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(なんでこうなっちまったんだ……)
結城リトは、手の平の上で眠る、
まるでフィギュアのような小さな裸の少女の姿を見て途方にくれていた。
(これって古手川なんだよな……)
思わず小さな唯の裸体を凝視してしまうリト。
艶やかな黒髪、透き通った白い素肌。
ふくよかな乳房の先端には小さな桜色の突起が付いている。
(す、すげぇ……こんなに小さいのに、ちゃんと女の子の体だ……)
これが本物のフィギュアなら、きっと高値で取引きされることは間違いない。
しかし、手の平にとくん、とくんと伝わる小さな鼓動の響きは、
触るとぷにっと柔らかく凹むしなやかで暖かい肉の感触は、
このフィギュアがまぎれもなく生きた人間であることを示していた。
そして、成熟間際の女性である証拠も──
(な、なにやってんだオレ!? 古手川に悪いじゃんか……)
リトは恥ずかしくなって思わず目を背けてしまう。
と、その時。リトの手の上で唯が目を覚ました。
「ん……あれ、私……ひゃ!?
あ、あなた……結城くん!? なんでそんなに大きいの!?」
「いや、お前が小さいんだって」
「え!?」
慌てて周りを見回す唯。
「ほ、本当に私、小さくなって……え!?」
そして、自分の裸がリトに見られていることにも気が付いてしまった。
「ハ、ハレンチなーっ!!」
かぷっ!
「いてぇ!?」
唯は小さな口で思い切りリトの指先に噛み付いた。
唯はリトにもらったハンカチで身を包み、ぷんぷん怒り出した。
 
 
「まったく! 人が気絶してる間に体を小さくして、裸にして遊ぼうなんて!
あなた、もしかしてフィギュアとか好きなんでしょ!」
「ち、違ーよ! お前が勝手に小さくなったんじゃねーか!」
「なんで私が勝手に小さくなるのよ……あ」
唯はさっきの出来事を思い出した。
ララがリトに抱き着いたはずみに発明品を廊下にブチまけ、
その片付けを手伝ったときに身体に何やら電気ショックが走ったのだ。
そして授業中に気分が悪くなり、リトに保健室に送ってもらう途中でこうなったのである。
「そっか。アレのせいで……」
改めてリトを睨み付ける唯。
「やっぱりあなたのせいなんじゃない」
「なんでだよ!?」
「だってあなた、ララさんの保護者なんでしょ?
ていうかもしかして、私の裸を見るためにわざと……」
「だーっ! もういいから、オレがなんとかしてやるから!」
リトは軽くため息を吐いた。
「で、これからどうする? 教室に戻るか?」
「絶対イヤ。見世物にされちゃうじゃない」
「じゃ、しばらく保健室で御門先生に預かってもらうか?」
その言い方に、唯はちょっとカチンと来てしまう。
「なにそれ。私って、あなたの所有物なの?」
「そ、そう言うわけじゃ……」
唯は少し涙ぐんでリトをなじり始める。
「あ、あなたのせいでこうなっちゃったんだから……。
責任持ってあなたが面倒見なさいよ……」
リトは小さな唯の表情をじっと見つめた。
(古手川、不安なのかな……)
唯を安心させる様に、リトはフッと優しい顔で笑いかけた。
 
 
「分かったよ。オレのせいだしな。
今日はお前が元に戻るまで、ずっと一緒にいてやるよ」
「え……」
思わず頬が綻んでしまったのを見られまいと、唯は赤らめた顔をツンッとそっぽに向ける。
「と、当然よ。あ、あなたのせいなんだからね」
とくん、とくん、とくん。
小さな胸で高鳴る小さな鼓動の音は、小さな唯にとってはとても大きく感じられるのだった。
 
「あぁ……じゃ、オレ古手川を家まで送ってくから。先生にはテキトーに言っといてくれ」
携帯電話でララに連絡を入れたリトは、胸ポケットに唯を入れたまま歩き出した。
唯は少し罪悪感を覚えてしまう。
(私、自分のワガママに結城くんを付き合わせちゃってる……)
二人が校門から出る頃、唯が言った。
「いいの? 結城くん、本当に」
「良いって。どうせ次数学だから、オレ寝てるだけだし。
これでサボる口実も出来たしな」
途端にムッとして教育ママの顔になる唯。
「あー。そんなこと考えてたのね。じゃ、お家に着いたら数学の勉強しましょうか」
「い!? いいよ別に、マジ勘弁して……」
情けないリトの顔を見て、唯はクスリと笑ってしまう。
「ほーんと。あなたっていっつも、かっこ悪くてハレンチで、ダメ人間よね」
「わ、悪かったな」
リトはそっと胸のポケットを手で覆った。
「え……」
「古手川、寒くないか?」
大きなリトの手に覆われて、唯の体がじんわりと、
まるで毛布に入ったような暖かさに包まれて行く。
「あ、ありがと……」
「ああ」
ニッコリと唯に笑いかけるリト。
(結城くん、優しい……)
別に成績が良いわけじゃ無いのに、気が利く訳でも無いのに、
いつもここぞと言う時には自分を助けてくれるリトに、
唯は運命的な繋がりを感じていた。
(やっぱり私、この人を……)
そんな事を考え始めた時、リトの肩にポンッと手が置かれた。
「あー。サボリ野郎見っけ~」
「え!?」
(も、籾岡さん!?)
ビクゥッ!
リトと唯が同じ表情で硬直した。
「な、な、なんだよ!?」
「あんたさっきさー、唯を送ってくって言ってたくせに、なんで一人で帰ってんのー?」
「え!? こ、これには事情が……」
「ま、いっけどさ。んじゃ、二人でデートしよっかー」
「はあ!?」
(えっ!?)
リトと唯がまたしても、今度はかなり違う表情で硬直した。
「な、な、なんでオレとお前がデートなんて……」
慌てて断ろうとするリト。
しかし、リトの胸のドキドキは全部ポケットの中の唯に伝わっていた。
(なによ、デレデレしちゃって! 結城くんってば!)
「だってぇ、私たちサボリ仲間だしぃ。センセーには黙っててやるからさぁ」
「お、オレはやることが……」
リトの顔を下からマジマジと覗き込む里紗。
「えー? 何すんのぉ……って、何これ?」
「あっ!」
(きゃ!?)
里紗はヒョイっと唯の小さな体をポケットから引っ張り出した。
「これ、フィギュア? 結城ぃ、あんたこんな趣味あんの?」
「え、あ、その……」
(さ、触んないでぇ!)
唯は咄嗟に体を硬直させてフィギュアのフリをしようとしたが、
それがかえって里紗に興味を持たせてしまい、
回されたりひっくり返されたりして体の隅々まで観察されてしまった。
「ふーん、良く出来てんねぇ、これ。結城、あんた結構器用だったんだぁ」
「あ、じ、実は、な……」
リトがしどろもどろの反応をしていると、里紗がクイッと唯の足を広げて股間を覗き込んだ。
(きゃあ!?)
「うっわー……これ、超リアル! あんた一体誰の見て作ったの? やっぱララちぃ?」
「え!? あ、いや、その……」
(な、なんで否定しないのよ! もしかして結城くん……)
自分が恥ずかしい思いをしているのも忘れて、リトを疑い始める唯。
「そっかぁ。あんたフィギュア作りに忙しいんだね」
「そ、そうなんだ。す、すまんな」
里紗はリトのポケットに唯の体を戻した。
「んじゃバイバーイ! 仲良くね、結城と唯♪」
「な……」
(き、気が付いてたのね……)
からかうように手を振って里紗は颯爽と歩き去って行った。
 
里紗に弄ばれた唯はすっかりキゲンを損ねていた。
「ふんっ! 大体、結城くんの態度がはっきりしないのが悪いのよ!」
「わ、悪かったよ……」
 
何が悪かったのか正直良く分かっていなかったが、リトはとりあえず謝っておく。
「なにその態度! ほんとにもう……」
リトをなじる言葉を止めて、唯が急に真剣な口調になる。
「結城くん、聞きたい事があるんだけど」
「な、なんだよ」
少し顔を赤らめる唯。
「あなた、ララさんのあ、あそことか、観察してるの?」
「え!? ん、んなわけねーだろ!?」
「ふーん……」
リトはそっと唯の体をポケットの上から撫でる。
「ララとはそんなんじゃねーよ」
「本当に?」
リトが答える前に、背後からドドド……とダンプカーが走って来るような音がした。
「今日はエロエロ美少女フィギュア展覧会ですぞー!!」
「こ、校長!?」
振り向くと、凄まじい速さで校長がこちらに向かって駆けて来ていた。
(も、もし今、私が校長先生に見付かったら……!)
おぞましい想像に唯の全身が身震いしてしまう。
「に、逃げて! 結城くん」
「お、おう!」
慌てて駆け出したリトだったが、
リビドー全開で駆けて来る校長のスピードには叶わずに
あっという間に追いつかれて体当たりされてしまった。
「のわーっ!?」
(きゃーっ!!)
リトの体がぶっ飛ばされ、唯の体までポケットから飛ばされそうになる。
「やべっ!」
リトは手を懸命に伸ばして唯の体を掴み取ろうとするが、
はずみで唯の体がリトの襟元からシャツの中に入ってしまう。
「うおっ!?」
ドガシャーン!
リトの体はゴミ箱に激突して止まり、校長はどこかに走り去って行った。
 
唯はリトのシャツの中にいたおかげで飛ばされずに済み、大事には至らなかった。
(私、今どこにいるの?)
白いシャツの中から這い出てみると、
目の前に柔らかく萎びた大きな柱のようなものがある。
(こ、これって、まさか……!?)
唯はどうやらシャツの下側から出てしまったらしい。
目の前にあるのは、転倒したはずみでベルトが外れて
ズボンとパンツが脱げてしまったリトのペニスそのものだった。
(お、男の人の……)
カアァ……
唯の顔が恥ずかしさに赤く染まってゆく。
その時リトが目を覚ました。
「あたた……」
「ちょ、ちょっと、結城くん! そんなのしまいなさい!」
「え……あ! す、すまん……」
リトは自分が股間を晒している事に気が付いてトランクスを引っ張り上げようとする。
その瞬間、再び校長が現れた。
「んん!? こっちに美少女の匂いを感じますぞ!?」
「はぁ!?」
慌てたリトは立ち上がりながらズボンとトランクスを直す。
そして、それは唯にとって最悪の結果を生んでいた。
(きゃああああぁ!?)
 
リトの体が垂直になった途端にトランクスの中に落ち込んだ唯の体は、
リトのペニスと抱き合う形になってしまっていた。
「はうっ!?」
気が付いた時には既に遅かった。
走る度にリトのペニスは柔らかく暖かい美少女フィギュアのような唯の体に擦られ、
心地よい快感を覚えてしまう。
(うそ! うそぉ!?)
「はうぅ……や、やべぇ……古手川……」
思わず前屈みになりながら走り続けるリトのペニスが次第に勃起して大きさを増してゆく。
しかも校長に追いかけられているので、
立ち止まって服装を直すわけにもいかない。
(な……なにこれぇ……や、やだぁ……!)
目の前の電柱のような太く熱い肉棒に血管が浮き上がり、どくん、どくんと脈打っている。
それに無理矢理抱き着かせられている唯は、
あまりのおぞましさに気を失いそうになっていた。
(ゆ、結城くんの、バカァ!)
そして、唯の裸体全部にペニスを愛撫されているリトは──
(や、やべ……オレのチンコ、古手川に……うあぁ……!)
ただでさえ免疫のない裸の女の子の唯が、
恥ずかしい自分のペニスに全身で抱き着いている……。
そのあまりに倒錯的な状況に興奮し、ますますリトはペニスをフル勃起させてしまった。
「う、うおっ!」
思わず立ち止まり、ズボンの上から手で唯の体を自分のペニスに擦り付けてしまう。
(きゃあああっ!? な、なにしてんの! 結城くんのヘンタイっ!)
ずりっ、ずりっ。
唯は、もう自分の背丈より大きく成長したリトのペニスにひしと抱き着かされて、
裸の体全体をペニスにシコシコ擦り付けられてしまった。
「あふぅ……こ、古手川ぁ……」
 
快感のあまり喘いでしまうリト。
(もう! 結城くんの、大バカアッ!!)
体全部をリトの性玩具にされて唯が涙目で怒りを溜めているうちに、
校長がリトに追い付いてしまった。
「やべっ!」
しかし、校長はそのままリトを追い越していった。
「え……?」
見れば、少し離れた所にヤミが冷静な表情で立っている。
「ヤミちゅわあああああんっ!! ワシのエロエロフィギュアになってええええぇ!!!」
そして1秒後、お約束のように校長はヤミにボコボコにされていた。
 
「た、助かったよ、ヤミ」
「例には及びません。しかし、あなた……」
ヤミがチラ目でリトの股間の方を見ている。
「え? ……あ」
リトは自分の股間がまるで変態オヤジのようにもっこりと盛り上がっているのに気が付いた。
もちろん、その中身は唯なのだが。
「妄想もほどほどにしておくことですね。その男のようになりたくなければ」
余りにも説得力のある一言を残してヤミは立ち去って行った。
そして──
「結城くん……」
「うっ……」
自分の股間から鳴り響くおどろおどろしい声にリトは戦慄を覚える。
恐る恐るズボンを下ろしてトランクスを引っ張って見ると、
勃起したペニスの前で唯が手を組んでじっとリトの顔を睨み付けていた。
「何か言いたい事は?」
リトは冷や汗を掻きながら言った。
 
「お、オレの、結構大きいだろ?」
「ふーん……」
唯の額に青筋が増殖していく。
唯はリングロープに持たれるプロレスラーのように
トランクスのゴムに寄り掛かって蹴りの体勢を整える。
「確かに、これだけ大きければ蹴り易くていいわね」
「え……ま、まさか……」
「せーの」
キーン!
「あぎゃあっ!?」
蹴られてはならない場所に思いっきりクッションを効かせた蹴りを受けて、
リトは股間に手を当ててぴょんぴょん飛び跳ねた。
 
◇  ◇  ◇
 
二人は唯の家に着いた。
「えっと……家の人になんて言えばいいかな」
「そ、そうね……」
二人が困っていると、玄関から遊が出て来た。
「おっ、結城! 唯ならまだ帰ってねーぞ」
仕方なく遊に事情を話すリト。
「えと……じ、実は、かくかくしかじかで……」
「はぁ?」
にわかには信じ難い話だったが、
ポケットから顔を出した唯の顔を見て遊はようやく納得した。
「相変わらずお前ら、ぶっとんだ人生送ってるなぁ」
「ちょ、ちょっとお兄ちゃん! 私も一緒にしないでよ!」
「でも、嬉しいんじゃねーか、唯。ユーキくんと一緒にいられて」
「え?」
「な、何言ってるのよ! お兄ちゃんってばもうっ!」
慌ててぶんぶん手を振り回す小さな唯の顔は、恥ずかしさで真っ赤になっていた。
「ま、とにかく上がれよ」
二人は唯の部屋に上がり込んだ。
 
(うぅ……なんかまずいものとか置いてなかったかしら……)
整理整頓の行き届いた唯の部屋だったが、それでも唯は少し不安になってしまう。
「えっとさ、古手川。お前、人形とか持ってる?」
「え? 少しなら小さい時のが」
「じゃ、服とか着られるんじゃねーの?」
「そ、そうね……」
 
リトは遊に頼んで人形を持ってきてもらった。
「うわぁ……」
ベッドの上に並んだ、小さい頃一緒に遊んでいた可愛らしい人形の数々を見て、
唯の脳裏に幼い日々の思い出が蘇ってくる。
ミカちゃん人形はお嫁さんで、男の子の人形が旦那様。
可愛い赤ちゃん人形のオムツを変えて上げたり、小さな食器でご飯を食べさせて上げたり。
(楽しかったな、あの頃……)
思わずほっぺたが緩んでしまう。
そんな人形たちと自分が同じ大きさでいるというのは、なんとも不思議な気分だった。
「これとか着られそうだな」
リトはフリルの付いたお姫様のようなピンク色の可愛いドレスを見繕った。
(これが着られるなんて、ね……)
小さい頃、可愛い洋服を着ている人形達がすごく羨ましかった覚えがある。
リトにお姫様の服を着せてもらいながら、
10年越しに叶った夢に唯はクスリと微笑んでいた。
ふと、リトはお姫様とペアになった王子様の人形を手に取った。
「あれ? 王子様もいるんだな」
「うん。この娘のフィアンセなのよ」
「へー」
リトがベッドに置いた王子様の人形の顔をじっと見つめる唯。
小さい頃想像してた王子様はすっごくかっこよくて、
悪い怪物をやっつけてお姫様を助けてくれる、なんでも出来る理想的な存在だった。
(王子様、か……)
ふと、唯はリトの顔を見た。
リトは決していつもかっこいい万能の王子様なんかじゃない。
かっこ悪くて、だらしなくて、女の子には弱くって、優柔不断で……
(でも……)
不良に襲われていた自分を助けてくれたあの時だけは、リトは自分の王子様だった。
 
そして、今もこうして自分のピンチを助けて、慰めてくれている。
(結城くん……)
ずっと昔に抱いていた思いと今の想いが入り交じり、胸が暖かくなってくる。
(私の王子様って、やっぱりこの人なのかな……)
そんな想いを込めて、唯はほんのり頬を染めながらちらりと振り返ってリトの顔を見た。
ふと、リトが声を掛けてきた。
「じゃオレ、ララに電話してくるな」
「え……」
ララに頼めば、きっと自分は元に戻れるのだろう。
そしたら、何もかも元通り。
今は自分に優しくしてくれているリトも、きっと──
(……)
唯の胸に、ポツリと一滴の雫が染み込んで行く。
リトがドアを開けて外に出ようとしたとき、唯は弱々しく声を掛けた。
「待って、結城くん……」
「ん?」
リトが振り向いて無邪気にじっと唯の顔を見つめた。
「あ……」
なんとなく、唯は目を背けてしまう。
「ごめんなさい。なんでもないの……」
「そっか」
リトはドアを開けて外に電話を掛けに行った。
 
一人になった部屋で唯は考えていた。
(私、さっき何を言おうとしたんだろ……)
何かが胸から溢れ出そうになっていた。
しかし、口にする事は出来なかった。
唯はふぅっとため息を吐いて、膝を抱えてベッドに座り込んだ。
 
横には、唯のドレスを着ていたお姫様の人形が裸になって寝転んでいる。
一番奇麗で一番優しい、王子様に相応しいお姫様。
(あなたを見習わなくちゃ、ね)
唯はなんだかお姫様の友達になれた気がして、思わずクスッと微笑みを浮かべた。
その時、玄関先から明るい声が響いて来た。
「ヤッホー! リト♪」
(あ、もう来たんだ……)
何やら話し声がする。
きっと自分を元に戻す算段をしているのだろう。
(仕方ない、か……)
ふぅ。
唯はまた軽くため息をついた。
そしてしばらく経った後、スタスタと軽い足音がしてララが部屋に入って来た。
「こんにちは。唯♪」
「こんにちは、ララさん」
唯はお姫様の服を着たままララに挨拶を返した。
「えっとねー、唯。王子様のお人形、貸してくれる?」
「え? いいけど、何するの?」
「いいからいいから!」
ララはにこやかに微笑んで王子様の人形を手に取り、後ろを向いて何かを弄っている。
そしてまた振り向いて──
「はいっ!」
「あ……!」
差し出したララの手の平の上では、
唯と同じ大きさになった王子様姿のリトが照れくさそうに頭をポリポリ掻いていた。
唯は唖然としてしまった。
「ゆ、結城くん、なんで……」
リトは少し顔を赤らめて、照れ臭そうに言った。
 
「だって、約束しただろ。
今日はお前が元に戻るまで、ずっと一緒にいてやるって」
「あ……」
とくん。
唯の胸がじんわりと暖かくなる。
(結城くん……)
また、リトは分かってくれた。
自分が一番して欲しい事を──
「じゃ、私帰るね。じゃーね!」
「あ……」
ララはスタスタと歩いて立ち去って行った。
 
「……」
「……」
王子様のリトとお姫様の唯は、ベッドの上で恥ずかしそうに向かい合って座っていた。
俯き加減でちらり、ちらりと相手の顔色を伺う。
そんなことを続けた後、唯がクスッと吹き出した。
「な、何がおかしーんだよ」
「だって、結城くんが王子様だなんて」
またクスクス笑ってしまう。
「わ、悪かったな」
リトが落ち着かな気にそっぽを向いたとき、唯はリトの手を取って立ち上がらせた。
「ほら。ダンスの時間よ、王子様」
「お、おい」
唯が口笛で優雅な舞踏会の音楽を奏で、それに合わせて二人が踊り始める。
「ズンチャッチャ、ズンチャッチャ……」
楽しそうに微笑みながら、軽やかなステップで踊る唯。
「おっ……ととっ……!?」
 
それに比べてリトのステップは酷くぎこちなく、間違えて唯の足を踏んづけたりしてしまう。
「あいたっ! あなた、本当にダメな王子様ね」
「す、すまん……ていうか、お前やけに上手くないか?」
唯はクスッと笑みを浮かべた。
「昔ちょっと練習してた事があって。こういうの、ちょっと憧れてたから」
「へー……」
しばらくダンスを続けた後、唯が促した。
「結城くん、ちょっと私の手を持っててくれる? くるくるって回って見るから」
唯はリトに手を添えてもらって回転しようとしたが、
バランスを崩して倒れそうになってしまう。
「あっ!」
「おいっ!」
リトは慌てて唯の背中を支えた。
(あ……)
支えるリトの手に沿って唯の背中が仰け反り、目の前にリトの顔が大きく映し出される。
(結城くん……)
一瞬、息が止まってドキドキしてしまう。
しかしリトは、ちょっと意地悪な顔でニヤリと笑った。
「もしかして、キスするとか思った?」
唯はハッとして、ふんっと口を尖らせて顔を背けた。
「だ、誰がそんな期待なんてしてるっての!?」
リトはクスリと笑い、空いた手をそっと唯のあごに当てた。
「オレ、ちょっと期待してるんだけどな」
「え……」
期待に満ちた目でリトに見つめられて唯の顔が一瞬強張り、
それが解けていくにつれて、唯の瞳が少しづつ潤んで蕩けてゆく。
頬はほんのりと朱に染まり、呼吸には微かに甘い音が入り交じり始めていた。
「結城くん……」
「古手川……」
「えー、オホン」
扉の方からわざとらしい咳払いが聞こえて来て、ビクッとして離れてしまうリトと唯。
「お、お兄ちゃん……」
「えっと、風呂の用意したんだけどな……。邪魔して悪かったな。じゃ」
気を効かせて立ち去ろうとした遊だったが、唯は声を掛けて引き止めた。
「ちょっと待って、お兄ちゃん。私たち、お風呂入る」
「こ、古手川!?」
「ほー、私たちねー」
唯はクスッとリトに笑いかけた。
「ね、いいでしょ。王子様♪」
 
遊は二人の体が丁度収まるくらいの茶碗を用意して洗面器の中におき、
そばにポットを置いた。
水を入れた茶碗にポットのお湯を入れて湯加減を調節し、
二人の体を背中合わせで茶碗に入れる。
「ほら、出来たぜ」
「ありがと、お兄ちゃん」
「じゃ、ごゆっくり」
遊は手を振って部屋を出てからパタリと扉を閉めた。
 
暖かい茶碗風呂の中で、
リトと唯は背中合わせのままゆっくりと互いの息遣いを感じていた。
(私、結城くんと一緒にお風呂に入っちゃってる……)
トクン、トクンと鼓動が高鳴って来る。
リトがふう……と気持ち良さそうに息を吐いた。
「結構、気持ち良いもんだな」
「うん」
「でも、ちょっと不思議な気分だよな。部屋の中で風呂に入るなんて」
「ほんとね。こんな風にならなかったら、一生経験出来なかったでしょうね」
「そーだな。こんな経験してるの、世界でオレたちだけだろーな」
「別に、やりたかったワケじゃないんだけどね」
「あはは……」
リトの苦笑いを聞きながら唯はクスリと微笑んで、眼を閉じてお湯の暖かさに感じ入った。
(私と、結城くんだけ……)
ここはいつもの自分の部屋のはずなのに、自分が小さいおかげでとても広く感じられる。
この広い、広い世界の中で、リトと二人きり、生まれたままの姿で背中を合わせている。
(結城くん、あったかい……)
なんとなく二人だけの秘密を持てた気がして、唯の胸がほんのりと温かくなっていた。
二人の気分が落ち着いて来た頃、リトが優しく声を掛けた。
 
「な、古手川」
「なに?」
「お前の肩って、結構きゃしゃなんだな」
「結城くんの肩がおっきいのよ」
アハハ……。二人で笑い合う。
「男と女って、結構違うもんだよな」
「そうね」
唯は少し意地悪な口調で呟いた。
「さっき誰かさんのせいで、イヤになるくらいに実感させられたしね」
「え!? あ、あれはその、じ、事故だし……」
「ほーんと。私、結城くんと知り合ってからエッチな事故に会ってばっかり」
「わ、ワザとじゃないんだけどな」
「ふーん……」
唯はいったん言葉を切り、リトの心の内を窺うような口調で囁いた。
「結城くんは、私にワザとエッチな事したかったこと、ないの?」
「え……?」
「さっき言ったよね。期待してた、って」
とくん、とくん、とくん。
背中から伝わる鼓動の音が次第に速さを増して来る。
触れ合った肌が汗ばんでいるのは、お湯の暖かさのせいだけではなかった。
「で、でもオレ、古手川がイヤがってるのにそんなこと……」
「バカ」
唯は一瞬恥ずかしそうに唇を結び、少し震える声で呟いた。
「私、イヤだなんて言ったかしら」
「え? でもさっき……」
「誰も言ってないでしょ。私が、期待してないなんて……」
「古手川……」
どくん。どくん。どくん。
背中から伝わる鼓動の音が太鼓のように大きくなる。
その音に導かれるように、二人はごく自然に振り向いて見つめ合った。
緊張と期待と不安が入り交じって赤くなった顔には、
二人が求める答えがそのまま書いてある。
リトはその答え合わせをするように、ゆっくりと呟いた。
「好きだ、古手川……」
唯はそれを聞いて、得意げにニッコリと笑った。
「ふーん。結城くん、私のこと好きなんだ」
照れ臭そうに頭をポリポリ掻きながらリトが尋ねる。
「お、お前はどうなんだよ」
嬉しそうにクスクス笑う唯。
「教えてあ~げない!」
「はぁ?」
唯はリトの目の前でそっと瞳を閉じた。
頬がほんのりと上気し、何かを期待する様に微かに震えている。
「私の気持ちが知りたかったら、自分で聞き出してみせてよ……」
「古手川……」
とくん、とくん、とくん。
胸の鼓動が高鳴り、全身が熱くなってゆく。
その衝動の赴くままに、リトは唯を抱き締めてゆっくりと唇を重ねた。
「ん……」
ちゅぱ……ちゅぱ……
愛おしい相手をもっと味わっていたい。
そんな気持ちが溢れ出す様な熱いキスを交わすリトと唯。
二人の肌と肌が触れ合い、柔らかな乳房は堅い胸板に押し潰されて、
手は二人が決して離れない様にしっかりと互いの背中を包み込んでいた。
リトの腕に、折れそうなくらいに細く、華奢な唯の背の感触が伝わり、
愛おしさに胸が押し潰されそうになる。
 
唯を求めるリトの心が重さになって唯の体にのし掛かり、
唯はリトに押し倒されて茶碗のヘリに寄り掛かっていた。
ぷは……
はぁ……はぁ……
トロリと垂れ下がる透明なアーチに結ばれた二人の唇の間に、
愛情に満ち溢れた熱い空気が立ち込める。
唯の瞳は蕩けて潤み、
躯の奥から湧き上がる熱さを目の前の愛しい男性に鎮めて欲しくて堪らなくなる。
「来て……結城くん……」
その言葉に導かれるように、リトは暖かい湯船に腰を沈め、
求めている場所に求められている物を当てがった。
「はんっ……ん……」
腰に力を込めると、既に濡れそぼっていた肉の襞が、
リトの愛欲の棒を拒みながらも受け容れてゆく。
「うんっ……くっ……」
その拒みが心地良くて。
受け容れられるのが愛おしくて。
リトは自分の愛を唯の中に捻じ込んでゆく恍惚感に震えていた。
「あはぁっ……結城くんっ……」
唯の頭がぐっと仰け反る。
「ん……んっ……あっ!」
ピクンッ!
唯の貞操の膜にリトの欲望の徴が突き刺さり、
唯の本当の姿を隠していた偽りの衣が剥がれ落ちた。
「あぁ……結城くんっ……!」
膣奥から脳天に突き抜ける傷みを受けながら、唯は力の限りにリトの肉体を抱き締めた。
幼い貞操観念に縛られた自分が口に出せなかった淫らな欲望を、全て叶えてもらえる様に。
自分と一つになったリトの体が、二度と自分から離れないように。
締め付ければ締め付けるほどリトの愛も力を増し、体の芯を熱く蕩けさせる。
「くっ……古手川っ……」
ズンッ……!
「あうっ……!」
激しく求める唯の劣情をねじ伏せるようなリトの渾身の一突きに唯の胎内が痺れ、
二本の白い脚を折り曲げてピクピクと痙攣させる。
するり……
「は……!」
リトの手の平が唯の背中を優しく撫でた。
「は……あぁっ……」
膣内の熱い痺れが身体中に広がり、極度に鋭敏になった唯の肌は、
指先で微かに触れられるだけで身震いするほどの熱さに痺れてしまう。
薄く開いた唇からは、
今までずっと胸の奥底に隠して来た目くるめく熱情が一気に溢れ出していた。
「はぁっ……あぁっ……結城くん……好き……好きぃっ……」
愛を叫ぶたびにリトと心が通い合う気がして、何度も繰り返し愛の言葉を吐き続ける唯。
その度に唯の声は、心の昂ぶりを示す様に高く、鋭くなってゆく。
「結城くん……結城くんっ……! あ……あっ……あーっ……!」
パシャッ!
下腹部からせり上がってくる白い快楽が唯の脳天を包み込んだとき、
唯の寄りかかっていた茶碗が倒れてお湯が洗面器に溢れ出た。
リトはそのまま腰の抽送を続けた。
ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ……
「あっ……あんっ……あんっ……! ダメ……私……ダメぇっ……」
リトの突きに合わせて甲高い嬌声を上げ続ける唯。
もう、そこにはいつもの風紀に拘る優等生の唯はいなかった。
脚をはしたなく広げ、体奥の疼きを愛する人の熱い凶器で抉って鎮めて欲しいと、
甘く甲高い嬌声を漏らして貪欲に求め続ける。
 
「あん……んあっ……あっ……あっ……!
結城くんっ……ダメぇ……そんなの……私……もうっ……んんっ……!」
ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ。
茶碗から転げ落ち、水浸しになった洗面器の底で、
まるで人形劇のように小さな二人が交わり続ける。
「くっ……うっ……古手川っ……!」
リトは乱暴に唯の豊満な乳房を鷲掴みにし、
熱く蕩けた肉壺への挿入の快楽を思うがままに貪った。
そして、
「あっ……あっ……あーっ……! ダメ……ダメ……ダメぇっ……!
あっ……ああぁっ!」
唯の声が一際甲高く、耳をつんざくほどになって来たとき、
リトは渾身の力を込めて思い切り腰を唯に叩き付けた。
パンッ!!
「うっ!」
ドピュッ!
「あ……っ!」
ビクンッ!
一際大きく、ちゃぷんと音を立てて唯の背中が仰け反る。
生まれて初めて愛する人の生命の雫を体の奥の奥に受け入れ、
唯は身体中に広がる電流のような痺れに陶酔して身を震わせていた。
「は……あぁ……結城くん……」
ドピュ、ドピュ、ドピュ……
恍惚の表情を浮かべてリトが精液を唯の胎内に注ぎ込んでゆく。
(私……中に出されちゃってる……)
朦朧とした意識の中、唯はその事実をごく自然に受け容れていた。
もしかしたら、自分はこれで妊娠してしまうのかもしれない。
でも、リトなら。この人なら。
 
絶対に自分を見捨てたりしないだろう。
(だって結城くんは、私の王子様だもんね……)
唯はクスリと満足げな微笑みを浮かべてリトの体をひしと抱き締め、
暖かいお湯の中で愛する人と一つに繋がれた悦びに浸っていた。
 
二人が抱き合ったまま初体験の余韻を味わっていると、
カチャリとドアが開いて遊が入って来た。
「おー。終わったか、お前ら」
「えっ!?」
びっくりして声を上げ、慌ててリトを跳ね除ける唯。
「お、お兄ちゃん!? た、立ち聞きしてたの!?」
ニヤニヤ笑って遊が答える。
「つーか、お前って結構激しいのな」
「な……」
カアァ……
唯の顔が見る見る内にタコよりも赤くなり、シューシューと湯気が上がり始める。
「お、お兄ちゃんのバカァッ!!
デ、デリカシーってものをわきまえなさいよっ!! もぅっ!」
真っ赤な顔で激怒する唯を気にする風もなく、遊が続ける。
「まあ、そう言うなって。お前の寝間着持って来てやったんだからさ」
遊はヒョイっと人形用のネグリジェを取り出した。
「あ、でも要らなかったか? 裸の方が良いよな」
「お、お兄ちゃんっ!!」
あはは、と笑いながら遊は二人の体を洗面器から取り出し、
柔らかいタオルにくるんでベッドの上に置いた。
「じゃ、お二人さん。ごゆっくりお楽しみ下さいませ」
「な、何言ってるのよ!! お兄ちゃんっ!!」
「じゃーな」
 
遊は軽く手を振って、パタンとドアを閉めた。
「まったくもう。お兄ちゃんってば……」
まだ顔を赤くしたまま兄に不平を言おうとして息を荒げている唯に、
リトはからかうような笑顔を向けた。
「で、どうする? やっぱ、もう止めとく?」
唯はリトの笑顔をまともに見る事も出来ずに、ツンッと後ろを振り向いてしまう。
「あ、あなたの好きな様にすれば良いでしょ! もう……」
そう言っている唯のほっぺたは、もうリンゴの様に赤く染まり切っていた。
リトはフッと軽く笑みを浮かべ、後ろから唯の体をギュっと抱き締めた。
「あっ……」
まだ少し濡れた暖かいリトの胸に包み込まれて、唯が軽く吐息を漏らす。
互いの肌と肌で触れ合った二人の体は、トクン、トクンと鼓動の音を共有し合っていた。
「じゃ、オレするぜ。オレの大好きなことを、オレの大好きな人と、な」
「え……?」
胸の前で交差したリトの腕が優しく唯の乳房をまさぐり、
指先が乳首をこね回し始める。
「んっ……」
リトの股間が当たった背中に、リトの熱情が込められた肉棒の感触が伝わってくる。
その熱さが唯の腰にまで沁み通り、
さっき覚えたばかりの愛される快楽を求め始めてしまう。
はぁ……
身を震わせながら思わず熱い吐息を漏らしてしまった唯が、たどたどしく呟いた。
「本当にもう……。男の子って、エッチなんだから……」
「女の子も、エッチなんじゃねーの?」
「バカ……」
唯は体から力を抜いて、後ろからのリトの愛撫に身を委ねた。
「あはっ……あ……結城……くん……」
遊の言葉の通り。
若い二人の情熱は、まだまだ収まりそうになかった。
 
◇  ◇  ◇
 
「ん、んーっ……」
翌朝目を覚ました唯は両手でグーッと大きく伸びをした。
キョロキョロと辺りを見回してみると、
いつもと変わらない自分の部屋の風景が広がっている。
(私、元に戻ってる!)
喜んだ次の瞬間、
(あ……)
昨夜のリトとのエッチを思い出して顔を赤らめてしまう。
(結城くんは?)
隣にはリトの姿は無い。
(帰っちゃったのかな……)
と、思ったとき。
胸の谷間で何かがモゾモゾ動くのを感じた。
「きゃ!?」
慌てて乳房の間を覗き込んでみると、そこにはまだ小さいままのリトが挟まれていた。
「む、むぎゅう~っ。こ、古手川、助けてくれ……」
豊満な唯の乳房に挟まれて圧死しそうになっているリトの情けない姿を見て、
唯はクスッと笑みを浮かべた。
「結城くん。昨日はどうもありがとうね。私をいっぱい気持ちよくしてくれて」
「え!? そ、それは……」
「だから今日は、私が結城くんを気持ち良くして上げるね」
「わ!?」
唯はリトの体が挟まった乳房の両側に手を当てて、
むにゅ、むにゅと乳房でリトの全身をマッサージした。
「な、なにを!? むぎゅううぅ……」
「これ、パイズリって言うんでしょ? 結城くん、嬉しい?」
「ぱ、パイズリってレベルじゃねー!? むぐうぅ!?」
唯のふくよかな乳房に包まれて究極の全身パイズリを味わうリトは、
気持ち良いのか苦しいのか分からない複雑な表情で呻いていた。
唯はゴロンとベッドに寝転んで、手で持ち上げたリトの体をじっと見つめた。
「うふっ。結城くん、可愛い♪」
指でちょんちょんリトの股間を弄ってみる。
「わ!? こら、よせっ」
リトは顔を真っ赤にして慌てて股間を押さえた。
唯は少し意地悪げな笑みを浮かべた。
「こら、結城くん。昨日はよくも私をオモチャ扱いしてくれたわね」
「え!? オ、オレはそんな……」
「罰として、これから私のお人形になりなさい」
「はぁ!?」
唯はニコニコしながらリトの体を下ろした。
「さ、お洋服着せて上げるね! じゃ、これ着てくれる? 結城くん」
嬉しそうな顔で可愛いお姫様の服をリトに着せようとする唯。
「ひ、人の体で着せ替え人形遊びすんなー!」
抵抗もむなしく、とうとうリトはお姫様の服を着せられてしまった。
「はいっ、出来た。きゃー、可愛いー!」
「とほほ……。なんでオレがこんな……」
元の大きさに戻るまで、リトはゆっくり唯の遊び道具にされたのだった。
(終)