「ふー……あつ」
まったく。まだ6月だってのに、なんでこんなに暑いんだろ。
チキューオンダンカって奴の影響?
ほんっとに、はたメーワクな。
「ふう……」
おでこからダラダラ出てる汗を手でグイッと拭った。
なんなんだろ、このムアッとした空気。うー、気持ち悪。
(あー、はやく家に帰ってアイス食べたい……)
あの甘くって、冷たくって、たまんない味……

「ただいま」
「あ、お帰りー。美柑!」
居間に行ってみたら、リトとララさんがもう帰ってた。
「あれ? ララさん。今日は早いんだね」
「えへへ……。なんか、授業が早く終わったんだよ! ラッキー♪」
「ラッキー♪ じゃねえだろ……」
リトがなんだか不機嫌そうに言った。
「そりゃ、校舎が半壊すれば授業どころじゃねえに決まってるだろ……」
「えー? でも私、ちょっと実験を面白くして上げようとしただけなのにー」
「あー、もういいよ。なんとなく分かったから」
ま、どうせいつものことだし。って、あれ?
「そのアイス……」
「あ! これ、美柑が買っといてくれたんだよね。ありがと! 美味しいよー」
「お前の分は残してあるぜ」
(ん?)
ゾクリ。
なんか嫌な予感がした。
(まさか、このパターンって……)
慌てて台所まで行って、冷凍庫の扉を開けてみた。
(ない……)
「……」
なんとなく、冷静な目つきでひんやりした空気を放つ冷凍庫を見つめてしまう。
そしたら後ろから、癇に障るブリッコ声がした。
「あら、美柑さん。これ美味しいですね。どうも有難う御座います」
振り返ると、私がずっと楽しみにしてた最後の一本のアイスを口にくわえてるモモさんが、
なんだかわざとらしいニコニコ顔を浮かべて立ってた。
「モモさん……」
「あれ? 美柑さん、どうかしたんですか?」
「……」
私、眉をひそめてモモさんをちょっと睨み付けちゃう。
(もしかして、わざと?)
そこに、アイスを食べ終わったララさんがやってきた。
「あれ、モモ! それ、食べちゃったんだー。美柑のだったのにー」
びっくりしたみたいに反応して、モモさんが慌ててお辞儀して謝ってくる。
「あぁ、そうだったんですか。気が付かずにすみません」
私それ聞いて、ふぅっとため息ついちゃった。
「いいよ、別に。名前書いといたワケじゃないしね」
その時。自分の言った台詞がなんだか妙に気にかかった。
(え?)
なんか、イラッとする。
(なに、この気持ち?)
自分の感情がなんなのか分からなくって、モヤモヤして気持ち悪い。
そこにリトがやってきた。
リトの奴、バツが悪そうにポリポリ頭掻いてる。
「ありゃー、悪かったな美柑。オレたちが食べちまって」
(むっ……)
そう言われて、なんかもっとイライラしてきた。
「だから、もういいって」
私の不機嫌な声を聞いて、ララさんが心配そうに声を掛けて来る。
「あー。美柑、ごめんねー。じゃ、私の発明で……」
「もういいって言ってるでしょ!」
シーン。
(あ……やっちゃった……)
一瞬あたりがチンモクしちゃう。
私、なんだかイタタマレなくなっちゃって、
「もういいから。ご飯作るまでちょっと休ませて」
そう言って、逃げ出すみたいに階段を上がって自分の部屋にこもった。

(なんで、あんなことしちゃったんだろ)
さっきの出来事が頭から離れない。
モモさんに先に食べられた。私の大好きな……
「ああっ、もうっ!!」
バフッ。
イライラして、思わず枕に八つ当たりしちゃってた。
そんなとき、ドアからコンコンってノックの音がした。
「おーい。アイス買って来てやったぞー」
リトの声。
「ララやモモも謝ってるからさー。許してくれよ」
(許す?)
どうして? 悪いのは、八つ当たりしてる私なのに?
「おーい、美柑ー」
(あーもう、うるさいな……)
ベッドから床に下りて、カチャっとドアを開けてみる。
「あ……」
リトってば、汗だくになったままアイスを手に持ってる。
もしかして、こんな暑い中ダッシュでアイス買って来てくれたの?
「リト……」
なんだかボーッとリトを見つめてたら、後ろからひょこっとモモさんが現れた。
「ごめんなさあい、美柑さん」
(あっ!)
ちゃっかりリトに腕なんか組んじゃって!
ムカッ!
「ありがと! 冷蔵庫にしまっといて!」
私、なんだかツンッとしちゃって、2人の横を通り抜けて階段を下りていった。

その日の夜。
私、なんだか眠れなくなっちゃってた。
モモさんのニコニコ顔が頭から離れない。
(大体あの人なんなの!? 居候のくせに私のアイスどころか、私のリ……)
ハッとしちゃって目を見開いちゃう。
(い、今、私、何考えてたの?)
カァ……
なぜか、顔が赤くなっちゃってる。
「ふぅ」
いつの間にか私、上半身を起こしてベッドの上でため息をついちゃってた。
どうもしばらく眠れそうにない。暑くってジメジメしてるし。
(麦茶でも飲もうかな……)
仕方なくベッドから降りて台所まで歩いて行った。

台所から帰ってきたとき、ふと気がついた。
リトの部屋のドアがちょっとだけ開いてる。
(まさか!?)
私の脳裏に、昼間リトにくっついてたモモさんの姿が思い浮かんだ。
(……っ!)
私なんだか頭に血が上って、リトの部屋のドアを開けて中に入っちゃってた。

「スー……スー……」
リトってば、何も考えてないみたいな顔してグッスリ眠ってる。
モモさんの姿は……ない。
一応ベッドの下も見てみたけど、隠れてる様子もない。
(考えすぎ、か)
ホッと胸を撫で下ろしちゃう。
(え? 私、なんで今ホッとしたの……?)
カァ……
また、顔が赤くなっちゃった。
(は、はやく帰って寝よ……)
慌ててリトの部屋から出ようとした時、私の足が止まった。
(待って? 今ここにいないからって、ずっと来ないって言い切れる?)
「……」
なんだか、すごく不安になってきた。
もう一度振り返って、のん気に寝てるリトの姿を見てみる。
横向きに寝転んでて、隣に私が寝るくらいは出来そうだ。
(……)
私、ドキドキする胸を抑えて、ちょっとリトの布団を持ち上げてリトの横に入り込んだ。

トクン、トクン、トクン。
胸のドキドキがなんだかずいぶん大きくなってる気がする。
(また、やっちゃったな……)
前にもこんな事があって、モモさんにいっぱいからかわれたんだっけ。
クスッと笑いがこぼれてしまう。
でも、その時気が付いたんだけど、リトと一緒の布団で寝るのってすごくホッとする。
リトに抱きしめられて感じたリトの匂い。
ずっと昔から私だけが知ってる、安らぎの香り。
目を閉じてその匂いに浸ってみる。
(ん……)
今日は暑いせいかな。
リト、いっぱい汗掻いちゃってて、いつもより匂いが強い気がする。
リトの背中に顔を寄せて、鼻をフンフン言わせてもっと匂いを嗅いでみた。
(んはぁ……幸せ……)
って、あれ?
(な、何やってるの私!? こ、これじゃ匂いフェチの変態みたいじゃない……)
またカァッと顔が赤くなっちゃって、慌ててリトから遠ざかる。
「ふぅ……」
一つため息をついて、冷静になってみる。
(ま、まだ大丈夫よ。別に、あんなことしてるわけじゃないし)
って、え?
(あ、あんなことって!?)
カアァ……
私、な、なんだか、イケナイ想像しちゃって、顔が、その、ま、真っ赤っかになってる。
(な、何考えてんの、私!? り、リト相手に、そんなことあるわけないじゃない!)
考えれば考えるほど深みにハマッてくる。
ドクン、ドクン、ドクン。
私の体、火照って熱くなってきた。
フワ……
(あ……)
またリトの背中から匂いが漂ってきて、頭がぼんやりしてきちゃう。
そしたら、
ジュン……
(え?)
お腹の下の方が熱くなって、太ももが落ち着かなくなってきた。
(こ、これって……まさか……)
私、り、リト相手に濡れちゃってる!?
ドキン、ドキン、ドキン……
(や、やばいよ、私……)
どうして? どうして、リトの匂い嗅いだだけなのに、こんなになっちゃうの?
(まさか、そんな……だって、きょ、兄妹なのに……私、リトの妹なのに……
こんなのダメ……)
なのに、そう思えば思うほど、
ジン……ジン……
(あっ……)
もっとあそこが熱くなってきて、腰がどんどん我慢できなくなってきて、息まで荒くなってくる。
「はぁ……はぁ……」
(こんなの、こんなのヤバイよ……)
それなのに、リトの匂いが心地良過ぎて、頭がクラッとしちゃって、私つい、
ぴと。
(あっ!)
顔をリトの背中に押し付けちゃってた。
フワァ……
(あぁ……あっ……)
鼻から伝わってくる、暖かいリトの香り。
(なんで……こんなに気持ち良いの……!?)
「はぁ……はぁ……あっ……」
ダメ……。
私、ヨダレまで垂らして、太ももが落ち着かなくなってモジモジしちゃってる。
(ダメ……もう、我慢できないよ……)
シュル……
とうとう私ホットパンツの紐を緩めて、右手を中に入れちゃった。
ぬる……
(あっ……)
私のあそこ、すっごくトロトロになってる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
私、息遣いが荒くって速くって、すっかりコーフンしちゃってる。
(ダメ……リトの匂いを嗅ぎながらこんなことしちゃったら、私……)
フワ……
(あああっ……)
また頭がクラッとして、とうとう私我慢出来なくって、
ちゅく……
(んっ!)
リトの背中に顔をぴったり付けたまま、オナニーし始めちゃってた。
ちゅく……ちゅ……
(ダメ……こんなの……ダメなのに……)
ダメって思えば思うほど、どんどんあそこが熱くなってきて、手の動きが激しくなってくる。
「ふぁ……んっ……んあっ……!」
(ダメ……声出しちゃったら、バレちゃうっ……)
それなのに、鼻から伝わってくるリトの香りが頭の中いっぱいに広がっちゃって、
私、リトの背中に鼻をコスり付けて、もっともっとあそこをやらしく弄っちゃう。
ぬちゅ……くちゅ……ぬりゅ……くり……くにょ……
「ふああぁ……リト……リト……!」
だんだん何も考えられなくなって、リトが起きちゃうかもしれないのに声上げちゃって、
左手までシャツの中に入れて、おっぱいもクリクリ弄ってる。
「ダメぇ……リト……あっ……んっ……んあっ……」
だんだん足がピンッとなってプルプル震えて、口をいっぱいに開いちゃって、
ヨダレいっぱい垂らして、乳首とクリトリスをいっぱいクリクリしてる。
「あはっ……んああっ……リト……リトぉ……ダメ……ダメェッ……んっ!」
背中がピクンッて仰け反る。
私、とうとうリトの匂い嗅ぎながら、イッちゃったみたい……。

「はぁ……はぁ……はぁ……」
イッちゃったおかげで私、少しだけ冷静になれた。
(わ、私……リトで、しちゃった……)
カァ……
顔が真っ赤っかになっちゃう。
(私、リトの妹なのに……兄貴の匂い嗅いでオナニーしちゃうなんて……)
でも……
フワァ……
「あふん……」
(この匂い……私、ダメになっちゃう……)
まったくもう。
リトが、こんな良い匂いしてるから悪いんだからね。
(そ、そうよ。私のせいじゃないんだからっ)
それに、ただ……お、オナニーしたってだけで、リトと……そ、その、
あ、アレしたわけじゃないんだから。
(そうよ。セーフよ。セーフ!)
なんとか自分に言い聞かせて、ヤバくなりかけてた自分を取り戻す。
そんで、ふーっと一息ついて、
(さすがに、これ以上ここにいたらヤバいよね……)
そう思ってベッドの上で起き上がった。
ん?
「はぁ、はぁ、はぁ……」
なに? リトの息遣い、なんだかすごく荒いみたい。
ま、まさか……
「リト、あんた起きてたのっ!?」
ピクン、ってリトの体が反応して、寝返りを打った。
リト、目を開けてて、ほっぺたがちょっとだけ赤くなっちゃってる。
「え、えっと……お、おはよう、美柑」
ベッドの上に座り込んだリトが赤くなった顔で話しかけてきた。
私さっきのことが気になっちゃって、おそるおそる聞いてみた。
「あんた、一体いつから起きてたの……?」
「え……あ……い、今起きた、ばっかりだぜ」
「え……?」
こんなにハァハァ言ってて、すごくやばい感じなのに?
(もしかして私、気を使われてる?)
でも、そう言われたんなら、私もとりあえず合わせる事にする。
「そ、そうよね。今起きたばっかりよね」
リトは私が何やってたかなんて知らない。
だから私達はまだ今まで通り。
セーフ、セーフ。
「だ、大体、お前、こ、ここで何やってたんだ……?」
「え……えっと、も、モモさんがまた夜這いに来るかと思って……見張りに……」
べ、別に、嘘なんてついてないし。そうよ、私、見張りに来ただけなんだからっ。
「そ、そんなの、お前と関係無いだろ」
(むかっ!)
「へぇー。私が来なかったら、モモさんとイチャイチャするつもりだったんじゃないの?」
「そ、そんなわけあるかっ!」
「どーだかねぇ。今だって、妹の私に欲情しちゃってるくせに」
「え……」
(あ……!)
私、つい余計なこと言っちゃった。
リト、顔がもっと真っ赤っかになってる。
「そ、そんなわけないだろ! 誰がお前なんかに欲情するか!」
(むかむかっ!)
「へー、そーなんだ。私なんかには反応しないんだ」
「そ、そりゃそうだろ! 誰が妹なんかに……」
「じゃ、これなに?」
スッ……
「うっ!?」
私、リトの股間にそっと触れてみた。
リトのアレ、もうガッチガチに硬くなっちゃってる。
(うわ……マジ、これ……。リト、私でこんなになっちゃってるんだ……)
なんとなく挑発に乗って触ってみたけど、ちょっとドキドキしてきちゃった。
「そ、それは……あ、朝立ちってやつだ」
「はぁ?」
「男は起きた時にはそうなるんだよ。べ、別に、お前に欲情したわけじゃねーよ」
(へぇ……。まだそんなこと言うんだ……)
「ほほー。ふーん。私には反応しないんだー。そーなんだー。じゃ」
キュッ。
「うはっ!?」
私、リトのアレをパジャマの上から握って、ゆっくりとコスったりしてみた。
シュ……シュ……
「うひゃあっ!? こ、こら! や、やめろっ!」
「えー? だってリト、妹の私の手なんかには反応しないんだよねー」
シュ……シュ……
「う……うあ……やめろ……あ……うっ……」
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……
リトの息遣いものすごく荒くなってて、背中も仰け反っててかなーりヤバい感じ。
(リト……私の手で感じてる……)
……。
(こ、このくらいにしとこうかな……)
スッ。
手を離してから言ってみた。
「ほ、ほら。これでもまだ、そんなこと言う気?」
「はぁ……はぁ……お、お前こそ……」
(え……?)
「お、オレの後ろでオナッてたくせに……」
「……!!」
カアァッ……
私の顔、あっという間に真っ赤っかになっちゃった……。

「そ、そんなこと……し、してない!」
「ウソつけ」
「ウ、ウソじゃないもん! だ、だれがリトなんかで……!」
手をギュッと握り締めて、言い訳しようとするんだけど。
「へえ、じゃお前だって、オレに触られても感じないよな?」
(う……)
「そ、そんなの、当たり前じゃない!」
「ほー。じゃ、やってみてもいいんだな」
(え!?)
リト、なんだか鋭い目つきで私の方を見てる。
ヤバイ。私、すっごくドキドキしてる。
「い……いいわよ、やれるもんなら、やってみなさいよ!」
「じゃ、いくぜ」
リト、すっごく顔を赤くしたまま私の前に座り込んだ。
そんで、ゆっくりと手を私のあそこに伸ばして来て、
ピト。
「あっ!」
とうとう私のあそこ、ホットパンツの上からリトに触られちゃった。
ただ触られてるだけで別に動かしたりなんかしてないのに、
リトの手が当たってる所がすっごく暖かくなって、あそこがジーンとしてくる。
(ウ、ウソ……なんで、こんなに……いいの……!?)
腰がムズムズしてきて、太ももの辺りがソワソワしちゃってる。
「あ……あっ……!」
私、ベッドに手を着いて体を仰け反らせて、リトの手の感触をじっくり味わっちゃってた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
私の息、また荒くなっちゃってる。
ゴクリ。
目の前で、リトがツバを飲み込む音が聞こえた。
「ほ、ほら……お、お前だって、感じてるじゃねーか……」
「んっ……か、感じてなんか……あっ……な、ないもんっ……んんっ」
「へ、へえ……じゃ、う、動かしても、いいんだな」
え!?
さ、触られただけでこんなに感じてるのに、動かされたりしたら、
(私、一体、どうなっちゃうの!?)
トクン、トクン、トクン、トクン……
もう私のドキドキ、止まらなくなっちゃってる。
「う、動かしてみなさいよ……り、リトなんかに、感じるわけないもんっ!」
「い、言ったな……後悔するなよ……」
「誰が後悔なんて……んはっ!?」
クリッ。
「んんんあ~~~っ!?」
リトにクリトリスつねられて、私思いっきり声上げちゃった。
手の力が抜けて、私パタッとベッドに倒れ込んじゃう。
そしたらリト私に覆い被さってきて、手でもっと私のあそこをクニクニし始めた。
「んんっ……はぁっ……ダメっ……リトっ……そんな……そんなの……あはんっ……」
私の上にあるリトの顔が、すっごく真っ赤になって興奮してて、息もすごく荒くって、
リトの暖かい息の感触が、大好きなリトの汗の匂いが、私の顔に伝わってくる。
「んはあっ……だめぇっ……リト……そんなぁっ……あはあっ……
そんなとこ……いやっ……ああっ!!」
その時、
ス……
(え……)
リトが私のあそこから手を離した。

「はぁ……はぁ……」
私が荒くなった息をなんとか整えたとき、リトがにっこり笑って言ってきた。
「ほら、お前だって感じただろ」
(う……)
私、真っ赤っかになった顔をぷいっと横に向けて言い返す。
「し、仕方ないでしょ。体がそういう風に出来てるんだからっ!
べ、別にリトだから感じたとかじゃないんだから!」
本当は、ウソ。
分かってる。
一人でやってるときは、こんなに感じたりしなかった。
(リトに触られるのが、こんなに良いなんて……)
でも、それを知られちゃうわけにはいかない。だって、
「私たち、兄妹なんだから……」
「そうだよな……。オレたち、兄妹なんだしな」
一瞬リトと見つめ合って沈黙する。
私とリトの顔の間に立ちこめた熱い空気。
それが一向になくなろうとしないのは、きっと今が夏だからなんだろう。
トクン、トクン、トクン。トクン、トクン、トクン。
その胸の高鳴りの音が、リトのなのか私のなのか、だんだん分からなくなってきた。
少しズレていた2つの音が重なって、いつか1つになる。
そんなとき、私の口が勝手に開いてた。
「ねぇ、リト……」
「なんだ」
「あんたは私が別に好きじゃないけど、体が欲情しちゃってるんだよね」
「う……」
「私もあんたは別に好きじゃないけど、ちょっとだけならいいよ」
「え……?」
「私のここ、あんたのソレを鎮めるのに使っても……」
「……!!」
ゴクリ。
私の上で、リトが大きく唾を飲み込む音が聞こえた。

「じゃ、脱がせてよ」
私、ベッドの上で4つんばいになって、リトにお尻を向けた。
ク……
「んっ!」
リトの手が私のホットパンツにかかって、パンティと一緒に私のお尻から下げて行く。
「んんん……」
太ももにパンティがコスれる微妙な感触に、ちょっと感じちゃう。それに、
(私のお尻、リトに見られてる……)
そう思ったらすっごく恥ずかしくなって、あそこがまたジンジンしてくる。
そんで、足からパンツが抜き取られて、しばらくしてからリトが声を掛けてきた。
「いいぜ」
振り向いたらリト素っ裸になっちゃってて、アレが股間でビンビンになっちゃってる。
(うわぁ……リトのアレ、こんなに大きかったんだ……)
私、赤くなった顔をリトから背けて言ってみた。
「じゃ、そ、そこに横になりなさいよ」

裸のリトがベッドに横になって、手でアレを立たせてる。
私はその上に立って、リトを見下ろしながら言った。
「そ……その、こ、コスるだけだからね。な、中に入れないでよ。
わ、私たち、兄妹なんだからね」
「わ、分かってるさ。お、オレたち、兄妹なんだから」
そうだよ。私たち、兄妹なんだから、入れちゃったりしない。
入れなかったら、セーフ。
(そうだよ。私たち、まだ大丈夫なんだから……)
一生懸命自分に言い聞かせて、腰をゆっくりリトのアレの上に下ろす。そして、
ピト。
(あっ……)
とうとうリトのアレが私のアソコに当たっちゃった。
(あ、あ、あぁっ……や、ヤバい……ヤバ過ぎるよ、これ……)
さっきパンツ越しに手で触られた時なんか、比べ物にならない。
初めて私のここに触るのが、実の兄の……リトのアレ、だなんて。
(こんなことしちゃったら、私……)
そんなこと考えてたらもっとアソコがジュンってしてジンジンしてきて、
トロトロって汁まで垂れてきてる。
でも……
(まだ、セーフなんだからっ……)
まだ、入れてない。
リトと私は、兄と妹。
ただ、遊んでるだけ。一線は越えてない。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
息が荒くなっちゃってても、まだセーフ。
「リ、リト……はぁ……う、動く、からね……い、入れたり、しないでよ……」
「お、おう……」
私、手でリトのアレをあそこに押し付けて、腰をスッと下ろしてコスッてみた。
ビリッ!
「んあっ!?」
「んはっ」
リトのアレで私のクリトリスがコスられて、背筋を電流が駆け抜ける。
(これ、すごい……)
触ってるリトのアレもなんだかすごくビクンビクンしてる。
(リトも、感じてるの……?)
「はぁ、はぁ、はぁ……」
リトの顔も赤くなってて、熱い息遣いの音が聞こえてくる。
……。
(や、ヤバイよ……。私、何考えて……)
「も、もうちょっとだけ、してみるからね……。間違って入れたりしたら、絶対ダメだからね……」
そう言って、もう一回リトのアレの先っぽをクリトリスに当てて、
ズリュッ!
「あふ……んっ!」
「ん……あっ!」
(ああ……だめ……この感触……すご過ぎる……)
腰がもう、ブルブル震えちゃって、手で体を支え切れなくなってきた。
私、上半身を傾けて、リトの体に覆いかぶさって、もっと、もっと繰り返す。
ずりゅ……ずりゅ……
「あっ……ああんっ……んあっ……リトっ……リトっ……」
「んんっ……美柑……うあっ……あああっ……」
だんだん、私の頭の中、リトのアレの感触でいっぱいになってきて、すっごく、その……
……。
(そ、そんなはず……ないっ!)
「ああっ……ダメっ……リト……入れたりしたら……ダメぇっ……」
ずりゅっ……ぬりゅっ……
私の中から湧き上がってきた衝動を打ち消すために、一生懸命自分に言い聞かせる。
「ダメっ……入れたりしたら……絶対、ダメなんだから……!
私、そんなこと思ってないっ……あっ……あはんっ……んんっ……ダメェッ!」
リトのアレにいっぱいコスられて、もう私のあそこジンジンしっぱなしで、我慢出来なくなってきた。
「ダメ……私達、兄妹なんだから……私リトの妹なんだから……絶対……ダメェッ……!」
ポス。
私、リトのアレをコスってた右手をベッドに着いて、震える体をなんとか支えた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
私の顔の真下では、リトがすっごく興奮して赤い顔してる。
ぽたり。
(あ……)
私のヨダレがリトの唇に滴り落ちちゃった。
(あっ……)
私、リトの唇をすごく意識しちゃって、
(ダメ……)
だんだん、リトの顔が近くなってきて、
(そんな……)
リトの熱い息使いが、私の唇の隙間から入ってきて、
(リトとなんて……そんな……そんな……)
手に力が入らなくなって、
(ダメ……ダメェッ……!)
とうとう、リトの唇にキス、しちゃった……。

「んふ……」
「んっ……」
私とリト、ぴったり唇をくっつけ合って、リトの暖かくて柔らかい唇の感触が伝わってくる。
フワァ……
(ああっ……)
すぐ近くにあるリトの顔から、香りが鼻を通って頭の中全部に広がってきて、
私、リトの背中に手を回して、ギュッて両手で抱きしめちゃってた。
リトも私に答えるみたいに、私の背中を両手で力いっぱい抱きしめてくる。
「んふっ……」
「んうっ……」
(だめぇ……こんなの……私たち、兄妹なのに……こんなの……こんなのって……)
リトに抱きしめられて、唇をくっつけ合って、体全部から伝わってくる感触が、
(どうして、こんなに気持ちいいの……!?)
布団の中にいるみたいに暖かくって、香水みたいにいい匂いがして、
(ああっ……リトっ……!)
私、実の兄に捧げちゃったファースト・キスの感触を、体全部でゆっくり味わっちゃってた……。

ちゅぱ……
どれだけ時間が経ったんだろう。
私、なんとかリトの唇から離れられた。
ようやく今したことを自覚しちゃって、
(わ、私……な、なんてことを……!?)
カァ……
恥ずかしくて、顔が真っ赤になっちゃった。
「い……今のは、事故なんだからっ……ちょ、ちょっと、手の力が抜けちゃって……」
「わ、分かってるよ、んなこと……」
2人とも息がすごく荒くって、リトの熱い息が私の顔にいっぱい当たってて、
リトのアレがもう爆発しそうなくらいにビクンビクンして、
トロトロに蕩けかかってる私のあそこをグイグイ押してくる。
(リト、すごく興奮してる……)
その感触があんまり熱くって、つい私言っちゃった。
「リト……出したいの……?」
「え……」
リトの顔、もっと真っ赤っかになった。
「いいよ、入れてみても……」
「え!?」
「さ、先っぽだけならね……。奥まで入れたりしちゃ、ダメだからね……」
「み、美柑……」
ほんの10センチくらいの距離で見つめ合ってる私たち2人の間の空気が、
もう沸騰するくらいに熱くなってる。
リトがおずおずと唇を開いた。
「じゃあ……さ、美柑。シャツ、脱いでくれるか?」
「えっ!?」
「その方がオレ、気持ち良く出せるし……」
カアァ……
(それって、私の裸をリトに見せろってこと? で、でも……)
「わ……私、ララさんみたいに、胸、おっきくないし……」
リト、真っ赤な顔して恥ずかしそうにつぶやいた。
「そのな……オレ、実は……美柑くらいが、好みなんだ……」
「ええっ!?」
(な……なにそれっ!?)
わ、私、小学生で、胸なんてほとんど無いのに!?
「あんた……まさか、ロリコン……とか?」
「し、知らねーよ……」
(否定、しないんだ……)
「じゃあ、何? あんたもしかして、いつもノックせずに私の部屋のドア開けてたのって、
私の裸、見たかったからなの?」
「ん、んなわけねーだろ」
リト、必死で私から目を反らしてる。
(ふーん、そうだったんだ……)
リトがそんな趣味だったなんてね……。
くすっ。
私なんだか、急にリトをイジメたくなってきた。

私、リトのアレをあそこで踏みつけたまま身を起こして、ちょっと意地悪な目でリトを見下ろした。
「へえぇ……リト、そんなに私の裸見たいんだぁ……」
「う……」
「じゃ、見せて上げよっかなぁ……」
シャツのスソに手を当てて、ちょっとずつ持ち上げる。
「おぉ……」
リトってば、興奮した顔で私のお腹をじっと見つめてる。
(そんなに、見たいんだ……)
ゆっくり、ゆっくりシャツを上げて行って、
私のおへそがちょっと見えそうになったとこで、ピタッと止めて見る。
「私のおへそ、見たい?」
「え……」
「『美柑様。卑しい私目にあなたの美しいおへそを見せて下さい!』って言えたら、見せてもいーよ」
ふふん、と鼻で笑ってみる。そしたらリトも呆れたみたいに笑って、
「なんだよ、それ……」
ちょっと困ったみたいな顔してる。そんで、
「美柑のおへそって、すっごく可愛いよな」
急にそんなこと言ってきた。
「な、何言ってんの、あんた」
「オレ、こんな可愛い、ヘソ出しルックが似合う妹を持てて、すっごく幸せだよ……」
「な……」
カアァ……
私、顔がまた赤くなっちゃった。
(リトって、私のことそんな目で見てたんだ……)
「そ、そうなの……。じゃ、じゃあ、見せて上げても、いいかな……」
私もなんだか落ち着かなくなって、またちょっとずつシャツを持ち上げ始めた。
「……」
リトってば、私のお腹のとこをじぃっと、カタズを飲んで見守ってる。
(そ、そんなにおへそばっかり見られたら、な、なんか恥ずかしい……)
ス、ス、ス……
私はシャツをゆっくり、ゆっくり持ち上げて、おっぱいの下くらいまでたくし上げた。
「……」
「……」
リトがじっと私のおへそを見つめたまま微妙な時間が流れて、急に、
ぺト。
「あっ!?」
私のおへそに指を当てて来た!?
「り、リト!? なにすんの!?」
リトってば、おへそに当てた指をクリクリして、私のおへそをくすぐってくる。
「ひゃっ!? く、くすぐったい……あ、あははっ!?」
意味不明のリトの攻めで、私笑わされて背中が仰け反っちゃってる。
「あははっ……やめっ……止めなさいっ!」
ペシッ。
リトの頭を引っぱたいた。
「あんた、おへそフェチなの!? この変態!」
「す、すまん、つい……あんまりお前のへそが可愛くって……」
「な……」
また私のほっぺたが赤くなった。
「も、もう。次したら、おっぱい見せて上げないからね」
「お、おっぱい……」
リトがゴクリと唾を飲み込んだ。

「じゃ……」
気を取り直して、もう一度シャツをたくし上げる。
腕を交差させて、シャツのすそを持ち上げて……ん?
リトってば、私のワキをじっと見つめてる?
「あんた、どこ見てんの?」
「え……あ! す、すまん。続けてくれ……」
「……」
もしかしてリトって、ロリコンでおへそフェチの上にワキフェチ?
なんかだんだん、我が兄のダメダメな性癖が分かってきた。
(ま、いっか……)
グイッと手を上げて、シャツを頭から抜き取った。
「おお……」
今度はリト、私の乳首の辺りをじっと睨み付けてる。
私恥ずかしくなって、手でサッとおっぱいを隠した。
「……」
「……」
またビミョーな空気が私たちの間に流れる。
私のあそこの下敷きになってるリトのアレがもうビクンビクン言ってて、
今にも出したい出したいってオネダリしてるみたい。
「じゃ、リト。先っぽだけ、だからね。絶対、中まで入れちゃダメだよ」
「わ、分かってるよ……」
私、もう一度リトのアレの上に腰を持ってきて、
リトが手で立ててるアレにぴったりアソコを合わせた。
ぬちゅ……
「ん……」
少しだけ……先っぽだけ、リトのアレが私の中に入ってくる。
(ああ……これが、リトの……)
アレに少しだけ広げられてる私のあそこ、もうエッチ汁でトロットロになっちゃってる。
これだけヌルヌルになってたら、油断したらリトのアレがツルッっと奥まで入っちゃいそう。
(き、気を付けなきゃ……)
「じゃ、ちょ、ちょっとだけ、だからね……」
私、腰を少し前にズラして、リトのアレの先っぽをあそこでコスってみる。
ぬちゅ……
そしたらリトのアレ、
ビクンッ!
「あっ!?」
一瞬震えて、ちょっとだけ私のあそこを突付いてくる。
「ちょ、ちょっと! 入れちゃダメって言ってるでしょ!」
「わ、分かってるよ……。ちょっと反応しちゃっただけだろ」
「本当にもう……私たち、兄妹なんだからね」
「当たり前だ……誰が、妹のお前なんかに、入れたいなんて……」
もう、バレバレだよね。
リトってば、ウソついてる。
もうリトのアレギンギンに張り詰めてて、今にも私に入りたい入りたいって
私のあそこを突付いて来るのを、リトが必死で堪えてる。
私のアソコも、リトのアレを入れて欲しくって、疼いてたまらなくなってる。
でも、もしこれを入れちゃったら、そんなイケナイことしちゃったら、
私たちは今まで通りでは居られなくなる。
今まで通りの生活も出来なくなって、仲良しの兄妹でも居られなくなって、
きっと何もかも終わりになっちゃうんじゃないかって気がする。
だから、ここが私たちのギリギリ。ギリギリセーフの崖っぷち。
下を見れば落っこちちゃうんじゃないかって、そんなアブナイ場所で私たち、
兄と妹の一番キワドイ遊びをするのに、2人で夢中になっちゃってた。
「んあっ……リト……ダメだよ……突っついちゃ……」
「んっ……す、すまん……腰が勝手に……」
ぬちゅ……ぬちゅ……
リトのアレを手でコスりながら、震える腰をちょっとだけ上下させて、
先っぽだけを私のあそこに出し入れする。
時々グッと押し付けてくるリトのアレを手で抑えて、中までは絶対に入れさせない。
「はぁ……はぁ……み、美柑……」
「んっ……リト……出す時は、言ってよね……」
ちゅぷ……ぬちょ……
リトのアレの先っぽを手で動かして、私のクリトリスをコスってみる。
「んあ……はっ……!」
(ダメ……腰から力が抜けちゃう……)
でも、ダメ。最後の一線は、絶対に死守する。
私たちの生活を守るために。
「ん……あ……美柑……もう、出そう……」
「え……」
じゃ、そろそろこれ、離さなくちゃ。
でも……
(いいの……それで……?)
私の中でタメライが生まれて、リトのアレを手であそこに押し付けたまま一瞬体が固まっちゃう。
その時のことだった。

ピカッ!!!

「えっ!?」

バリバリバリバリ、ビシャアアアアアアアンンン!!!! ゴロゴロゴロゴロ……

「きゃあっ!?」
目もくらむ閃光と激しい轟音。いきなり、外に雷が落ちたみたい。
(な、なんで……今日、外は晴れてたのに……)
予想外の出来事に、一瞬頭を抱えて縮こまってしまう。
恐る恐る窓の外を眺めてみるけど、やっぱり雨が降ってる様子はない。
しばらくじっと窓を眺めて、リトに向かって言ってみた。
「な、なんだったの、急に……」
で、リトの顔を見てみる。
あれ?
リトってば、なんだか焦ったみたいな顔して冷や汗垂らしてる。
「どうしたの、リト」
「え……えっと、その……な。コレ……」
そう言って、私の腰の方を指差す。
「え……あ!?」
雷が鳴ったとき、私のあそこの真下にあったはずのリトのアレ。
いつの間にか、ズッポリ私の中に納まっちゃってる!?

(ウ、ウソ……)
私、とうとうリトに処女、捧げちゃった……。
(そんなの……そんなのって……)
私の頭がクラクラってして気を失いそうになった時、リトが言った。
「えっと……これって、事故だよな」
(え……? じ、事故? そ、そうよ、事故!)
「そ、そうよ、そうなんだから! ただの事故なんだから!
べ、別に私とリトが、兄妹なのに愛し合ってるとか、そんなんじゃないんだから!」
「あ、愛……?」
「え……あ!?」
ま、また私、余計なこと言っちゃって……ああっ、もうっ!
「だ、だから私……リトが好きだからエッチしたい、なんて思ってないし……
リトに入れられて嬉しいなんて、思ってないし……」
私、頭が混乱して、何言ってるのか分からなくなってきて……
「だから……だから……」
「分かってるよ、美柑」
混乱しきってる私に、リトが優しい口調で声をかけてきた。
「これはただの事故だよな。オレたち、兄妹なんだし」
そう言われて、ちょっとだけ私は落ち着きを取り戻した。
「そ、そうよ。こ、こんなの、本当のエッチじゃないんだから」
私はツンッとリトから顔を背けた。
「でも、お前初めてだったんだろ?」
「そ、そんなの、決まってるじゃない」
「じゃあさ、今回は練習ってことにしないか?」
「れ、練習?」
「お前に本当に好きな奴が出来て、そいつとエッチする時のための練習」
(そ、そんな考え方もあったんだ……)
私、コホンと一つ咳払いした。
「そ、そうね。それなら、付き合ってあげてもいい、かな……。
わ、私は、リトの妹なんだから、リトを恋人として愛してるわけじゃないんだからね!」
リト、クスッと私に笑い返してきた。
「ああ。これは、妹のお前の将来のために、練習してるだけだよな」
そう言って私の胴に手を当てて、
「きゃ!?」
体勢をひっくり返して、リトが私に覆いかぶさってる形になった。
(リト……)
リトに上から見つめられて、私またほっぺたがポッと赤くなっちゃった。
そんな私のほっぺたにリトが手を当ててきて、
「じゃ、キスの練習」
そう言って、唇を私に重ねてくる。
ぷちゅ……
「ん……」
「ふ……」
(やっぱりリトのキス、いい匂いがする……)
って、あれっ!?
ぬる……
り、リトってば、私の口に舌なんか入れてきた。
ぬちょ……ねちょ……ちゅぱ……
私の口の中でリトと私の舌が絡み合って、
歯ぐきとか、ほっぺたとか、色んな所を全部リトに舐められちゃう。
(こんな……こんなの……ダメぇ……)
「ん……んふぅっ……」
ぷちゃ……
リトの唇が私から離れた。
「あ……はぁ……」
私、頭がボーッとして、目がトロンとしちゃってる。
ほっぺたに当たってたリトの手がスルスルって私の首筋を撫でて、
「あ……あぁっ……」
肩をさすって二の腕を軽く掴んでからスーッて私の腕を撫で下ろしてく。
「は……んっ……」
リトが私の手を取って、自分の顔の前に引き寄せた。
「お前、この手でいつもオレにご飯作ってくれてるんだよな」
「え……」
「ありがとう。美柑」
そう言って、
ちゅ。
私の指先にキスをした。
「え、り、リト……ああっ!?」
リトってば、私の指を口の中に入れてペロペロ舐めてる。
「な、なにすんの、あんた! んあっ……」
私の手のひらにチュッ、チュッてキスして、そのまま舌先をスーッと滑らせて、
二の腕の柔らかいとこまで来て、またチュ、チュってしてる。
「んっ……んんっ……」
そこから少し顔をずらして、ワキの下をペロペロ舐めてきた!?
「ひゃっ!? な、なに、あ、あははっ……く、くすぐった……やめっ……あはっ!」
私がくすぐったがってるのを見たリト、なんだか調子に乗っちゃったみたいで、
両手をわきに当ててコチョコチョくすぐってきた。
「あははっ……きゃはっ……やっ……やめてっ……やめなさいっ……あははははっ……!」
私、体をエビみたいに仰け反らせて、笑いを堪えてた。
リト、今度は私の乳首に指先を当てて来た。
「えっ!?」
指先をクリクリして、私の乳首を刺激してくる。
私、そんなとこ人に触られるの初めてで、
「あ……んんん……リト……」
すっごく微妙な感じがして、体がプルプルして来ちゃう。
リトにされる度に、アレを入れられてるあそこがもっとジンジンしてくる。
「美柑のおっぱい、すっげえ可愛いよ……」
「えっ!?」
リトってば、いきなりそんなこと言ってきた。
「この微妙なふくらみ加減……滑らかな肌触り……何もかも、最高だ……」
「な、何言ってんのよ!? あんたっ」
私、また顔が真っ赤っかになっちゃった。
リト、ニヤッと笑ってまた私の乳首をコネコネしてくる。
「ん……んんっ……んっ……」
リトに変なこと言われたせいで余計に意識しちゃって、乳首がすごく感じてきちゃって、
「あ……ああっ……リト……リトっ……」
いっぱい声を上げて、感じ始めちゃってた。
リトが私の背中に手を這わせる。
「この、細い背中もいい……」
「あっ……はっ……」
腰を手でなぞる。
「くびれ始めた腰も最高……」
「は……んっ……」
お尻をムニムニッて優しく揉みほぐす。
「極めつけはこのお尻……。
マシュマロみたいに柔らかくって、スベスベで、ピチピチしてて」
「は……んん……ん……ダメ……リト……リト……リトっ……!」
体中リトに触られて、触られたところがみんな気持ち良くなって、
「はああぁ……ん!」
体をブルッと震わせて、軽くイッちゃったみたい。
リト、そんな私をキュッと両手で抱きしめた。
「あぁ……美柑……。オレ、お前みたいな可愛い妹を持って、最高だよ……」
「な、なに言ってんのよ……リト……」
「だから、練習」
「え……」
「お前も、誰かに告白する時の練習、してもいいぜ」
リトにそう言われて、私つい乗せられちゃって、
「そ、そうね。練習……よね。練習なんだから、本気にしないでよ」
そう言って息を一回吸って呼吸を整えて、ゆっくりと、
「好き……」
リトに向かって、告白しちゃってた。
「オレも、好きだぜ、美柑……」
リトもそんなこと言いながら、潤んだ目で私を見つめてくる。
「あ、あんた……マジになんないでよ……。わ、私、練習で言ってるんだから……」
「お、オレだって、練習に付き合ってるだけだぜ……」
(そうよ……これって、ただの練習なんだから……)
「リト、大好き……」
「愛してるぜ、美柑……」
私たち、もう一回唇を寄せ合って、ゆっくりと愛のこもった、練習のキスをした……。

「じゃ、そろそろ……セックスの練習、しようか」
「うん……」
リトがちょっと後ろに下がって、腰をゆっくり引き始めた。
「ん……あっ……」
さっきからずっと入れられっぱなしだったリトのアレが、私の中でズズッと動き始める。
「ひゃ……あ……んっ……」
(リトが……私の中で、動いてる……)
熱くってたくましくって、私の小さな体じゃ収まりきれないくらい。
「あ……ふ……んっ……」
さっきからリトに攻められっぱなしだった私の体すっごく感じやすくなってて、
リトのアレにコスられたとこがジンジンしてくる。
体がプルプル震えて、思わずシーツをギュッと握り締めちゃう。
「お前、すっげえ感じやすいんだな」
いきなりリトがそんなこと言って来た。
「本当は、すっげえ淫乱だったのか?」
「な……何言ってんのよ! あ、あんたが……あ!」
『あんたが相手だから……』
そんな余計なことを言いそうになって、あわてて口をつぐんだ。
「オレが……なに?」
「あ……あんたがあんまり下手くそだから、感じてるフリして上げてるだけよ!」
「ふーん、そっか」
リト、なんだかニヤリとアヤシイ笑いを浮かべた。
「じゃ、オレ下手くそだから、もっと美柑が感じるように頑張るな」
「えっ……」
クイ、クイ……じゅぷ、じゅぷ……
「ああっ……あんっ……んっ……」
リトが腰を前後するたびに、電流みたいな感触が
あそこから体の芯を通って頭のてっぺんまで突き抜けてく。
「どうだ、オレまだ下手くそか?」
「んっ……はぁ……へ、下手くそっ……んんっ……こ……こんなの……
ちっとも、感じない……あんっ……あっ……あはっ……んあっ……」
パン、パン、パン……
リトの腰の動きがだんだん速くなって、
私の頭の中もどんどん白くなってきて、それでも私……
「だ……大体……私たち、兄妹なんだからっ……
こんなので……感じたりするはず……あっ……はあんっ……」
「美柑、いいんだぜ」
「えっ……」
「感じてる練習しても」
「感じてる、練習……?」
「オレのこと、本物の恋人と思ってさ」
「ええっ……!?」
(リトが……私の本当の恋人……!?)
そう言われた途端、私の頭の中で、
ぷちっ。
何かがはじけ飛んだみたい。
「ああっ……リトっ……好きっ……!」
「美柑っ!」
パンッ! パンッ! パンッ!
リトの腰の動きが、もっともっと速くなる。
「好きっ! 好きなのっ! リトっ! ああんっ!」
「オ、オレも……好きだっ! 美柑っ!」
「リトの匂いが好き! リトに抱き締められるのが好き!」
「み……美柑っ……!」
「リトに触られるの好き! リトに入れられるの大好き!」
「う、うおおおおっ!!」
ズン! ズン!
もうリトの腰、私の体を吹き飛ばすみたいで、
「ああっ……はんっ……だから私を、リトの恋人にしてっ……
いんっ……妹なんかじゃ……我慢できないっ……いいっ……!」
「お……おおっ……オレも……美柑と……ずっと……こうなりたいって……!」
「リトっ……!」
「美柑っ……!」
リト、とうとうラストスパートに入ったみたい。
その時、私の心の片隅に残ってた、最後の自制心が私を引き止めた。
「ま、まって……リト、な、中に出したら、ダメだから……あんっ……あんっ……!」
「わ……わかってる……よ! もうちょっと、もうちょっとだけ……」
パン! パン! パン!
リトの腰、だんだん動きが細かくなってきて、そろそろ出しちゃいそう。
(そ、そろそろ抜いてもらわないとマズイんじゃ……)
そう思ったとき。

ピシャアアッ!!! ゴロゴロゴロゴロ……

「きゃあっ!!!」
また雷がなって、私思いっきりリトにしがみついちゃって、
「ああっ、お前……そ、そんなに締め付けられたら、オレ、オレ……あああっ!!」
ドピュッ!!
「あっ!?」
ドピュッ! ドピュッ! ドピュッ!
リトのアレから、熱い感触が私の体の奥に広がってく。
とうとう私、実の兄のリトに、種付けされちゃったみたい……。

ドピュ……ドピュ……ドピュ……
私とリト、2人して呆然としながら顔を見合わせて、リトの射精が収まるまでじっとしてた。
そんで、ようやく射精が収まって、何も言えずに沈黙すること1分間。
「……」
「……」
とうとうリトが口を開いた。
「ど、どうしよう……」
不安げな顔で私に尋ねてくる。
「お、お前、今日、危険日とかそんなの知ってるか……?」
「え……?」
私、ちょっと考えて、指を折って数を数えて、なんとか笑顔を繕って返事した。
「う……う、うん。た、確か、今日は大丈夫な日……だった、はず」
「そ、そっか……」
ホーッとため息を吐いて安堵の顔を浮かべるリト。
その時。
「あら、美柑さん。ウソはダメですよぉ」
いきなりリトの部屋のクローゼットの扉が開いて、物語の黒幕が姿を現した。

「も、モモさんっ!?」
私リトと繋がったまま、びっくりしてモモさんの方を見た。
「ちゃんと知ってますよ。美柑さん、今日モロに危険日じゃないですかぁ」
「え、ええっ!?」
リトが顔面蒼白になる。
「な、なんでモモさんがそんなこと知ってるのよ!!」
モモさんに怒鳴り付けたんだけど、
「私たち家族みたいなもんじゃないですかぁ。
私、家族の健康状態には常に気を配ってるだけですよぉ」
モモさん、クスクスッと笑ってそんなふざけた事言ってきた。
そんなとき、ズーンと暗い顔したリトがつぶやいた。
「お、お前……否定、しないのか?」
「え……あ!」
あんまりびっくりして、誤魔化すのを忘れてた。
「やっぱり、そうなのか……」
うなだれて落ち込んだ顔をするリト。
「ちょ、ちょっと待って、リト! べ、別に、まだ妊娠すると決まったわけじゃないんだから!」
「そうですよ、リトさん。ご安心下さい。ちゃんと用意してあるんですから」
モモさんがそんなこと言って後ろを向いた。
(な、なによ……もしかして、妊娠しないで済む道具とかあるの……)
ところが出てきた物は、ただの一枚の紙切れだった。
「はい、これ。分かりやすいように日本語に訳しておきましたから」
「え……」
その一番上に書かれてる文字。こ、これって!?
「こ、婚姻届!?」
「はい。デビルーク星の役所で使われる、公式の物ですよ」
「ま、まさか……私とリトに結婚しろっての!? わ、私たち、兄妹なのよ!」
「大丈夫ですよ、美柑さん」
ニッコリ笑って、モモさんが説明を始めた。
「本来、近親者同士の結婚が禁止されている理由は、
遺伝的に近しいものが結ばれることによって病的な劣性遺伝子が活性化して、
異常な体質を持つ子供を出産することを防ぐためなんです。
でも、私たちの星では遺伝子治療が進んでいますから、
そんな問題はとっくの昔に解決されているんです。
つまり、私たちの星の法律では、リトさんと美柑さんが結婚するのに
なんの問題もないって事ですよ」
長々としたモモさんの説明を聞かされて私、開いた口がふさがらなくなっちゃってた。
「だからって……そんなのって……私は地球人だし……そんなのダメ……!」
首を振って否定しようとするんだけど、またモモさんが話をし始めた。
「あ、そうそう。さっきグ・ウ・ゼ・ン鳴った雷ですけどね。
美柑さん、すっごくビックリしてましたよね」
「そ、それが何よ」
「女性って、恐怖を感じながら受精すると、子孫を残そうとする本能が働いて、
妊娠する確率が飛躍的に上がるんですってね」
「な……」
ニヤリ、と唇の端っこを吊り上げるモモさんを見て、私は全てを理解した。
(全部……モモさんが仕組んでたのね……!)
一つだけ残ってた私のアイスを食べたのも。
絶妙のタイミングで鳴った雷も。
思えば、この間リトの部屋に忍び込んだ時も、原因はモモさんだったじゃない。
(な、なんて人なの……!)
モモさん、驚いた顔の私を見て幸せそうにニッコリ微笑んだ。
「私、お姉さまと春菜さんの関係に憧れてたんです」
「えぇ?」
「お姉さまみたいに、素敵な恋のキューピッドになれたらいいなぁって。うふふ♪」
「……」
その時私の目に映ったのは、天使の微笑みを浮かべた紛れも無い小悪魔だった。

「さ、リトさん。ここにサインをお願いします」
「はい……」
うなだれたリトが、モモさんに言われるままにサインをする。
「ちょ、ちょっと待ってよ、リト! 何素直にサインなんかしてんのよ!」
「あらあ。だって、美柑さん。生まれて来る子供を親無しにするんですかぁ?」
「うっ……」
た、確かに、もし本当に妊娠しちゃってたら、リトの性格ならおろせとか言わないだろうし。
「はい。美柑さんも、どうぞ」
「ううぅ……」
モモさんにペンを渡されて、私とうとう、リトとの婚姻届にサインしちゃった……。

そんなこんなで、ワケも分からないまま兄妹から恋人どころか夫婦になっちゃった私たち。
どうなることかと思ったんだけど、結局奥さんのやる事って言ったら、
炊事、洗濯、お掃除、お風呂のお世話。
今まで私がリトにして上げてたことと変わらないんだよね。
ただ今までとちょっとだけ違ってるのは……おっと、リトが帰ってきたみたい。
リトってば、今日も連絡なしにずいぶん帰りが遅くなってるんだよね。
キィ……
恐る恐る、玄関の扉が開いた。
「た、ただいま……」
「遅かったのね、リト。今日は誰?」
リトがびっくりしたみたいに、手足をピンッと伸ばした。
「だ、誰って……どういう意味だよ」
私、冷や汗タラタラ流してなんか言い訳しようとしてるリトを無視して、
リトに近寄ってズボンとパンツをズルッと下ろした。
「お、おいっ!?」
んで、フンフンと匂いを嗅いで見る。
「ふーん……春菜さんかぁ……」
「いいっ!? な、なんで……」
春菜さんってフェラが得意らしいからね。それに、リサさんならもっと香水の匂いがキツいし。
私、スッと踵を返して台所に向かって歩き出す。
「あ、ごめんね。今日リトの分の唐揚げの肉切らしちゃって、冷凍のだから。さっさと食べて」
「れ、冷凍……」
リト、ガックリと肩を落として落ち込んでる。
ま、これくらいの罰は当然よね。
大事な妹で、大事な恋人で、しかも大事なお嫁さんの、私を放り出して遊んでたんだから。
私クスッと笑って、本当はさっき揚げたばっかりの唐揚げを食べたリトが
ビックリするとこを見るために、リトを引き連れてゆっくり台所まで歩いて行った。
(終)

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最終更新:2010年06月26日 23:01