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 ♪~♪~

 
携帯のアラームが朝の静寂を破る。
 
「ん…もぅ朝か…」
 
男の手が携帯に伸び、アラームがなりやむ。
 
「ん…くっ……はぁっ…」
 
男―結城リトは伸びをしつつ辺りを見回す。
 
少しボロいが綺麗に片付いた部屋。
シンプルな薄緑のカーテンからは柔らかな日の光がこぼれている。
 
そしてベッドには女の子が寝ていた。
パジャマがかなりはだけた状態で。
 
 
しかし気にすることもなく彼はベッドから抜け出し服を整え台所へと向かう。
 
手始めに鍋に水をはり火をかけてから冷蔵庫を開ける。
 
「えーと、卵卵卵ぉ~っとネギに豆腐にワカメに味噌に…おっ、浅漬け残ってたか。」
 
冷蔵庫から次々に食材をだし、慣れた手つきでネギを刻みだした。
 
鼻歌を歌いながらテキパキと朝食を作りあげていく。
 
数分後
リトはテーブルに朝食を並べ終えていた。
 
さっとフライパンを洗いながら
(そろそろあいつ起こそうかな…)
などと考えていると…
 
頬に何かが触れた。
 
 
 
「…朝からハレンチだなお前…」
 
ビクッと頬に触れた何かが飛びのいた。
 
「は…ハレンチじゃないわよ!結城くんが私を置いてっちゃった罰なんだからね!」
 
リトに口づけをしたのは先程の女性だった。
 
知的そうな印象を受ける黒のロングヘアーに、対照的な陶器のような白い肌、整った顔立ち、紛うことなき美少女である。
 
白のキャミソールに黒のホットパンツというラフな格好も彼女が着ると不思議に落ち着いて見える。
 
 
少しばつが悪そうに話す相手にリトはからかうように言葉を返す。
 
「お前風紀委員だったのにいいのか~?籾岡辺りが見たら『身体だけじゃなくて心までハレンチになったんだね~』ってじゃれついてくるだろうな…」
 
その一言で女の子の顔は真っ赤になった。
 
「いいの!もう私風紀委員じゃないしそれに身体って何よ!そもそも私た…」
 
女の子のお説教を彼は唇で強引に遮る。
 
ふむっ…くちゅ…くちゅ…ぷはっ…
 
突然の行動に顔をさらに赤らめながら混乱している彼女の顎ににそっと手を当てる。
 
「そもそも…私達は一緒に暮らしてるからキスくらい当然のことだ、かな?」
 
女の子はむすっと頬を膨らませそっぽを向いてしまう。
 
「…当然のことじゃ…ないわ…今だって…特別だもん…」
 
「え、なんだって?」
 
「な…なんでもないわよ!というよりやっぱりハレンチなのはそっちじゃない!」
 
怒りをおさめることは失敗してしまったようだ。
 
怒りに任せて彼女は寝室に戻ってしまった…
 
 
 
「あのさ、唯。」
 
ベッドの上に座る彼女は今だ頬を膨らませたままであった。
 
「なによ…結城くん…」
 
「お前と飯食べたいなぁ…なんて…」
 
一瞬の間が開き彼女は口をあけた。
 
「…そんなに私と食べたいの?」
 
「食べたいにきまってんだろ…一人じゃ味気ねーし…」
 
「じゃあ籾岡さんと食べたら?」
 
「あいつ地元いるだろ!そうじゃなくてさあ…」
 
言葉を探して頭を振り考えこむリト。
 
 
「………二年前の…二次試験んとき言ったろ…」
 
リトは恥ずかしそうに顔をを俯かせた。
 
「何を?」
 
「…お前さあ…」
 
「何を言ったの?もう一度聞きたいなぁ…」
 
小悪魔というものはかくあるもの、といった表情でリトを見据える彼女。
 
(…久しぶりだな唯のSモード…)
 
息を深く吸い、ゆっくりと吐き出す。
 
(うっわ…なんでこんな緊張してんだろ…)
 
「唯…俺唯のことが…」
 
 
リトの口から紡ぎ出される告白の言葉に彼女の顔が更に赤らんでいく。
 
数分後
切れ切れの告白の言葉を言い終え唯に向き合う。
 
「わかった?お前と一緒に飯食いたい訳は…」
 
顔を赤らめたまま俯く彼女。
 
(なんで顔赤くしてんだよぉ…俺の顔赤くさせてんのお前のせいだろ…)
 
「違うわよ…」
 
「へ?」
 
(そんなわけない…って俺よく一字一句覚えてたな…)
 
「あの時は古手川って呼んでた…
今、唯って呼んでくれた…」
 
「はぁ?」
 
彼女の真意がわからず混乱するリト。
 
「あの時より…あの時より…私のこと、好き?」
 
(そんなこと…)
 
気がつくとリトは彼女を抱きしめていた。
 
「当然だろ!唯は…ううん…唯だけが…俺の特別だから…」
 
すると、リトの背中に回された手に力が込められる。
 
「…結城くんも…私の…特別だよ。」
 
どちらからともなく結ばれた唇。
互いの舌が相手を貪るように絡み合う。
 
まるで時が止まったかのような濃密な時間が流れはじめた
 
燦々と輝く太陽が彼らを照らし続ける
 
「ずっと、ずっと、一緒よね…?特別だよね…?」
 
「………当たり前だろ。」
 
おわり