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私、ララ。デビルーク星の第一王女なの。そして…
「あねうえ~あそぼうよ~」
「おねえさま、あそびましょ~」
「よ~し、いっぱい遊ぼうね!!」
「わ~い、あねうえだいすき~!!」
「おねえたま、わたしもだいすきです!!」
この子たちはナナとモモ。少しだけ年の離れた、私の双子の妹なの。とってもかわいいん
だよ。
「じゃあ今日は外で遊ぼっか?天気もいいし!」
「わーいおそとー!」
「それはいいですね!」
「じゃあ、出発~!!」
昔は幼馴染のレンちゃんとルンちゃんと遊んでたんだけど、なんだかメモルゼ星でもいろ
いろあるみたいで、最近はあまりデビルーク星には来れなくなっちゃったみたいなの。だ
から最近は妹たちとよく一緒に遊んでるの♪

「いい天気だね~♪」
「かぜがきもちいいぜ~♪」
「おはながきれいですね~♪」
元々退屈しのぎで始めた趣味の発明も楽しいけど、こうしてナナやモモと遊ぶのも本当に
楽しいな。やっぱりこうやって人と遊ぶのが私は大好き。一人の時と違って、楽しくおし
ゃべりしてると、悩みや不安も全部吹き飛んじゃうんだもん。だから、ナナとモモがちょ
っと羨ましいな。


「くーちゃん、こどもたちもおおきくなってきたな~!…ふんふん、そっかそっか~それ
はたいへんだな~」
「どうしたの?ナナ」
「あ、あねうえ~。それがさ、くるりツバメのくーちゃん、こどもたちがおおきくなって
きただろ?あいつらくいしんぼうだから、エサをいくらとってももどってくるとおなかす
いた~、ってたいへんなんだってさ」
「そっか~、まるでナナみたいだね」
「あねうえだっていっぱいたべるじゃんか~」
「あはは、それもそうだね~」
ナナは生まれつき動物と心を通わせる事が、

「そうですか、たしかにさいきんおてんきばかりですからね」
「どうしたの?モモ」
「ああ、おねえさま。ここのおはなさん、ちゃんとおせわがかりにみずをもらってはいる
のですが、さいきんはおてんきばかりでしょう?ちょっとみずがすくないから、もうちょ
っとほしいんだそうです。わたし、ちょっとおみずくんできます」
モモは生まれつき植物と心を通わせる事が出来るの。デビルーク星でもこんな能力を持っ
ているのは二人だけ、とっても珍しいんだって。私はお姉ちゃんだけどそんな能力はない
から、こんな風に動物や植物とお話出来るナナとモモがとっても羨ましいの。だって王宮
内にも動物も植物もいて、お話し放題なんだもの。それに…
「ララ様、そろそろお時間です。ナナ様とモモ様もそろそろお部屋にお戻りください」
「は~い」
もうザスティンが呼びにきちゃった。勉強の時間になると、こうして呼ばれるの。

「あ~あ、きょうはさんすうか~、あんなのわかんね~よ」
「ナナはさんすうがにがてですからね」
「ちぇー、モモはああいうのとくいだもんな~」
「じゃあおねえさま、またあそびましょう」
「あねうえ~!たのしかったよ~!またあした~!」
「うん、また明日ね♪」
…そう、それにナナとモモは双子だから、勉強も食事も全部一緒、いつも二人一緒なの。
私はお姉ちゃんだから、ナナとモモとはそもそもスケジュールが違う。私はある程度大き
くなったから、最近は他の星の人達との社交の場にも少しずつ出るようになってきて。だ
から勉強は内容が違うから別なのはともかく、食事も一緒に取れることは少ないの。今日
みたいに一緒に遊べるのも、お互いのスケジュールのちょっとした空き時間があったとき
だけ。


私にも、いつも一緒にいてくれる友達がいてくれたらいいのに…

「ら、ララ様、どうかご勘弁ください!!」
ピュー!
「あ~、待ってよザスティン!!せっかく新しい発明品が出来たから試してみようと思っ
たのに、一人じゃ試せないよ~」
う~ん、こうなったらザスティンを見つける発明品を作るしかないよね。どうしようかな?
見つける…追いかける…探す…犬?そうだ、匂いで探す発明品を作ろう。

ギュイーンカンカン!

「よーし、出来た!これでザスティンを見つけられる!」
ギュイーン、ギュイーン
「名前は何にしようかな?」
ギュイーン、ギュイーン
「犬だから、ワンワン…?」
ギュイーン、ギュイーン
「ああ、でもワンワンは言わない…」
…あれ?
(あねうえ~、くるりツバメのくーちゃんが、こどもたちのエサが…)
(おてんきつづきだから、おみずがすくないって…)
「…そうか!!そうだったんだ!!」
今まで機能の事ばっかり考えて、気がつかなかった。しゃべる発明品、それを作れば良か
ったんだ!じゃあまず、この犬の発明品を改造して…。

ガチョンガチョンギュイーン…カンカンカンカン!!

声帯ユニットはこんな感じかな?あとは言語をインプットしないと喋れないよね。
カタカタカタカタ…
とりあえずこのぐらいでいいかな?あとはスイッチを入れて…
カチャッ

「よーし、出来た!!」
「くんくん、くんくん、いい匂いダス~!」
「あはは、しゃべってるしゃべってる!!よろしくね、くんくんトレースくん!!」
「了解ダスー!!」
私がしゃべると、しゃべってくれる…それだけで、こんなに楽しい気分になるなんて思わ
なかったな。だって、本当に会話してるみたいなんだもの。
「じゃあ、早速ザスティンを探そ~!!」
「了解ダスー!!」
なんてやっていたら、
ガチャッ
「ララ様、そろそろパーティのお時間です」
ザスティンの方から呼びに来ちゃった。…え、パーティ?
「あ、いけない、もうこんな時間!!」
そっか、トレースくんの言語のプログラミングに意外と時間がかかってたんだ、気がつか
なかった。
「もう御召し物の方は準備が出来ておりますので、あちらのお部屋へ」
「は~い…じゃあまたね、くんくんトレースくん」
「了解ダスー!!」


数日後―――
「こっちダスーーー!!」
「よーし行こう、くんくんトレースくん!!」
そうして少し走っていると、
「見つけたダスー!!」
「あ、いた、ザスティン!!」
「げ、ララ様!!なぜここが!?」
「このくんくんトレースくんからは逃げられないよ!!」
「トホホ…」
ザスティンは見つけられるようになったけど、ザスティンも忙しいから、結局あんまりか
まってくれないの。くんくんトレースくんもしゃべるように作って、退屈しないと思って
たんだけど…
「今日もつかれたね~、くんくんトレースくん」
「つかれたダスー!!」
「また明日もよろしくね、くんくんトレースくん」
「了解ダスー!!」
よくよく考えたらトレースくん、私がインプットした言葉しか喋らないの。もっと会話が
出来るように言語入力すればいいんだけど、人間の会話全部に対応させるなんて時間がか
かりすぎるし、それに返ってくる答えは私がプログラムでしゃべらせてるだけ、そんなの
本当は会話してるって言わないよね…馬鹿だな私…発明品に喋らせたって、こんなのただ
私が一人でお話ししてるだけだったんだ…
「おやすみ、くんくんトレースくん…」
「おやすみダスー!!」


「はあ…」
「ララ様、お疲れ様です」
今日も私は他星の人たちとパーティだったの。今は侍女のみんなに着替させてもらってい
るところ。毎日いろんなドレスが着れるのは楽しいけど、知らない人たちにお行儀よく挨
拶ばかりして、やっぱり大変…。それに、大体いつもそうなんだけど、みんな私と結婚し
たら銀河の覇者だとか財産がどうとか、そんな事ばかり気にして、私を見てくれないの。
パパもザスティンも私にかまってくれないし、私はいつもひとりぼっち…
「このドレス、とっても良かったよ♪またこれが着たいな♪」
「本当でございますか!?ありがとうございます!ララ様にお褒めいただき、このドレス
も喜んでおりますよ。」
「ドレスが…喜ぶ…?」
「ええ、ララ様の美貌は、宇宙一の美しさと称えられる王妃様ゆずりですからね。また御
召しになりたいとおっしゃられて、喜ばない服なんてございませんよ。そんなララ様にい
つも着ていただける服は、宇宙一の幸せ者でございますよ。」
「いつも、着ている…服…喜ぶ…」
「どうしました、ララ様?」
そっか、そうだ。服なら、いつも私と一緒。だって、服を着てないのなんてお風呂の時だ
け、いや…お風呂だって一緒に入れる。寝るときも、パーティの時も、私は服をずっと着
てるんだ。着ている服は違うけど、服は常に着てる。だから…
「ううん、なんでもないよ♪」


どんな服にもなれる、服の友達がいればいいんだ!


「服の友達か~」
作ってみようかと思ったけど、結局トレースくんが服になるだけなんだよね~、今のまん
まじゃ。
「あ~あ、それにしても毎日毎日勉強で、本当に嫌になるよな~、モモ」
「そうですね~、最初のうちは楽しかったんですけどね」
「姉上も毎日勉強なんでしょ?大変じゃない?」
「そうだね~、私は最近王族のたしなみとかばっかり教えられて、もう退屈でしょうがな
いの。何回か抜け出した事もあるしね、あはは…」
「たしなみ~?」
「たしなみというのは礼儀作法の事ですよ、ナナ」
「べべべ別にわからなかったわけじゃないぞ、へえ~、たしなみね~」
「ナナはもうちょっと勉強しないと、会話も満足に出来なさそうですね。本でも読んだら
どうですか?」
「うわやめてくれよモモ、あんな字がびっしり張り付いたものなんてとても読めないぜ~」
会話…?勉強…?本…?
「あはははは… ?どうしました、お姉さま」
本を読んだり、勉強すれば…会話が出来る…?
「どうしたのさ、姉上?」
「ナナ!モモ!」
ぎゅっ!!
私は、妹たちを抱きしめた。
「どどどどうしたのさ姉上」
「お姉さま…私、お姉さまとなら…(ポッ)」
「二人のおかげで、新しい発明品のアイディアが浮かんだの!!ありがとう、ナナ、モモ」
「え、私たちのおかげ…?何かしたっけ、モモ?」
「さあ…お姉さまは天才ですから…」


私とずっと一緒にいてくれる友達…もう、夢じゃない!


ギュイーンカンカンカンカンチューンゴンゴンキンキン…
発明品と会話する…それには、プログラムされた答えを返すだけじゃ駄目だったんだ。
(勉強しないと、会話も満足に出来ないんじゃないですか?)
そう、勉強。私がプログラムした答えじゃない、新しい答え。発明品自身が学び、考える。
そうする事で、初めて会話が成立するんだ。だから、学んで、考えるプログラムを組まな
いと。それと、大容量の記録媒体が必要ね。空間歪曲システムとデダイヤルのシステムを
応用すれば何とかなるかな?これで質量は無視できるからね。あとエネルギーを切らさな
いように、待機状態で自動充電にしよう。となると待機状態は充電効率を考えると、服の
状態よりも少し塊に近い形の方がいいかな?…うん、この構造なら大体6時間でフル充電
出来る。デザインは前のパーティの時に着た、あのドレス。そうだ、服も自分で学習する
ようにしよう。目の部分にスキャナをつけよう。あ、そうだ、あのドレスの羽が可愛かっ
たから、あれで空も飛べるようにしよう。じゃあ半重力装置の出力を上げて、っと。ちょ
っと装備が増えたけど、よっぽど連続使用しない限りは簡単にエネルギー切れはしないか
な?よし、これで出来る、もうちょっとで。あとは…



「何コレ?」
「新しい発明品だよ♪」
「この小さな箱がですか?一体何なんですか?」
「そうそう、そうやっていっぱい喋ってね」
「え、どういう事?」
「えへへ、これはね、言葉を、会話を覚える機械なの」
「言葉?」
そう、これが新しい発明品の要のユニット。自分で打ったプログラムで起動しても、決ま
った形の会話しか成り立たない。だからまず最初に、生まれる前に、ある程度たくさんの
言葉を覚えさせて、会話を覚えさせる。幾千、幾億のパターンの会話を記録して、そこか
らどういう意味なのかを、学習プログラムでこの子は理解する。一定数の学習が出来て初
めて、この子に自我が出来る。それでも最初は簡単なやり取りしか出来ないと思う。でも
この子は、動いている間もずっと記録を続けて、考える。起動したらこの学習ユニットだ
けじゃなくてカメラの情報も記録するから、表情とかもいっぱいいっぱい覚えて、そうし
たらもっと楽しくお話できる。
「今度の発明品はね、おしゃべりできるんだよ♪」
「ええっ?!」
「人語を話すロボット、ということですね。さすがお姉さま…」
「だから今、言葉を覚えてもらってるの。自分で打つのじゃ限界があるからね~、だから
自分でどんどん勉強するようにしたの、人間みたいに」


…そう、人間みたいに。


う~ん、メモリーを見るとまだまだ足りないかな~」
やっぱり一日くらいじゃ、必要数には届かなかった。でも、きっと近いうちにこの発明品
は完成する。早くお話ししたいなぁ…あ、そうだ。私がずっと話しかければ、それでも会
話は覚えるよね。よーし!
「えーと…あ、まだ名前考えてなかった」
服のお友達…ふっくん…何だか違うなぁ…いつも一緒…無限に学習する…可能性…X…か
っこよすぎるかな…バツマーク…ペケ…ペケ…!?
「そうだ、あなたの名前はペケ!!私はララ!ララ・サタリン・デビルーク!!これから
もいっぱいお話するから、完成したら、私といっぱいお話してね♪」
それから私は、毎日暇があれば話しかけた。嬉しい事も、悲しい事も、いっぱい、いっぱ
い。もちろん常に肌身離さず持ち歩いて、妹たちとの会話も、ザスティンたちとの会話も、
パーティ会場での会話も、侍女たちとの会話も、いっぱい覚えさせた。そして二ヶ月ほど
経った時…

「あ、メモリーが必要数を超えてる…!!」
これで、出来るはず。もうボディは作ってあるから、このユニットを組み付ければ…いつ
も一緒にいてくれる、私の友達が。
カチャカチャ…
…ブゥン!

「できたーーーーっ!!」
お願い、上手くいって!!
「…」
「あなたが私を造ったご主人…ですか?」
やった、しゃべってる、成功だ!成功だよ!
「そうだよ、私ララ!はじめまして♪♪」
嬉しい…私、もう一人じゃないのかな…?
「これからずーっとヨロシクねペケ!」
「…ハイ」
しゃべってる…しゃべってるよ…私は自分で言語は入力してないのに。だからこれは、ペ
ケの意思。本当に、成功したんだ!
「よーしじゃあペケ、ドレスフォームにチェンジだよ!」
「わかりましたララ様!チェンジ!ドレスフォーム!」
そう言ってペケは、ドレスになり、私の体に…私の体まで届かずに、床に落ちた。
「…え?」
「…え?あれ?す、すみませんララ様、何せ初めてだったものですから…」
「…プッ、あはははは!!ペケおかしー!!」
「うう、恥ずかしい…」
「よーし、じゃあペケ、もう一回!」
「はい、チェンジ!ドレスフォーム!」
今度はペケはちゃんと私の体にくっつき、私のお気に入りのドレスになった。
「うわ~、ペケすご~い!本当にドレスになってる~。着心地も最高だよ!」
「当然です、何せ私はララ様も発明品ですからね」
「もう、そんな風に言われると恥ずかしいよう」
「いえいえ、本当にララ様は素晴らしいですよ」
「もう、ペケったら…」
会話、出来てる…!
「ところで今日はこれから出かけられるのですか?」
ペケから、話しかけてくる…!
「そうだね、じゃあちょっと二人でお散歩しよっか?」
「わかりました、誰を誘うんですか?」
あれ?ペケの会話が変だな?まだちゃんと出来てなかったのかな?
「誘うって、二人でお散歩するのに誰を誘うっていうの?」
「お二人で散歩するのですから、誰かを誘うのではないのですか?ララ様は今一人ではあ
りませんか」
ああ、そうか。そういうことか。ペケったら…
「ペケ、誰か忘れてない?」
「誰でございますか?」
「私と今お話ししてるのは誰?」
「私ですが…?」
「そう、ペケ!私と、ペケで、お散歩するんだよ?だから、二人♪」
「ララ様…私はララ様の服で、ロボットですが…」
「でもペケは、私の大事な大事な友達だよ♪」
「ララ様…!!」


「ペケのおかげでこれから毎日退屈しないですみそうだな~」
「ララ様の毎日は退屈なのですか?」
「そうなの!だって毎日…」
「それは…」
「だから…」
「ほうほう…」
「でね…」
「それではこういうのは…」
「あ、それは…」
私にはナナやモモのように、動物や植物とお話する能力はないけれど、
「ララ様はそんなに発明が得意なのですか、さすが私を造ったお方です」
「もう~だから照れるよペケ~」
もう、寂しくない。

「ララ様…」
「なあに、ペケ?」
「ララ様は、ずっと一緒にいてくれる方が欲しくて私を造ったという事ですが…」
「うん、そうだよ」
「ララ様は素敵な方です。いつかきっと、ララ様とずっと一緒にいてくれる方に出会えますよ」
「…ありがとう、ペケ」

「でもペケも、ずーっとずーっと一緒だからね!」

だって私にはもう、ずっと一緒にいてくれる友達がいるんだから。