたいと思った
ゆっくり入口ギリギリまで引き抜くと、今度は勢いを付けて突き入れる
「うっ…くぅぅ…」
一回動くだけで唯の口から高い声が上がった
とろけきった目に、上気して赤くなった頬
握りしめた手も、たぷたぷと揺れる胸も
久しぶりの感触というより、全てが新鮮に感じる
リトは夢中になって腰を打ち付けていった


「結城…くん」
「ん?」
リトは腰の動きをゆるめると唯の顔を覗き込む
「どした?ひょっとして痛かったとか?」
「ち…違…そうじゃなくて…」
「へ?」
唯は胸に手を当てると言い難そうに頬を染めた
「ムネ…ちょっと窮屈だから服、脱ぎたいの」
「え!? あ…ああ! わ、わかった」
リトは慌てて唯から離れようとするが、ふと何かを思い付いたかの様に動きを止めた
「何なの?」
「あのさ、オレが脱がすのってダメ?」
「え!? あ…あなたが!?」
ニコニコと楽しそうに笑っているリト
そんなリトを少し訝しむも、唯は小さく首を振った
リトは再び唯の覆いかぶさる
「じゃあ、オレの背中に腕回して?」
「こ、こう?」
言われたとおりに腕を回す唯に頷くと、リトはそのまま唯を抱えて体位を変えた
「キャ…ちょ…結城くん!?」
腕の中で慌てる唯を強く抱きしめると、リトはベッドの上に座りなおす
上と下から、向き合う形の対面座位に
「もぉ、するならするでちゃんと言ってよねっ!」
「わ、わりィ」
悪戯っぽく笑うリトに唯は鼻を鳴らすと、背中に回していた手をリトの肩に乗せた
強がっている反面、唯の顔は歪んでいる
体位を変えた事により、あたる角度も感じ方も変わる
反射的に腰を浮かしているが、唯の下腹部は早くも限界なのかぶるぶると震えていた
リトは唯のくびれの部分に手を当てる
「ん…くっ」
「我慢しなくてもこのまま腰沈めろって!」
「が、我慢とかじゃないのっ」
間近でムッとリトを睨むが、いつものような怖さは微塵もない
すぐに顔が歪み、肩に置いた手が震えだす
「ゆっくりでいいから」
「…うん」
リトに後押しされる様に、唯の腰がゆっくりと沈んでいく
「あ…ふぅ」
さっき以上に奥へと入って来る熱い肉の感触に、唯はギュッと目を瞑った
ズプズプと肉壁を押し広げて入ってくる肉棒は、やがてもう一つに入口にあたる
コツっという音と共に、唯は体を仰け反らせた
「あはぁ…あた…あたって…」
「オレのちゃんとあたってる?」
コクコクと何度も首を振って応える唯
リトは笑みを深くすると、腰から背中まで唯の身体を撫で回した
ふるふると震え出す唯の体
「結…城くん、お願ぃ…だから、服脱がして! 体が熱くて…」
肩に置いた手にはすでに力が入っておらず、枝垂れかかる様に唯はリトの胸に頭を乗せていた


リトの手がするすると服の中へ入っていく
背中に感じるその手の感触に唯は息を熱くさせた
「手、バンザイして」
唯は言われたとおりに腕を上に上げた
服を脱がすと、その下からショーツとお揃いの柄をしたブラジャーが現れる
フリルとリボンの付いた可愛らしい白い色のブラ
それをジーっと見ているリトに何を思ったのか、唯は顔を真っ赤にしてリトに噛みつく
「い、いいでしょ別に!? 私だって…」
「ちょ…何も言ってねーだろっ!!」
フンっと鼻を鳴らしてそっぽを向く唯
(ったく…)
リトは半眼になりながら背中に手を回すとホックに指をかける
「で、取っていいのか?」
「……好きにしたら」
まだ機嫌が直らないのか唯の声は相変わらず尖ったまま
そんな唯の顔をしばらく見つめた後、リトはホックを外した
ポロリと外れるブラの下から、少し大き目だけれど、形の良い、白くて柔らかそうな胸が現れる
瞬間、ぽぉ~っと唯の頬が熱を帯びる
唯は恥ずかしさで顔をしかめた
リトはその横顔を見つめながら、乳房へと口を近づける
「…ムネ、舐めていい?」
「ダメ…」
短くて熱のこもったその声を無視する様に、リトは乳房へと吸い付く
「あ…ふっ…」
胸の一番敏感な部分へ吸い付くリトに、唯の肩は小刻みに震える
すでに赤く充血している乳首がリトの舌で転がされる
レロレロと舌で転がしたかと思うと、リトはいきなりむしゃぶり付いた
母乳を飲む様に乳首を吸い上げ、舌で何度も乳輪に円を描いていく
唾液でヌラヌラと濡れる乳房
リトは反対の胸に手を這わせると、思う存分揉みしだいていった
手の平の中でたぷたぷと揺らしながら、強く優しく弄ぶ
上下左右に弄られる乳房に、しゃぶり続けられる乳首
唯の口から自然と甘い声がこぼれ、太ももをもじもじとさせる
下腹部を休ませているリトを促す様に
リトの腰がそれに応える様に、少しずつ動いていった
結合部からはヌプヌプと卑猥な音が鳴り、唯の体は上下に弾む
「ンあ…く…ぅ、ああ…」
パチュン、パチュンと肉と愛液が絡み合い二人を昂らせる
リトは胸から離した手で、唯の腰を掴むと、更に奥へ深く突き入れていく
「ゆ…結城、くん! 深…あたって…あふぅ」
コツコツと子宮口に当たる度に唯の体は小刻みに震える
「お、奥…ダメっ! ダメぇ…結城くんっ!!」
「何だよ? もっと、もっと?」
「違…ンン!」
下腹部を襲う強烈な刺激に我慢できなくなった唯は、リトの首に腕を回し、その体を抱き寄せる
ムニュっと両頬に伝わる柔らかい乳房
胸の谷間を伝う汗を舌で舐め取ると、唯はますます腕に力を込めリトを抱きしめた


「あ、あのさ、これ気持ちいいんだけどさすがに苦しいってゆーかさ…」
胸に顔を埋めながら、くぐもった声を出すリト
唯はリトを抱きしめたまま、何も答えない
快感に全身を支配され、それどころではないようだ
(って全然、聞いてねー…)
それをいい事に、腰から離れたリトの手がするすると結合部へと伸ばされる
剥けた肉皮から顔を覗かせている赤く充血したクリトリス
チラリと上目遣いで確認するも、唯は気付いていない
リトは指の先で軽くクリトリスを押した
「ひゃっ…」
ビクンとリトの膝の上で、唯の体が跳ねる
リトは小さく笑うと、親指でグリグリとクリトリスを押しつぶしていった
「ああぁあ…くぅぅ…ンっ」
唯の中でいままで以上の波が全身に広がっていく
リトを抱きしめるその手がぶるぶる震え、奥歯がカチカチ鳴り出す
「ゆう…結城くん、やめ…それやめてぇ! ダメぇっ!!」
下腹部に集中する激しい刺激が唯の理性を溶かしていった
一瞬力が抜け、そのまま後ろのベッドに倒れようとする体を、なんとか後ろに手を付くことで防ぐ唯
角度の変わった体勢が、唯に新しい波を与えていく
奥へ奥へと子宮口を責めながら、リトは人差し指でクリトリスを転がしていく
ぐちゅぐちゅと肉棒が突き入れられる度に、秘所から白くなった蜜がシーツを汚していった
「す、すげーやらしい…」
ヌラヌラと輝く結合部にリトはゴクリと唾を飲み込んだ
「丸見えになってる。オレとお前のが」
「え…?」
口から涎をこぼしながら唯は、何気なくリトの見ている方へ視線を辿っていき────
とたんに火の出た様に顔を真っ赤にさせてしまう
少し唯の体が後ろに下がることで、二人の間に空間が出来き、結合部が丸見えになってしまっていた
「見える? オレのと繋がってるとこ」
「こ、こんなのハレンチすぎるわっ!!」
声を大きくさせて視線をそらす唯に、リトはぷっと吹き出す
「でもお前、腰動かすのはやめないんだな? すげー気持ちよさそうな顔してるぞ?」
「うぅ…」
唯は苦い顔をしながら、そっぽを向く
「気持ちいんだ?」
ギュッと目を瞑ってリトの言葉をやり過ごす唯
けれど体は正直だ
こんな時ですら、もっと、もっととリトを要求して止まらない
次第に、唯の口から嬌声が上がる
「すげーハレンチな声」
クスっと笑うリトに顔を耳まで赤くさせる唯
「違…違うの! これはっン…く違っ…」
シーツを握りしめる手に力が入る
快感と羞恥心が唯の体をどんどん昂らせる
ぞわぞわと膣壁が蠢き、竿を離さないように締め付けていく


腰をガクガクと震えさせる唯に、リトも額から汗を垂らしながら笑みを浮かべた
「もうイきそう?」
顔を赤くさせながら口を結ぶ唯
けれど、その目はチラチラとリトを見ては何か言いたそうだ
リトは溜め息を付くと、腕を伸ばし、唯の体を抱き寄せた
「ホラ、これでいいんだろ?」
リトにその身を抱きしめられ、その肩に額を乗せながら唯は小さく頷いた
「オレも。もうイきそう」
「う、うん」
唯はリトの首に腕を回してしがみ付くと、足を腰に回し、体をぴったりくっ付けて離れない様にする
胸板に柔らかい胸が押し付けられ、体が下から突き上げる度に、上下左右に形を変えていった
耳に直接聞こえる、唯の喘ぎ声
とろける様な甘さの中に熱がこもっていて、その声で必死にリトの名前を紡ごうとする唯
リトの中で我慢して抑えていた欲望が鎌首をもたげる
「も、もう出そう…」
「え? あ…ま、待って!」
何? と目で聞いてくるリトに唯はぽそぽそと小さな声で呟く
「キ…スし…」
「へ?」
「う…ぅぅ……キ、キスしながらじゃないとダメ」
狂いそうになる快楽の中、唯は目をギュッと瞑ると大きな声で口した
恥ずかしくて隠れたくなるほどの自分の気持ちを
今だって真っ赤になった顔をリトの首筋にうずめながら、必死にリトの返事を待っている
そんな唯にリトは屈託ない笑みを浮かべると、頭にそっと手を置いた
「オレもお前とキスしたい」
「え?」
ゆっくりと顔を上げた唯は、恥ずかしさで目がうるうるとなり、口だって小さく震えている
まるでいけない事を言ってしまった子どもが、怒られてしまうのではないかとビクビクしているかの様に
そんな唯の頭を撫でながら、リトはやさしく笑いかける
「キスしよ? 手も口もあそこも全部お前と繋がったままがいい!」
「…う……うん! うん!」
何度もコクコク首を振る唯にクスっと笑うと、リトは唇を重ねた
舌を絡め合い、唾液を交換し、口内を貪り
それらが結合部から聞こえる水音と合わさり、二人を淫靡に染め上げる

お互い口を離すと、おでことおでこをくっ付け合って、至近距離で見つめ合う
「ぷは…はぁ…んっは…ぁ…」
「…またキスする?」
とろんとなった顔のまま、唯は「うん」とだけ返事をした
顔を近づけながらリトはふと気づいた事を口にする
「思ったんだけどさ、キスはできても、手を繋ぎながら抱き合うのはムリ…だよな?」
「……なんとかしなさいよ」
「ムチャ言うなって」
苦笑いを浮かべるリトだったが、思いついた様に声を明るくさせた
「じゃあ、一回目はギュッと抱き合いながらしよ?手、繋ぐのは次って事でいいか?」
「…まだする気なの?」
「ダメ?」
バカ! っと小さく呟くと、唯はリトの体をギュッと抱き寄せた
胸に当たるやわらかい感触、火照った白い肌にしっとりと光る汗、
ほのかに香る唯の匂いに、リトの顔はほころぶ


「やっぱ最高」
「何が?」
「ん? いろいろだよ!」
「何よそれ? どうせまたおかしな事考えてるんでしょ?」
「ハハ…」
図星を付かれてつい苦笑い浮かべるリトの耳に手を伸ばすと、唯はギュッと耳を引っ張った
「い…いてぇ! ゆ、唯!?」
「おかしな事考えないでちゃんとしなさいよ! 私……もうガマンできないんだからぁ」
「そだな! オレももう…」
休めていた腰を再び動かすと、それに呼応するかの様に唯の腰を動いていく
すぐに忘れかけていた欲望が首をもたげ、リトは奥歯を噛み締めた
狭い膣の中でどんどん大きくなるリトの感触に唯の腰がガクガクと震える
「あ…ふぅ…結…城くん、結城くん…」
「唯…唯…」
互いの名を呼びながら、背中に回した腕に力をこめて抱き合う
苦しいけれどうれしくて、幸せで
ベッドをギシギシと軋らせながら、お互いを求める手は離さない
「唯…オレもう…」
「ん…うん! 私も…い、一緒に……一緒がいいのぉ…」
リトの腕にさらに力がこもると同時に、膣内がざわざわと蠢きリトをギューっと締め付けた
「結城…くん!! あ…ふ…あぁ…ぁあああ」
「で、出る!!」
ビュクビュクと勢いよく飛び出た欲望はゴムの中に溜まり
リトは腰を痙攣させながら荒い息を吐いた
「はふ…はぁ…は、は…ぁ…すごく…熱い…結城くんの…」
薄いゴム越しに伝わる熱い感触に、唯の口から涎がとろりとこぼれ落ちる
腰はビクビクと痙攣を繰り返し、体の震えは止まらない
「平気か?」
焦点が定っていないかの様にぼぉーっとなっている唯にリトは体を寄せた
断続的繰り返される荒い息遣いに、小刻みに痙攣を繰り返す下腹部
心配そうにジッと眺めるリトに、唯はゆっくりと向き直ると、本当に小さく笑った
「……結城くん、キスして。いっぱいギュってして」
一瞬、目を丸くさせたリトだったがすぐにニコッリ笑うと、薄く開いたままの小さな唇にキスをした
「ン…ん…ん」
汗で濡れる唇はいつもと違い少ししょっぱくて、抱き寄せた体はしっとりと濡れていてあたたかい
舌も愛撫もなにもない、ただ、余韻を味わうためだけのキス
顔を離した二人はどちらともなく、くすぐったそうに笑った
指で髪の毛を梳きながら、手で背中を撫でながら、ほっぺたにキスを繰り返しながら
二人は互いの顔をジッと見つめた
お互い肩で息をしながらも、恍惚な表情を浮かべている
唯はチラリと視線を下に向けた
まだリトと繋がっている結合部。そして、ビクビクと脈打っている熱い感触
「まだビクビクしてる…」
「ゴメン、久し振りだから…」
バツが悪そうな顔をするリトに、唯はクスっと笑いかける
「でも、気持ちよかったわよ。私も」
「唯…」
照れた顔を見られまいとリトを抱き寄せると、唯はその余韻を楽しむ様に、
リトの匂いで胸をいっぱいにさせた


ケータイを耳に当てながら、美柑は顔をムスっとしかめた
リトへの電話はこれで五回目
ちっとも出る気配のない兄に、美柑は電話口の向こうに愚痴を吐く
「ねェ、また出ないの?」
「…うん」
美柑はケータイを閉じると、隣を歩くララに向き直る
「ダメ。全然でない」
「む~…何やってるのかなァ。リト…」
「ホント、何やってるんだか」
美柑は可愛い眉を寄せると、ふいにララの手を取って歩き出した
「いこ! ララさん」
「え? いいの? だって今日…」
ララのくもりがちな声に美柑は思わず表情を崩してしまう
今日は美柑の案で、久しぶりにリトの好きな夕食にしようと買い物に来ていたのだが
リトの好きなメニューが多すぎなため、本人に今日は何食べたい? 
と、それとなく聞こうとさっきからケータイを鳴らし続けていたのだが……
一度止まりかけた足を再び動かすと、美柑はララを連れてさっさとデパートから出て行こうとする
「美柑…」
「い…いいの! いいの! ほっとこ!! あんなヤツ…」
「む~…リト何してるのかな……」
ララは美柑に手をぐいぐい引かれながら、俯きぎみのその横顔を見つめた

「や、めっ…ぁ…も、もう、限界だって…」
唯のお尻を両手で揉みながら、リトは夢中で腰を突き入れる
前後に体が揺さぶられる度に、唯の胸がたぷたぷと震えた
「ゆ…結城、くんっ!! あ…ふ…ああぁあ」
リトの方を振り返るも、下腹部を襲う電流の様な波に唯はギュッと目を瞑った
もうこれで何度絶頂を迎えたかわからない
何度体位を変え、何度白濁した欲望をかけられたか
床には拭き終えたティッシュがいくつも転がり、汚れたコンドームがヌラヌラと輝いている
リトも唯も、互いの体を心を貪るように交り続ける
腕から力が抜けていき、唯の上体はくてっとベッドに沈みこんだ
下半身はリトに支えられたまま、ビクビクと痙攣を繰り返している
「は…はふ…はぁ…」
汗に濡れた前髪をおでこに張り付かせながら、全身で息をする
唯はゆっくり首を動かすと、後ろのリトに視線を向けた
自分を心配そうに見つめるリトは、それでも「動いていい?」と言わんばかりの顔をしていて
「も…もうムリよ…。これ以上はホントに…」
消える様なか細い声がリトに聞こえるはずもなく、リトはゆっくりと再び腰を動かしていった
「ん…くぅ…」
また唯の体にざわざわと波が波立ち始める
敏感になっている膣内は容易に唯を昂らせた
「結城…くんっ! まだダメ…ダメだってばっ!!」
ギュッとシーツを握りしめる唯
ぐちゅぐちゅと肉棒が膣内を掻き回していき、結合部から精液と混じり合った愛液がとろりとシーツに滴る


「結…城くん、嫌ぁ…こんなカッコでするのぉ…ン…」
リトは後ろから唯の中に突き入れながら、顔を歪ませる
「こんなカッコって犬みたいなって事?」
唯は息も絶え絶えに首をコクコクと動かす
「なんか犯されてるみたいで?」
「そんな…ン…ン…」
奥歯を噛み締めて何も応えられない唯に代わって、膣内がキューっと蠢く
「お前の膣内、あったかくって、ギュウギュウ締め付けてきて、すげー気持ちいい!!」
すでにコンドームは付けていない
生のままの感触が唯の膣をさらに刺激し、悦びの声を上げさせる
リトは夢中になって腰を動かし、唯の中を掻き回していった
汗でしっとりと濡れた唯の背中には、長い黒髪が張り付き
汗の珠が唯の頬を伝ってシーツにポトポトと落ちていった
リトは上体を屈めると、舌を出し、唯の背中を首筋から腰のラインまで一気に這わせていく
「ひゃ…あぁ…」
ビクンと大きく唯は背中を仰け反らせた
「お前の背中、汗の味がしておいしい」
「バ…バカぁ、何言って…」
震える声でなんとか返すも、すぐに来る快感の波に唯の腕はぷるぷると震える
リトは背中に何度もキスを繰り返しながら、伸ばした手で、唯の胸をたぷたぷと揉み始めた
「や…め…ン、ンン…あぁ…」
手の平全体で揉みしだき、二本の指で乳首を摘み、コリコリと弄るリト
「お前のムネ、やわらかくて気持ちいい…」
耳元でそう囁くリトに、唯はギュッと目を瞑った
「もっと揉んでいい?」
「ダ…メぇ…」
リトは背中にもう一度キスをすると、唯の胸の前に腕を回し、その体を抱き掛かると横にゴロンと寝そべった
「な…結城くん!?」
突然の事に少し不安な声を上げる唯
シーツに擦りつけた左頬を上げると、視線だけをリトに向けた
「大丈夫だって! ちょっと姿勢変えただけだからさ」
「う…うん」
背中に当たるリトの胸のぬくもりに唯は少しずつ平常を取り戻していく
「動いていい?」
「ゆ…ゆっくりね?」
リトは唯の後ろ髪を掻き上げると、赤く上気した右頬に軽くキスをした
それが合図だったかの様に、リトの腰がゆっくりと動き出す
角度の変わった挿入に、初めての体位が二人の感度を上げていく
鼻孔をくすぐる髪の匂いを胸いっぱいに吸い込むと、リトは再び胸に手を這わしていった
ムニュムニュと柔らかい肉感に、今は火照った温かさが加わり、リトは手の中で思う存分乳房を揉みしだく
「結城…くん……結城くん…ン、ンン」
息を切らせながら何度も自分の名前を呼ぶ唯に、リトはくすぐったい様な笑みを浮かべた
たまらく可愛いと思うと同時に、もうこれ以上離れたくない、離したくないと感じる
リトは両腕でギュッと唯の体を抱きしめた
その体を強く強く抱きしめながら、リトは夢中で腰を振った
痛いほど締め付けるリトの抱擁に、唯の口から苦悶の声がこぼれる
それでも唯は嫌だとは言わなかった
眉を歪め、奥歯を噛み締めながら、ただ、リトに身を任せる
ジュプジュプと繰り返す肉の出し入れに、シーツには大きな染みが広がり
触れ合う胸と背中には、汗がネットリと光っている
全身を体液で染めながら、二人は互いの体を貪り続けた
リトは腕を解くと、唯の太ももに手を伸ばし、右足を持ち上げる


「や…あ…ぁ」
とたんに唯の口から嬌声が上がる
「な…何して…」
「これでもっと奥まで届くだろ?」
頬に当たるリトの熱い息遣いに唯は顔を歪めた
リトは見せつける様に股を広げさせると、深いところまで突き入れていく
「ン…ンン…ああぁあ…」
噛み締める様に我慢していた唯の口から、どんどん卑猥な声が溢れ出す
亀頭が子宮口をノックし、戻る時のカリが唯の敏感な部分を擦っていった
堪らずリトから逃れる様に、体を捩る唯
リトは逃すまいと腕に力を込めて動けない様にする
動けない体に下腹部を襲う電流の様な波。唯はどんどん感度を上げていく
ゆっくりとした動きから、激しい動きへと変わったその変化に、体が過剰に反応する
下腹部を襲う震えは、次第に上へ上へと広がり、唯は全身を激しく痙攣させた
「か…ふぅ…ああぁあ」
一突き一突きがまるで絶頂を与えるような感覚
リトの先端が子宮口を押し広げ、更に中に入ろうとする
(ウソでしょ……結城くんのが…これ以上…)
リトの腕を掴む唯の手に力がこもる
耳に直接聞こえるリトの自分の名を呼ぶ声
(結城…くん…)
白くとろけていく意識の中、それでもその声だけははっきりと聞こえる
唯は自分の指をリトの指に絡ませていった
「唯?」
「…手、繋ぎたい。結城くんの顔、見えないから」
ぼそっとそう呟いた唯の顔は耳まで赤くなっていて、リトは小さく笑みを浮かべた
「じゃー手、繋ごっか?」
「…うん」
リトに背中から抱き締められながら、小さくなる唯
リトはそんな唯の肩に二度三度とキスを繰り返すと、唯から肉棒を引き抜いた
「え…」
離れていくその感触に唯は目を丸くさせた
「結城くん…?」
顔をぽかんとさせる唯に笑みを送ると、リトはその場で脚を伸ばしながら座った
「ほら、おいで唯」
「うん…」
唯は立ち上がるとリトの腰を跨ぎ、自分の腰をゆっくりと沈めていった
「自分でする?」
「結城くんがしなさいよ……今だってすごく恥ずかしいんだからね」
ぼそぼそと文句を言いながらも決して拒もうとしない唯に、リトは苦笑を浮かべた
手をスッと伸ばして、割れ目をゆっくりと広げていく
秘所からこぼれた愛液が唯の太ももをつーっと伝っていく様子に、リトの喉に唾が落ちていった
「じゃ、じゃあ入れるぞ?」
「うん…ン、ンぁ」
短い返事を待たずして、リトは唯の腰を深く沈めていく
すぐに亀頭を咥えこんだ入口は、そのまま残りの竿を咥えようと収縮を繰り返す
「ゆ…ゆっくり…してぇ…」
少し体を硬くさせる唯のお願いに応える様に、リトはゆっくりと唯を導いていった
相変わらず唯の中は狭く、奥へ入っていく度にギチギチと締め付ける
「入っ…たァ」
「うん。お前の中すげー気持ちいいよ」
リトのその言葉に唯はハニカム様に小さく笑った


「唯、手」
「ん…」
伸ばした手と手が触れ合い、指と指とが求め合うように絡み合う
互いを見つめ合いながら、その間を埋める様に、手を握り合う二人
「動いていい?」
「うん…」
リトは勢いをつけて奥に竿を突き入れていく
「あ…ふぅ、あぁあ…」
握りしめる手に力がこもり、唯の体は上下に跳ねた
「おくぅ…奥にあた…ンン…あぁあ」
「奥がいいんだ?」
「だって…こんな…ン…くぅ」
唯の反応に、リトはますます昂る自分のモノを突き入れていく
「ダ…メ…ダメぇ! 奥ばっかり私…ンっ」
「お前の中、ずっと痙攣しっぱなしで、すごい」
「結城くんが…何回も何回も私の事…ン…イジメるからでしょ!?」
リトは少し口を尖らせている唯の手を引っ張ると、腰をぐっと引き寄せる
ヌチャっと音が鳴り、結合部から白濁した本気汁がとろりと溢れ出す
痙攣を繰り返す唯の奥歯は、すぐにカチカチと音を立て始めている
リトは子宮口を押し広げる様に、奥へ奥へと肉棒を突き刺していった
子宮に直接響くリトの肉棒に、半開きになった唯の口から涎がこぼれ落ちる
「かぁ…やめ…ぁ…ああぁあ」
唯の下半身は痙攣を繰り返し、力が抜けた足はだらしなく伸びきっている
パチュ、パチュと水音を鳴らしながらリトは腰を打ち付ける
リトが動く度に、前後左右へたぷたぷと波打つ胸
「す…げェ、お前のムネさっきからムチャクチャ揺れてる」
口の端に笑みを浮かべながら、リトは込み上げる射精感に眉を歪ませた
「もう…出そう」
唯は視線だけをリトに向けた
「お前の中に出したい」
突然、唯の手がリトの手から離れていった
「え?」
キョトンとするリトに唯は何も言わず両手を伸ばす
「唯?」
顔を赤くさせながら、もじもじと体を揺する唯にリトはクスっと笑った
リトも同じ様に両手を伸ばすと、その細い体をギュッと抱き寄せる
「ホラ、これでいいんだろ?」
リトの背中に腕を回しながら、唯はコクンと頷いた
触れ合う頬が唯が赤くなっている事をリトに伝える
(フツーに言えばいいのにホント、こいつは…)
「動いて…」
「ああ。でも、これじゃあ中に出しちゃうけどその……いいのか?」
リトを抱きしめる腕に力がこもり、次第にリトの腰に足を絡ませていく
「え…ちょ…」
「…ちゃんとしなさいよ?」
「え?」
唯は体を少し離すと、真っ直ぐにリトの事を見つめた
「ちゃんとしなきゃダメだからね?」
「ちゃんと?」
それは結婚?責任?それとも別の────
リトを映す唯の目には強い想いが宿っている
リトはコクっと首を振ると、その背中に腕を回し、再び唯をギュッと抱きしめた


数秒で抑えていた射精感が戻ってきた
耳元に聞こえるリトの荒い息遣いに、唯もそれに重ねる様に息を荒げた
リトのモノが膣内でさらに大きくなる
「ン…く…ぅ」
首筋に回した腕に力がこもり、唯は両手をギュッと握りしめた
リトの腰の動きが速くなる。後はもう欲望を吐き出すだけ
唯と呼吸を合わせる様に、唯を促がす様に
肉と肉がパンパンと合わさり離れていく
一瞬ごとに二人の気持ちを昂らせた
「唯…オレ、もうイきそう…」
「う…うん! 私も!!」
リトは唯の奥まで腰を突き刺すと、その中へ欲望を吐き出した
「あ…ふ…ぅ…ン、ンぁああ…」
子宮の壁を叩く精液の奔流に、唯は二度三度と腰を浮き上がらせた
「あ…あ…ぁ…出て…出てる結城くんのが中で…出てる…」
ビュルビュルと勢いよく出た欲望が子宮内に入っていく
膣どころか子宮全体を熱くさせる射精に唯の体がガクガクと震えた
それは、リトの欲望が子宮内に叩きつける様に飛び出す度に続く
二度三度と連続してイかされ続ける唯
ビクビクと下半身を痙攣させながらも、リトを抱くその手は緩めない
「き…気持ち良すぎ…」
その余韻に浸る様にぐったりとしたまま、リトは唯から体を離した
ゴポリと割れ目から白濁した欲望がこぼれてくる
「あふ…は…ぁ…はぁ、すご…い。いっぱい出て…」
子宮に満ちる濃い種と、体を襲う感じたことない快楽に、唯の腕から次第に力が抜けていき
唯の体は後ろにふにゃっと倒れていく
リトは慌てて腕を伸ばすと、途中で唯を受け止めた
「大丈夫か?」
心配そうに顔を覗き込むリトに、唯はぼそっと呟いた
「さっきみたいにちゃんとギュッてしてくれないとダメでしょ?」
「へ!?」
腕の中の自分を見つめながら戸惑ったように言葉に詰まるリトに、唯はムッと口を尖らせた
「結城くん!?」
「え? あ…は、はい!!」
大きな声で返事をするとリトは、腕の中でまだ小さく痙攣を繰り返すその体をそっと胸に抱き寄せた
「こ、これでいい?」
「……」
「唯?」
「…そんな事聞かないでよ」
「だ、だよな」
リトの肩におでこをトンっと当てながら、表情を隠す様に唯は口を開いた
「それより結城くん、ちゃんとわかってるわよね?」
「へ!? な、何が?」
こんな時まで間の抜けた事言うなんて!!
唯は複雑な気持ちになりながらも、ゆっくりと顔を上げた
どうしても聞かなければならない事があるからだ
肩から顔を上げた唯は、心なしかいつもより小さくなっていて、その細い体が今は震えている
それは、緊張のためか恥ずかしさのためかあるいは────
「唯?」
俯いていた唯は、やがて上気した顔を上げるとすっとリトの顔を見つめた
もじもじと揺れる体は止まらない


「何だよ? どしたんだ?」
「言ったでしょ? ちゃんとわかってるの? って…」
「ん? まー…な」
頬を指で掻きながらリトは、バツが悪そうに笑う
(ホラ、やっぱりわかっていない!)
ふつふつと次第にある感情が湧き上がってくる中
唯はぽつりぽつりと話し始めた
「結城くんは私を一人するし」
「う…だ、だから悪かったって謝ってるだろ?」
「全然、電話もくれないし」
「だから…」
「あんなに約束したのに…」
自分の体を抱きしめる様に唯は胸の前で腕を組む
チラリとリトに視線を送りながら、小さく、だけどはっきりと告げる
「私の中にあんなに出して……。赤ちゃん出来てもしらないんだから」
「そ…それは……」
あたふたと一人テンパるリト
唯は長い睫毛を伏せながらポツリと呟いた
「……ねェ結城くん。結城くんは、私のこと幸せにしてくれるの?」
窓から吹き込む春の風が、唯の髪を撫でていく
ほのかに香る唯の髪の匂いの中で、リトはただ唯の事を見つめていた
「しあわ…せ?」
「そう。ちゃんとしてくれる?」
気持ちを確かめるために、気持ちを知るために、リトの顔を覗き込んでその答えを待つ唯
そんな唯にリトははっきりとした口調で答えを返そうと思った
「そ、そんな事は当りま……ぇ…」
けれど言葉が小さくなって消えていく
唯を幸せにする
そんな事は当たり前だし、いつもどんな時だって想ってる事だ
だけど、なぜかこの時は、その事を軽々しく口に出してはダメだとリトは思った
唯は怒ってるでも、悲しんでるでも、拗ねてるワケでもない
どこまでもいつも唯で、いつもの顔で
だけど、その目だけは今日は違った
透き通るような黒い瞳はリトだけを見ている
他の物は見ていない。ベッドも、枕も、部屋も壁も全て映っていない
リトだけをその目に映している
「結城くん?」
この時になって初めてリトは気付く
淡々とした声の中に、唯の期待と不安が混じっている事に
それは、ひょっとしたらリトにしかわからないほどの小さな事なのかもしれない

──ちゃんとしなきゃダメだ──

頭ではなく心がそう言った
今言わないときっと次はない
次に期待なんかしてたらダメだ、と
開いたり閉じたりそわそわさせていた手を一度握りしめると、唯の顔を真正面から見つめる
「…しょ、正直よくわかんねェ…。お前の事好きだし、これからも一緒にいたいって思ってるけど
、お前の事ちゃんと幸せにできるかどうか……わかんねェ…」
「……」


「オレがお前にできる事っつったら、休みの日にデートに行って、買い物して、
ケーキでも食いながらお前と話して、んで…ウチに帰っていっぱいエッチして…
誕生日とか記念日とか何か行事とかあれば二人でお祝いして…
すげー背伸びして、高いとこでメシ食ったり、お前の欲しい物とかガンバってプレゼントもするけどさ」
リトは俯いていた顔を上げると、バツが悪そうに頬を指で掻いた
「…オレ、これからもお前にこれぐらいしかしてやれないと思う…。情けねーけどさ」
「ホントね」
黙ってリトの話しを聞いていた唯は小さく笑って応えた
「ハハ…ハ…」
リトの口から力ない溜め息がこぼれた
「…それがあなたの言う幸せにするってコトなの?」
「その…」
言いよどむリトに唯は体を寄せるとその顔を覗き込む
「そうなの?」
「…ゴメン。オレにできる精一杯の事だと思う…」
「そう…」
リトは何気なく唯の顔を見た
唯はいつの間にかジト目になって自分の事を見つめていた
「え?」
「普通、こういう時ってもっと大きな事を言うものじゃないの?ウソでも冗談でも」
「ええ?」
「『毎月必ずおいしいところに連れて行く』とか『旅行は毎回私の行きたいところでいいよ』とか」
「え…あの…」
「せめて『世界で一番幸せにする!!』 ぐらいは言いなさいよ!!」
「確かに…」
ガックリ力なく項垂れるリト
そんなリトに唯はクスクスと笑みを浮かべた
(ホント…こんな時でも『いつもの結城くん』なんだから)

いつまで経っても変わらないリト
変わって欲しくないと感じるリトの好きなところ

唯は両手をすっと伸ばすと、リトの両頬をムギュっと引っ張った
「へ!?」
左右に引っ張られながら、リトの頬がどんどん赤くなっていく
「な、何だよ? いたひって!!」
痛がるリトに対し、唯はムスっと頬を膨らませながら手の力を緩めない
「唯!?」
「お返しよ! 私の事、散々イジメたんだからこれぐらい当然でしょ!」
フンっと鼻を鳴らしながら要約リトのほっぺを解放する唯
キリキリと痛む頬を手で擦りながらリトは、口を尖らせた
「ってぇ……。あのな、イジメたとか言うけど「甘えたい」とか「好きに動いて」とか言ったのお前の方だろ?」
「だから何よ?」
「全然甘えてこないお前が悪いんじゃねーのかよ?」
「ななな、何を言って…そんなのあなたが……う……うぅ…」
次第に動揺する様にふるふると揺れていた目に、やがて薄っすらと涙で滲んでいった
「あ、あれ?」
キョトンするリトの胸に唯はポスンっと握った拳を当てた
「な、何だよ?」
「そ…それならそれでちゃんとリードしなさいよね!」
「そ、それはまあ…」
リト自身テクがあるワケでもない。ましていつも緊張と興奮でいっぱいいっぱいになってしまう


唯はポカポカとリトの胸を叩き続ける
「だいたい、私を不安にさせないんじゃなかったの? 寂しい時はどうするのよ?
私を一人にしないって! 私にちゃんと好きって言うってそう約束したじゃない!!
私まだ、許したワケじゃないんだからね!?」
「わ、わかってるって! でも……あれ? お前、ちっちゃくなった時の記憶なかったんじゃ…」
「黙って!!」
顔を俯かせながら唯は一際大きな力でリトの胸を叩いた
「そんな事どうでもいいの! それよりちゃんと反省しなさい!!」
「で、でも今はこーやって一緒にいる…」
「今はでしょ!! ……過去は取り戻せないんだからね…、その時の寂しさとかは消えないんだから…」
俯く唯の頭にリトはそっと手を置いた
「…何?」
「取り戻せないし、消せないかもしれないけどさ、だからその分オレが思いっきりがんばるからさ! 責任取らなきゃ、だろ?」
「え…」
「心配すんなって! オレがゼッタイお前の中からその嫌な気持ち消してやるからさ!!」
「ま、また調子のいい事言って!! だいたい結城くんはい…つも…」
それ以上言葉が出てこなかった
目の前でニッと笑うリトの姿に息が止まりそうになってしまう
まるでイタズラを考えている少年の様な笑顔
ふんわりと心にふれるその顔が、いつも唯の気持ちをあたためてくれる
(もぉ…なんでいつもこうなのよ? それならそれで、もっと最初からちゃんと…)
ゴニョゴニョと下を向きながら小さくなる唯の頭を、リトはニコニコしながら撫でている
次第に唯の肩がぷるぷると震え始めた
「もう! いつまでそうしてるつもり!? いい加減撫でるのやめてっ。私、子どもじゃないんだからね!!」
ムッと頬を膨らませる唯にリトは不思議そうな眼を向けた
「あれ? お前、こーやって撫でられるの好きじゃなかったっけ?」
「そ…それは……と、時と場合っていうものが…」
「嫌ならやめるけど?」
「う! …うぅ……い、今だけ許してあげてもいいわ」
「そっか!」とまたニコニコ顔で頭を撫でるリトに、唯の顔は真っ赤に染まる
何だかんだと最後はいつもリトに負けている事に、唯はこの時まだ自覚していなかった
「やっぱ唯ってかわいい」
「か、かわ…いい!!?」
「そ! 食べちゃいたいぐらいかわいいって思う」
「た、食べるとか……そ、そんな事ハレンチだわっ!!」
手の下で声をキツクさせる唯にリトは慌てて言いワケを始めた
「そーいう意味じゃねーって!! オレが言いたいのは…」
「同じよ事よ! だいたい結城くん。あなたさっきから私を子ども扱いばっかりして」
「子ども扱いって…」
唯は頭の手をパシっと払いのけると、そのままビシっとリトに指を指した
「ちょっとは反省しなさいよっ!!」
指を突き付けたまま唯はぷぅっと頬を膨らませる
しばらくそんな唯を見つめた後、リトは小さく溜め息を吐くと、再び唯の頭に手をポンっと乗せた


「ちょ、ちょっと…」
「そうだよな。お前はオレの子どもじゃないもんな」
「え…そ、そうよ! わかれば…」
「だってお前は、オレの彼女で、一番大事なヤツで、一番大切な存在で、そして世界で一番大好きな人だもんな!」
照れくさそうに笑うリトから目を背けると、唯はまたポスンっとリトの胸を叩いた
「遅いわよ。言うのが…」
下を向きながらぼそっとそう呟く唯をリトは、抱き寄せた
胸にトンっと頭を当てながら、唯はリトの鼓動を感じていた
ドクン、ドクンといつもより大きく聞こえるのは緊張と興奮の表れだ
(まったく、ムリしすぎよ)
そう思うも、リトの真心がこもった言葉に唯自身、いつも以上に胸は高鳴っていた
ふっと顔を上げた唯とリトの視線が交わる
互いに頬を染めたまま見つめ合う事数秒、リトの目を見たまま唯が口を開いた
「私、甘いもの食べたい」
「へ? 甘いもの? いいよ! ってか、お前好きだもんな」
「うん。あと…行きたいところとか、見たいお店いっぱいあるんだけど」
いっぱいの部分にリトの顔が軽く引きつる
「いいんでしょ? 思いっきり甘えてもいいって言ったの結城くんなんだから」
「ま、まぁ…な」
「ん、じゃあ行くわよ! 結城くん」
そう言って離れようとする唯の腕を、ふいにリトは掴んだ
「え…なに…」
唯が言い終わるよりも早く、その体をぐっと引き寄せるリト
「コ、コラ! なに考えて…」
「キスしたい」
「え? キ…キス!? な、なに言ってるのよ? これから外に出かけるんでしょ?」
「わかってる! けどその前に…」
「ちょ…ちょっと待っ…ン、うンン」
抗議の声をその口で封じると、舌を絡めつつリトは唯の背中に腕を回した
唾液の糸を引かせながら離れていくリトに、唯はムスっと顔をしかめた
「どういうつもり?」
「ゴメン。ガマンできなくてさ」
「…それならそれで、ちゃんとしなさいよね!」
口調こそ怒っているものの、どこか表情がやわらかい唯にリトはホッと溜め息をこぼした


「じゃあ、あらためて…」
まっすぐに見つめるリトの目が唯の気持ちを捉える

「好きだよ唯」
わかってるわよ
「もう一人させないから」
信じてあげる
「オレがゼッタイお前のこと幸せにするから」
期待してるんだからね!

唯はリトの首に腕を回すと、そっと顔を寄せていく

好き
私も結城くんが大好き
誰よりも何よりも一番大切だから
私もあなたの事幸せにするから
だから

私も結城くんのこと食べちゃいたいぐらい大好き!!

決して面と向かって言えない言葉を込めながら唯はリトと体を重ねていった


それからおよそ二時間後、雨も上がり出かける準備の整った二人を出迎えたのは、帰って来た美柑とララだった
「唯! やっぱり来てたんだ♪」
「おじゃましてます」
ペコリとおじきをする唯の腕に早速ララが飛びついてくる
そんな二人の横で美柑は冷めた目でリトを見ていた
「何だよ?」
何もわかっていない様子の兄に美柑の怒りはふつふつと煮えたぎっていく

結局その後、散々美柑からシャーベットの事を含めて文句を言い聞かされたリト
そのリトと何をやっていたのかと楽しそうに聞いて来るララに真っ赤になりながらあたふたと慌てる唯
二人がデートに行くのはもう少し後になってからになった