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いつもの目覚ましの音。
寝癖のついた頭を掻きながら、オレはララの部屋へ向かう。
「おいララ、起きろ」
ノックをしながら待つが、反応がない。

何だ、起きてんのか。

欠伸をしながらリビングに下りて、キッチンの妹に声をかける。
「おはよ・・・・」
「おはよ、リト」
また欠伸をしながらソファに腰掛ける。
いつもと同じ風景だったが、一つだけ違う。

「あれ?ララは?」



曇り空の下、オレは一人で学校に向かっている。
探したが結局ララは何処にもいなかった。
先に行ったのか?とも思ったが、靴も鞄もあった。
小さな溜息をつく。
「ったくアイツは・・・・」
オレの一人言は濁った空に虚しく吸い込まれて行った。


そうこうしてる内にオレは学校に着いていた。
朝礼までまだ時間がある。アイツが居そうな所を探してみるか。
鞄を置きに教室に向かう。
「おはよう、結城くん」
「よぉ、西連寺」

春菜ちゃんがオレに挨拶を!!・・・・といつもだったら喜んでいたが今日は違う。
「あれ?ララさんは?」

それが朝から居なくて・・・・と言いかけた。が、

「え・・・・となんか用事があるから休むってよ」
「そうなんだ・・・・」
と少し淋しそうな春菜ちゃん。
皆に心配かけたくない。
それにララはオレ一人で見つけてやる。

そしてオレは10分かそこらで学校中を走り回った。
それでもララは見つからない。

それからの授業は殆ど頭に入ってこなかった。
ララの席を見ると不安が募る。

大きな溜息をつく。
何処にいんだよ・・・・

そして三時限目が終わり、休み時間になった。
いつもだったら早弁したりするが、今日は違う。
「あのバカ・・・・」
「・・・・誰がバカなの?」
「へっ?」
声のする方を見たら、長い黒髪の女子が立っていた。「お、おう古手川。どうかした?」
「べっ別に・・・・ただ溜息ばかりついてるから・・・・その、具合でも・・・・悪いのかと思って・・・・」
なんつーか予想外だった。「心配してくれてんのか?」
「ちち違うわよ!!私はね!風紀委員だから我慢されて更に具合悪くなられちゃ困るから言ってるの!!」
何で怒るんだよ・・・・
「大丈夫だよ。サンキュ」そう言うとなぜか古手川の顔が赤くなる。
「べ、別に・・・・///」
そう言いながら自分の席に戻っていく古手川。
オレはその背を見ながら苦笑する。
あれが古手川なりの心配なんだろうな。

とは言ったものの、ホントは怠くて仕方がなかった。保健室とかに行っても何にもならないしな・・・・
いっそのコト早退でも・・・・そう思いかけた途端、あるコトを思いつく。

そうだ・・・・保健室だ!!
あそこには御門先生がいる!あの人なら何か・・・・!

ガバっと立ち上がる。
「古手川!やっぱオレ保健室行ってくる!」
「えっ?ちょっ、結城くん!?」
古手川の反応を無視してオレは教室を飛びだす。

「何よ・・・・全然元気じゃない・・・・」


途中で先生に会ったり四時限目開始のチャイムが鳴ったが全部無視して走った。

保健室が妙に遠く感じた。

「御門先生!!」
半ば乱暴にオレはドアを開けた。
「あら、結城くんじゃない。ノックぐらいしなさいよ?」
「あ・・・・スイマセン」
「それで?どうしたの?」「実は・・・・」

オレは全部話した。
ララが急に、連絡も無しに居なくなったこと。

「あの・・・・それで・・・・先生なら何か知ってるかもって思って・・・・」
先生は考え込んでるようだ。
「先生は・・・・何か分かりますか?」
「結論から言うと・・・・ごめんなさい、分からないわ・・・・」

・・・・マジかよ・・・・。
先生でも・・・・

「彼女は一応姫だし・・・・気まぐれなトコあるから常に居場所を把握してる、なんてコトは難しいの」
「そう・・・・ですか」
「・・・・大丈夫よ、心配しないで。彼女は直ぐ戻って来るわよ」


それからオレはどうやって教室に戻ったかよく覚えてない。
希望が潰えた気がしたが、どこかで夜になったらひょっこり帰って来るさ、と思っていた。

それからの授業も殆ど頭に入らず、オレは机に突っ伏していた。
「はぁ・・・・」
今日何度目か分からない溜息が出る。

学校って・・・・こんなにつまんなかったっけ・・・・

たかだか6時間程の時間が永遠の様に感じた。


漸く学校が終わり、オレは急いで家に帰った。

「どうだった?ララさん・・・・いた?」
「いや・・・・」
「そう・・・・」
美柑も不安そうだ。
「私もザスティンさんが何か知ってると思ってお父さんに電話したの」
「どうだった!?」
「そしたらザスティンさんも居ないんだって・・・・」
「そうなのか・・・・?」
「どうしたんだろうね・・・・二人とも」

何なんだ、一体。


「ちょっとオレ、この辺り探してみるよ!」
「わっ私も行く!」

こんな所でジッとしてられっか。


オレ達は二人で手分けしてララの行きそうな場所を探し回った。



気がつくと時刻はもう9時を回っていた。
「美柑、お前は先帰ってろ。オレはもう少し探すから」
「なら私も-」
「こんな時間なんだぞ。危ないだろ」
「わ、分かったわよ・・・・あんたもやり過ぎないでね?」
「ああ」

そう言ってオレはまた走り出した。
色々な所へ行った。
少しでも可能性がある場所にも行った。
何度も。何度も。





そして日付が変わって少し経った時、オレはフラフラと家に向かっていた。
疲労困憊で、制服のまま着替えずにベッドに倒れこんだ。

 

いつもの目覚ましの音。
ついさっきベッドに倒れ込んだ気がした。
寝癖のついた頭を掻く。

学校・・・・か。
行きたくねぇなぁ・・・・

ララがいないだけでなにもかもが違って見える。
まだ一日会ってないだけなのに、もう随分と会ってない気がする。
一緒にいるコトに慣れすぎたのかな。
大きな溜息をつく。

ああ、ララに会いたい。

そうなんだよな。
ただ自分で認めたくないだけであって、もしかしたらオレ、ララのコト-

「何やってんの!遅刻するよリト!」
美柑の声だ。
仕方なくリビングに下りる。

ソファに腰掛け、溜息をつく。

「リト・・・・元気出しなさいよ。ララさんは絶対帰って来るから!」

オレは黙っていた。
ああやってオレの為に強がってみせて。
美柑だって悲しいのに。
ごめんな。

「ああ・・・・」
でも今のオレはこんな返事しかできなかった。

と、不意にリビングのドアが開いた。
そこにはなんと---

「ララ!!??」
「おはよ~二人とも!」
「ララさ・・・・え?」
「お、おいララ、お前今まで何処に・・・・」
「え?ザスティンと一緒にデビルーク星行っててついさっき帰って来たんだよ♪」

デビルーク星・・・・??

「・・・・リト?」

「お前なぁ!オレらがどんだけ心配したと思ってんだよ!!」
思ったより大きい声が出ていたのは、ララと美柑がビクッとなったコトで分かった。
「急に居なくなって!!連絡もしねーで!!」

当のララはポカンとしている。

「ホントにお前は・・・・」
「ちょっ、リト・・・・そんな怒らなくても」

ララはまだえ?という顔をしている。

「連絡っていうか・・・・手紙・・・・書いておいたよ?」

は?手紙?手紙??

「手紙なんて・・・・無かったぞ・・・・?」
「あっ・・・・そっかぁ」

?何がそうなんだ?

「ポストに出しちゃった・・・・」


え?


なんじゃそりゃ・・・・・・・・

「おま・・・・そんなの口で言えばいいじゃねーか・・・・せめて直接渡せよ・・・・」
「え~?だって手紙ってポストに出すものでしょ??」「いやまぁ・・・・そうだけどさ」
「ふふっ、ララさんらしいね!」
「でも・・・・ごめんね、二人とも。心配かけて」
「ホントに心配したんだから」
ホントだよ、ったく。

「それと・・・・心配してくれてありがとね!」

・・・・ズルいだろ。
そんな笑顔見せられたら怒る気無くすっての。

「まぁその、無事帰って来てなによりだよ」


・・・・ってやべぇ!
もうこんな時間じゃねーか!
「早く行かねーと!遅刻すんぞ!」
「あっ・・・・私もだ・・・・」
「じゃあ行こ、リト!」
ララがオレの手を引いて走り出す。
思わず口元が綻ぶ。

そうだ、これだ。
戻った。一日振りに。


--いつもの日常が。