※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「ふぅ、やっと着いたか。」
リト達は今オキワナ星にいる。なぜこうなったかというと・・・。
「美柑、ララどこ?」
「さぁ、見かけてないけど。」
それは夏休み最終日のこと。朝早く出かけて行ったきり帰ってこなかった。
      • 1週間後・・・
リトは美柑とザスティン、そしてヤミとペケを加えた5人で話をしていた。もちろんララのことだ。
「ちょっと結城君。」
息を切らしながら訪ねてきたのは御門先生だった。ララを探すのに協力してもらっていた。
「ララさんはオキワナ星にいるわ。」
      • ということでララを助けにオキワナ星に来たわけだが・・・。
今回はザスティンはいない。デビルーグは別の銀河に攻め込まれていて防戦一方だ。ザスティンもその戦場に行ってしまった。
さらに今回はオキワナ星も大変なことになっている。ラコスポの軍とギブリーの軍が衝突している。
またララをめぐる争いらしくリトにも参戦せよという通告がきた。
武器は特になく、仲間も少ない。
美柑や春菜、沙姫や唯や綾は戦力になるわけもない。猿山や後輩の立花もそうだ。
まだレンと御門は力があるしお静は念力が使える。ヤミ、モモ、ナナは言うまでもなく強い。
籾岡や沢田は美柑たちと同じようなもんだ。
このときから不吉な予感がしていたリトであった。

ふと後ろを振り向いたリトは何かが自分たちを狙っていることを察知した。それが銃だと気づいたリトは
「伏せろっ。」
と叫んだ。みんなが伏せた瞬間、目の前の木が倒れた。
「お前たちは・・・。」
銃を撃った本人が下りてきてそういうとヤミが言い放った。
「クロ・・・ですか。」
「金色の闇、どうしてお前がここに?」
その本人はいつしかのニコチャン大魔王似の宇宙人を倒しにきたクロで間違いなかった。
「金色の闇はもうやめてください。ヤミちゃんでお願いします。」
「いやそれは・・・。」
「何でですか、何故?」
髪でクロの首を締めながらヤミは言った。
「ちょっ、マジで死ぬぞ。」
リトの言葉にヤミはクロを解放した。
「ありがとう、リトと呼べばいいのか?」
クロがお礼を言うところをヤミは初めて見た。
「ところでクロはなぜ来たんですか。」
ヤミがたずねるとクロは無表情にいった。
「殺し屋の俺に人助けを頼むなんて・・・。頭の狂ったやつだぜ、銀河の帝王も。」
今回の依頼は「殺し」ではなく「救助」らしい。しかも依頼主は聞いただけでわかる相手だった。
「ギド・・・?」
ともあれ目的が同じなら仲間も同然、クロと一緒に行動することになった。

「おい、クロ。どうしたんだよ勝手に行きやがって。」
「わりぃわりぃ、ちょっとな。」
どうやらクロの仲間らしい。クロの仲間はヤミを見て冷汗をかきながら
「金色の闇・・・。」
といった。
「大丈夫だ。今回は仲間だ。おう、みんな。こいつは相棒だ。眼帯とでも呼んでやってくれ。」
クロがそういうと眼帯は
「そんなこと言うなよ。」
といった。リトが
「よろしく、眼帯さん。」
というと眼帯は、
「ほら、またあだ名眼帯じゃねえかよ。これで7回連続だぜ。勘弁してくれよ。」
とクロに言った。
その刹那、リト達の背後からイロガーマの軍隊が現れた。ラコスポ軍らしい。一体のイロガーマが美柑に襲いかかった。
「危ない。」
リトが美柑をかばった。その時、そのイロガーマはぴたりと攻撃をやめた。ナナを見てイロガーマの顔色が変わった。
「○△□※☆♨~。」
聞き取れない悲鳴を上げたイロガーマは逃げて行った。その行動に恐怖を感じたのかまた他のイロガーマも逃げ出した。
「ナナは動物さんに嫌われているんですね~。」
「モモ、今何て言った。」
この姉妹喧嘩は長く続いた。

姉妹喧嘩が一段落したころ、リトはある異変に気づいた。
「1人、どこ行った?」
みんなが数を数えたがやっぱり一人いない。
「御門先生だ・・・。」
御門がいなくなった。それは一番頼りになり、一番年上の人物を失ったに過ぎない。しかし、それはリトの絶望ゲージをあげることになった。
「あ、れ?」
唯の言葉に振り向くともう唯はいなかった。籾岡も沢田も、さらにはお静までいなくなった。
「なにこれ・・・、リトぉ、こわいよぉ。」
普段は精神的な面でリトを圧倒する美柑でも、今回のことは突然で意外すぎて恐怖感に襲われ、足が震えだす始末である。リトにしがみつく強さ、頬を伝う涙、そしてリトの胸に顔を押しつけながら漏れた嗚咽、すべてがその恐怖感を表現していた。
リトは自分も恐怖感に襲われていたがそこは男として、兄として、こちらのリーダー(?)として我慢し自分の妹の頭をなでた。
「キャー。」
春菜の声が聞こえた。
「西連寺、・・・どこ行ったんだよ・・・。」
春菜がさっきまでたっていた場所にはいつしかと去年の誕生日に春菜がリトに渡したのと同じじょうろが置いてあった。
「同じの・・・、持ってたんだ。」
リトは春菜の気持ちが何となくわかった気がした。もし生きて帰ってこれれば気持ちは伝えられる。でも心の半分ほどを占めているララのことに頭が回ってしまう。
そんなことを考えている間にリトの周りにはヤミと眼帯、クロと美柑しかいなくなっていた。

「何でだよ・・・。何でみんないなくなっちまうんだよ・・・。何処行ったんだよ・・・。帰ってきてくれよ・・・。」
(ララ・・・、春菜ちゃん・・・、古手川・・・、みんな・・・。)
そう言いながらリトは春菜の形見ともいえるじょうろを手に取った。
(あのころ・・・、楽しかったな・・・。)
もう思い出すしかできない。みんなとの思い出・・・。二度と体験できないかもしれない出来事・・・。もしデビルーグが生き残りララがいなくなっていたら地球はどうなるのだろう。消えるだろうか。リト一人の処刑で済むだろうか。
逆にデビルーグが滅びたらララはどうなるだろう。処刑?奴隷?召使?
そんなことを考えていると春菜が立っていたあたりから青い透明のゲル状のものがリトに襲いかかってきた。もうリトにはよけようとする気持ちもよける気力もなかった。
「リトっ。」
「み、美柑。」
リトをかばった美柑はゲル状のものにとらえられ地面へと囚われて行った。
「リト、お願い。せめてララさんだけでも助けて。」
美柑の最後の言葉だった。
(最後の最後までララのことを考えていた美柑、それに対しておれはどうだろう。まっ先にあきらめてしまった。)
「くそっ、くそぉぉ。」
自分のふがいなさとともに美柑たちへのお詫び、そしてララへの決意を胸にリトは立ち上がった。
じょうろにみんなの思いを乗せて・・・。

目の前に現れたのはソルゲムのメンバーだった。デビルーグと敵対する宇宙マフィアである彼らの狙いはララだったのだろう。
相手がソルゲムだとわかったのはあのスライムだった。効果は違っても見た目が同じなのですぐにわかった。
今、リトはクロと二人だけでソルゲムに乗り込んだ。
ヤミはトランスの使い過ぎで戦線離脱、眼帯はヤミのところに残った。
「久々だな、結城リト。お前の婚約者ならここにいるぞ。助けたければデビルーグを裏切れ。このララとともにこちら側となれ。」
リトは考えた。言われた通りにすればリトはララと助かる。でもかけがえのない人がいなくなってしまう。
いつも呼べば(頼りないが)助けに来てくれたザスティン、宇宙船の手配をしてくれたマウルとブワッツ、そしてララの父親ギド・・・。
そんなかけがえのない人たちをリトには裏切ることができなかった。
「こ、断る。」
「なら死んでもらうまでだ。」
相手の刀がリトに向かって飛んでくる。それをクロが装飾銃で受け止めた。
「早く行け。」
クロが示す方向にはわかりやすい扉があった。
「あ、ありがとう。」
リトは急いで扉を開けた。
「ララっっ。」

扉を開けた先には紫のラベンダーのカーペットの真ん中にベットが置いてあった。
当然のようにララはそこに横たわっている。
「ララっ、ララっっ。」
リトはララに駆け寄った。ララは動かない。
「ララっ、頼む目を覚ましてくれ。」
やっぱりララは目を覚まさない。リトは目を覚まさないララにそっと話しかけた。
「ララ、ごめんな。ひどいこと言って。」
「・・・・・・」
「お前、本当におれのこと好きでいてくれたんだな。」
「・・・・・・」
まえに言われたこと「リトのことが宇宙で一番好きです。」
「本当だったんだな。」
「・・・・・・」
「8月の最初、お前言ってたよな。『キスしよ』って。」
「・・・・・・」
「遅いかもしれないけど、今、させてもらうな・・・。」
リトは静かに自分の唇をララの唇に合わせた。
「ごめんな、目を開けていてた時にしてあげれなくて・・・。」
リトの頬を自然と一筋の水滴が流れた。それが涙だということはもう、リトにはどうでもいいことだった。
やがて一筋を伝う水滴の量が多くなった。声も出ず、ただただ嗚咽を漏らしながら泣くしかなかった。
頬を伝う水滴が1滴、2滴とララの顔に落ちた。
するとララは急に手を動かしてリトの首に手をかけた。
「んんん、りとぉ。」
そういうと目をこすらせながら起き上った。ララは目の前で顔を涙でぐしゃぐしゃにしているリトを見て
「りとぉ、どうしたの?」
いつものララだ。リトは思わずララを抱きしめた。
「きゃっ、リトっ、くるしいよぉ~。」
ララはそういうとその後すぐにこう言った。
「でも・・・、リトがあたたかい・・・。」
ほかのみんなもその後見つけてオキワナ星を後にした。ラコスポとギブリーはともに闘っていたのではなくララを救う「白馬の王子」を目指していただけであった。
ソルゲムは滅び、デビルーグは生き残った。
あの時リトを奮い立たせたじょうろはリトの机の上に置いてある。
みんなで撮った写真、誕生日でもらったじょうろとともに・・・。
そしてララが起きてすぐ、リトがララにしたキスは2人の忘れられない宝物となるだろう。
ものとして残らず、2人の記憶と思い出の中で・・・。