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「ふぁ…あぁぁ~…」
眠い朝の登校時
欠伸をしながら歩いているリトの足がふいに止まる
「お!」
足を止めた理由は明白だった
校門の前に停まる一台の黒塗りの高級車
そして恭しく開けられた長い車体の後ろドアから現れた、見るからにお嬢様な一人の女の子

正しくは、女の"子"と呼ぶには失礼なのかもしれないほどに、大人びている容姿
スラリと背が高く、遠目から見てもわかるほどのスタイルの良さ
瞳の色は見る者全てを惑わせるような、黄昏色とも琥珀色とも取れる、不思議な色合いを帯びている

そんな女の子――――天条院沙姫は、校門前で出迎えたいつものお付きの二人、
凛と綾に朝の挨拶を済ませると、その二人を後ろに従え優雅に校庭に足を踏み入れた

校門をくぐる時、ふいに目と目が合ったリトと沙姫
ドキン、と一瞬、胸の高鳴りを覚えたリトとは違い、沙姫は、そんなリトを一瞥すると何も言わずに目を背ける
「……ってオレには何にもなしかよ!?」
ムッとした顔をしながら慌てて小走りで追いかけるも、すでに沙姫たちの背中は遠く校舎の入口近く
「お~い! 沙…っと、この呼び方はダメだったんだ…」
"沙姫"と言おうとしてリトは、慌てて口を噤んでしまう
学校では"沙姫"と呼ばずに、ちゃんと"天条院センパイ"と呼ぶように、とキツク言われたことを思い出す
そうこうしている内に沙姫の背中は完全に校舎の中に消えてしまう

ハァ~っと、溜め息を吐くリトの背中に、小声ながらも筋の通った男の声がかかる
「失礼ですが結城リト様でございますか?」
振り返ると、小柄な初老の男がいつの間にか立っていた
帽子を取って恭しく一礼する男に、リトは慌ててペコっと頭を下げながら尋ねる
「そう…ですけど。何か用ですか?」
「お嬢様の申しつけで、伺ったしだいにございます」
「お嬢…様? あ~沙姫んトコの!」
いつも車で沙姫を送り迎えしているその顔に、リトはようやく気付く
「えっと、それで用って?」
「はい。今日の放課後、校門前で待っているようにとの事でございます」
「今日の放課後…? あ、は、はい。わかりました」
リトの返事に運転手の男は再び一礼すると、車へと戻っていく
「……つーかわざわざこんな事しなくても、自分で言えよな…」
別に二人が付き合っている事は秘密でもなんでもないのだが
たまに垣間見せる沙姫のおかしなトコロに首を捻りつつ、いつの間にか遅刻ギリギリにな
っている事に気付いたリトは、走って校舎に向かった

そして放課後

「おそ…」
帰っていく生徒を見ながら、リトは校門にもたれながら沙姫が来るのを待っていた
遅い
すでに時刻は、放課後というより夕方を廻ろうかとしている
「ったく何やってんだよ…」
秋の肌寒い風が身体に染みてきた頃、遠く、校舎から見知った姿が見える
「あ!」
リトは思わず校門から背中を離す


「つーかおせェーって! 何やってたんだよ?」
「別に…」
「別にって…あのなァ」
溜め息を吐くリトの横にすっと並ぶと、沙姫はチラリとリトの顔を見つめた
リトより背の高い沙姫
どうしてもその身長差でリトを見つめるその目は、切れ長の上、細められてしまう
「う…」
お嬢様独特の雰囲気と相まって、その視線はいつもリトをドキリとさせる
「でで、で、用って何だよ?」
「そうですわね。まずは車に乗りなさい。ココは寒いですわ」
「お、おう」
沙姫の合図を待っていたかのように運転手は、ドアを開けた

走る車の中

「なァ…。いい加減、なんの用か言えよ」
沙姫はさっきから窓の外を眺めてばかりで、無言
沈みがちな車内の雰囲気もだが、いい加減リトの我慢も限界が近い
「おい、沙…っておあッ!?」
沙姫に詰め寄ろうとして視界が一転
いつの間にかリトは車の天井を見ていた
天井に吊るされたシャンデリアを見ながらリトは目をパチパチとさせる
「へ? あれ?」
頭の中がこんがらがって事態を整理できない
そんなリトのおデコにやわらかいモノが触れる
「ん?」
おデコにかかる前髪を掻き分けて触れられているのは、沙姫の手
「え…」
その柔らかくてスベスベな感触に頬が熱くなってくるも、リトはようやく事態を呑み込み始める

頭の後ろに感じるやわらかい太ももの肉感
ほのかに香る花の香りをしたトワレ
そして、上を見つめれば、天井ではなく沙姫の顔

やっと自分が沙姫に膝枕をされている事を理解すると、リトは身体の力をゆるめ、頭を太ももに沈めた
どっと疲れたが取れたかの様に溜め息を吐くリトに、沙姫の口から小さな笑い声が出てくる
「ぷ…くく…」
「って何で笑うんだよ!? つかいきなりこんな事されたら誰だってあーなるだろ?」
「くっ…あははっ」
口に手を当てながらも、すでに笑いを堪える気配のない沙姫
次第にリトの目が半眼になっていく
「沙姫…」
「ごめんなさい…。あなたの慌て様が、あまりにもアレなものだったから…」
そう言いながら沙姫は目尻に浮かんだ涙を指で拭き取っていく
「それで、落ち着いて?」
「ま、まーな」
太ももの上でバツが悪そうにふいっと目を背けるリトの頭を、沙姫の手が撫でていく
やわらかくて、あったかくて
リトはムッとなった顔が緩んでしまうのを誤魔化す様に、慌てて口を開いた


「それで用ってなんだよ?」
「ん? ああ、その事ね」
逡巡するかのように口元に手を当てながら黙ってしまう事、数秒後
「…あなた、今日、学校でまた私のこと名前で呼ぼうとしましたわね?」
「え? ああ…えっとアレはその…勢いっつーか、いつものクセっつーか、その…って聞こえてたのかよ!!」
「当たり前です」
顔を背きながら当然といった顔をする沙姫
「だったら止まるとか振り返るとかさ……まーいいけど。つかもしかして用ってそれだけ?」
「……」
「沙姫?」
「……」
「おい!」
沙姫は再び窓の外に視線を向けてしまう
「…カンベンしてくれよ…。こっちはずっと気にして…」
「…いけない?」
「へ?」
「……用がなければ一緒にいてはいけませんの?」
「え…」
窓ガラスに映る沙姫は耳まで真っ赤になっていて
リトはその顔を下からジッとその眼の中に映していた
交わらない視線のまま、車はやがて、天条院家の門をくぐろうとしていた――――


「う~ん…」
と、目いっぱい両腕を伸ばして伸びをしても、有り余るほどの広さをほこる沙姫の部屋

白を基調とした室内には、レースをふんだんに使った天蓋付きのふわふわなベッド
アンティークな家具と、ところどころに置いてある大小さまざまなぬいぐるみ
そこはまるで、大人の世界に子供が遊びにきたかの様な部屋だった

足首まで埋まるふかふかの絨毯を踏みしめながら、数日ぶりの来訪にリトの胸が高鳴る
(やっぱ沙姫の部屋って…)
「リト…」
「ん?」
背後から投げかけられた少し静かな声色に振り返ろうとしたリトの口が、ふいに塞がれる
「ん、んん!」
目を丸くして見つめる先は、すぐ間近にある沙姫の顔
(さ…沙姫!?)
身体を押しつけながら貪るようにキスを繰り返す沙姫にリトは反応できないでいた
そうしている間も沙姫の両腕が首筋に回り、制服に包まれたそのやわらかい胸がリトの胸
板に押し付けられる
唇を割って入ってこようとする小さめな舌の感触
リトはまだ、テンパる頭で、それでも少しずつ沙姫に合わせ口を動かしていった
「ん…く…ちゅ…んん、ちゅく…ぅ」
舌と舌が交じりあい、唾液の交換が始まる
リトは持っていたカバンを絨毯の上にポトっと置くと、そのまま沙姫の背中に腕を回し、
身体を抱き寄せた
「あ、ん…」
キスの間からもれる沙姫の吐息
ちゅくちゅくと生々しい水音をさせながら二人のキスは続く
リトの舌が沙姫の口内を余すところなく蹂躙していき、それに沙姫が応えようとするも、
稚拙さが混じる舌使いに、中々、思うように出来ないでいる


「あ…ん、ぐ…」
送られてくる唾液を嚥下させながら沙姫も負けじと唾液を送りこむ
二人の口元はあっと言う間に唾液でベトベトになっていった

誰の唾液なのかわからないほどに互いの口を舌をまさぐり合う
リトの舌も、沙姫の舌も、互いの口内で触れていないところはもうない
苦しくなれば口を離し、それでも舌の先端と先端は繋がったまま
荒い息と、熱い息をぶつけ合いながら二人は互いの顔を見つめ合い、またキスを繰り返す

少しすると、リトの膝が、沙姫の両太ももを割ってせり上がってくる
太ももに包まれるというなんとも言えない気持ちよさを堪能しながら、リトは膝を沙姫の
太ももの間、大事なところに当てた
「ん、ん!」
ビクンと沙姫の身体が震え、リトの制服をクシャっと手で握りしめる
リトはその反応を楽しむように膝をグリグリと押し付ける
「ん! んん、ぁ…ん!」
キスで封じられた口からは抗議とも喘ぎとも取れる声がしきりに聞こえるが、リトの動きはとまらない
沙姫を壁際まで連れて行くと、ますます膝に力を入れる
くちゅくちゅと聞こえだす水音に、沙姫の頬に自然と赤が灯る
「ぷは…ぁ…はぁ…ん…ぁ」
「はぁ、はぁ…す、げー。沙姫のココもうびちょびちょだぞ?」
「…はぁ…じゃあどーしますの?」
その瞳に蟲惑色を湛えた沙姫の手は、すでにリトの下腹部に伸ばされている
ベルトの留め金に指を掛け、革の部分を弄っている様は、誘っているかのようだ
少し膝を動かすだけでくちゅりと卑猥な音がしてくる
「私にこんなコトをして許されると思っていますの?」
リトに膝で責められ、片足立ちになってまでも挑発的な口調は止まらない
スカートからスラリと伸びる魅力的な脚のラインにリトの心拍数がどんどん上がっていく
「リト…」
甘い囁き
それはリトの理性を崩壊させるのは充分すぎた

カチャカチャと留め金を外し、熱り立ったモノを取り出すリト
その長い竿に、白い指が絡みつく
「まあ! こんなにさせるなんていやらしい」
「仕方ねーだろ! お前のせいなんだから」
「ふふ…」
自分のせいでこうなっていると言うリトの言葉にうれしくなる
緩んだ顔の沙姫にキスをすると、リトは沙姫の太ももを広げさせ、黒のショーツの股部分をズラした
「入れるな?」
「ええ…」
くちゅくちゅと先端で割れ目を広げながら、入口を探すリトの様子を、沙姫ジッと見つめていた
すでに十数、数十回と繰り返した行為の中でも、今、この瞬間が一番幸せだと感じられる
それは決して慣れることのない感情だった
そして、決して慣れてほしくない感情でもある


やがて、くちゅっと音を立てて入ってくる熱い肉の感触に眉を歪め、睫毛を震わせるも、
沙姫の瞳は逸らされる事はない
一生懸命な顔も
いつまで経っても満足にリードできない歯痒さも
カッコいいセリフも、甘い言葉も言えないその性格も
みんなみんな愛おしく想う

"リト…。私はあなたのそんなところに惹かれたのかもしれませんわね…"

心の中でそう呟くと、沙姫は両腕をリトの首に回し、その身体を抱き寄せた
背中は壁に預けたまま、太ももを両腕で支えてもらい、完全に宙に浮いたままの状態
体重がかかる結合部からは、しきりに蜜が溢れ、絨毯を汚していく
「沙姫の奥…。オレのあたってる」
「え…ええ。リトのが当たって…ん…これだけで私…」
膣内がキュッと蠢き、子宮口から逃さないようリトを締め付ける
「動いていい?」
「え? あ、ちょ…ちょっと待っ…」
沙姫の声を遮る様にリトは本能の赴くまま腰を動かしていく
じゅぷっじゅぷっ
と、結合部から愛液を垂らしながら、沙姫はリトに合わせようと必死に腰を動かす
突かれる度に背中にあたる壁の堅い感触が痛むが、それ以上に下腹部を覆う快感に、沙姫の端整な顔が歪む
「リト…リト…きもち…気持ちイイですわっ! もっと、もっとぉ」
沙姫の言葉に応えるようにリトの腰使いが荒く激しくなっていく
制服の下で揺れる胸を想像しながらリトは、顔を沙姫に近づけていく
鼻先にあたる荒い息遣い
半開きになった口から覗かせる舌
沙姫はリトを欲すようにチロチロと舌を動かす
「欲しい…上も下も全部リトで塞いで」
リトは沙姫の求めに応じると口に吸い付き、口内を舌と唾液で犯していく
「あふ…ん、んちゅく…ちゅ…ぱぁ」
口を離した沙姫の顔は泡立つ涎でベットリとなっている
その涎を舌で掬い取ると、リトは沙姫のおデコに軽くキスをした
「ごめん…。オレもう限界…。出していい?」
「え、ええ。出して。リトのいっぱい出して」
「どこがいい?」
沙姫は何も言わずチロっと舌をだすと、クスッとほほ笑んだ
「口? マジでいいのか?」
コクコクと頷く沙姫にリトは自分の喉にツバが落ちていくのを感じた
口内に出せるという興奮がリトの動きにますます拍車をかける
リトはヒョイっと沙姫を抱えると、そっと絨毯の上に寝かした
白の絨毯の上に広がるプラチナブロンドの髪と、制服に包まれていてもわかる誰もが欲す理想形の様な身体
沙姫は人差し指をリトの制服の襟首に入れると、グイッとリトを引き寄せる
「さァ…もっとあなたを感じさせて…。もっと、もっと…」
そう甘い声色で囁きながら、瞳の色がどこまでも濃い黄昏色に、蟲惑的な色へと変わっていく
(やっぱ沙姫って…)
この日、二度目になる喉の奥の高鳴りを感じつつ、リトの視線は沙姫の顔を外さない、外せない
「リト…」
また甘い声。けれども、今度はその中に鈴が鳴った様なくすぐったさが混じる
リトは手を伸ばすと、沙姫の制服のリボンを、ブラウスを、シャツのボタンを、どんどん脱がしていく
その必死さに沙姫はなんとも言えない笑みを浮かべた
後輩を見る様に、弟を見る様に、かわいい彼氏を見る様に
やがて、思わず目を覆いたくなるようなLUXXAの黒のブラにリトの手が一瞬止まる


「どうしましたの? いつから胸…嫌いになりましたの?」
「え? い、いやそーじゃなくて! いつも思うけど沙姫っていろんな下着着けるんだなァって」
赤くなった顔でぼそぼそと呟くリトに、沙姫の口から軽やかな笑みがこぼれる
「さァ…私もいくつ持ってるかとか、数えた事ないから…。ふふ…今度、あなたが選んで
くれてもよくてよ? 私の着ける下着」
「え…!?」
悩ましげな色を湛えた視線を向けながら、沙姫の手がゆっくりと自身のスカートの裾を上げていく
ブラと同じ黒のタンガショーツは愛液でヌラヌラと濡れている
「でも今はこっちが先ですわ…ね? リト」
見るたびに色を変える琥珀の瞳がリトを捉える
沙姫は舌を出すとチロっと唇を舐めとる
「沙姫…」
ぐちゅぐちゅと止まっていた動きの再開に沙姫の中は、悦びの声を上げてリトをしごいていった
絡みつく膣壁を前後に擦りながら、リトは欲望を込み上げていく
自然と手を繋ぎ、互いの目を見つめながら感度を上げていく
「だ…ダメもう…ん、ん、ん…く」
「オレも出…」
「リト! 口に! 私の口に…」
「わかった…」
リトは歯を食いしばって沙姫の中から引き抜くと、急いで自身のモノを沙姫の口に持っていく。
勢いよく吐き出される欲望の塊を沙姫は、口を開けて全て呑み込んでいく
舌で口元からこぼれる白濁液を掬い、それでも伝い落ちていくものを手で掬い取る
「あふ…こんなひっぱい…すごひですわァ」
口だけに止まらず、顔いっぱいを白で汚した沙姫は、どこか恍惚とした顔のまま息を整える
欲望を吐き出し終えてもまだ震えの止まらないリトの下腹部に顔を寄せ、萎えかけた竿に
細い指を這わせ、先端に口をつける
「沙姫!? ちょ…」
「まだ…残ってますでしょ? 私が全部…ん、んん…ちゅぱ…んぐ…」
言い終わらない内に口をすぼめて残ったものを吸い出そうとする沙姫に、リトの口から情けない声が出る
「あ…だ、だからちょ…と待っ…」
(……かわいい)
心の内でそう呟くと沙姫は、亀頭から口を離し、舌を出して裏スジに線を引いていく
つーっと裏スジを伝う熱い生唾の感触に、リトの奥歯が鳴る
「ココ、気持ちいいのでしょ?」
「だ、だから…」
カリ首に爪を立てながら何度も擦り、反対の手で袋を揉みし抱く沙姫に、ものの十数秒で
リトのモノは回復を見せ始める
「まァ、もうこんなに。まだ出来るってことでいいのかしら?」
「つ、つーかこんなの誰でもこーなるって!」
「あら? それだけ私が上手ってことかしら?」
ニッコリと笑顔のまま立ち上がった沙姫は、脱げかけのブラウスを無造作に絨毯の上に放り
投げると、リトの前で仁王立ちになった
ハラリと広がるシャツから見える、黒のブラに包まれた豊満な胸が、下から見上げる
リトの下腹部を熱くさせる
「続き…しますわよね?」
口元に残った精液を指で掬い、それを口の中に入れると、ちゅぱちゅぱと舐め始める沙姫
その両太ももからは、先ほどの名残を表す愛液が、白い太ももを伝いつーっと伝い落ちていく


リトは四つん這いになると、太ももに顔を寄せ、落ちていく愛液に舌を這わす
太ももを撫でまわし、何度もキスを繰り返し、そして、リトの手は形のいいお尻に移る
「ん…あ」
身動ぎするように脚を震わせる沙姫の両脚を広げさせると、薄く口を広げた割れ目の中にリトは舌を入れた
「ん…ん、ぁ」
震えの大きくなる下腹部を両手でガッシリと固定させたまま、リトの舌使いは続く
その様子を上から見下ろすように、けれども柔和な笑みを浮かべながら沙姫は、シャツのボタンを一つずつ外していく
ハラリと頭に落ちてくる、まだ温かく匂いの残るシャツ
その感触にリトは口元から糸を引かせながら、スカートの中から顔を上げた
その顔にポトリと脱ぎたての黒のブラが落ちていく
上半身裸の沙姫
残るのはスカートと、ショーツと、黒のソックスだけだ
そして、そのショーツもリトの手によってスルスルと脱がされていく
リトの頭にトン、と手を置きながら、片足立ちでショーツを脱ぎ捨てる沙姫
立ち上がるリトと入れ替わる様にスカートが落ちていく
「次はあなたの番ですわね?」
沙姫は白く細い指を艶かしげに動かしながら、リトの制服を脱がしてく
最後のボタンが外れたあと、沙姫はリトの唇を指でなぞっていった
あなたは私だけのモノ――――とでも言いたげに

ベッドに手を付いた瞬間、危うくバランスを取り損ねてしまいそうになるほど、ふわふわな沙姫の寝具
いったい中にどんな羽毛が引き詰めているのか訊いてみたくなる

が、リトの注意は、今はそれどころではなかった
目の前で悩ましげにくねらせる腰付きと、その持ち主である沙姫に釘付けだ
要求通りに四つん這いの姿勢になってくれた沙姫に息を荒くさせながらリトは近づく
白い、肉付きのいい丸みを帯びた沙姫のお尻は、それだけでリトの欲望を嵐のように掻き乱す
その肉付きのよさを堪能する様に両手で円を描くように揉み出しくリトに、沙姫の口から
くぐもった、押し殺したような甘い吐息が、断続的に聞こえてくる
とろりと溢れ出す蜜に誘われる様に、リトは左手で割れ目を広げると、右手で自身のモノ
を持ち、沙姫の秘所へと突き入れる
沙姫の声が一際、高く上がり、白い背中が仰け反ってリトに応える
引き抜くと同時にまた、さっきとは違う甘い声が上がる
リトは夢中で腰を突き動かしていった

パチュパチュといやらしい水音に混じって二人の熱い吐息が合わさり、それが二人をさらに高める
前後に揺さぶられる胸を鷲掴み、乱暴に、愛おしむように揉みし抱く
先端を指の間で何度も引っ張っては、軽く抓ってみる
沙姫は美しい顔を歪めながらも、快楽に抗うことなく、リトの一挙手一投足に素直に反応を見せる
「す…げ…、沙姫の中、ホントに気持ちイイ」
「出して…! 出してくれても…、いつでも…出しても…ぉ」
「沙姫…!」
リトは込み上げてくる欲望を沙姫の中へと吐きだした
一度では終わらない。何度も。何度も吐きだしていく
少しでも沙姫とくっ付きたくて、想いを中に出したくて、ぴったりとくっ付けたお尻と腰
の間からは、中に入りきらない欲望がベッドに染みを作っていく
「あ…ああぁ…ん…くぅぅぅ!」
沙姫の腰がガクガクと痙攣を初めて、リトの欲望を一滴残らず吸い取ろうと膣内で収縮を繰り返す
「ああぁぁあ…すごっ…イッてる! リトの射精で私…イっ…て…んんんッッ!」
下腹部から全身を襲う激しい波が終わると沙姫は、ぐったりと身体をベッドに沈める
荒い息を吐きながら、身体全体で呼吸をする沙姫の白い背中の上を、浮き出た汗が珠となって
すべり落ちていく
リトは割れ目から引き抜くと沙姫の顔へ移動した


「沙姫」
名前を呼ばれ、リトの顔と差し出されたモノとを気だるげな視線で追っていくと、少し顔を
寄せて、まだ痙攣を繰り返す熱い肉棒を口に咥えた
「ん、ん…ちゅぱっ…んぐ」
中に残ったモノを吸い出される快感に、リトの口から何とも言えない溜め息が吐き出される
カリ首や竿までキレイに舐め終わると、口から離した亀頭にキスをし、「これでおしまいですわ」と合図を送る

やわらかすぎて埋まってしまう様な気さえするベッドの上に腰を下ろすと、リトはまだ
荒い息が続く沙姫の頭に手を置いた
「ん」
"何ですの?"とでも言いたげに見つめてくる沙姫に、内心ドキっとしながらも、リトは手を動かしていく
細い絹のような感触をその手に感じつつ、リトは沙姫の頭をやさしく愛おしみながら撫でていく
無遠慮に触れられた事でいつもより切れ長になっていたその目に、次第にやわらかさが滲み出す
長い睫毛を震わせながらリトを見つめるその顔は、すでに恋する女の子になっている
沙姫は頭を撫でているリトの手に自分の手を重ねると、キュッと握りしめた
「沙姫…?」
不思議そうな顔をするリトにクスっとほほ笑むと、沙姫は重ねた手を自分の頬に当て、
ホッと小さく溜め息を吐く
「な、何だ? どしたんだ?」と言いたげなリトの疑問を余所に、沙姫は手を離すと仰向けに
ゴロンと寝転がった
長く白い肢体に豊かに揺れる双房が、リトに悩ましげなナニか訴えかけてくる
再び自己主張をし始める自分のモノに赤くなるリトに沙姫の瞳の色が変わる
「…汗も掻いたことですし、シャワーでも浴びにいこうかしら」
「だ、だな。このままだと気持ち悪いし」
「そうですわね…」
リトに意味深は視線を送りつつ、沙姫は身体をゴロンと転がすとリトに寄る
リトの両ももの上で両腕を組み合わせ、その上に顎を乗せながらジッと上目遣いでリトを見つめる
目の前でビクビクと大きくなっているモノには敢えて目もくれず、見つめ続ける沙姫の視線から
リトは逃れられないでいた
「何だよ…」
「あなたはどうしますの? リト」
「え…」
キレイに整えられた爪先で、太ももに何やら"の"の字を描きながら、沙姫の目がキュッと猫のように細まる
「もちろんあなたも付き合いますわよね? シャワーに」
チャームの魔法でも宿しているかの様な沙姫の瞳
いつ見ても色を変え、見る者を魅了してやまない
その魔法にものの見事に掛かってしまっているリトは、沙姫の言葉に首を振るしかなかった


日曜日の午後

「―――で高校生二人」
リトは窓口でチケットを受け取ると、後ろで腕を組んで待っている沙姫に渡す
「ホラ、これがチケット」
少し長めの長方形をしたチケットを手に沙姫の目が好奇に輝く
裏面を見たり、ピラピラと振ってみたり
(……マジで初めてなんだな…。映画)


『私、映画館で映画って見たことありませんの』
「へ?」
受話口から聞こえた沙姫の声に、リトはつい気のない返事を返してしまった
『いつも映画は、家にある専用のホームシアターで見るんですのよ』
「ま~…だろうな」
『……』
「え…?」
『……』
「……あれ? 沙姫?」
『…どうしてこう鈍いのかしら…』
受話器のむこうの、あからさまに機嫌をそこねた声にリトの顔が引きつる
「ちょ…ちょっと待ってくれって! オレなんかおかしな事言った?」
『別にあなたは言ってませんわ! "何も"ねっ!』
"何も"のところだけ強調して話す沙姫に、さすがのリトも後悔の念を禁じえない
「あ、あのさ…。もし気に障るようなこといったんなら…」
『別に。何も』
「そ…そっか。じゃあ…」
『……もぅ…この鈍感ッ!』
と、言ってから沙姫はブチッと電話を切ってしまった
受話口から聞こえるつーつーという機械音が空しく頭の中で反響する
結局、その後、急いで電話をし直すのだが中々出てくれず
何回目かの電話でようやく出てくれた、あからさまに機嫌が悪い沙姫に何度も謝りつつ、
映画を見る約束までこぎ付けたのは、それから二時間後の話し


「―――と、席は……あった、あった。ココだ」
薄暗がりの中、沙姫の手を引いて自分たちの席へとやってきたリトは、沙姫を席に座らせる
「じゃあ、オレ、今からなんか買ってくるけど。なんか欲しいのとかある?」
「欲しいもの…。そうですわね……」
細い顎に人差し指を当て、眉を顰めながら、沙姫の口から次々と単語が飛び出す
「とりあえず、マリアージュ・フレールのグラン・ボワ・シェリと…」
「……へ?」
「ラデュレのマカロンを。ヴァニラとオレンジフラワーと……そうですわね、ショコラでいいですわ」
「…え…えっと…沙姫?」
まったく聞きなれない単語の数々にリトはついていけない
「ん~…あとは……ジャン・ポール・エヴァンのチョコ…」
「だからちょっと待てって!」
映画館の中だと言うのに思わず声を大きくさせてしまったリトに、沙姫ばかりでなく周り
の客たちもリトに視線を集める


「何ですの? そんな大きな声をだして」
「いやだから…」
「さっさと行かないと映画が始まってしまいますわ。あぁ、それと。ミルクはノンホモジ
ナイズド製のでお願いしますわ。私、それ以外のものは口にしませんから」
腕を胸のあたりで組みながら、ツンと澄まし顔で話す沙姫にリトは深々と溜め息を吐く
「だから、そんなのココにあるワケねーだろ…」
「え…?」
オウム返しで訊いてくる沙姫にリトは半眼になって応える
「だからないんだって! ココ、どこだと思ってんだよ」
「な…ない? う、ウソですわ…」
「ウソついてどーすんだよ…。とりあえずオレ、コーラか何か買ってくるからさ。お前も同じのでいいだろ?」
「え、ええ…私は…」
「じゃ、買ってくるけど、ココ動くなよ?」
と、釘を刺すや否や、リトは急ぎ足で売店へと向かった
その背中を茫然とした顔で見送りつつ、どっと疲れたかの様に沙姫は椅子に深く腰を下ろした
「ない…。そんな…そんな事って…」

家で映画を見る時はいつもお付きのメイド達が、なんでも訊いてくれた
それこそ世界中から直に取り寄せたり、時には、シェフやパティシエを呼んで作らせたり
自分の好きな物を好きなだけ食べながら映画を見る
そんな時間がとても好きで、幸せだと思っていたのに

「どーいう事ですの…」
わなわなと、信じられないモノでも見たかの様に声を詰まらせる沙姫。それでも余裕を見せ
つける様にその端整な顔は歪めない
優雅に脚を組み替え、スカートから覗き見える白い太ももとブーツに包まれた足が、周り
の男どもの眼を惹きつける
さっきから隣りや、斜め後ろの男の視線が痛いほど注がれている事に、沙姫は気付いていた
気付いていながらまるで意に介した様子はない
沙姫にとっては周りの男は全て、路傍に転がる石と同意だった
お目当ての洋菓子のお預けをくらったこともあり、沙姫の機嫌はすぐれない
また脚を組み変えながら長い溜め息吐く
何か文句の一つでも言ってやろうかと思った時、沙姫の顔に影が射す
「ホラ、買ってきたぞ」
何事もなかったかの様に持っている紙コップを差し出すリトに、沙姫はチラリと視線を送
ると、またすぐに視線を前に戻す
「……ずいぶん遅かったですわね」
「だって仕方ねーだろ? 映画が始まる前の売店ってスゲー混んでるんだからさ」
ストローに口をつけてコーラを飲みながら沙姫の隣りに座るリトに、周りの男たちから舌
打ちや冷やかな反応が上がる
リトは気付いていないのかまるで気にした様子はない
紙コップを手の中でくるくる回しながら、中でシュワシュワと泡がハジケているコーラに、
沙姫の視線が落ちていく
紙コップは手の中でくるくると回り続ける
「―――ねェ、リト。あなた…」
急に室内の照明がしぼられたかと思うと、スクリーンに『もうしばらくすると上映いたします』の文字
そして、間を置くことなく、スクリーンに映画館でおなじみのCMが流れ始める
沙姫の声は暗がりの中に消えていった

映画は可もなく不可もなく。ありきたりな恋愛映画だった
農家の男と貴族の娘の許されざる恋。そして、戦争によって引き裂かれる二人の絆

「ふぁ…あ~…」
欠伸を噛み殺しながら退屈そうに見ていたリトの手に、ふいに重なるもう一つの手
眼を丸くさせながら肘掛を見ると、自分の手の上に沙姫の手が重ねられていた


沙姫はずっとスクリーンを向いたまま
その横顔をしばらく見つめると、リトは手を動かして沙姫の手を握りしめた
拒絶を表すかの様にわずかに震える白い手
けれども少しすると、握り返してくる柔らかい感触に、二人は手を握り合ったまま映画を見続けた

「ん…んんん~~」
と、両腕を伸ばしながら大きく伸びをするリトの横で沙姫は腕を組んだまま、どこかムス
っとした表情になっていた
「映画おもしろかった?」
「ええ…まァ」
口数も少なく、口調も落ち着いているというより元気がない印象を受ける
「沙姫?」
リトは人通りが少なくなったロビーの中で、すっと沙姫の顔を覗き見る
「……ッ」
琥珀色の瞳と一瞬だけ眼が合い、そして、逸らされる
リトは少しキョトンとしたまま何気なく訊いてみる
「あのさ。もしかして泣いてる…?」
「えぇ…!?」
あからさまに動揺する素振りを見せる沙姫の前髪を、人差し指で分けながら、リトの指が
沙姫の目元にそっと触れる
「だってお前の眼、ちょっと赤くなってるし」
「…ぇ…違…こ、これは…」
リトの手から逃れる様に後ろに半歩下がった沙姫は、左手を胸の前で握りしめながら、オ
ロオロと身を捩じらせた
「そ、そーいった意味でなく…これは…、そ、そうですわ! 欠伸! 欠伸が出てそれで…」
「いいじゃん! そーゆーのってスゲーいい事だって思うけどな」
「え…」
リトはニッと歯を見せると、その屈託ない笑顔を沙姫に向けた
「それに沙姫の泣き顔見れて、うれしいけどな。オレは」
「な…!?」
一瞬で沙姫の顔が真っ赤に染まる
とっさにリトから身体ごと顔を背けると、いつもよりトーンが上がった声で話し始める
「さっきから何をおかしな事をいってますの? 言ったでしょ? 欠伸をしたって! だ
いたい私が映画程度で…」
沙姫の言葉を聞きながらリトは、映画を見ていた時の沙姫の横顔を想い浮かべていた

映画の世界に入り込んだ様に、ジッとスクリーンを見つめる眼差しは熱っぽく、潤んでいて
主人公とヒロインの心が触れ合う度に、それに呼応するかのように、手に力がこもる
握っている手と反対の手が、ずっと膝の上で、小さく震えていた

「―――ホントにバカバカしいですわ! 言いがかりも甚だしいっ」
沙姫の独演は止まらない。リトは嵐に触れないよう、過ぎ去るのを待つように、苦笑いを浮かべてやりすごす
この数ヶ月でリトなりに沙姫の一連の対処法を身につけ始めていた
沙姫は一頻り話した後、ツンと顔を背けたままリトの横を通り過ぎていく


「って、どこ行くんだよ?」
「……女のコにそんな事を訊くだなんて、恥知らずもいいところですわ」
「え…。あ、そっか。ごめん…」
「まったく。そこで待ってなさい」
相変わらず顔を見せない様に話す沙姫だったが、その声にはもうトゲが含まれていない事
に、リトは心の中で溜め息を吐く
沙姫の入っていった女子トイレの見える位置の壁にもたれながら、リトは沙姫が戻って来
るのを待つ事にした


「…つーかおせー!」
あれからどれぐらい経っただろう
次の映画が始まったのか。映画館のロビーからはますます人の数が減り、閑散とした雰
囲気すら漂っていた
時計を見ると、もう夜の七時を廻っている
さすがにお腹も限界に近く、さっきからぐ~ぐ~と警笛を鳴らしている
「何やってんだよ。沙姫のヤツ…」

一方その頃、化粧直しの鏡の前

「はぁ~…」と沙姫は何度目かになる溜め息を吐いていた
蛇口からは水が引っ切り無しに出ている
ガラス製の洗面ボウルに溜まった水に映る、自分の顔に視線を落とす
ボウルの中で揺蕩う水は、今の自分の気持ちのように波打ち、歪む
「はぁ…」
沙姫の口からか細い、喘ぎのような吐息がこぼれる
「ダメですわね…。私…」
水の中の自分も、鏡の中の自分も、そんな自分を嘲笑うかのように何も応えない
沙姫はカバンからケータイを取り出すと、ポチポチとボタンを押して画面を操作する
黄昏色の瞳に出てきた番号を映しながら、短い逡巡のあと、沙姫は発信ボタンを押した

ブブブ、ブブブ…
映画館の中という事でマナーモードにしていたリトのケータイが鳴りだす
画面に表示される番号と名前は沙姫の名
「沙姫…? 何だ」
小首を傾げながら、ケータイに出るリト
「もしもし? 沙姫?」
『…………ええ』
「どーしたんだよ? なんかあったのか? 具合悪いとか」
沈黙。受話口の向こうから微かに水の音が聞こえる
「沙姫? マジでへーきなのか?」
『……その…』
「ん?」
珍しく口籠ってばかりの沙姫にリトはケータイを耳に押し当てながら、トイレの出入り口を見つめた
『…その、だから…』
「なんだよ? らしくねーじゃん」
『…ッ』
受話口の向こうから歯噛みする音と、蛇口を捻る音がする
そして、沙姫の溜め息が聞こえた
『……リト。ちょっとこっちに来なさい』
「は?」
言われた事が理解できずにリトは眉を寄せる
『いいから来なさいッ!』
「いや、来いっていわれても…」
リトは視線を再びトイレの入口へと向ける。と、いつの間にか沙姫がそこに立っている
リトはケータイを閉じると、沙姫に駆け寄る


「どーしたんだ? どっか…って、なっなっ!?」
沙姫は有無を言わさないと言った顔でリトの手を取ると、そのままトイレの中に連れていく
「ちょ…ちょ待…!?」
「心配いりませんわ。今この中にいるのは私たちだけですから」
「そ、そーゆー問題じゃねーだろッ!!」
聞こえてくる声を全て無視しながらリトを一番奥のトイレの中に押し込める
「沙姫!?」
カチャッ、と後ろ手でトイレのカギを締めると、沙姫はスッと顔を上げ、真正面からリトの顔を見つめる
「う…」
黒みを帯びた琥珀の視線はリトの口をそれだけで黙らせてしまう
沙姫はリトの横を通り過ぎると、便座に腰を下ろした
耳に掛かる髪を手で払いながら、悠然と脚を組む沙姫に、我が帰った様にリトは声を荒げる
「何なんだよ! 何考えてんだ!! いったい…」
「疲れましたわ…」
「え…」
「疲れました」
沙姫はリトの声を意に介した様子はなく、その長い脚を伸ばして、上下に小さく振る
「疲れた?」
「そうですわ。疲れたので、リト、何とかしてくださらない?」
狭い個室内は、二人いるだけで軽い圧迫感が生まれる
その長い脚は、伸ばしきることなく、易易とリトの下半身を弄ることができる
沙姫は脱ぎ捨てたブーツの下から現れた白く悩ましげな脚を、余すことなくリトに見せつ
けると、その爪先を膝の当たりに這わし、す~っと上へと脚を持ち上げていく
琥珀色の瞳に影が生まれ、妖しく光る
「なん…だよ?」
胸の奥から込み上げてくるモノを押さえながら、なんとか声を絞り出そうとするが、眼は
沙姫の脚から離れられない
ズボン越しとはいえ、爪先の感触と、なにより短めのスカートの奥に覗き見える純白の下
着に、冷静さがとけていく
沙姫はそんなリトの内心がわかるのか、口の端を歪めた
「なんとかしてくださらない?」
「だ、だから何んとかってどーゆー…」
「いつもの様に……ですわ」
「いつもの…」
長い脚が上下に振られ、足の裏が眼の前で艶かしげに踊る様子に、胸の奥が熱くなってくる
「リト。早くなさい」
責めるでも、急かすでもない沙姫の声
それはまるで、やさしくお願いしているかの様な涼やかな声だった
リトはその場で跪くと両手で恭しく脚を持ち、黙って口を近づけていく
「…ん…っ」
チロっと素肌に感じる舌の感触に、背中をゾクゾクとしたモノが駆け上がっていくのを、
沙姫は唇を噛み締めてガマンする
その間もリトの動きは止まらない
太ももを撫でまわし、揉み、キスを繰り返し、頬ずりをする
「そんなに私の足好きですの…?」
「好きっつーか…、ずっと触ってたいぐらい」
その言葉どおり、ずっと触り続けるリトに沙姫の口から熱い吐息がこぼれる
沙姫はリトの顎を人差し指で持ち上げると、すぅっとその瞳の色を変えた
両手でリトの頬を包み込み、顔を近づけながら、沙姫は艶然とほほ笑む


「でもそれだけでは満足できないでしょう? お互いに…」
「…ッ…!?」
リトの視線は自然と、スカートの奥、広げられた脚の間、沙姫の大事なところに注がれる
ぐっしょり濡れたショーツの下に見える、薄く開いた割れ目
すでにショーツとしての役割など微塵も働いていないソコからは、脳髄の奥を刺激する、
女の匂いが立っている
「沙姫…」
「アナタのモノでしょ? 私の身体は…」
ゾクっと背筋を走る昂揚感。リトは慌てて立ち上がると、ベルトを外し、ズボンを下ろした
「そんなに慌てなくてもいいですわよ」
冷静さを出そうとするも、視線はリトの反り立つモノから離れないし、息もすでに喘ぎと
同じになっている
リトは身体を寄せながら、肉棒を割れ目に当てた
ぬちゃぬちゃと愛液を絡ませながら、少しずつ入ってくる熱い感触に、沙姫は反射的にリ
トの背中に腕を回す
下腹部に広がる熱い波に、背中に回した手がリトの服を握りしめる
「あ…ふっ…入って…」
端整な顔立ちを歪め、性にむしゃぶり付く様はとてもお譲様には見えない
そんな姿を見られるという事は、リトにだけ許された特権なのかもしれない
「んっん…ん…全部っ…入り…ましたわ…ぁ」
「動いていい?」
息も絶え絶えにコクコク頷く沙姫の了解を得て、リトは腰を動かし始める
両脚を高く持ち上げ、欲望の限り腰を突く
「そ…そんなひきなりっ!?」
「沙姫…沙姫…」
耳元で囁き続かれる甘い声に、身体どころか心までとろけてくる
「リっ…トっ…あっ、やっ、ああぁ…」
ガコンガコンと便座の擦れる音も二人の世界には聞こえてこない
ただ、水音の音と、甘い声だけがその世界にはあった
「き…キモチよすぎて止まらな…」
「あ…あっ、もっと…もっとしてっ」
琥珀の瞳が爛と輝き、舌を出してリトを手招きする
絡み合う舌と舌が新しい水音を生み、二人の動きに拍車をかける
ガコガコと前後に動く便座に沙姫は少し眉を寄せた
「んく…ん…ちゅぱ…んっんっ…ぷはっ…はぁ、ちょっと待って」
「何?」
訊き返す間も腰の動きは止まない
沙姫はチラリと後ろを見ながら、リトの頬に手を這わした
「少し腰が痛くなりましたわ…。ちょっと身体の位置を変えさせて」
「あ、ああ。わかった。じゃあさ、ソコの壁に両手ついて」
「両手を…? こ、こうですの?」
言われた通り壁に両手をつきながら、腰を突きだす様にリトの喉が小さく唸る
「そうそう。じゃ、続きな」
「え、ええ」
くちゅりと入ってくる肉感に沙姫は奥歯を噛み締める
「すごっ…んっんっ…り、リト。そんながっつかなくても…」
本能のままに動きを再開し始めるリトに沙姫は、喜悦が入り混じった吐息を向ける
好きな男に抱かれるという悦びに身体の火照りを止められない
服の上から弄られる胸も、スカートを捲くられ乱暴に揉みし抱かれるお尻も、身体中、全て
でリトのぬくもりを受け止めたいと想う

パチュパチュと鳴る水音に混じって、沙姫の押し殺したような喘ぎが、個室の中に反響する
人に聞かれないよう、指を咥えながら身悶える様に、リトの中で欲望が込み上げてくる
服を捲り、ブラの上から胸を弄る手をやめると、細い腰に手を置き、より奥へと腰を突き刺す


「はひっ、んっ…ひト、もっとやさひく…あふっ」
咥えた指の間から唾液をこぼしながら、沙姫の身体に熱がこもっていく
下腹部を中心にソレは、散々中を掻き回すリトにも伝わる
震える下半身を感じながらリトは沙姫の耳元で囁く
「沙姫のかわいい声がもっとききたいからイヤだ」
「んふっ…ん、んっ!」
耳まで真っ赤にさせながら、横目で睨む沙姫にリトは笑みで応える
「ふぅんっ、んんぅっ…んん!!」
何か言いたげに視線を向けてくるが、今のリトには涼しいものだ
ただ、その眼差しをジッと見つめながらリトはあることを想う
「…でもやっぱ沙姫ってキレイだな」
「んんっ…な、なにひって!?」
「やっぱ最高のカノジョだよ」
「へっ!!?」
今度こそ目を丸くして言葉に詰まらせる沙姫に笑顔を送ると、リトはその頬にそっとキスをする
「…ッ!?」
「ってそろそろ限界…」
リトの言葉通り、すっかり膨れ上がったモノは沙姫の中をギッチリと圧迫し、吐き出す時を待っている
「沙姫…もっ、もう出す…な」
「ふぇ? ちょ…ちょっとまっふぇ! もぅふこひで…」
「ごめん…っう!!」
ビュルビュルと勢いよく出された欲望は、沙姫の子宮へとほとばしり、あっという間にいっぱいにしてしまう
「んんんんっ!!」
指を噛み切らんばかりに咥えながら、沙姫は上ってくる快楽そのままに、ブルブルと身体
を震えさせる
「あはっ…すごひ…ひっぱい出てるぅ。リトのがひっぱいひっぱい出て…」
脚までもガクガクと震えだすと、自分では立っていられないのか、急にその場にへたり込
んでしまう沙姫を、リトはとっさに腕で支える
便座の上にそっと座らせると、リトは汗でベタ付いた沙姫の前髪をやさしく掻き分けていく
眼が虚ろでどこを見ているのかわからない沙姫の股からは、とろりと溢れ出る白濁液に続
いて、チロチロとおしっこが出てくる
「見てはいけませんわよ……リト…」
なんて言われてもその官能的な光景に眼を逸らすことができない
喉の奥に消えるツバと共にジッと見つめ続けるリトに、沙姫はばつが悪そうに眼を彷徨わせる
「だいたい、あなたがいけないんですわよ? あんな…」
「ってオレのせいかよ! つーかオレ、そんな激しいコトやってないだろ?」
「そ、それはその…まァ…」
「ん?」
急に余所余所しくなる沙姫にリトは眉を寄せた
「沙姫?」
「な、なんでもありませんっ!」
乱れた服や、髪を、手で軽く整えていく沙姫にリトの疑問はますます膨らむ
(…オレ、なんかヘンな事言ったっけ?)
リトの疑問を余所に、終始、顔を真っ赤にさせたままの沙姫は、その気持ちを誤魔化すか
の様に、極力リトを見ないように、身なりを整えていった

結局その後、沙姫の計らいで無事トイレから抜け出せたリトは、沙姫と共に人ごみでごっ
た返すロビーを抜け、映画館入口へと来ていた

「うぅ…さむ…」
季節はまだ十月だと言うのに、街を吹き抜ける風は木枯らしに近い
ブルっと震えるリトの隣で沙姫は、そのいつもの頼りない横顔を見つめていた


(ハァ…。私ってああいう愛情表現しかできないのかしら…)
映画館の中や、眼の前を歩くカップルの仲良さそうな雰囲気に心躍るも、いざ自分は? と
なると何もできなくなってしまう
沙姫なりに色々考えるも、いつもああいった行為でしか自分の気持ちを表せないでいた
(それもできているのかどうか疑問なんですけどね…)
と、心の中で自問自答を繰り広げる沙姫に、隣のリトは相変わらずの様子
(まったく…。このコがもう少しちゃんとしてくれれば…)
リトを想えば溜め息は深くなり
リトを見れば溜め息の数が増えていく
冬の冷たい風で手が冷たくなってきた頃、ふいに温かい感触が手を覆っていく
「え…」
隣を見れば、リトがハニカミながら手を握ってくれていた
ギュッと握る強さに反応するように、沙姫の顔にぽぉっと熱が帯びてくる
「…ぁ…ちょ…な、何ですの?」
「えっと…あのさ。これから何か食いにいかない? ほら、まだ何も食ってないだろオレたち」
それはそうなのだが、沙姫の頭の中は、すでに空腹どころではなくなっている
繋いだ手の先から頭の芯までが沸騰したかの様に熱くなっていた
「り、リト…!? こ、コレはどーゆー…」
「つーかオレたちって、ちゃんと手を繋いだ事なかったから」
苦笑いが混じるその笑顔は、リトなりの精一杯の気持ちなんだと沙姫にもわかる
わかるのだが
「だ、だからってこんな人前で…」
「…イヤならヤメるけど…?」
少ししょんぼりしたリトの声に、沙姫の瞳が揺れる
「ち…違…、べ、別にイヤなのではなくて…」
「なくて?」
沙姫はリトから手を離すと、腕を組みながらそっぽを向ける
「その…人前でこんな風に手とか繋いだことがなかったからで…。だから別に、アナタと
手を繋ぐのがイヤなのではありません」
繋いでいた方の手をそわそわさせながら、沙姫は眼を彷徨わせる。どこを見て、どうした
らいいのかわからないでいた
そんな沙姫にリトは顔を綻ばせる
「そっか。安心した。それじゃあ、あらためて」
すっと差し出された手を一瞥すると、沙姫はわずかに口を尖らせたまま、オズオズと手を伸ばす
「し、仕方わりませんわね! そのかわり、ちゃんと私をエスコートしなさい!」
「わ、わかった」
甘いトゲを含んだうれしそうな声音に、少し自信のない背伸びした声が応える
重なる手と交わる眼に、二人の頬がほんのりと赤く染まる
どちらともなくギュッと握りしめると、街の中へと歩き出す

「ところで夕食だけど、私、今日は、おいしいシュブルイユかリ・ド・ヴォーが食べたいですわ」
「よ、よくわかんねーけど…たぶんムリ」
「まァ! 即答するとかいったいどーゆー了見ですの? リトッ!! さっき言いましたでしょ! ちゃんと…」
街のざわめきの中に二人の声はとけていく

もうすぐ冬がやってきて、二人にとっての初めてがたくさん訪れる