to-love-ru-eroparo @ ウィキ
http://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/
to-love-ru-eroparo @ ウィキ
ja
2024-01-16T21:33:18+09:00
1705408398
-
ララのお弁当
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/109.html
<p>「ただいまー。あー、ハラへったァ。」<br />
お腹を擦りながらキッチンに入ってくるリト<br />
「おかえりー」<br />
「今日のメシって何?」<br />
「今日はカレイの煮付けと、お豆腐だよ」<br />
トン、トン、トンとまな板の上で包丁が軽快なリズムを奏でる<br />
煮付けに添えるゴボウを包丁で切りながら、美柑は鼻歌交じりに応えた<br />
「ふ~ん」<br />
リトは気のない返事を返すと、弁当箱をテーブルの上に置いてリビングに戻っていく<br />
「ただいま~美柑♪」<br />
「おかえり、ララさん」<br />
リトと入れ違うようにキッチンに入ってくるララ<br />
「今日のゴハンって何?何?」<br />
リトとまったく同じ事を聞くララに、美柑は小さく笑った<br />
「今日はララさんの好きなおサカナだよ」<br />
「わァー♪」<br />
満面の笑みを見せるララに美柑もうれしそうに笑う<br />
ララは美柑の隣に行くと、ひょいっと横からまな板を覗き見た<br />
「ん?」<br />
「ん~、やっぱり美柑ってすごいんだね」<br />
「え?」<br />
「いつもおいしいゴハン作ってくれるし、毎日違うメニューだしさ」<br />
「そ、そんなコトないよ」<br />
照れくさいのか、顔を赤くしながらそわそわする美柑<br />
「メ…メニューだってかぶっちゃう時あるよ!まァ、気をつけてはいるけどネ」<br />
「大変じゃないの?毎日」<br />
「え…」<br />
美柑を見つめるララの目はどこまでも純粋だ<br />
(もしかして……気を使われてる?)<br />
少しすると美柑はまな板に向き直った<br />
「…正直、タイヘンかな」<br />
小さくぼやく様に話す美柑<br />
「でもね……一度もイヤって思ったことはないよ!」<br />
「どーして?」<br />
「だって、ララさんやリトがおいしいって言ってくれたらうれしいよ!それだけでも十分かな」<br />
「ホントに?」<br />
「うん!それに料理の腕も上がるし!一石二鳥って感じ!!」<br />
「いっせき…にちょー?」<br />
頬に指を当てて難しい顔をするララ<br />
「地球の言葉で、一つの行動で二つ同時に得しちゃうってコト!」<br />
「へ~」<br />
「…ねェ、ララさん」<br />
「ん?」<br />
「ララさんも作ってみる?」<br />
「え?」<br />
美柑はテーブルに置かれたリトの弁当箱を取り上げた<br />
「リトのお弁当。最近、あいつすごく食べるのよ!食べ盛りか知らないけど」<br />
「お弁当…リトの?」<br />
「そ!やってみる?」<br />
ララは弁当箱を手に取ると、美柑と弁当箱を交互に見つめ、そして笑顔で答えた<br />
「うん!がんばってみる!!」<br /><br /><br />
次の日の学校<br />
昼休み、ララから屋上に来てと言われたリトは言われたとおり屋上へとやって来た<br />
「ハラ減ったー」<br />
鉄柵にもたれながら力なく項垂れるリト<br />
今日はどういうワケか美柑から弁当を貰ってないので、お昼はまだ何も食べてはいない<br />
美柑曰く<br />
『昼休み楽しみにしてるといいよ』<br />
ぐぅ~<br />
と、お腹の虫が鳴った<br />
「ったく、美柑のヤツ、何考えてんだ…」<br />
リトがそうやって愚痴っていると、屋上入口からララがやって来た<br />
「おまたせーリト!!」<br />
「おせーよ」<br />
ララの遅めの登場に半眼になるリト<br />
「えへへ、ゴメンね」<br />
本当に申し訳なく思っているのか、ララはいつもの笑顔を浮かべている<br />
ただ、今日はその笑顔がいつもより少し違う様に見える<br />
リトは頬を指で掻きながら、どこかそわそわしているララを見つめた<br />
(ララのヤツ、どーしたんだ?)<br />
ララは後ろでに何かを隠しながら、その場に座った<br />
「とりあえず、リトも座って」<br />
「お、おう」<br />
ララはリトの前に来ると、後ろ手に隠していた物を見せる<br />
「じゃーん!!」<br />
「へ?」<br />
目の前のソレに目が点になるリト<br />
「何コレ?」<br />
「ん?お弁当だよ!今日は私が作ってきたんだ♪」<br />
「弁当って……ウソだろ?」<br />
目の前のソレは、いつもの弁当箱よりも数倍大きい入れ物に入っていて<br />
しかも、箱と蓋の間から何やら怪しいケムリがモクモクと出てきている<br />
「リトのために頑張ったんだよ」<br />
「へ…へー」<br />
リトの額にはすでに冷や汗が浮かんでいる<br />
(…マジかよ)<br />
ララはニコニコ笑いながらリトの隣に行くと、さっそく弁当の蓋を開けた<br />
(げ…)<br />
中から溢れ出して来たのは紫や緑色をしたナニか<br />
ララはソレをスプーンで掬うとリトの口元に持ってくる<br />
「ほらリト、あーん」<br />
「……」<br />
「ん?もっと小さくしたほうがいい?」<br />
「そーじゃなくて」<br />
ララを見るリトの目は半眼で、どこか怒気を帯びている<br />
「何コレ?」<br />
「え?何ってお弁当だよ」<br />
リトはもう一度、目の前のスプーンに乗ったプルプルしたゼリー状の何かを凝視する<br />
(…弁当って……)<br />
「あれ?リトって嫌いな物あったっけ?」<br />
リトは深い深い溜め息を吐く<br />
「…そーいう問題じゃねーよ。お前コレちゃんと味見したのか?」<br />
プルプルしている何かは、しばらくすると突然ブクブクと泡立ち始める<br />
リトの顔がますます蒼白になっていく<br />
「味見?してないよ!だって食べちゃったら、リトの分なくなっちゃうでしょ?」<br />
「お前…」<br />
「それよりさ、食べて!食べて!」<br />
ぐいぐいスプーンを押し付けてくるララに、リトはあからさまに顔を歪めた<br />
鼻に付く強烈な匂い、今やゼリーでもない液体状になっている何か<br />
(こ、こ、これはシャレになんねー)<br />
リトは思わず腰を浮かして逃げる態勢に入ってしまう<br />
「リト♪あーん♪」<br />
目の前には目をキラキラさせているララ<br />
リトはゴクリと唾を飲み込んだ<br />
「リト♪」<br />
「……」<br />
しばらくスプーンを見た後、決心したリトは口を開けてソレを飲み込んだ<br />
「わぁ♪どう?どう?おいしい?」<br />
「……」<br />
リトは何も答えない。そればかりか、スプーンを咥えた瞬間から何だか固まってしまっている<br />
「リト?」<br />
気になったララがリトの頬を指で突くと、リトはそのまま白目を向いて仰向けに倒れた<br />
「リトっ!?」<br />
急いでリトを覗き込むララ<br />
何度も呼ぶララの呼び声もむなしく、リトはそれから数時間目を覚まさなかった<br /><br />
そして、夕方の結城家<br />
大事を取って御門先生に診てもらう事になったリトはララに先に帰る様に言った<br />
何度も一緒にいると言い張るララだったが、なんだか怒ってる様子なリトにそれ以上なにも言えず、一人家に帰って来た<br />
玄関のドアの前。ララはドアの取っ手を握りしめながら、俯いたまま動こうとはしなかった<br />
手が動かないし、頭がぼーっとしてしまってうまく考える事もできない<br />
「リト…」<br />
リトのために<br />
そう思って作ってみたものの、結果は散々どころか、逆にリトを怒らせてしまい<br />
ただ喜ぶ顔が見たかっただけなのに<br />
ララはドアを開けると「たたいま」と小さな声で呟いた<br />
「おかえりー!」<br />
リビングの奥からパタパタと足音が聞こえてくる<br />
「ララさん、どーだった?」<br />
美柑はおたまを片手に玄関に駆け寄ると、帰ってきたララに真っ先に成果を聞く<br />
ララの顔は浮かない<br />
「え…ララさん?」<br />
実は昨日、美柑は途中までしかララの料理を見ていなかった<br />
他の家事もある美柑に付きっきりで教わる訳にもいかず、途中からはララ一人で頑張ったのだ<br />
靴も脱がず玄関に立ったままのララの様子に、美柑はみんなわかってしまった<br />
「ま、まァ、誰にだって失敗はあるよ!私だって最初から…」<br />
「…そーじゃないんだ」<br />
「え?」<br />
ララは靴を脱ぐと家に上がる<br />
「ララさん?」<br />
俯くララはいつもより悲しそうでいて、けれど真剣な目になっている<br />
「私…全然わかってなかった」<br />
ララは俯きながらぽつりぽつりと呟く<br />
「お弁当を作れば喜んでくれると思ってた。だけど、それは間違ってるんだよね?」<br />
「……」<br />
「誰かを喜ばすコトって、ホントはすごく大変なコト。すごく難しいコトなんだよね」<br />
ララは俯いていた顔を上げると、美柑に向き直る<br />
「私決めた!今度はちゃんと頑張って、ホントの意味でちゃんと作りたい!だから美柑、私にお弁当の作り方教えて?」<br />
「ララさん…」<br />
その真剣な気持ちに、美柑は笑顔でウンと首を振った<br /><br /><br /><br />
次の日の朝<br />
「ララ、早くしろよ」<br />
「待ってリト!」<br />
キッチンから慌ててララがやってくる<br />
「ゴメンね!ちょっと待ってて」<br />
ララはリトから隠れる様に後ろを向くとカバンを開けた<br />
その手は何かを庇うようにギコチない<br />
(ララ?)<br />
カバンに何やら荷物を入れているララの隣では美柑がにやにやと笑っている<br />
「何だよ?」<br />
「別に」<br />
わざとらしく顔を背ける美柑<br />
「お前な…」<br />
「お待たせ!早くいこ」<br />
いつもの様ににっこり笑うララと、ニヤっと笑う美柑に不思議そうな顔をするも<br />
リトはララと一緒に玄関を出て行く<br />
「ガンバってね!ララさん」<br />
その後ろ姿に美柑は小さくエールを送った<br /><br />
昼休みの屋上<br />
リトはララと一緒に屋上に来ていた<br />
昨日の事もあって、強くは言えないリトは複雑な思いで座っていた<br />
ララは少し緊張気味に弁当を取り出と<br />
リトの前に弁当を置き、サッと手を後ろに隠した<br />
手を後ろに隠しながら、えへへと笑うララ<br />
「手、どしたんだ?」<br />
「ん~ん。何でもないよ!それよりリト」<br />
「あ、ああ」<br />
どこか腑に落ちないが、リトは弁当を手に取る<br />
昨日の事もあって、中々蓋に手がいかない<br />
(って、何キンチョーしてんだオレ)<br />
リトは思い切って蓋を開けてみる<br />
その隣では、ララがじっとリトの顔色を窺っている<br />
「お…」<br />
本日のメニュー<br />
形の崩れたタマゴ焼き・タコに成りきれていないタコさんウインナー<br />
焦げたミニ目玉焼きにミニハンバーグ<br />
少し色の悪いポテトサラダ<br />
「コレ…お前が作ったのか?」<br />
「うん」<br />
リトは弁当とララの顔を何度も交互に見つめる<br />
リトの頭の中には昨日のアレがチラついていた<br />
「どう?」<br />
「どうって言われてもな…」<br />
リトは箸を持つと、ハンバーグを挟み、口の中に入れた<br />
「う…」<br />
口の中に広がるのは、ソースの味と、まだ半生状態の玉ねぎの味<br />
続いてタコさんウインナー<br />
「ん…」<br />
「リト?」<br />
モグモグした後、何も言わずタマゴ焼きを口に入れるリト<br />
「お!」<br />
リトの一挙手一投足が気になって仕方のないララは、身を乗り出す様にリトを見つめている<br />
「どうリト?おいしい?」<br />
その声は不安でいっぱいだ<br />
リトは目玉焼きを頬張りながら、そんなララを可笑しそうに見つめる<br />
「そんなに見られると気になって食えねーって!」<br />
「だって…リトなんにもゆってくれないんだもん」<br />
ララは座りなおすとムッと頬を膨らませた<br />
「オレの事よりお前も弁当食えよ」<br />
ララは頭に手をやると、少し笑いながら話す<br />
「私の忘れちゃったんだ」<br />
「え?」<br />
リトは思わず箸を止めた<br />
「忘れたってウチに?」<br />
「ん~ん。作るの忘れちゃったんだ…えへへ」<br />
「作るの忘れたって……お前何やってんだよ?」<br />
「だって、リトのために一生懸命になってたら自分の事すっかり忘れててさ…」<br />
ララは言い難そうにゴニョゴニョ話すが、最後は笑って誤魔化した<br />
「……」<br />
リトはじっと弁当を見ると、スッとそれをララに差し出す<br />
「え?」<br />
「一緒に食おうと思ってさ。もう食べたのもあるけど」<br />
「リト…」<br />
「それに、こーゆーのは一人より誰かと食う方がうまいだろ?」<br />
赤くなった顔をそらしながら少しぶっきらぼうに話すリト<br />
一瞬驚いた後、ララは今日初めて本当の意味で笑顔を見せた<br />
「うん!」<br /><br />
学校の帰り道<br />
隣を歩くララの顔は終始ほころんでいる<br />
弁当の中身は残らずキレイになくなったし、なによりリトと一緒に食べた事がうれしかった<br />
そんなララを横目で見ながらリトは小さく溜め息を吐く<br />
切り傷や絆創膏が何枚も張られたララの手<br />
白くて柔らかい手が今はとても痛々しい<br />
(オレのためか…)<br />
昨日遅くまでララが起きていた事をリトは知っていた<br />
一生懸命がんばってくれていたことも<br />
ララなりに必死に隠しているつもりでも、ウソを付けない性格がみんな筒抜けにさせている<br />
リトはララの隣に並ぶと、頬を指で掻きながら言い難そうにぼそぼそ呟く<br />
「あ、あのさ、また、作ってくれねーかな?弁当」<br />
「え?」<br />
思ってもいなかったリトの言葉にララは目を丸くした<br />
「え…でも」<br />
昨日の事もあるが、今日リトが弁当の感想を何も言ってくれてない事が、ララはずっと気になっていた<br />
今日もダメだと思った<br />
「うまかったよ!タマゴ焼き」<br />
「え…」<br />
「他はもうちょいって感じだけど。その……好きだよオレ、お前の作ったタマゴ焼き」<br />
ララは思わず足を止めた<br />
「だからまた食べたいなって思ってさ」<br />
「リト…」<br />
リトの顔は夕日に照らされて真っ赤になっている<br />
そしてララも<br />
胸にじわっとリトの言葉が染み込んでいく<br />
それは、驚きよりも、うれしさよりも、もっともっと大きくてすごい気持ち<br />
ララの顔が満面の笑顔に変わる<br />
夕日に照らされたその笑顔は、いつもよりもキレイで可愛くて、リトの心をドキドキさせた<br />
「リト、ありがとう」<br />
「別にオレは…」<br />
そっぽを向くリトの手を取るとララは駈け出した<br />
「お、おいララ!?」<br />
「今はなんだかこうやって走りたいんだ♪」<br />
リトはチラリとララの横顔を見つめた<br />
その顔は本当に幸せいっぱいの笑顔で<br />
リトもつられてクスっと笑った<br />
「いっせきにちょーだね?リト♪」<br />
「は?」<br />
「だって、リトにおいしいって言われて、また作ってって言われたんだよ?いっせきにちょー♪」<br />
「いや……なんか違うぞそれ…」<br />
リトのつっこみを余所に、どこまでも笑顔なララだった</p>
2024-01-16T21:33:18+09:00
1705408398
-
爽やかな朝?
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/102.html
ピピピ、ピピピ、ピピピ…。<br />
カチ。<br /><br />
「う~ん」<br /><br />
まだ起きようとしない身体をなんとか起こし、布団をずらしつつ身体をのばした。コキコキと関節が鳴っているし、男子としての朝の生理現象も一瞥して確認。いたって健康。<br />
下の階からは、トントンと包丁でまな板を叩く音が聞こえくる、妹が朝飯を作っているんだろう。なんであんなにみそ汁美味いんだろう?なんて考えながら目を擦った。<br />
この少年の名は、結城リト。<br /><br />
いたって普通の高校生である。ちょっと恋愛に対しては奥手ではあるが。<br /><br />
そんな彼であるが今、複雑な状況下にいる。1年くらい前になるだろうかある日突然、ホントいきなり、<br /><br />
風呂が爆発した。<br /><br />
そしてなぜか裸の美少女が現れ、求婚してくる事態になった。<br />
普通の常識を持った人なら、驚くというよりそんなどっかの漫画みたいな話…って思うだろうが、それがリトにとっては事実であり、現実だった。<br />
そしてその美少女は、有り得ないほどの美貌を持っているから大変だ。しかもオレを非常に好いている。成り行きで同棲もしている。<br />
そこまでは世の男子として最高の環境だとリトも少なからず思った。<br />
しかし、彼女は宇宙人だった。<br /><br />
ガシャッ。<br /><br />
そんなことを考えていたらリトの思考はシャットダウンされた。あまり、振り返りたくない記憶は人間拒否反応を示すらしい。最近はシャットダウンされるスピードも速くなってきた。<br />
いい兆候だ。<br /><br />
しかし、シャットダウンどころかフリーズしかけない状況に数秒後になるなんてリトは想像もしていなかった。<br /><br />
「ん?」<br /><br />
鼻孔をくすぐる甘い匂いがする。ほのかに香るシャンプーの匂いだ。<br />
オレが使っているシャンプーと同じ匂いだが、ここまで匂いが残るほど頭を昨晩洗った覚えはない。<br />
でもすぐに答えは見つかる。<br />
「リトと同じシャンプー使うー♪」<br />
婚約者と同じシャンプーを使わなくてどうすんの?<br />
と言って嫌がるオレをニコニコしながら、言い返してきた人物がそういえばいた。<br /><br />
下に視線を落としてみると案の定いた、寝息を立てている少女。ララだ。<br /><br />
「ハァ。」<br /><br />
この娘が風呂爆発で現れた少女、自称婚約者ララ・サターン・デビルーク。<br />
ため息をつきたくなるほどの美貌で、少女と呼ぶには相応しくない豊満な体つきをしている。何故わかるのかというと、隣で寝ている子は全裸だから。<br />
しかし、それによるため息ではなかった。<br /><br />
カワイイのは認める。そこらのテレビで持て囃されてるアイドルよりは数倍カワイイ。<br />
今、横でスースー寝息をたてているそのララは有り得ないほどカワイイ。淡いピンクの髪がうつぶせで寝ている彼女の上に拡がり、全裸であらわになった肩に垂れかかっている、口の前にきたピンクの髪は寝息に合わせるようにして揺れていた。<br />
ホントにオレと同じシャンプーなのかと思うほど髪はサラサラしている。その髪の奥にはプルプルした唇が…。<br />
ちょっと下に視線を向けるとうつぶせなのではっきり見ることは出来ないが、潰れた大きなそのなんだ?あの…胸が…。<br /><br />
「ヤバイヤバイっ」<br /><br />
見とれてしまった。<br />
何とか視線をララから外しモゾモゾと動いているララを、頼むから仰向けにはなるなよと思いつつ、チラチラと寝顔を見ていた。寝顔だけ見てれば最高な婚約者になるんだろうなとリトは考えていた。<br /><br />
何故かというと、いかんせん彼女には羞恥心がない。<br />
リトは清楚で恥じらいがある子が好みだ、風呂上がりでタオル一枚で家の中をあのダイナマイトボディーで歩かれちゃ、フリーズしまくるってもんだ。<br />
最近そんな日常に耐性が付きつつあるリトではあったが。<br /><br />
羞恥心がない彼女が、オレが寝ているベットに潜り込むのはある意味当然かもしれない。しかも、オレが寝付いたあとに実行する確信犯である。全裸で潜り込まれるのは思春期の男子としては耐え難いものであるが。<br />
最初の頃は目覚ましのアラームの次はオレの絶叫が響くのが結城家の朝の日常だった。でも耐性が付きつつある彼は冷静に対処するのが一番だと知った。<br />
ララは慌てふためくオレをニコニコしながら楽しんでいるように見えるからだ。最近やけに積極性が増しつつあるララに主導権を握られてはいけない。<br />
そのためにはララを起こさないようにしてベットを抜け出し、全裸のララに寒くないようにシーツをかけてそーっと退室するのが得策だと考えた。<br />
自分の部屋なのにオレが退くのは腑に落ちないがしょうがない。朝一で全裸のダイナマイトボディーに抱き着かれるよりは、全然健康的な朝に出来る。<br /><br />
あいつは抱き着くときにオレの朝の生理現象に気付いてるのか?と疑問に思いながらララを起こさないように布団を抜け出そうとした。<br /><br />
「ん?」<br /><br />
ある違和感にリトは気が付いた。<br />
やけに下半身がスースーする、そーっとシーツをめくってみた。<br />
バサッ!直ぐにクローズ。<br />
なんで起きた時に気がつかないんだよ。てゆーかさっき一瞥したじゃん。<br /><br />
なぜかリトは全裸だった。朝の生理現象もまる見えだった。<br /><br />
独りで全裸で寝るのは全然問題ない。寝相わりぃなオレ、ハハハですむ問題だ。<br />
しかし、隣で全裸の少女が寝ているのは全然問題ありだ。大有りだ。<br />
冷静に対処しようとした姿はどこへやらパニックにリトはなりつつあった。<br /><br />
いくらそっち方面に知識が少ないとはいえ、世の男子。思春期ど真ん中。なにかがあったと思うのが当然。<br />
てゆーかやっちまったと思う。<br />
しかも、隣で未だにスースー寝ているカワイイ娘はオレに好意を持っている、自称婚約者だ。<br />
羞恥心がないとはいえそっち方面の知識がないという理由にはならないし、わざと抱き着いている可能性もある。てゆーかそのほうが高いじゃん!なんでこの状況下になってから気がつくんだよ。<br />
しかも、あのダイナマイトボディーが迫ってきて、オレの理性が保ったとは考えにくい。<br />
あいつが来てからというもの満足にオ○ニーも出来なかったし…。ヤバイ!ホントにやっちまったかもしれない!!<br />
あわあわしていろいろ考えてみたし、もう一度シーツをめくって下半身を見たが変化なし。そして隣には全裸のララ。<br /><br />
ちょっとまてっ!ちょっとまてよ!!<br /><br />
落ち着かせるために、自分の部屋を見渡してみる。いつものテレビに勉強机、ちらかったゲーム機と教科書。<br />
その近くにオレのトランクス。ララの下着がないだけマシか。<br /><br />
「………」<br /><br />
また、その近くに丸められた明らかに使用済みのテイッシュ。約5つ程<br /><br />
「っ!!!ウワッ!ウエッ!エッ!えっ!?」<br /><br />
もう訳解んないというか確定じゃん!<br />
シャンプーの甘い香りが現実味を帯びてくる。<br />
香りのもとが動いたから、匂いが強くなったようだ。<br /><br />
「う~ん~~。あっ♪おふぁようりとぉ~♪」<br /><br />
朝一で、オレの顔を見れたのがそんなにうれしいのか、満面の笑顔で挨拶してきたもう一人の当事者が起床した。<br />
ララはうつぶせのまま、そのまんまるの瞳をトローンとさせ、滑らかで白く纏った肩ごしに上目使いで見つめていた。<br />
一方リトは、反則だぁァァと心の中で叫んでいた。<br /><br />
そして、オレの背中に一筋の冷や汗が流れるのを感じづにはいられなかった。<br /><br />
つづく…<br /><br />
2024-01-16T21:31:13+09:00
1705408273
-
ララの夏休み
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/217.html
<p>「わぁー、緑がいっぱいだねー!」<br />
「まうー!」<br /><br />
澄み切った空に甲高い声が響き渡る<br />
周囲を山々に囲まれた丘でララ(とセリーヌ)が感嘆の声をあげる<br />
彼女達は今、結城一家とともにキャンプ場に来ていた<br /><br /><br />
「えっ、ホントに!?」<br /><br />
美柑がその電話を取ったのは、夏休みも終盤に差しかかったある日のことだった<br />
電話先の相手はリトと美柑の母親である林檎だ<br /><br />
ファッションデザイナーである彼女は長らく海外で仕事をしていたが、今度の連休に久しぶりに家に帰ってくると言う<br />
さらに父親の才培も先日週刊連載の一つを終了したばかりで、林檎と同じ日に休暇をとることができたのだ<br />
つまり、結城家では本当に久しぶりに家族みんなで過ごすことになる<br /><br />
そこでリト達は悩んだ末、近場のキャンプ場で一泊二日の野外生活をすることに決めた<br />
普段、時間に追われ忙しい毎日を送っている両親に、少しでも時間を忘れゆっくりしてほしいという思いからだ<br /><br />
計画を立てるリトと美柑を、ララもニコニコしながら眺めていた<br /><br />
「ふふ、楽しそーだねー♪私も何か手伝おっか?」<br />
「いや、大丈夫だよ。もう終わるとこだからさ」<br />
「そっかぁ。雨降らないといいね。たっくさん楽しんできてね!」<br /><br />
そこまで話して、作業をしていたリトの手が止まる<br />
すると今度はリトが、怪訝な表情でララを見つめてきた<br /><br />
「……何言ってんだ?お前」<br />
「え、何って……だから、キャンプ楽しんできてねって」<br /><br />
至極当然のように答えるララ<br />
しかしリトは呆れたようにため息をつきながらララのほうを向いた<br /><br />
「あのなぁ……お前も行くんだよ、一緒に」<br />
「……えぇ!?私も?だって家族サービスだから家族みんなでって」<br />
「ララさんも家族でしょ?置いてくわけないよ」<br /><br />
驚くララに美柑が付け加え、さらに驚く<br />
ニコッと微笑む美柑に、やれやれといった表情のリト<br /><br />
「ね?」<br />
「今さらなーに言ってんだよ」<br />
「リト……美柑……」<br /><br />
家族。その言葉がララの胸に染み渡る<br />
幼い頃から両親とほとんど触れ合うこともなく育ってきたララにとって、いつも<br />
一緒にいる存在は妹達とペケくらいのものだった<br />
そんな自分のことを、目の前の二人は何の気兼ねもなく家族だと言ってくれる。当然のように<br />
ララにとってはそれがたまらなく嬉しいことだった<br /><br />
「……ありがと、二人とも大好きだよ」<br /><br />
自分にとってのもう一つの「家」をくれた二人に対して、ララは心から感謝の気持ちを述べる<br />
リトは照れくさそうに頬を掻き、美柑は同じく照れくさそうに笑う<br />
ララの素直さは時に、周りから見れば恥ずかしく思えてしまうこともある<br />
しかしそれこそがララの良さなのだということも、ララと触れ合った多くの人達は知っている<br />
無論、リトと美柑も例外ではない<br />
家族として、姉のような存在として、そして恋人として――ララを慕っているのだ<br /><br />
そんなこんなでキャンプ場に到着した一行<br />
車から降りるなり、ララはセリーヌと一緒に大はしゃぎ<br />
見渡す景色に目を輝かせていた<br /><br />
「ふふ、あんなにはしゃいじゃって。自分も行くってわかった途端、すっごく楽しみにしてたもんね」<br />
「てるてる坊主100個くらい作ってたな。ったく、やっぱこーゆーとこは変わってないよなー。子どもっぽいつーか」<br />
「でも、そーゆーとこが好きなんでしょ?」<br />
「ばっ……!」<br /><br />
小悪魔の表情で美柑がからかうと、リトは声も出ないほど真っ赤になる<br />
家にいる時ならまだしも、両親の目の前でそんなことを言われたからだ<br /><br />
「なになに、なんか面白いことになってそうじゃない?」<br /><br />
林檎が興味津々といった様子で美柑の顔を覗く<br />
すると美柑はリトを横目に見ながら、近頃の兄の恋愛事情を報告した<br /><br />
「うん。なんかリトとララさん付き合ってるみたいなんだけど~。私の前とかじゃ素っ気ないくせに、二人きりになると結構甘えてたりするんだよねェ」<br />
「なっっっっ!み、美柑お前覗いて……あっ」<br /><br />
しまった、そう思い言葉を止める<br />
しかしすでに遅く、美柑と林檎はニヤニヤとこちらを眺めている<br />
悔しさやら恥ずかしさやらで何も言い返せないリトの背中を、父親の才培が笑いながらバンバンと叩いた<br /><br />
「よかったじゃねーかリト、あんな可愛い彼女ができて!毎晩お楽しみってか?なっはっはっは!」<br />
「う、うるせーエロバカ親父!!」<br />
「リートー、何してるのー?はやくこっち来てみなよー♪」<br /><br />
キャンプ場にララの美声とリトの悲痛な叫びが交互に響くのだった<br /><br /><br /><br />
「……んで、なんでこんなとこにいるんだオレ達は……」<br /><br />
テントを張って昼食をとり、夜まで自由行動をとることになった一行<br />
美柑と林檎、セリーヌはキャンプ場に来ていた他のグループとゲームなどをして過ごすらしく、才培はその辺を探険してくると言ってどこかに消えてしまった<br />
そしてリトとララはなぜか、キャンプ場から少し下ったところにある川岸に腰を降ろしていた<br />
リトの手には釣竿が握られ、先端から針のついた糸が垂れ水面でゆらゆらと揺れている<br /><br />
「もー、忘れちゃったの?リトパパに言われて夕ごはんのお魚釣りに来たんだよ」<br />
「説明ありがとう……ってゆーか、みんな好きなことしてるのになんでオレだけ……」<br />
「いーじゃないっ」<br /><br />
ぶつくさ文句を言うリトに、ララが体育座りのまま近付いて肩を寄せる<br />
途端にララの甘い匂いが鼻をくすぐり、思わず竿を落としそうになる<br /><br />
「お、おい……」<br />
「こんないっぱいの自然の中で、リトとゆっくりするのも私はすっごく幸せだけどなぁ。リトはそー思わない?」<br />
「そ、それは……」<br /><br />
そうだけど……と口ごもるリトにララはさらに体を寄せ、その体温をいっぱいに<br />
感じる<br />
川の近くは空気が澄んでいて涼しいのだが、触れ合った部分だけが熱を持っている<br />
もはや釣りに集中できる状況ではなく、リトは今すぐに竿を放り投げてララを抱き締めたくなる<br />
だがそれを遮るようにララが口を開いた<br /><br />
「あーあ、ナナとモモも来られたらよかったのになぁ」<br />
「え?ああ……」<br /><br />
そう呟いたララは本当に残念そうで、リトは伸ばしかけた手を止める<br />
いつも眩しいくらいの笑顔をくれる彼女には似合わない、沈んだ表情だった<br /><br />
「ついてないよねー、リトママが帰れるって連絡が入る前の日に連れ戻されちゃうなんて」<br />
「……まあ仕方ないんじゃねーかな、ララ達の父さんの命令なんだろ?」<br />
「うん……そうなんだけど、あの子達も来たかっただろうなぁって」<br /><br />
キャンプに来る数日前、デビルークから連絡が入った<br />
内容はギドからのもので、しばらく勉強をサボっていた二人をデビルークに連れ戻し、集中的に王族のたしなみを学ばせるというものだった<br />
もちろんナナとモモは嫌がったのだが、久々に本気で怒っているギドの剣幕と、逆らったら小遣いカットという脅しに渋々従うこととなったのだ<br />
ちなみに、ペケはその際お目付け役としてついていくとになった(ザスティン達だけでは頼りないため)<br /><br />
「やっぱり私ももっと抗議してあげればよかったな……ペケもついてっちゃったし」<br />
「ララ……」<br />
「ん……」<br /><br />
リトはただ名前を呼んで、伸ばした手でララの頭を撫でてやる<br />
するとララは気持ち良さそうに目を閉じた<br /><br />
「ララは悪くないよ。むしろ、そこまでみんなのこと考えてるんだから立派だって」<br />
「そうかなぁ」<br />
「そうだよ。ララはいいお姉ちゃんだ」<br />
「……えへへ、誉められた♪」<br /><br />
曇っていた表情は一瞬で晴れ、いつもの楽しそうな顔を見せてくれる<br />
そんなララのことを、リトは心の底から可愛いと思った<br /><br />
しばらく釣りに集中していたリトだが、一向に釣れる気配はない<br />
本当に魚がいるかどうかも怪しくなってくるほどだ<br /><br />
「ちくしょ~、釣れないな……ララ、退屈だったらその辺で遊んでても……ララ?」<br /><br />
そこでふと気付く<br />
先程からずいぶんとララが大人しいことに<br />
いつも元気で落ち着きのないララが、こんなに静かなはずがない<br />
呼び掛けてみると、案の定返事の代わりに返ってきたのは可愛らしい寝息だった<br />
リトの肩を枕代わりに、規則正しい寝息を立てて幸せそうに眠っている<br /><br />
「……ノンキだよなぁ、本当に」<br /><br />
苦笑しながら片方の手でララの頬をつついてみる<br /><br />
「むぅ~……」<br /><br />
心地よい睡眠を邪魔され一瞬表情が曇るが、すぐに元の天真爛漫な寝顔に戻る<br />
その様子を笑いをこらえて見つめていたリトだったが、次第に悪戯心以上の欲望が湧いてくる<br /><br />
「やべ……」<br /><br />
これほど近くでララの寝顔を見ることもあるにはあるのだが、それは主に夜や朝、それもベッドの上がほとんどだ<br />
こんな昼間から、誰もいないとはいえ外で密着して寝顔を見ている<br />
そして何より、眠っているララの顔は真っ白な翼を生やした天使のごとく可愛らしい<br />
何やらいけない気分になってしまっていた<br /><br />
「ララ……」<br /><br />
片手をララの肩に回し抱き寄せるようにする<br />
今度こそもう止められそうにない<br />
同時に顔を近付け、ほんの少しだけ開いた唇に自らの唇を……<br /><br />
「っ!?き、きたっ!」<br />
「ふぇ?」<br /><br />
重ねようとしたところで、突然リトの釣竿が引き始める<br />
驚いたリトの声でララも目を覚ました<br /><br />
「こ、これはデカイ……かも……!」<br />
「ホント?わぁ、リトがんばれー♪」<br /><br />
真剣な顔で竿を引くリトと、それをいかにも楽しそうに応援するララ<br />
リトがゲーム攻略しているのをララが隣でワクワク眺めている図にも似ている<br />
いつもゲームでいいところを見せているリトは、是非このチャンスをものにしてララを喜ばせてやりたいと奮い立った<br /><br />
「そこっ、ほらそこだよリトっ!」<br />
「わかってる……くっ、今だぁー!」<br /><br />
タイミングを見計らって竿を一気に引き上げる<br />
二人の顔に少量の水しぶきがかかる<br />
そして次の瞬間、リトの顔を薄汚れた長靴が直撃した<br /><br /><br />
「はぁ……」<br /><br />
その夜、リトはあまり広くないテントの中でため息をついた<br />
隣では父親の才培が大きなイビキをかいて寝ていたが、あまり気にはならなかった<br />
思い浮かぶのは昼間の出来事<br />
あのあとさらに数時間粘ったのだが、釣れたのはとても夕食のおかずにはならないような小魚が二匹ほど<br />
キャンプ場に帰ると美柑や林檎の笑顔もひきつっていた<br />
それだけではない、自分にあれほど信頼と期待を寄せてくれるララを裏切ってしまった<br />
もちろんララがそんなことで自分を評価しないことはわかっているし、むしろ顔面に長靴がぶつかったことをずっと「大丈夫?」と心配してくれていた<br /><br />
「でもなぁ……かっこいいとこ、見せてやりたかったよなぁ……」<br /><br />
数時間前の自分が恨めしい<br />
ララを笑顔にさせてやりたかった、どうしてもそのことが気になって寝付けない<br />
そして前言撤回、やはり親父のイビキはうるさい<br />
そんな時だった<br /><br />
「……?何の音だ?」<br /><br />
テントの入り口の辺りで、何やらゴソゴソと物音がしている<br />
泥棒……?一瞬そう思ったが、懐中電灯の光で浮かび上がったシルエットがすぐさまその正体をリトに教えた<br />
長い髪に、特徴的なアホ毛<br />
お尻の辺りから伸びるハート型の尻尾<br /><br />
「ララ……?」<br /><br />
一体こんな時間に何の用だろうか<br />
まさか夜這い?とも思ったが、いくらララでもありえない<br />
隣に親父が寝ている状況だ<br />
だとしたら、一体なにが?<br />
そんなことを考えるうちに、テントのファスナーを下ろしララが顔を覗かせる<br /><br />
「……あ、リトっ!起きてたんだ」<br />
「……なんだよ、襲いに来たのか?」<br />
「し、しないよそんなこと!ちょっとこっち来てっ」<br /><br />
ララに言われるがまま、テントから体を乗り出す<br />
するとララは空を指差し小声で叫んだ<br /><br />
「ほら、見てっ!星がいっぱいでキレイだよ♪」<br />
「……おわ……」<br /><br />
ララの瞳がまっすぐ見据える先には、光輝く無数の星が広がっている<br />
空いっぱいの宝石に魅せられたリトは、さっきまで考えていたことが全て吹き飛んでしまった<br /><br />
「こっち、もっとよく見える場所あるんだよ!」<br />
「わ、おいっ」<br /><br />
あっけにとられたリトの手を引き、ララはキャンプ場を抜け出して小高い丘へと登っていく<br />
それから少し行くと周囲の木々が姿を潜め、空に視界が開けた<br /><br />
「すっげえ……ここ、ララが見つけたのか?」<br />
「うん♪高いとこに登ったらもっとよく見えるかなって思って」<br /><br />
合っているのかいないのかわからない理論ではあったが、どうやら今回はそれが功を奏したようだ<br /><br />
「こうやって寝っ転がると首が疲れないよ♪」<br /><br />
言うが早いかララは躊躇うことなくその身を草の上に仰向け、大の字になって満天の星を見上げる<br />
リトもそれに倣い仰向けになる<br /><br />
「ホントにすごいな……こんなの初めてかも」<br />
「えへへ……元気、出た?」<br />
「え……?」<br /><br />
不意なララの問いかけにリトが聞き返すと、ララは少しだけ困ったように微笑んだ<br /><br />
「リト、晩ごはんの時もずっと元気無かったみたいだから……さっきのこと気にしてるのかな~って」<br />
「ララ……」<br /><br />
リトの胸がじんと熱くなる<br />
僅かなことでも自分の変化に気付き、心配してくれるララの気持ちが素直に嬉しい<br />
でもそれと同じくらい自分が不甲斐なかった<br /><br />
「……ごめんな、ララ。ララのこと喜ばせてやりたかったんだけど……」<br />
「ううん、そんなことない。一生懸命なリトの顔、すっごくかっこよかったよ。それに……」<br /><br />
月明かりだけでもはっきりわかるほど、ララの頬が朱に染まる<br />
無邪気な女の子の顔から、一人の相手を想う少女の顔へ<br />
思わず見とれてしまうほどだった<br /><br />
「それにリト、私のために頑張ろうとしてくれたんだね。嬉しい……」<br />
「そんな風に言われたら照れるよ……ララだってこうして、オレのこと気遣ってくれたじゃん」<br />
「……気遣った、わけじゃないよ」<br />
「え?」<br /><br />
どういう――訊ねようとしたリトの胸に、寝転んだままララが飛び込んでくる<br />
逃がさないように、背中に腕を回ししっかりと抱き着く<br /><br />
「喜んでほしかったから……リトの笑った顔大好きだから、見たかっただけ」<br />
「……だったらオレだってそうだよ。オレもララが笑ってくれたら、死ぬほど嬉しいから……」<br />
「えへへ……喜んでくれた、かな……?」<br />
「うん」<br /><br />
優しく微笑みながらリトが頷く<br />
そして、どちらともなく顔が近付いていく<br />
その距離は一瞬で無くなり、気が付いた時には重なっていた<br /><br />
「ん……」<br />
「……っララ」<br /><br />
軽く触れ合うだけのキス<br />
それだけで全身が熱を持ったように火照っている<br />
こんな場所で、という思いはあったものの、気持ちは止められそうになかった<br /><br />
もう一度顔を近付け、今度は舌先を伸ばしていく<br />
リトがララの舌を捕らえると、それを絡めとるように唇を重ね、一気に口の内でも外でも繋がる<br /><br />
「ん……ふぅ、ちゅ……」<br /><br />
激しくララの口内をまさぐるように動き、全てを蹂躙するように貪る<br />
その動きは野獣のようでありながら、溶けるほどの愛と優しさがこもっている<br />
ララが愛しくてたまらない<br /><br />
「ん……ふぁ」<br />
「はぁ、はぁ……ララ」<br />
「ここで……するの?」<br />
「大丈夫……誰も来やしないよ」<br />
「……うん♪」<br /><br />
普段の冷静なリトであれば、いくら人が来そうにないとはいえこんな場所でなどするはずがない<br />
その冷静さも失わせてしまうほど、今のリトはララを求めている<br />
ただただ嬉しくて、ララはとびきりの笑顔をリトに見せる<br />
それがOKの合図だった<br /><br />
「ララ」<br />
「んぁ……」<br /><br />
服の中に素早く手を潜らせ、下着の上から柔らかな乳房を包む<br />
指先に少し力を加えるとそれに合わせて胸が窪み、ララは眉をひそめる<br /><br />
「リトぉ……もっと触ってぇ……」<br /><br />
ララの要望に応え、もう片方の手でスカートを捲りショーツ越しに秘部を擦る<br />
指先にはほんのり湿った感触があった<br /><br />
「ララもやる気満々だったんだ?」<br />
「り、リトとキスしたら気持ちよくなっちゃったんだもん」<br />
「エッチだなぁ、ララは……」<br /><br />
そんなとこも好きだけど、と付け加えララの耳に舌を沿わせる<br />
いきなりだったのでララは不意を突かれ、悲鳴をあげて体を震わせた<br /><br />
「ひゃうっ」<br />
「ララの可愛い声がもっと聞きたいなあ」<br />
「ふあっ、あっ」<br /><br />
いやらしく耳を責めながら、胸と股間に配置した手も動かす<br />
秘部からはリトを誘う蜜が漏れ、手の動きに合わせて音を立てていた<br /><br />
「だ、めぇ……ぱんつグショグショになっちゃうよぉ……!」<br />
「替え持ってきてないの?」<br />
「あ、あるけどぉ……」<br />
「……あー、そっか」<br /><br />
リトは何かに気付くと、ララにグッと顔を近付けてニヤッと笑って見せる<br /><br />
「そんなに直接触ってほしいんだ?」<br />
「ち、ちが……」<br />
「違わないだろ、ココこんなに濡らして。ぐちゃぐちゃに掻き回されたいんだよな」<br /><br />
リトの瞳に見つめられ、ララは何も言えない<br />
もうこの人は自分の全てを知っている――観念したララは小さく首を縦に振った<br />
それを合図にリトはショーツを取り払い、割れ目に沿って中指を沈み込ませた<br /><br />
「やあぁ……!」<br />
「すげ……とろとろだよララのここ……」<br /><br />
リトへの愛で溢れ返ったララの秘部は、リトの指を何の抵抗もなく受け入れる<br />
それでいてリトの指を離すまいとぴったり吸い付き、血流が止まるほどに締め付けてくる<br /><br />
「ララ、エロすぎ……」<br />
「お願いリト……私、リトにめちゃくちゃにしてほしいよ……」<br /><br />
切ない声で鳴くララ<br />
リトの理性を奪うには十分だった<br />
侵入させた指を折り曲げ、ララの内側をしつこく追い立てるように擦る<br />
それだけでララの喘ぎも溢れ出る愛液も止まらない<br /><br />
「あぁぅ……んゃぁ、んあっ……りとぉ、そ、こぉ……ああっ」<br />
「……まずイカせてあげるな」<br /><br />
徐々に指の動きを激しくしていくと、それに呼応するようにララの下半身が痙攣を始める<br />
止めどなく流れる愛液が、ララの絶頂が近いことを示している<br /><br />
「だめぇぇぇ……いっちゃ、ぅ……いっちゃうぅぅぅ」<br />
「いいよ、イって」<br />
「んっ、はぁ、んあぁぁぁぁぁぁっ」<br /><br />
全身を反らせララが絶頂を迎える<br />
秘部からは愛液が勢いよく飛び出てリトの腕を塗らした<br /><br />
「はぁ……はぁ……ぅぁ」<br />
「思いっきりイっちゃったな」<br /><br />
焦点の合わないララの頭を撫でながら、耳元でささやく<br />
しかしまだまだこれで終わりなはずがない<br />
リトはララを抱き抱えると股の間に自分の体を入れ、そのまま自分が仰向けになる<br />
ララがリトの上に跨がるような形になる<br /><br />
「今日はララが上な」<br />
「え……?」<br />
「こんなとこじゃ背中痛いだろ?」<br />
「リト……」<br /><br />
彼の何気ない優しさに心が温まる<br />
さっきまであれだけ意地悪に責め立てていても、一番に考えるのはやはりララのことだ<br />
嬉しくてララはリトの胸に抱き着いた<br /><br />
「愛してる……リト」<br />
「……うん」<br /><br />
それだけ言うと、ララはリトのズボンのチャックを下ろし取り出す<br />
すでに限界まで血液が集まったそれは今にも爆発しそうなほど硬くなっており、ララは驚きと感嘆で目を丸くした<br /><br />
「わぁ……すごい」<br />
「あの……今日は口でしなくていいからさ」<br />
「え?でもリト、お口でされるの好きだって……」<br />
「シャワー浴びれないんだし、髪とかについたら大変だろ?……てゆーか」<br /><br />
少し間を置いて続ける<br /><br />
「はやくララの中、入れたい……」<br />
「……うん」<br /><br />
一刻もはやくララと繋がりたい<br />
そんな気持ちがリトの言葉にも体にも溢れてくる<br />
それに応えようと、ララは腰を浮かせ入り口を手で広げた<br /><br />
「じゃ、入れるね?」<br />
「ああ……」<br /><br />
短く言葉を交わし、リトのものを秘部にあてがう<br />
そのまま力を抜き重力に身を任せると、「くちゅ」と音がしリトがララの中へと埋まっていく<br /><br />
「あ……あぁ……」<br />
「くぅ……」<br /><br />
全身に広がる快楽に、恍惚の表情を浮かべるララ<br />
最も幸せな瞬間だ<br />
自然にララの目から涙が零れる<br /><br />
「リト……リトっ」<br />
「ララ……」<br /><br />
互いの名前を呼び合いながら、無我夢中で腰を振る<br />
粘膜が擦れ合い快感を増幅していく<br /><br />
「ララ……おっぱいよく見せて?」<br />
「ふぇ……?こう……?」<br /><br />
片方の手で体を支えながら、もう片方の手でシャツをたくし上げる<br />
するとリトはララの胸元に手を伸ばし、ブラのホックを外す<br />
パチッという音とともにララの豊満な胸が露になった<br /><br />
「ララのおっぱい、すげー好き」<br />
「ひぁっ」<br /><br />
すべすべの肌を撫で回し、その頂点にある小さな突起を指先で弄ってやる<br />
敏感な神経を通して刺激が伝わり、また大きくララの体が震える<br /><br />
「やあぁ……おっぱい、おっぱいぃ……!」<br />
「ララも自分でさわってみなよ……ほら」<br /><br />
リトの手に導かれ、反対の胸に自らの手で触れる<br />
リトに触られる胸、自分で触る胸、リトと繋がる秘部<br />
複数の場所から絶えず与えられる快楽にララは溺れ、自分の意志とはほぼ無関係に本能のまま体を動かす<br /><br />
「りと……ああ、きもちいぃ……おっぱいとあそこ、きもちいいよぉ……!」<br />
「くっ……ララ、中……キツイ……!」<br /><br />
動くたびララの中のぬるぬるがリトのものを亀頭から根元まで優しく扱き、射精感を強める<br />
背筋がゾクゾクするほどの快楽に、リトも絶頂の時が近付いてくる<br /><br />
「ララ……!」<br />
「リト……んぅ」<br /><br />
リトは少し体を起こし、ララの頭を引き寄せる<br />
唇を重ね、舌を絡ませ、互いの口内を味わい尽くす<br />
その間も口と口の隙間からはいやらしい水音や荒い息遣いが零れ、辺り一帯を二人だけの妖艶な空間に変える<br />
虫の声も川のせせらぎも星の瞬きも、全てが二人のためにあるように思えた<br /><br />
「りと、もう……私もう、だ、めぇ……っ」<br />
「オレももう、出る……!ララっ」<br />
「りと、リトっ!お願い、一緒にっ」<br />
「うん……ぐ、ああぁ!」<br /><br />
力いっぱいララを抱き締める<br />
その瞬間、リトの先端から大量の精液が解き放たれ、ララの中を染め上げていく<br />
それを受け止めると同時に、ララも快楽の果てへとたどり着く<br /><br />
「あっあぁああっ!やぁっん、ああぁっ」<br /><br />
何度も何度もリトの上で収縮を繰り返し、残った精液を全て搾り取るようにしながら快楽に堕ちていく<br />
長いオーガズムが終わると、ララは眠るようにリトの胸の中へ倒れ込む<br />
その拍子にリトのものがララの中から抜け、放たれた精液が愛液とともに体外へ流れ出た<br /><br /><br />
しばらく呼吸を整えたあと、リトとララは抱き合ったまま再び空を見上げていた<br />
体は疲れていたが、少しでも長く二人の時間を延ばしたかった<br /><br />
「なぁ、ララの星はどこら辺にあるんだ?」<br />
「うーん……ここからじゃ正確な位置はわからないけど、あっちの方かなぁ」<br /><br />
ララの指差した方向をリトも見つめる<br />
もちろんその先に見えるのはある程度の距離にある恒星ばかりで、ララ達の住むデビルーク星など見えるはずもない<br />
途端にリトは怖くなり、ララの体を一層強く抱き締めた<br /><br />
「リト?」<br />
「……ララは、ずっとそばにいてくれるよな」<br />
「え?」<br /><br />
突然の問いかけに聞き返すララ<br />
リトの瞳は真剣で、どこか不安が漂っていた<br />
ララはふっと微笑むと、リトの体を優しく抱き返す<br /><br />
「どんなに遠い星で生まれたって、私は今ここにいるよ。今リトのそばにいる。これからも……それが全てだよ」<br />
「ララ……」<br />
「リトは……リトは私のこと、見捨てたりしないよね……?」<br /><br />
上目遣いで見つめながらリトのシャツをキュッとつかむ<br />
そんな姿がまたリトをどうしようもなく焦がしていく<br />
リトはララがそうしてくれたように、出来る限り優しい笑顔を見せてララの頬に手を添えた<br /><br />
「当たり前だろ……もうずっと前から決めてるんだ、オレがララを幸せにするって。だからララがいてくれないと困るっつーか……」<br /><br />
少し照れくさそうにしながら、それでいて嬉しそうに言ってくれるリト<br />
幸せにする――その言葉だけでララは幸せだった<br />
潤んだ瞳をいっぱいに細めてとびきりの笑顔になる<br /><br />
「えへへ♪じゃあ私も決めた!絶対リトに幸せにされる!」<br />
「ぷ……何だよそれ」<br />
「そして私もリトを幸せにする!……ね?」<br />
「……そうだな」<br /><br />
もう一度、抱擁を交わしながら<br />
リトはララの耳元でささやいた<br /><br />
「もう一回……いい?」<br />
「リトがしたいなら、私も♪」<br /><br />
再び重なる唇<br />
そのあと数時間、二人の熱が鎮まることはなかった<br /><br />
寝不足のリトとララが帰りの車の中で寄り添って眠る姿を、その後しばらく美柑にからかわれたのは言うまでもない</p>
2024-01-15T08:22:51+09:00
1705274571
-
if 大切な人
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/201.html
<p>「ララ…西蓮寺!」<br /><br />
ララと春菜はミネラルンに飲み込まれてしまい、二人は苦しそうにもがいていた。<br /><br />
「くそ、どうすれば……」<br /><br />
ヤミでさえ歯が立たないといっていいほどの相手に、リトはただ呆然と立ち尽くしているだけしかなかった。<br />
何か自分に出来ることは無いのか、そうリトが慌てふためいていると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた。<br /><br />
「リトくーん!大丈夫!?」<br /><br />
ルンが大きな声でリトを呼びながら恭子と共にこちらへ駆けつけてくる。<br /><br />
「彼奴が原因か……よぉーし!」<br /><br />
恭子はそう言うと目一杯空気を吸い、<br /><br />
「超熱々火球!!」<br /><br />
そう叫ぶと同時に放たれた火球がミネラルンに当たり、徐々に蒸発していく。<br />
そして最後には水蒸気へと姿を変え、天に消えていった。<br /><br />
「ララ(さん)、西蓮寺(さん)!」<br /><br />
リトや唯たちがララと春菜を呼びながら走り寄る。<br /><br />
「大丈夫か!?ララ、西蓮寺!」<br />
「けほっ けほっ……結城くん、私は大丈夫だけどララさんが…!」<br /><br />
春菜の返事にリトはララの方を見ると、そこには微動だにしないララが横たわっていた。<br /><br />
「ララ、ララっ!」<br /><br />
リトはララを呼びながらララの元へと走り寄る。<br /><br />
「おいララ!しっかりしろ、ララっ!!」<br /><br />
リトはララの肩を掴み体を揺するが起きるどころか返事すらない。<br />
それもそのはず、ララはさっきので溺れていたからだ。<br /><br />
「とりあえず救急車呼びましょ!」<br /><br />
唯がそう言うと籾岡や沢田たちは一緒に携帯のしまってあるロッカーに慌てて直行した。<br />
リトはララが息をしているか確認をすると、息をしていないことに気づく。<br /><br />
(息をしてない……!てことはまさか!?)<br /><br />
リトはララが溺れていると察知した。<br />
それと同時に、リトの焦りに拍車が掛かる。<br /><br />
(一刻も早くどうにかしないと取り返しのつかないことになっちまう!救急車なんか待ってられねー!)<br /><br />
そうは思ったものの、どうすれば助かる?<br />
そう思ったそのとき、リトの頭に『人工呼吸』の四文字が浮かぶ。<br /><br />
(でも……いや、それでララが助かるかもしれないなら、賭けるしかない……!)<br /><br />
リトは逡巡したものの、一秒でも早くララを助けたいという思いが半刻前の悩みとそれをかき消した。<br />
すぐさまリトはララの気道を確保をするとスゥーっと空気を吸い、ララの唇に自分のそれを重ねた。<br /><br />
「すぅーーー……」<br /><br />
速くもなく遅くもない速度で息を吹き込む。<br /><br />
「……ぷはっ!ハァ、ハァ、スゥーーっ」<br /><br />
呼吸を整えながら空気を吸い直しては再び息を吹き込む。<br />
何回繰り返しただろうか。<br />
リトが懸命に人工呼吸を続けるにも関わらず、未だララが息を吹き返す兆候が無い。<br />
ますます不安に駆られるリト。<br /><br />
(目を覚ましてくれ、ララ!もしおまえがこのまま目が覚めないなんていったらオレは……!)<br /><br />
リトはようやく理解した。<br />
ララのいない日常が考えられないと。<br />
もちろん春菜のことも好きだったことには相違なかった。<br />
けどそれ以上にララのことを意識している自分がいたことも何度かあった。<br />
そしてこの件でハッキリとしたのだ。<br />
自分は他の誰よりも、ララのことが好きなのだと。<br />
ララはいつも自分の隣にいて。<br />
いつも自分のことを想ってくれて。<br />
いつも自分の……数えればきりが無い、それだけ彼女は自分と共に居てくれていた。<br />
だから今度は自分がララの気持ちに応える番だ。<br />
これからは自分からララの隣に居よう、そうリトは誓った。<br />
だが一向に目を覚まさないララを見る度にリトは後悔する。<br />
もう全てが手遅れなのかとも思えてくる。<br /><br />
(頼む……!)<br /><br />
リトの瞳からは涙が溢れ、溢れた涙はララの頬にぽたぽたと落ちる。<br />
そのとき、リトの願いが叶ったのかララが息を吹き返した。<br /><br />
「ん……ふぅん……」<br />
「ララ!!」<br />
「……リト……?」<br /><br />
ララが体を起こしながらリトの呼びかけに答える。<br /><br />
「ララ……ララぁっ!!」<br /><br />
リトはララが目を覚ましたことに感極まり、その体をぎゅーッと抱きしめる。<br /><br />
「よかった……目を覚まして……オレ一時はどうなるかと……」<br />
「ちょ、苦しいよぉリト。どうしたの、なんかあったのリト?」<br /><br />
どうやら御本人は溺れていたことに気づいてないらしい。<br /><br />
「ララ……ほん…と…よかっ……」<br /><br />
どさっ<br /><br />
リトはララがいつものララに戻ったことに安堵するや否や、今度はリトがその場に倒れこんでしまった。<br /><br /><br />
―――――――――――――――――――――――――<br /><br /><br />
「ん……」<br />
「あ、リト!」<br />
「目が覚めましたか、結城リト」<br /><br />
リトが目を覚ますと、そこにはララとヤミがいた。<br /><br />
「あれ……ここは……オレは一体……?」<br />
「ココ?ここはね、御門先生のお家だよ」<br />
「御門先生の……?」<br /><br />
リトが不思議そうな顔をしていると、そこに御門が現る。<br /><br />
「あら、結城くん。目覚めはいかが?」<br /><br />
リトは体を起しながら答える。<br /><br />
「別に普通ですけど……それより、一体何があったんですか?」<br />
「あなたが倒れた後、ヤミちゃんが私のところに来て、結城くんが倒れたから助けてくれって言ってきたのよ」<br />
「御門先生もプールにきてたみたいで、すぐ車でここまで運んでくれたんだよ」<br /><br />
御門に続いてララが答えた。<br /><br />
「そっか。ありがとな、ララ、ヤミ……」<br />
「か、勘違いしないで下さい///あなたは私のターゲットですから。私が殺すときが来るまで死んでほしくないだけです」<br /><br />
リトから顔を背けながらもいつもの照れ隠しの台詞を口にするヤミ。<br />
そこでリトはふと気づく。<br /><br />
「ん……?ちょっと待てよ?オレが倒れたっていうのは?」<br />
「あら、覚えてないの?」<br />
御門の問いかけに申し訳なさそうな顔を浮かべるリト。<br /><br />
「スミマセン……まったくです」<br />
「リト、私に抱きついた後気絶しちゃってたんだよ?」<br />
「え、そうなのか……?」<br />
そこも覚えてないリトは顔を赤くした。<br />
(オレいつララに抱きついたんだ……?<br />
第一なんで気絶なんかしてたんだ?)<br /><br />
「プールで散々泳いだ後にあんなことがあったんだもの。肉体的にも精神的にも疲れてたんでしょ。倒れるのも無理ないわ」<br /><br />
「あんなこと?」<br /><br />
リトは首を傾げて訊くとヤミが呆れながら答える。<br /><br />
「呆れました。なんて都合のいい頭をしてるんでしょうか……」<br />
「へっ?」<br />
「プリンセスを助けるためとはいえ、公衆の面前であんな、その、えっちぃことをしておきながら……///」<br />
「ララを助ける?一体ララに何があったんだ……?」<br />
そこまで言うととリトは全てを思い出す。プールで何が起きて、自分が何をしたかを。<br /><br />
「あっ……そうか!ララ、どこもケガはないか?体の調子は!?」<br /><br />
ララは急なリトの変わりように最初は驚いたが、自分よりもララを心配するリトの優しさに思わず嬉しくなり抱きついた。<br /><br />
「ううん、リトのおかげでどこもなんともないよ……ありがと、リト♪」<br />
「そっか……ならよかった。……あれ、そういや西蓮寺たちは?」<br /><br />
春菜たちがいないことにようやく気づくリト。<br /><br />
「そうだ、春菜たちどうしたんだろう?」<br /><br />
春菜たちよりも先にプールから出たララたちもその後は知らなかった。<br /><br />
「まぁ、きっと大丈夫でしょう。もう遅いし、家に居るんじゃない?」<br />
「もう遅いって今何時だ……?」<br />
リトはふと時計を見る。すると時計の時針は8時を指していた。<br /><br />
「やっべ、もうこんな時間か!あれ?……そういや美柑もどうしたんだ?」<br />
「美柑だったら先に帰ってご飯の支度してるって」<br />
「そっか……じゃあ早く帰らないとな。先生、どうもありがとうございました。ヤミもサンキューな」<br /><br />
御門に会釈をし、ヤミにも礼をいうと、リトはララに体を向ける。<br /><br />
「ララも……ホントにありがとな!」<br />
「うん……///」<br /><br />
嬉しさと気恥ずかしさに顔を赤らめ俯くララに、リトの心臓が早鐘を打つ。<br />
それも、春菜を見ていたとき以上に。そんな自分にしみじみとリトは思う。<br />
(あぁ……やっぱりオレ、心の底からララのコトが好きなんだなぁ……)<br />
リトはそう思いつつもララの手を取り自分の手と繋ぐ。<br /><br />
「リっ、リト!?」<br /><br />
リトの思い掛けない行為にララは吃驚するが、リトは落ち着いた声で微笑みながら言った。<br /><br />
「帰ろう?」<br /><br />
その言葉にララは首を立てに振って、連られるように微笑みながら答える。<br /><br />
「うんっ!」<br /><br />
そういうとララはリトに抱きつき腕を組む。<br />
しかしいつものように引きはがされる様子は無い。<br /><br />
「それじゃ、お大事に~」<br /><br />
バタン…<br /><br />
「ドクターミカド」<br />
「何、ヤミちゃん?」<br />
「結城リト……彼の様子がいつもと違くありませんでしたか?」<br />
「そうね……きっと吹っ切れたんじゃない?」<br />
「吹っ切れる……?」<br />
「そうよ」<br />
「……?」<br />
「あなたにも解るときがいつかくるわよ、きっと」<br />
「そうですか……」<br /><br />
その後、リトとララは腕を組んだまま無言で歩いていた。<br />
しかしそれは帰路ではなく、家とは違う方向に。<br />
そのことに気づいたララが沈黙を破った。<br /><br />
「ねぇ、リト?」<br />
「ん、なんだ?ララ」<br />
「お家はコッチじゃないよ?」<br />
「あぁ、わかってるよ?」<br />
「?」<br />
「ちょっと行きたい場所があってさ、そこでララに話したいことがあるんだ」<br />
「私に?」<br />
「うん。ダメか?」<br />
「ううん、私はいいよ。それに私もリトに言いたいことがあるから。でもあんまり遅いと美柑、余計に待たせちゃうよ?」<br />
「そうだな……。でもどうしてもララに伝えたいことがあるんだ。だから……」<br />
「うん、わかった……。もう一つ訊いてもいい?」<br />
「ん、なんだ?」<br />
「リト、イヤじゃないの?」<br />
「何がだ?」<br />
「今まで腕組んだり抱きついたりすると慌てて逃げてたのに……」<br />
「あぁ、そーゆーことか」<br />
「うん。だからイヤじゃないのかなって」<br />
「そっか、今まで嫌がってるように見えてたのか……。ゴメンな」<br />
「イヤだったんじゃないの?」<br />
「あぁ」<br />
「じゃあ?」<br />
「その、恥ずかしかったっつーか……」<br />
「恥ずかしい?」<br />
「あぁ……でも、これからは自分の気持ちに素直になろうと思ったんだ」<br />
「え?それってどー「お、着いた」<br /><br />
ララの言葉をリトが遮るように喋り、そして続ける。<br /><br />
「なぁ、ララ。ここ、覚えてるか?」<br />
「え?ここって……?」<br /><br />
ララは辺りを見渡してすぐに何か閃いたかのように言う。<br /><br />
「あ、もしかして……!」<br />
「そ、ここはララがオレにプロポーズした場所だな」<br /><br />
どうやらリトはここに向かって足を運んでいたらしい。<br /><br />
「でもどうしてここに……?」<br />
「さっき、ララに伝えたいことがあるって言ったろ?それにはここが一番ふさわしい場所かなって思ったから」<br /><br />
リトは河川敷の芝生に足を踏み入れながらそう言った。<br />
「そっかぁ……それで、伝えたいことって?」<br /><br />
そう言いながらララもリトの後ろをついていくように芝生に足を踏み入れる。<br /><br />
「…………」<br />
「リト?」<br />
「オレさ、西連寺のことが好きだったんだ」<br />
「えっ……」<br /><br />
突然の好きという告白、しかもそれが恋敵でもあり親友でもある春菜に対するものでララは唖然とする。<br />
リトはララの方に振り向いてゆっくりとした口調で続ける。<br /><br />
「でもだんだんララが好きになっていく自分がいて、ララと西連寺、どっちが好きなのか解らなくなってた……けど……」<br />
「……?」<br />
「今日になってやっと解ったんだ。オレはララが好きなんだって」<br />
「……!」<br />
「ララの笑顔を見てると心から安心する。それにうれしくなるんだ」<br />
「……ほんと、に?」<br />
「あぁ……それにララが溺れた姿を見たとき、すごく怖くなって涙が止まらなかった……それでやっと気づいたんだ、ララが大好きで大切なんだって」<br />
「リトっ!!」<br /><br />
ララは声涙倶に下り、リトの胸に飛び込んで顔を埋める。<br /><br />
「うれしい……本当にうれしい!やっと、振り向いてもらえたんだね……」<br /><br />
それに相呼応してリトはやさしくララを抱き込む。<br /><br />
「遅くなってごめんな、ララ」<br />
「ほんとだよ……。私、不安だった……もう振り向いてくれないかもって何度も思ったんだよ?」<br />
「ホントにごめんな……」<br />
「うん……」<br />
「でさ、まだあの時の返事してなかったろ?それにこーゆーのは男から言うもんだと思うし」<br />
「え?」<br /><br />
急にリトの態度が変わり、真剣な目つきになる。そしてララの目を見据えて言った。<br /><br />
「デビルークだとか王女だとか……そういうのは一切無しで。ララ、好きだ」<br />
「リト……」<br />
「ララのこと、もっといっぱい知りたい。それにこれからもずっと一緒に居たいんだ。だから……結婚しよう?」<br />
「リトっ!!」<br /><br />
ララは一番言って欲しかった言葉を言われリトを抱き締める。<br /><br />
「私もリトのこと、もっといっぱい知りたい!一緒に居たい!!だから絶対の絶対だよ!?」<br /><br />
それに応えるかのようにリトは抱き返す。<br /><br />
「あぁ!!でも今はまだ高校生だから卒業したら、な?」<br />
「うん!ねぇ、リト?」<br />
「ん?」<br />
「キスしてもいい?」<br /><br />
ララがそう訊くとリトはすぐに瞼を閉じララの唇に自分の唇を重ねた。<br /><br />
「んっ……」<br /><br />
ララはリトの嬉しい不意打ちに思わず目を丸くする。<br />
前はこんなことを訊いただけでも顔を真っ赤する程奥手だった彼が自分を求めてくれている。<br />
そう思うだけで更に嬉しさに拍車がかかる。<br />
そしてリトの顔が離れていくとともに唇にあった暖かい感触が薄れていく。<br /><br />
「あ……」<br />
「こんなんでよかったら、いつでもしてやるよ?///」<br /><br />
顔を赤くしたリトはそっぽを向き照れながら言った。<br /><br />
「うん……じゃあもう一度して……?///」<br /><br />
ララも顔を赤らめながらもキスをねだる。<br />
リトは無言で肩を抱き寄せるとその唇にキスを落とす。<br />
唇が繋がっているだけで、互いの考えや想い、全てが分かるようなこの感触、感覚。<br />
たった数秒のはずなのに、数十秒にもとって感じられる。<br />
今度はララの方から顔を離す。<br /><br />
「私もリトに言いたいことがあるの」<br />
「ん?」<br />
「今日はホントにありがと!リトは命の恩人だね?」<br />
「そんな……別に当然のことをしたまでで……」<br />
「ううん、そんなことないよ。リトはやっぱり宇宙一頼りになるね♪」<br />
「そんな……///とりあえず、帰ろっか」<br />
「うん!」<br /><br />
二人は腕を組み手を繋ぎ歩き始める。<br /><br />
「帰ったら続きしようね、リト?」<br />
「続きって……///」<br />
「えへへ、今日は寝かせてあげないよ~♪」<br /><br />
そんな会話をしながら帰路を歩んでいった。<br />
そして玄関の扉に着く頃には午後九時を回っていた。<br />
チャイムを鳴らすとすぐに美柑が出迎える。<br /><br />
「遅いよ、リト!ララさん!いったいどうしたの?」<br /><br />
美柑が心配しながら訊くとララはリトを横からぎゅっと抱き締めて言った。<br /><br />
「私たち結婚しまーす!!」<br />
「はい……?」<br /><br />
―――――――――――<br /><br />
三人は湯気が揺曵し、見るからにして美味そうな料理が並ぶ食卓を囲んでいた。<br />
一通りのことをリトとララが美柑に話した。美柑はリトの急な決心に驚きつつも黙って聞いていた。<br />
そして話を聞き終えて美柑は確認するかのようにリトに問う。<br /><br />
「そっか……そうなんだ。それでリトは結局ララさんを選んだんだ……?」<br />
「選んだって言い方は違う気がするけど……そうなるのかな」<br />
「よかったの?」<br />
「よかったって何がだ?」<br />
「春菜さんのことだよ」<br />
「西連寺の?」<br /><br />
ララも「そこんとこ気になるなぁ」といった顔で美柑とリトの話し合いを傍観する。<br /><br />
「だってリト、春菜さんのことが好きだったんじゃないの?」<br />
「あぁ……好き、だったのかもな。でも今にしてみれば好きっていうよりも憧れに近いものだったと思うんだ」<br />
「憧れ?」<br />
「誰に対しても分け隔てなく優しくて、立候補もしてないのに委員長に推薦されるくらいみんなに信頼されてて……オレもそんな風になってみたいなって憧れてたんだと思う」<br /><br />
「ふぅ~ん……。ま、その辺はリト自身が一番分かる、か」<br /><br />
リトの目を見て迷いが無いと分かった美柑は深追いしなかった。<br /><br />
「じゃあララさん、ペケ、これからもよろしくね!」<br />
「うん!」<br />
『こちらこそ』<br />
「ところで美柑、ナナとモモ、それにセリーヌは?」<br /><br />
リトがモモたちがいないことに気づき美柑に訊く<br /><br />
「モモさんたちならデビルーク星に用事があるって言って帰っていったよ?セリーヌはほら、そこ」<br /><br />
リトは美柑が指差す方を見るとセリーヌはソファーの上でぐっすりと眠っていた。<br /><br />
「起こしたらかわいそうだからそっとしときなよ?」<br />
「あぁ」<br /><br />
リトがセリーヌの寝顔を見つめていると、ララは席を立ち、弾んだ声でリトに言った。<br /><br />
「じゃあリト、私は先に部屋で待ってるね?」<br />
「あれ、おまえ風呂は?」<br />
「御門先生のとこでシャワー浴びちゃったから」<br /><br />
そう言うと階段を上っていった。<br /><br />
「じゃあオレは風呂入るかな」<br />
「リト」<br /><br />
風呂場に向かおうとしたリトを美柑は呼び止めた。<br /><br />
「大切にしてあげなよ?」<br />
「……あぁ。サンキューな、美柑」<br />
「うん……」<br /><br />
美柑は今度こそ風呂場へ向かうリトの後ろ姿を見つめていた。<br />
自分だけのお兄ちゃんだったのがそうでなくなる寂しさ、悲しさ。<br />
自分の義姉がララになることの嬉しさ、喜ばしさ。<br />
これらの感情が入り交じって、得も言えない気分になっていた。<br />
そんな気分でも美柑はただひとつだけ言えることがあった。<br /><br />
「リト……ララさん、お幸せにね」<br /><br />
風呂をあがったリトはトランクス一丁で自室へと戻る。<br />
扉を開けると部屋の明かりは点いておらず、カーテンは朝と変わらず開けっぱなしのまま。<br />
窓からは満月の月光が射し込み、幻想的な雰囲気を醸し出している。<br />
そんなリトの部屋のベッドに、ララは一糸も纏わぬ姿で横になっていた。<br /><br />
「もう寝ちまったのか?」<br /><br />
こちら側に背を向けているので起きているのか寝ているのか判別つかないララに一人呟く。<br />
もし寝ていたら、と考えてそーっとララに近づく。<br />
するとララはがばっと体を起こすとリトを捕まえてベッドに引き摺り込んだ。<br /><br />
「おわっ!?」<br /><br />
リトは視界が回転したかたと思うと、急に顔面が柔らかい感触に包まれ真っ暗になる。<br /><br />
(この柔らかい感じは……)<br /><br />
リトはこの感触が胸のものだと解ると同時に、ララの胸に顔を埋められていると理解する。<br /><br />
(なんか、すごく落ち着く……でも息が!)<br /><br />
ララの胸に安堵を覚えたリトだが、このままでは窒息死してしまうと、リトは顔を上げる。<br />
するとそこにはリトを慈しむような目で見るララの顔があった。<br /><br />
「捕まえた♪」<br /><br />
リトの首に腕を回してがっちりとホールドするララはにっこりと笑う。<br /><br />
「ララ……」<br /><br />
ララの純粋で無邪気な笑顔にリトは思わず見とれる。<br /><br />
「うふふ……前よりずっとリトを近くに感じてうれしい♪」<br /><br />
急速に縮んだ心の距離に喜びを隠さず、笑顔でありのままの自分の気持ちを伝えるララにリトの口元も自然と綻ぶ。<br /><br />
「うん……。オレもララを近く感じる」<br /><br />
もうララの気持ちから逃げる理由は無い。ララの気持ちを受け入れ、逆に自分の気持ちもララに向かって突っ走しるだけ。<br />
リトは早速行動に移そうとララに訊く。<br /><br />
「なァ、ララ。今日はララの部屋で寝かせてくんねーか?」<br />
「? 別にいいけど……」<br />
「よし、そうと決まれば」<br /><br />
ララからOKをもらうとリトの首に腕を回したままのララの胴と膝の下に腕を回し立ち上がる。いわゆるお姫様抱っこ状態。<br /><br />
「あは……うれしい///いつかリトにこうやって抱っこしてもらえたらなって思ってたから……///」<br /><br />
ララの顔は驚きながらも嬉しさで満ちる。<br />
リトはそんなララを見て自分まで嬉しくなっていった。<br /><br />
「じゃあこれから抱っこするときはこうするな?」<br />
「うん♪」<br /><br />
ララの意を汲んだリトの言葉にララの表情はもっと明るくなる。と同時にリトの嬉しさにも拍車が掛かる。<br /><br />
「他にもしてほしいこととかあったら言ってくれな」<br />
「えっ!?ホントに!?」<br /><br />
リトの意外な申し出にララの嬉しさは有頂天真っ直中だった。<br /><br />
「出来る限りは応えるから」<br /><br />
リトもララに負けないくらいの笑顔で答える。<br />
そんなやりとりをしてると、リトの部屋の隣だけあってすぐにララの研究所につく。<br /><br />
「リト、寝室はコッチだよ!」<br /><br />
リトはララが指でさす方に進むとドアがあった。ドアを開け中に入ると、そこは発明品の並ぶ研究所とは打って変わった部屋だった。<br />
六畳ほどの部屋の真ん中にクィーンサイズのベッドがあるだけの部屋。<br /><br />
(こんな部屋で寝てたんだ……)<br /><br />
飾り気も何も無い、ただ寝るためだけにあるかのような部屋にリトは驚きながらも、リトがララをベッドの上にそっと横たわらせると、リトもララの隣で横になる。<br /><br />
「にしてもでかいベッドだな」<br />
「うん、いつリトと寝てもいいようにこうしといたんだ!」<br /><br />
リトの胸は切ない気持ちでいっぱいになる。<br />
いつもこんな広いベッドに一人で寝ていたのか。いったいどれだけの間、自分が振り向くのを待っていてくれたんだろう。<br />
そう思うと以前のハッキリしなかった自分がどれだけララを傷つけてきたのか、自分に怒りを覚える。<br /><br />
「ごめんな」<br />
「えっ?」<br /><br />
リトはララの方に体を向けて、悲しげな顔をしてララに謝る。<br /><br />
「今まで散々ララに辛い思いをさせてきたんだなって……」<br />
「リト……」<br /><br />
ララはリトの頬に手を添えるとキスをして言った。<br /><br />
「大丈夫だよ?気にしてないから」<br />
「ララ……」<br /><br />
無理矢理笑顔をつくって答えるララがリトには凄くいじらしく思えて、思わずララを抱きしめる。<br /><br />
「ありがとう」<br /><br />
ララもリトを抱きしめる。二人は抱き合ったまま黙り込んだ。<br /><br />
しばらくしてリトが口を開く。<br /><br />
「すごいよなぁ……」<br /><br />
心から感心したような声でリトは言った。<br /><br />
「すごいって?」<br /><br />
何がすごいのかさっぱり見当のつかないララの頭の上には?マークが浮かぶ。<br /><br />
「どれだけ広いかわからないこの宇宙でオレとララが出逢えたことがすごいなって思ってさ」<br />
「うん……そうだね」<br /><br />
リトの言うことにララは頷く。<br />
確かにどれだけ広いかわからない宇宙で二人が出逢う確率など天文学的数値に等しい。<br /><br />
「でもね、リト?私は出逢わなかったってことはないと思うんだ」<br /><br />
ララは自信満々にそう言い切った。<br /><br />
「どうしてそう言い切れるんだ?」<br />
「だって……運命だったから」<br />
「運命……?」<br />
「うん。リトんちのお風呂で出逢って、いつか結ばれる運命だったんだよ」<br />
「……そういうもんか?」<br /><br />
そんな一言で片づけていいもんなのかな、そう思いつつもリトはララに聞き返した<br /><br />
「うん……言葉じゃ説明できないことってあると思うの。他にもそういうのはあると思うよ」<br />
「ほか?」<br /><br />
どんなのがあるんだ?とリトの目がララにそう訊く。<br /><br />
「うん。……例えば、リトは私が好きで、私はリトが好き。でもどんなに好きでも言葉じゃ限界があると思うの」<br />
「確かにな……」<br />
(好きだの愛してるだの言ってるだけじゃただの安売りだし、言葉じゃ表現出来ない部分もあるもんな……)<br /><br />
言葉に余るとはまさにこういうことだろうな、とリトはうんうんと頷きながら肯定する。<br /><br />
「だからそういう時は態度とか行動で表すものだって私は思うよ?」<br /><br />
ララは起き上がるとリトに跨り、馬乗りになると腰を屈めた。<br />
顔は鼻と鼻がぶつかるのではないかという位にまで近づいている。<br />
ララの翡翠色の瞳はリトの瞳の底を覗き込むかのように見つめる。<br />
彼女の揺れ動く長い桃色の髪がリトの鎖骨や耳を撫でるようにくすぐり、たわわに実った胸はリトの胸板に押しつけられる。<br /><br />
「ララ……?」<br />
「私たちも……言うだけ言ったから、言葉じゃもう限界だと思うよ?」<br /><br />
ララはそういうと同時にリトに口づけをした。<br />
リトの口の隙間に舌を差し込み、リトの舌を誘う。<br />
リトは舌を伸ばすとララの舌を受け止めて絡める。<br /><br />
「ふぁ…ん…ぁ…ちゅる…んむ、ぷはっ……」<br /><br />
初めてのディープキス。<br />
とろけそうなくらい熱く、甘い。その淫猥な感覚に官能が刺激され、互いを求める気持ちがエスカレートしていく。<br /><br />
「ぢゅる…んぅ…ふぁ、んぅ……ぷはぁ……」<br /><br />
二人はようやく唇を離すと、リトとララの絡み合った唾液が糸を引く。<br /><br />
「リトぉ……もう我慢しなくていいんだよね?」<br />
「あぁ、オレも我慢できそうにない……」<br /><br />
ララの今までずっと我慢していたリトへの想いが弾ける。<br />
リトも今日になって解ったララを想う気持ちが止めどなく溢れていく。<br /><br />
「じゃあリト、一緒に気持ちよくなろう?」<br /><br />
ララはそういうや否や体の向きを180度回転させた。<br />
リトのトランクスをやや強引に脱がすと怒張した一物が露わになる。先からは透明で粘りのある体液が溢れていた。<br /><br />
「リトの……すごい濡れてるよ?」<br />
「ララのもすごいよ……?」<br />
「ひゃっ!?」<br /><br />
リトもララのお尻に手を掛けると、突き出されたララの潤った秘部をまじまじと見つめ、愛液を舐めとるように割れ目をなぞっていく。<br /><br />
「リトぉ……よーし、こっちだって」<br /><br />
ララも負けじとリトの一物に舌を這わせ、口の奥深くまで入れる。<br /><br />
「くっ……ララぁ……」<br /><br />
ただでさえ気持ちいいのにララが舐めている、そう思うだけでリトの全身に快感が走る。<br />
そんなリトの反応に、ララはリトの弱点を的確に攻め続ける<br /><br />
「ちゅぷっ…じゅる……ここが気持ちいいんでしょ?リト……」<br /><br />
(このままじゃヤバい!)<br /><br />
なんとかララの猛攻を緩和しようと、リトはララのなぞるだけではなくララの割れ目に舌を差し込むと掻き回す。<br /><br />
「あっ、それ……気持ちよすぎて、おかしくなっちゃう!」<br /><br />
しかしララはこの快感を紛らわそうと余計にリトへの攻めを激しくする。<br /><br />
「ララぁっ……ダメだ……そんな激しくしたらオレ……っ」<br /><br />
最早ララを攻めることが出来なくなるにまで快感に溺れたリトは為す術が無かった。<br />
リトはこのまま絶頂を迎えるのかと思った矢先、あるものが目に留まる。<br /><br />
(これだ!!)<br /><br />
リトはふりふりと揺れ動くララの尻尾を掴み、先端をくわえる。<br /><br />
「し……尻尾はダメぇぇ~~~~!」<br /><br />
ララはリトの一物から手を離すとビクビクと震え始める。<br /><br />
「お願い……尻尾はっ……」<br /><br />
リトは口から尻尾を離すと指先で尻尾を擦り、空いた口はというと尻尾よりも敏感な、小さな突起に舌を伸ばし、包み込むように舐める。<br /><br />
「それ……っ、はんそ、くぅ……っ」<br /><br />
ララはどんどん押し寄せる快感に身悶えながらもリトの一物に再びくわえこむ。<br /><br />
「くっ……もうダメだ、ララぁっ!」<br />
「私もイッちゃうよ!リトぉっ!」<br /><br />
二人はほぼ同時に果て、リトはララの口内に色情の全てを吐き出す。<br />
ララはそれを「こくん」と音を立てて嚥下すると微笑んで言った。<br /><br />
「リトの味がする……///」<br /><br />
そんなララにリトは見惚れる。可愛い。可愛すぎる。<br />
どうしてこんなにも可愛いのか。最早リトにとってはララの全てが愛おしかった。<br /><br />
その体も心も匂いも味も、全てが。<br />
刹那、ララを自分のものにしたい、自分はララのものにされたいという欲求に駆られる。<br /><br />
「ララ……」<br />
「うん……」<br /><br />
ララ自ら足を開き、リトを誘う。どれほどこの瞬間を待ち焦がれたことか。不安なんか微塵の欠片もなかった。<br />
そして望みはついに叶う。<br /><br />
「いくよ……?」<br />
「きて……」<br /><br />
リトは自分の一物をララに挿した。<br /><br />
「ひっ……くぅん!」<br /><br />
ララは痛みと喜びの入り交じった声を挙げ、リトは未知の感覚に早くも射精感を覚える。<br />
ぎっちぎちに締め付けられるくらいきついのに、ぬるぬると奥へ吸い込まれていくような感覚。<br />
それと同時に柔らかい感触がリトを四方八方から包み込む。それでいてとても熱い。<br />
しかし少しでもララの痛みを無くそうと、リトは堪えながら止まることなく一気に進んだ。<br />
必死に痛みを耐えるララにリトは抱きしめ、少しでも早く気持ちよくなってもらおうと唇を重ね、舌を絡める。<br /><br />
「見て、ララ?」<br /><br />
リトはララを抱き抱え座位になり、接合部が見えやすい格好をとる。<br /><br />
「ほら……オレとララが繋がってる……」<br />
「うん……やっと一つになれた」<br /><br />
ララは涙をぽろぽろとこぼしながらリトの首に腕を回してしがみつき、口付けをする。<br /><br />
「ん…ふぁ…ちゅぱ……ちゅるっ…」<br /><br />
啄むように口付けをし、流れるように舌を絡め吸い上げる。<br /><br />
「もう痛くないか?」<br />
「うん、大丈夫だよ……」<br />
「じゃあ動くな?」<br /><br />
リトは後ろにぽすんとララを倒すと、少しずつ腰を引いては打ちつける。<br /><br />
「ん……ふぁ……あぁん……」<br /><br />
だんだん嬌声へと変わっていくララの喘ぎ声を確認しながらそのスピードを速めていく。<br />
それと同時に空いた手で豊満な胸を鷲掴みながら揉みしだいていく。<br /><br />
「あっあっ、リトぉっ、はげしいよぅっ!」<br /><br />
そうは言いつつもリトのリズムに合わせてララも腰を上下に振る。<br /><br />
「だめ…そこっ…気持ちいいの…ああん!いっ、だめ…ッ!」<br /><br />
リトも限界が近いと悟り、一気にラストスパートをかける。<br /><br />
「リトっ、お願い…一緒にっ!」<br />
「くぁっ、ララ、出る!」<br /><br />
リトは最後に最奥を突くと絶頂へ達し、ララの膣内に思いの丈全てを吐き出した。<br />
それと同時にララは体を弓なりに反らしながら果てる。<br /><br />
「はぁっ…はぁっ…」<br /><br />
二人は繋がったままベッドに倒れ込み、倒れた反動でララからリトが引き抜ける。<br /><br /><br />
「はぁっ……ララ、愛してるよ……」<br />
「うん、私もリトを愛してるよ……リトを本当に好きになったあの日から、ずっとずっと……」<br />
「そしてこれからも……だろ?ララ」<br />
「うん!」<br /><br />
どちらからともなく、そっと口付けを交わす。<br /><br />
「それにしてもホンットに気持ちよかった♪ね?」<br /><br />
満足そうにララはリトに訊く。<br /><br />
「あぁ……でも凄い疲れるな。なんか眠たくなってきちまった……ふぁぁ~」<br /><br />
リトは欠伸をしながらそう答えると、ララはリトに覆い被さって言った。<br /><br />
「ね、リト?」<br />
「ん、なんだ?」<br /><br />
ララは満面の笑みでリトに言った。<br /><br />
「今日は寝かさないって言ったでしょ♪寝ないでずーっと愛し合うの!」<br /><br />
その言葉にリトの一物は再び元気を取り戻す。断るの文字は頭の片隅にも無い。<br />
自分もまだララを求めて止まない、そう思ったリトは喜んで快諾した。<br /><br />
「あぁ、望むところだ」</p>
2024-01-15T07:27:50+09:00
1705271270
-
クイーンの想い
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/89.html
<p>雨上がりの道路は独特の雰囲気を持っている<br />
花の葉っぱについた雫、溜まった水溜りが太陽の光に照らされて光る。<br />
運がよければ虹も見る事ができるだろう<br /><br />
プラチナブロンドの髪を縦ロールにした、いかにもお嬢様な雰囲気をだし、<br />
天条院沙姫はそんな道を歩いていた<br /><br />
彼女は別に散歩が趣味だからとこの道を歩いているわけではない。<br /><br />
「(き、来ましたわ!)」<br /><br />
電柱の影にそっと隠れるようにして見る。<br />
彼女の視線の先には<br />
自転車カゴの中にたくさんのスーパーの買い物袋をいれてこいでいる<br />
黒服の男・・・ザスティンがいた。<br /><br />
「(今日も、素敵ですわ・・・)」<br /><br />
うっとりとしばらくその姿を眺める。<br />
ここの道をザスティンが毎日通ると知ってからというもの、<br />
これが沙姫のいつも一緒にいる綾や凛も知らない秘密の日課となっていた。<br /><br />
「(ザスティン様・・・)」<br />
出会って恋に落ち、様々なアプローチを掛けてきたものの、<br />
今のところすべて失敗におわり、<br />
逆に彼に恥ずかしい姿を晒してしまったりしていた<br /><br />
しばらく眺めた後、電柱から顔を出し<br />
何事も無かったかのようにまた歩き出す<br /><br />
短時間ザスティンを眺め、すれ違うだけだが、それでも沙姫は十分だった<br /><br />
しかし、今日はいつもと違った。<br /><br />
いよいよすれ違おうとしたときである<br /><br />
『ビシャ・・・っ!!』<br /><br />
「きゃ・・・?!」<br /><br />
自転車が水溜りの上を走ったのと同時に水が跳ね、<br />
同時に沙姫の服を濡らしていた<br /><br />
「・・・っ!申し訳ありません!」<br /><br />
驚いたザスティンが慌てて自転車から降りて謝罪する<br /><br />
「あぁ・・・貴女は」<br /><br />
ザスティン自身、沙姫に見覚えがあるので余計に悪い気がした<br /><br />
「べ・・・別に、構いませんわ・・・っ!」<br /><br />
沙姫はただ、今ザスティンと自分が見つめあい、話している事にドキドキしていた<br />
思っても無い出来事である<br /><br />
「いいえ、私の責任です。本当に申し訳ありません・・・・。」<br /><br />
「そんなに謝らないで・・・」<br /><br />
「いいえ、ララ様のお知り合いの方に風邪など引かせるわけにはいきません。」<br /><br />
しばらく考えるようなしぐさをしてからザスティンは思いついたように言った。<br /><br />
「そうだ。私の家に行きましょうか。<br />
濡れた服を乾かしたりしないといけませんからね。」<br /><br />
「え・・・えっ?!それは・・・本当、ですの?」<br /><br />
「えぇ。責任を取らせてください。<br />
あぁ、家はすぐ近くなので大丈夫ですよ。」<br /><br />
突然降って沸いたチャンスにただ沙姫は喜ぶ事しかできなかった。<br /><br />
「じゃ・・・じゃあ、お言葉に甘えさせていただきますわ。」<br /><br />
+<br /><br />
なんてことはない、普通の家だったが、そんなことはもう沙姫にとってどうでもよかった<br /><br />
「シャワーはこちらです」<br /><br />
「シャワー・・・?」<br /><br />
「濡れたのは服だけではないでしょう?泥水を被ってしまったんですから。<br />
狭いところですが十分に機能しますから。乾燥機の中に濡れた服を入れていただければいいです。」<br /><br />
"ニコ"と笑う顔に沙姫のドキドキは高まるばかりだった。<br /><br />
+<br /><br />
脱衣所の中で濡れた服を脱いで言われたとおり乾燥機の中に入れてスイッチを押す<br /><br />
下着はかろうじて濡れてはおらず、ホッとしながらバスルームに入った<br /><br />
「今日このようなことになったのは・・・<br />
このチャンスは神様かなにかが与えてくれたものなんですわ・・・」<br /><br />
神などあまり信じているわけではないが、何時までも告白できない自分にはちょうどいいことだと思った<br /><br />
いつも邪魔をするララ達ももいない。<br />
頼りになる凛と綾がいないのは心細いが、告白は自分ひとりでやるものだ。<br /><br />
つまり、本当にチャンスなのかもしれない。<br /><br />
脱衣所においてあったバスローブに身を包んで沙姫は決意した。<br /><br />
「(今日は・・・今日は言うんですわ。)」<br /><br />
+<br /><br />
「あぁ、よかった。バスローブがあって。服どうしようかと思っていたんですよ」<br /><br />
沙姫を椅子に座るように促してから自分も座った。<br />
目の前のテーブルには、暖かそうなお茶。湯冷めを考えたザスティンの優しさだ。<br /><br />
「それ、どうぞ」<br /><br />
「あ、ありがとうですわ・・・」<br /><br />
一つ一つにドキドキを感じながら部屋を見回した。<br /><br />
「余り、物がありませんのね」<br /><br />
見る限りベットなど最低限生活に必要なものはそろっているが、基本的に物が無い<br />
それが沙姫には不思議だった。<br /><br />
「えぇ。ここには本当にたまにしか帰ってきませんから。普段は仕事が忙しく、仕事場で寝泊りばかりで」<br /><br />
「そうなんですの・・・」<br /><br />
「それより、貴女に謝る事がありました。」<br /><br />
「え?」<br /><br />
「以前はお食事に誘っていただいた事もあるのに何も言わずに帰ってしまい・・・」<br /><br />
スポーツフェスティバルでのことだ。<br />
確かにそんな約束をしたものの、ララの所為で恥ずかしいところを見せてしまった事がある<br /><br />
「別に、気にしてませんわ・・・。私こそ、都合も聞かずに頼み込んで・・・」<br /><br />
「そういっていただけると嬉しいです。」<br /><br />
『ピーーー』<br /><br />
乾燥機の音が鳴る。<br /><br />
「ああ、乾いたみたいですね」<br /><br />
乾燥機から沙姫の服を取り出し、そのまま手渡す。<br /><br />
少し指先が触れ、思わず指を引いてしまった。<br /><br />
「・・・沙姫殿?」<br /><br />
「は、はいっ。着替えてきますわ」<br /><br />
半ば強引に服を受け取り、再び脱衣所で着替える<br /><br />
「(な・・・名前を呼ばれてしまいましたわ)」<br /><br />
先ほどからドキドキしっぱなしだ。<br /><br />
「(頑張るのです。今日、今日だけがチャンスなのですから)」<br /><br />
+<br />
完全に覚悟を決めた沙姫に待っていたのはつらい現実だった。<br /><br />
「では、そろそろ出ましょうか」<br />
「え・・・・?」<br /><br />
「服も無事に乾きましたし、コレで風邪を引く心配もありません。<br />
今日は本当に申し訳ありませんでした。」<br /><br />
「そ、んな・・・」<br /><br />
だがザスティンの言う事は正しい。<br />
ザスティンは沙姫に風邪を引かせないために家に立ち寄らせただけであり、<br />
特にそれ以外にここにいる意味は無いのだ。<br /><br />
「ちょ・・・ちょっとお待ちになって!」<br /><br />
先に外にでようとしたザスティンを引き止める。<br /><br />
「まだ、何かありましたか」<br /><br />
困り顔で聞いてくるザスティンに沙姫は勇気を出して言った。<br /><br />
「わ、わた・・・私っ!貴方が・・・ザスティン様の事がっ・・・」<br /><br />
「沙姫、殿?」<br /><br />
今日頑張らなければもう一生チャンスは来ないかもしれない。<br /><br />
「好き・・・なんですわっ・・・!」<br /><br />
言い切ったあと、短い沈黙が空気を包む。<br /><br />
「・・・・・・・・・・」<br /><br />
無言なのが余計につらかった。<br />
せめて、『ご冗談を』と言ってくれたなら諦めがつく。<br /><br />
「駄目なら・・・駄目ならせめて、せめて一晩でもいいですわ!お願い、お願いですわ。<br />
それならもう・・・あきら、め、ますから」<br /><br />
最後途切れ途切れになったのはなぜだろうか<br />
目が熱いのはなぜだろうか<br /><br />
一晩でもザスティンに愛されるのなら、本望だった。<br /><br />
だが、現実は本当に辛いものだ<br /><br />
「申し訳ありませんが・・・私は恋人以外の方を抱く事は出来ません。<br />
一晩なら、とかそういうわけにはいかないんです」<br /><br />
「・・・っ・・・」<br /><br />
分かっていた事が、こんなにも辛いとは思わなかった。<br />
自然と涙が溢れ出していく。<br /><br />
「すみ、ません・・・すみません・・・」<br /><br />
「そんなに泣くまで、私のことを?」<br /><br />
「・・・貴方に、出会って、から、一目ぼれってヤツ、ですわ・・・<br />
すみません、ご迷惑を、おかけ、しましたわ・・・」<br /><br />
「沙姫、殿・・・」<br /><br />
「私は・・・私は・・・わたくしは・・・」<br /><br />
これ以上惨めな姿を見せたくなくて家を飛び出そうとした。<br /><br />
が<br /><br />
「な、にを・・・するんですの」<br /><br />
「先ほど私は恋人以外の人を抱く事はできないといいましたね」<br /><br />
「えぇ・・・」<br /><br />
「行かないでください。もう少し、話を聞いてください」<br /><br />
「・・・わかり、ました」<br /><br />
フられた以上、もう何を言われてもいいと思っていた。<br /><br />
「私は、今の私は、貴方を抱く事が出来ます」<br /><br />
「何を・・・」<br /><br />
わけが分からない<br /><br />
「何故だか言いましょうか」<br /><br />
「・・・・」<br /><br />
「私も、貴方が好きだからですよ」<br /><br />
「何を・・・言っていますの?私、意味が分かりませんわ。だって貴方は先ほど・・」<br /><br />
言ったじゃないか"恋人で無いなら抱けない"と―<br />
という言葉はかき消された<br /><br />
急に奪われるような形のキスで。<br /><br /><br />
「ザスティン・・・様・・・?」<br /><br />
何が起こったかわからなかった。<br /><br />
「これでも、信じてはもらえないでしょうか。」<br /><br /><br />
信じるも何も、何がなんだか分からない。<br /><br />
「私も・・・その、恥ずかしいのですが以前からララ様に貴女のことを聞いておりまして<br />
話を聞くたびに一度お会いしたいと思いましてね、あなたの車を持ち上げた時、とても素晴らしい方だと思ったんです」<br /><br />
「・・・・・・」<br /><br />
沙姫はただ、話を聞いていた。<br /><br />
「いつも貴女はあの道で歩いているでしょう?<br />
とても素敵な偶然だと思って、毎日会うために私はあの道を通っていたんですよ」<br /><br />
あの道・・・いつも沙姫が待ち伏せして得ていたささやかな幸せの時間。<br />
アレを彼も同じ気持ちで通っていたとは知らなかった。<br /><br />
「いつものようにすれ違うときに、今日はこんなチャンスも訪れた。嬉しかったですよ。」<br /><br />
「なら・・・私のことが好きだというのなら・・・どうして、さっきあんなふうに・・・」<br /><br />
「貴女はとても素晴らしい方です。私を中途半端な憧れで好きだと勘違いされては困ります<br />
貴女の幸せを考えてだったんですが。貴女が本気で私を好きになってくれているとは思いませんでしたから。」<br /><br />
「・・・・・」<br /><br />
「だから、もう迷わないと決めました。そしてキスをした。」<br /><br />
「では・・・証拠を見せて、いただけるの?」<br /><br />
「えぇ。貴女が望むなら。」<br /><br />
+<br /><br />
めったに使われないベットは冷たく、沙姫にとっては硬いものだった<br /><br />
「ん・・・ふっ・・・ちゅ、・・・あ」<br />
「ん・・・・」<br /><br />
互いに唇を重ねあい、舌を絡めあう。<br /><br />
「は、ぅ・・・」<br /><br />
「服、いいですか」<br /><br />
こくんと頷く沙姫に承諾をとり、ゆっくりと服を脱がせていく。<br /><br />
「あっ・・・」<br /><br />
首元に顔を埋め、ぺろりと首筋を舐めると、キツく吸って後を残す<br /><br />
「み、見えますわ・・・そんな、ところ・・・ん」<br /><br />
「見せ付けるといいですよ」<br /><br />
「あ、はっ・・・ザス、ティン様っ」<br /><br />
沙姫の胸を片手で揉みしだき、先端を軽く弄ってやると嬌声が漏れた<br />
反応に手ごたえを感じながら、もう片手はスカートの中へ忍ばせる<br /><br />
「あ・・・ひゃっ・・・」<br /><br />
太ももを優しく撫で、下着に触れる。<br /><br />
「濡れてますよ・・・こんなだ・・・」<br /><br />
「や、め・・・言わない、でくださ・・・」<br /><br />
スカートと一緒に下着も脱がせ、沙姫の足を立たせる<br /><br />
「あ・・・や、恥ずかし、いですわ、こんな格好・・・」<br /><br />
「いい、ですよ凄く。ココは、どんどん溢れてくる」<br /><br />
舌でぺろりと舐めていく<br /><br />
「ん、んっあ・・・そ、こ熱い・・・なんか熱い、の」<br /><br />
「ココですか?」<br /><br />
指を沙姫の愛液で濡らし、ゆっくりと中に挿れていく<br /><br />
「あ・・・っは、あ・・・あぁっあ・・・」<br /><br />
第二間接あたりまで挿れ、ぐるりと沙姫の中をかき回す<br />
親指で膨れているそこを弄ってやると、耐え切れずに声が溢れる。<br /><br />
「あ、は・・・っあ、や、ザスティン、様、変に、な・・あぅ・・ん<br />
あんっあ・・・はんっ・・・ああんっ」<br /><br />
硬く、狭かった内部もゆっくりと蕩けだし、指を求めだしてくる。<br /><br />
「そろそろ、ですね・・・いいですか」<br /><br />
カチャリと金属音をさせてズボンの中から自分を取り出し、そこにあてがう<br /><br />
「あ・・・ぅ・・・」<br />
「怖い、ですか」<br />
少し、だけですわ。と訴えてくる愛しい人に<br /><br />
「力を抜いていてください。辛いなら、私の肩にツメを立てて構いません」<br /><br />
「は、い・・・・・・ん!!」<br /><br />
一気に突き立てるとさすがに苦しいような顔をする。<br /><br />
「あ、あっ・・・はぁっあ・・・ぅ」<br /><br />
「すみません、キツいですか」<br /><br />
「もう、いい・・・ですわ、いい、から・・・っ」<br /><br />
早くという訴えを叶えてやろうとじっくりと腰を使っていく<br /><br />
「あ、ぁぁっあんっは・・・あ、やぁ・・はぁんっ!」<br />
「いい、ですよ凄く。あなたの中は、とてもイイ・・・」<br /><br />
「あ、ぁザス、ティン様、あんっぁはっ・・・あ」<br /><br />
「ここ・・・か」<br /><br />
感じる箇所を的確についていくとさらに淫らな声が聞こえる<br /><br />
「あ、はぅ、ザス、ティン、様、も・・・ぁあんっは・・・イ、イ・・・凄く<br />
もう、は・・・我慢、できな・・・」<br /><br />
「っ・・・私もです・・・いきますよ」<br /><br />
一気に激しく動かし、攻め立てていく<br /><br />
「あ、も・・・駄目、で・・・あぁぁんっ!!」<br />
「・・・・っ」<br /><br />
ビクリと跳ねて沙姫がイくのを見届けると同時に中から取り出し、<br />
沙姫の腹上に射精した<br /><br />
「次は、いつ会えるのでしょうか」<br /><br />
ベットの上は行為前の冷たさをなくし、すっかり熱くなっていた。<br />
沙姫はほとんど夢心地みたいに満たされた顔でそういった<br /><br />
「どうしたんですか、そんな事を。いつでも会えるじゃないですか」<br /><br />
「もしかして、また私にあそこの道を通れと言うのですか?もう、恋人なのに・・・」<br />
「そうではないですが・・・」<br /><br />
「それに、家がココだと分かったところでお仕事が忙しいのならここで待っていても駄目ですし」<br /><br />
「不安ですか?」<br /><br />
「・・・少し、だけ」<br /><br />
「安心してください。一晩だけではないと約束したでしょう。そうですね・・・それでは。」<br />
バックの中から携帯電話を取り出すと、番号をメモ帳に書いて渡す。<br /><br />
「これは?」<br /><br />
「私の番号です。会いたいときはコレに電話してください。<br />
―必ず、会いに行きます。」<br /><br /><br />
学園のクイーン天条院沙姫の想いは<br />
こうして見事報われる事になりました。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /></p>
2024-01-14T23:44:03+09:00
1705243443
-
トップページ
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/1.html
//このwikiは「ウィキニン」の構築です
こちらは2ch「ToLOVEるでエロパロ」板のまとめウィキです。
18歳未満の方は申し訳ありませんが他所へお願いします。
現行スレ
To LOVEるでエロパロ part17
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1489947028/l50
過去スレ
part16
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1332079796/
part15
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1309197420/
Part14
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1293334395/
Part13
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1274604574/
Part12
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1258266936/
Part11
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1250685824/
Part10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1236709008/
Part9
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1226940515/
Part8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1218692526/
Part7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214847441/
Part6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210229426/
part5
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205054359/
part4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1198154964/
part3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183904182/
part2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177506260/
初代
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1146845418/
-[[作品1>作品]]
-[[作品2]]
-[[過去ログ]]
-[[避難所]]
-[[うpろだ]]
2018-06-01T22:20:07+09:00
1527859207
-
作品
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/14.html
d作品をこちらにまとめております
物語ごとのページを作る場合は
1.ページ下部の「新しいページ」を選ぶ
2.ワープロモードで作るを選ぶ
3.ページタイトルには題名、またはスレ番号を記入
4.コピペ
5.保存
これでOKです。
またこのページにリンクを張る場合は「このページを編集する」を選び、編集画面でのみ表示されるガイダンスに従ってください
//-[[###]]
//上の行をコピーし、「###」をページタイトルにして下さい
//たとえばページタイトルが「とらぶる」ならば、-[[とらぶる]]と書いてください
以下、作品集(作品2は続き)
//-[[とらぶる]]のように書いてください、なお「//」は消して下さい
-[[1スレ23]](リト×ララ)
-[[はるみかん]](美柑)
-[[1スレ83]](リト×唯+沙姫)
-[[1スレ85]](リト×ララ)
-[[1スレ210]](リト×ララ+春菜)
-[[1スレ263]](リト×ララ)
-[[1スレ292]](リト×ララ)
-[[美柑×ザスティン]](美柑×ザスティン)
-[[リト×春菜]](リト×春菜)
-[[リト×ララ]](リト×ララ)
-[[萌えつきろ!強姦・レイプ・超性交]](オリキャラ×美柑)※ダーク
-[[エロ春菜]](リト×春菜)
-[[リトララ]](リト×ララ)
-[[1スレ585]](リト×美柑)
-[[1スレ651]](リト×沙姫)
-[[1スレ668]](レン×春菜)
-[[1スレ693]](リト×沙姫)
-[[1スレ716]](リト×ルン)
-[[1スレ737]](リト×沙姫)
-[[犬リト×春菜]](リト×春菜)※獣姦
-[[1スレ759]](リト×沙姫)
-[[1スレ769]](沙姫・凛・綾×春菜)※ダーク
-[[1スレ781]](美柑×ヤミ)
-[[1スレ802]](オリキャラ×秋穂+春菜)
-[[1スレ816]](リト×御門)
-[[1スレ829]](オリキャラ×沙姫)※ダーク
-[[1スレ853]](リト×沙姫)
-[[リトと唯と沙姫]](リト×沙姫 リト×唯)
-[[2スレ137]](リト×金色の闇)
-[[2スレ184]](美柑×リト+沙姫)
-[[2スレ296]](リト×ララ×春菜+美柑)
-[[2スレ411]](リト×唯)
-[[リトと唯 プロローグ 恋の時計 前編]](リト×唯)
-[[リトと唯 プロローグ 恋の時計 中編]](リト×唯)
-[[リトと唯 プロローグ 恋の時計 後編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第一話]](リト×唯)
-[[リトと唯 第一話 結城家にようこそ! 前編(修正バージョン)]]
-[[リトと唯 第一話 結城家にようこそ! 後編(修正バージョン)]]
-[[リトと唯 第二話]](リト×唯)
-[[リトと唯 第三話夏祭り]](リト×唯)
-[[リトと唯 第四話 まったくダメなクリスマス]](リト×唯)
-[[リトと唯 第五話 小さくたって…]](リト×唯)
-[[リトと唯 第5.5話 雷の夜は…]](リト×唯)
-[[リトと唯 第六話 ハレンチな日 前編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第六話 ハレンチな日 中編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第六話 ハレンチな日 後編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第6.6話 夕日の想い出]](リト×唯)
-[[リトと唯 第七話 とある真夏の出来事 前編:]](リト×唯)
-[[リトと唯 第七話 とある真夏の出来事 後編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第八話 スキ×チョコ 前編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第八話 スキ×チョコ 後編]](リト×唯)
-[[リトと唯 if… チクタク チクタク 恋の音]](リト×唯)
-[[リトと唯 if…「特恋薬」]](リト×唯)
-[[リトと唯 第九話 セリーヌと七夕 ~夏の日~]](リト×唯)
-[[リトと唯 第九話 セリーヌと七夕 ~そして、雨~]](リト×唯)
-[[リトと唯 第九話 セリーヌと七夕 ~重なる想い~]](リト×唯)
-[[リトと唯 第九話 セリーヌと七夕 ~星の川~]](リト×唯)
-[[リトと唯 第−10話 夏のプレゼント 前編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第−10話 夏のプレゼント 後編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第十話 ハートの夜 前編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第十話 ハートの夜 後編]](リト×唯)
-[[リトと唯 第十一話 特恋薬>リトと唯 第十一話 特恋薬]](リト×唯)
-[[ラコスポの逆襲]](ラコスポ×金色の闇)
-[[校長の日課]](校長×金色の闇)
-[[フウキくんのお仕事]](オリキャラ×いろいろ)
-[[ララとリト]](ララ×リト)
-[[ララとリト【2】]](ララ×リト)
-[[ララとリト【3】]](ララ×リト)
-[[ララとリト その2]](ララ×リト)
-[[ララとリト その3]](ララ×リト)
-[[3スレ340]](リト×凛)
-[[御門先生とリト前編]](御門×リト)
-[[御門先生とリト後編]](御門×リト)
-[[Yami Loveる]](リト×金色の闇)
-[[Yami Loveる[2] ]](リト×金色の闇)
-[[Yami Loveる[3] ]](リト×金色の闇)
-[[3スレ461]](リト×金色の闇)
-[[4スレ386]](リト×金色の闇)
-[[5スレ69]](リト×ララ)
-[[唯とリト 第0話]](リト×唯)
-[[唯とリト 外伝]](リト×唯)
-[[恋する少女]](リト×ルン)
-[[3スレ548]](リト女体化)
-[[結城零紋の受難]](リト女体化)
-[[結城零紋の受難〔2〕]](リト女体化)
-[[結城零紋の受難~湯煙旅情編~]](リト女体化)
-[[結城零紋の受難 番外編〔御門先生編〕]](御門×女体化リト)
-[[結城零紋の受難 番外編〔ララ編〕]](ララ×女体化リト)
-[[結城零紋の受難 番外編〔リサミオ編〕]](籾岡+沢田×女体化リト)
-[[凶悪バレンタイン(ララver.)]](ララ×リト)
-[[ララ×リト【1】]](ララ×リト)
-[[トラブルガールズ 王女編]](ララ×リト)
-[[トラブルガールズ 王女編【2】]](ララ×リト)
-[[トラブルガールズ 殺し屋編]](リト×金色の闇)
-[[トラブルガールズ 危険な花編]](御門×リト)
-[[トラブルガールズ 凛編]](リト×凛)
-[[甘えたい]](リト×春菜)
-[[リトララ記憶喪失 第一話 【1】]](リト×ララ)
-[[リトララ記憶喪失 第一話 【2】]](リト×ララ)
-[[甘い看病]](リト×唯)
-[[守るべきシークレットゾーン]](唯+α)
-[[クイーンの想い]](沙姫×ザスティン)
-[[不良の制裁]](オリキャラ×唯)
-[[5スレ295]](リト×ララ)
-[[リト×唯]](リト×唯)
-[[リト×唯 第二話]](リト×唯)
-[[リト×唯 第三話]](リト×唯)
-[[リト×唯 第四話]](リト×唯)
-[[リト×唯 第五話]](リト×唯)
-[[リト×唯 ヒトリジメ]](リト×唯)
-[[リト×唯 唯のドキドキ家庭訪問]](リト×唯)
-[[5スレ386]](いろいろ)
-[[ルンと○○]](ルン×リト)
-[[爽やかな朝?]](リト×ララ)
-[[ある兄妹のえっちな一日 scene1]](リト×美柑)
-[[ある兄妹のえっちな一日 scene2]](リト×美柑)
-[[兄として?]](リト×美柑)
-[[6スレ249 ]](リト×唯)
-[[ララのお弁当]](リト×ララ)
-[[美柑のキモチ]](リト×美柑)
-[[6スレ409]](リト×ララ)
-[[6スレ527]](リト×ララ)
-[[もし付き合っていたら…]](リト×金色の闇)
-[[7スレ187]](リト×春菜)
-[[美柑の未来計画]](リト×美柑×金色の闇)
-[[この夏の目標]](唯+リト+α)
-[[リト&凛]](リト×凛)
-[[~ 欠片一つ~ 古手川家にようこそ]](リト×唯)
-[[~ 欠片一つ~ 花火のあとは…]](リト×唯)
-[[7スレ457]](リト×美柑)
-[[7スレ518]](リト×新田)
-[[7スレ621]](リト×金色の闇)
-[[8スレ18]](リト×金色の闇)
-[[8スレ62]](リト×ララ)
-[[prescription]](御門×リト)
-[[8スレ196]](リト×春菜)
-[[リトとリサの話]](リト×籾岡)
-[[8スレ437]](リト×ララ)
-[[everyday]](リト×ララ)
-[[one cold day]](リト×金色の闇)
-[[change day]](リト×美柑)
-[[sweet day]](リト×凛)
-[[天条院沙姫の帰宅]](リト×沙姫)
-[[8スレ503]](才培×林檎×新田)
-[[8スレ514]](リト×沙姫)※PSP版沙姫ルート後日談
-[[お静の思い出]](お静+α)
-[[8スレ577]](リト×ルン)
-[[8スレ589]](リト×美柑)
-[[8スレ622]](リト×唯)
-[[8スレ750]](リト×美柑)
-[[Deeper Than Love]]
-[[美柑とリト if…兄妹]](リト×美柑)
-[[沙姫とリト その6 気まぐれな瞳]](リト×沙姫)
-[[沙姫とリト その7 アメとムチは愛の証?]](リト×沙姫)
-[[トラブル 130 誰がためにベルは鳴る if…]](リト×美柑)
-[[コネコネコ物語]](リト×唯)
-[[負けないキモチ]](リト×唯)
-[[イツワリとホンネ]](リト×唯)
-[[9スレ571]](リト×春菜)
-[[しっぽの話]](凛×モモ)
-[[唯の不純異性交遊促進日]](リト×唯+遊)
-[[ヤミの特別恋愛指南講義]](リト×金色の闇)
-[[殺し屋は撃たない]](御門×リト)
-[[秋穂さんの話]](小ネタ)
-[[たい焼きバレンタイン]](リト×金色の闇)
-[[10スレ34]](リト×モモ)
-[[10スレ76]](リト+金色の闇+美柑)
-[[10スレ177]](リト×モモ)
-[[10スレ290]](リト×モモ×ナナ)
-[[湯むきの桃]](リト×モモ)
-[[白日夢]](美柑小ネタ)
-[[10スレ469]](ララ+ペケ)
-[[リサ×リト]](リサ×リト)
-[[ペケさんの話]](小ネタ)
-[[ルンひとり語り]](リト×ルン)
-[[リトとミオと猫]](リト×沢田)
-[[一つのじょうろ]](いろいろ)
-[[ペケ語録]]
-[[10スレ795]](リト×美柑+ルン)
-[[10スレ844]](リト×キョーコ)
-[[10スレ874]](リト×リサ)
-[[眠れぬ夜は君のせい]](リト×ララ)
-[[起きれぬ朝も君のせい]](リト×ララ)
-[[if 夏の思い出 (リト×春菜)]]
-[[ルンのお引っ越し]](リト×ルン+キョーコ)
-[[if 大切な人]](リト×ララ)
-[[11スレ141]](リト×ヤミ)
-[[11スレ187]](リト×モモ)
-[[11スレ366]](リト×未央)
-[[11スレ392]](沙姫×凛)
-[[結城リトの告白]](リト(リコ)×唯)
-[[結城リトの告白(里紗編)]](里紗×リコ)
-[[結城リトの告白(ヤミ編)]](リト×ヤミ、猿山×リコ)
-[[結城リトの告白(春菜編)]](リト(リコ)×春菜)
-[[遊園地デート]](リト×唯、猿山×リコ、モシャクラゲ×ララ)
-[[逆転カップル]](リト×里紗、里紗×リコ)
-[[悪い娘]](黒春菜×リト、リト×春菜)
-[[喫茶店にて]](秋穂×遊)
-[[2人]](リト×唯)
-[[兎]](リト×里紗)
-[[その日]](リト×春菜)
-[[リコちゃん、女になる]](猿山×リコ)
-[[宇宙セックス]](リト×ララ)
-[[ぱられる]](リト×美柑)
-[[あけましてにゅるにゅる]](リト×ヤミ)
-[[仕様変更]](リト×春菜)
-[[濃縮美柑ジュース]](リト×美柑)
-[[はるなのあなる]](リト×春菜)
-[[ララの夏休み]](リト×ララ)
-[[12スレ148]] ララのクリスマス(リト×ララ)
-[[12スレ322]](リト×ララ)
-[[ファミリーシミュレーション ~プロローグ~]](リト×いろいろ)
-[[ファミリーシミュレーション EP1 実演]](リト×御門、いろいろ)
-[[ファミリーシミュレーション EP2 初恋の人]](リト×春菜)
-[[ファミリーシミュレーション EP3 涙の後で]](リト×唯)
-[[ファミリーシミュレーション EP4 初恋の人・再]](リト×春菜)
-[[ファミリーシミュレーション EP5 Love me, AGAIN]](リト×御門)
-[[ファミリーシミュレーション EP6 ハーレム]](リト×モモ)
-[[ファミリーシミュレーション EP 7 恋愛の像]](リト×ララ)
-[[ファミリーシミュレーション EP8 宿題]](リト×唯・ララ)
-[[ファミリーシミュレーション EP9 羨望]](リト×ルン)
-[[ファミリーシミュレーション EP10 放浪]](リト×ララ)
-[[ファミリーシミュレーション EP11 王女の愛したケダモノ]](リト×ナナ)
-[[13スレ139]](リト×いろいろ)
-[[13スレ235]](リト×ナナ)
-[[兄妹プレイ?>兄妹プレイ?]](リト×未央)
-[[13スレ446]](リト×ララ)
-[[13スレ534]](リト×ララ)
-続きは作品2へ
2016-01-08T21:38:34+09:00
1452256714
-
作品2
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/256.html
多くなったので分割
[[14スレ12]] (唯×リト+モモ)
[[ファミリーシミュレーション EP12 お泊まりデート]](リト×ルン)
[[リトと美柑 オレの妹はこんなにも可愛い 前編]]
[[リトと美柑 オレの妹はこんなにも可愛い 後編]]
[[彼女はアイドル]](リト×キョーコ)
[[リトヤミ]]
[[リト×ララ if 第1話 転校生]]
[[モモリト]]
[[14スレ143(唯×リト)>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/266.html]]
[[ファミリーシミュレーション EP13 相談>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/267.html]](リト×ララ)
[[14スレ162(リト×唯 同棲)>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/268.html]]
[[リト×ララ if 第2話 宝条>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/269.html]]
[[ファミリーシミュレーション EP14 勝負服>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/270.html]](リト×里紗)
[[ファミリーシミュレーション EP15 ターニングポイント>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/271.html]](リト×ヤミ)
[[ファミリーシミュレーション EP16 疑念>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/272.html]](リト×モモ)
[[リト×ララ if 第三話 たからもの>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/273.html]]
[[14スレ260(リト×ララ)>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/274.html]]
[[ファミリーシミュレーション EP17 異常>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/275.html]](リト×御門+お静)
[[14スレ290(リト×モモ)>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/276.html]]
[[ファミリーシミュレーション EP18 露呈・前編>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/282.html]](リト×春菜)
[[ファミリーシミュレーション EP18 露呈・後編>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/278.html]](リト×春菜+里紗+未央)
[[ファミリーシミュレーション EP19 親子>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/279.html]]
[[ファミリーシミュレーション EP20 兄妹>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/280.html]]
[[ファミリーシミュレーション EP21 思い出>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/281.html]](リト×ルン+キョーコ+ララ)
[[ファミリーシミュレーション the Final Episode 心>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/283.html]]
[[唯の不思議な旅>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/284.html]](リト×唯)
[[古手川のハレンチな一日>http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/285.html]](リト×唯)
[[summer orange]](リト×美柑)
[[14スレ452]](リト×モモ)
[[唯オナ]]
[[リコちゃんのおっぱい♪]](春菜・ララ・美柑・ヤミ・モモ・メア・セリーヌ×リコ)
[[オンナノコノカラダ]](リト×里紗)
[[エクササイズ・エクスタシー]](リト×里紗)
[[(いけない)お遊戯しましょ♪]](リト×里紗)
[[春菜ちゃんとタコ]](リト×春菜)
[[カジュアルセックス]](遊×リコ)
[[ぷにぷに美柑ゼリー]](リト×美柑・モモ)
[[肉食系女子、草食系男子を襲う]](リト×里紗)
[[ファミリーシミュレーション Extra Episode やり直し]](リト×キョーコ)
[[ファミリーシミュレーション Extra Episode 2 御奉仕のススメ?]](リト×ヤミ&未央)
[[ファミリーシミュレーション Extra Episode 3 唯vs里紗 ~薔薇と豹のロンド~]](リト×唯&里紗)
[[Dreammaker~夜露にまぎれて~]](モモ×リト×メア)
[[心、縛られて…]](リト×里紗)
[[おっぱいチェンジ!?]](リト×ナナ&モモ)
[[ファミリーシミュレーション Extra Episode4 夏の日の花嫁]]
[[ファミリーシミュレーション Extra Episode 5 モラル・ハザード? 前編]](リト×御門・晴子)
[[ファミリーシミュレーション Extra Episode 5 モラル・ハザード? 後編]](リト×御門・晴子)
[[“被虐”のアゼンダ]]
[[Communication Lesson]](籾岡×リト)
[[リト×セリーヌ]]
[[15スレ458]](リト×モモ)
[[もうひとつの笑顔]](リト×ティアーユ・御門)
2015-05-07T01:29:03+09:00
1430929743
-
兎さん
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/317.html
その動物は弱さを見せない。
天敵から身を守るために主の前でも弱さを心の奥底へと隠し、元気を装う。
Part1 登校
「んー、もう朝になっちまったのかよー…今何時だ?…っておいぃ!!
モモ!何度言ったら分かるんだよ、勝手に入んなって!」
一般の男子には満更でもないシチュエーションだろう、だが彼にとっては違うのだ。
免疫がないと言ったところだろうか、桃色の少女のアプローチに答える訳でも無く慌てて階段へと走る。
「もう…計画の成就までは長そうですね。」
階段を駆け下りると、食卓にはまるで母代わりの様な妹が作る朝食が豪華に広がっていた。
「おはよー、急がなくて良いの?ララさん「今日は春菜と行くー!」って
もう先に行っちゃったよ。…置いてけぼりにされちゃったね。」
「そ、それがどうしたんだよ。って、え?もうそんな時間か!?ヤバイ、いただきまーっ……
よし、美味かった!ごちそうさま。じゃあ行ってくる!」
玄関先で、お弁当ー…と薄っすら聞こえたのは気のせいだろう。
夜更かしをした自分を恨みながら通学路を走る。
「絶対遅刻だなぁ…うぅ、朝から疲れるし何なんだよ…。」
そんな焦りの中でも、空を飛ぶなどという人間離れをした登校とは違い、何処か落ち着いていた。
――はずだった。
どん、――
交差点に差し掛かった頃、右横から何かが思い切りぶつかって来た。
彼の性格なので自分のせいだと思ったのは当たり前な訳なのだが。
『重い、何かが上に乗っかってる…今日はついてねぇよぉ…いてぇ…。』
「ッったー…、オイ!どこ向いて歩い……あれ?結城じゃない、どうしたの?」
「へ?も、籾岡!何で此処に!?あ…お前普段遅いからこの時間に…
うわぁぁ!そんな事より早くどいてくれぇ!」
人通りの多い朝である、こんなところを誰かに見られたら堪ったもんじゃない。
第一、重力に身を委ねた柔肌が掻き立てる様に心音を上げて行く。
「ふーん、ぶつかっといて偉そうね、ダーリン?それは紳士といて良くないなぁ…
お詫びに、もう少しこのままでいて貰おっかな?」
「や、や、やめろ、遅刻すっからどいてくれ…、っ。」
彼女の指先が頬を伝うとそれに合わせて見る見る内に紅潮して行った。
「もぅ…ツれないなぁ、じゃさ、どいてあげるから一緒に学校行こうよ?それなら良いでしょ?」
「わ、分かった。それ位なら良いから早く…っ、」
焦らす様に瞳を近付けて来た挙句、耳元で挑発する様な吐息を掛けてやっと彼女は立ち上がった。
「う、やっとどいてくれた……あ、あ、」
「ん?…ははーん、アンタって狙ったように覗くねぇ…そんなに見たかったの?」
ちら、と不必要に捲る彼女の動きなど見ていられず、大声の否定とともに彼も立ち上がった。
「あ…ぅ、」
「ねぇーん、さっきから大人しくなっちゃってどうしたの…?
さっきまであんなに凄かったのに、ね…?」
ぎゅぎゅ、と主張する双丘の間に腕を挟まれたまま彼は顔を真っ赤に染めながら閉口していた。
開き直った彼らは時間を余り気に掛けず、ゆっくりと歩いていくことにした。
「何か話しながらいこうよっ!ねぇってば、!」
「な、なら腕を絡めんのを止めろよ!お前、間に合わせる気ないだろ!」
「んー、そんな気元々無いケド…あ、今日って委員会決める日じゃんー。
ダーリンは入りたい委員会とかってあんの?」
「もうそんな時期か。俺は特に無いかなぁ、あんまり疲れないのが良いけど。籾岡は?」
「アタシは行事関係が良いな、だって思い出作りのリーダーさんでしょ?
すっごい楽しそうじゃん!!」
「へぇー…籾岡って以外にそーゆー所あるんだな、前回のことが有るから男子は猿山押しかなぁ…。」
「失礼ねぇ、アタシだって女の子っぽいところの一つや二つ有るんだから!!
ふっ、ふっ、ふっ、甘いよダーリン。とっくに手は討って有るんだから…。猿山は生徒会に入るよ、」
「お前、また何か企んでるな…。」
時刻は朝のホームルームの直前になる、
やたらがたいの良い教師に注意されながら手を握ったままの二人は校内へと入っていく――
2014-03-31T18:49:20+09:00
1396259360
-
ファミリーシミュレーション Extra Episode 3 唯vs里紗 ~薔薇と豹のロンド~
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/300.html
<p>少し曇った街を艶やかな黒髪をなびかせて一人の少女が歩いていく。<br />
連日の猛暑が嘘のように今日は快適な気温であり、流れる風も涼しかった。<br />
「あまり暑くならずに、今日は快適に過ごせそうね」<br />
古手川唯は太陽の隠れた空を見上げて独り言を呟いた。<br />
「さて…」<br />
唯はある店の前で立ち止まった。<br />
ランジェリーショップの前である。<br />
唯は今日下着を買いに街へやってきていた。<br />
胸周りがきつくなった下着が増えたこともあり、新しいものを仕入れようと思ったのである。<br />
「……」<br />
ここで唯はふとある人物の顔を思い浮かべた。<br />
結城君、どんな下着が好みとかあるのかなあ…<br />
唯はすこし顔を赤らめて考え込む。<br />
彼と恋人の関係になって一線を越えた彼女には男の前で下着姿や裸を晒す機会が少なからずある。<br />
そこで彼の好みに合う下着をつけていれば彼も喜んでくれるかもしれない。<br />
淡いピンクで小さなフリルのついたかわいらしいもの、面積小さめのセクシーなもの、唯の頭の中にいろいろな下着のデザインが過っていく。<br />
「…はっ…」<br />
唯は我に返り、ランジェリーショップのドアを改めて見つめ直す。<br />
…いけない。そういうことする機会ができたからって、ついハレンチなこと考えちゃう…<br />
唯は軽く咳払いをして雑念を払うとランジェリーショップに入っていった。<br /><br />
唯が店に陳列されている下着を眺めていると、彼女らしき女性を連れた背の高い黒髪の男性の姿があった。<br />
どうやら彼女の買い物に付き合ってやってきたらしく、彼女から「これどうかな?」などと聞かれて生返事をしていた。<br />
どうやらランジェリーショップの雰囲気が落ち着かないらしく、彼女の指差す下着をじっくり見ることもままならないようだった。<br />
男の人を連れてこういう店に来る女の人もいるんだ…<br />
唯は自分もリトに声をかけて一緒に来ていたら…と想像したが、それはやはり恥ずかしくて自分にはできないことだった。<br />
背の高い男性の彼女が試着室に入っていくと、男性は唯が後ろから見てもわかるほどに大きなため息をついた。<br />
「…ん?」<br />
男性がランジェリーショップにいたもう一人の男性客に話しかけている。<br />
もう一人の男性客も店の空気に馴染めないようで、試着室の前でそわそわしている。<br />
「君も彼女の買い物に付き合わされて来たのかい?」<br />
背の高い男性客がもう一人の男性客、つんつんとした明るい茶髪で小柄な少年に尋ねた。<br />
あれ…?どこかで見たような…<br />
唯は目を凝らして、茶髪の少年の方へゆっくりと近づいていく。<br />
「…ええ、まあ…」<br />
少年が答えると背の高い男性客は苦笑いを浮かべて言った。<br />
「ははは。君も大変だね。僕もそうなんだけど、こういう店の空気にどうも馴染めなくて」<br />
「ですよねえ…」<br />
少年の客も同じ境遇の男性客の現れにほっとしたのか、少しだけ緊張が解けたようだった。<br />
「ん…?」<br />
少年と談笑していた男性が少年の後ろから少年の顔を覗きこもうとしている唯の存在に気付いた。<br />
「どうしました?」<br />
少年は男性の様子が変わったことに気付き、それから男性の視線の先を追うように振りかえった。<br />
「うわあっ!!??」<br />
少年、結城リトは自分の真後ろにあった唯の顔に驚いて声を上げた。<br />
「ち…違うんだ…!俺は破廉恥なことが目的でここにいるわけじゃなくてだな…」<br />
「わっ!?」<br />
後ずさりしながら言い訳しようとするリトが男性客にぶつかり、二人で一緒に倒れ込んだ。<br />
その瞬間、二つの試着試着室のカーテンから男性の彼女ともう一人、少年の連れの少女が同時に顔を出した。<br />
「「どうしたの?」」<br />
そして少年の連れていた少女が唯の顔を見て目を丸くした。<br />
「唯…」<br />
「…籾岡さん…?」<br />
少女は籾岡里紗、ウェーブのかかった髪の両サイドをヘアピンで留めて少し髪型を変えており、両耳にはシルバーのピアスがついていた。<br />
いわゆる夏休み仕様ということだろうか。<br />
だがおかげでリトがなぜこんな所にいるのか、その理由がはっきりした。<br />
「…ここで何してるの?結城君を連れて…」<br />
唯の声が少しずつドスの利いたものに変わっていく。<br />
「私の買い物に付き合ってもらってただけよ?」<br />
里紗は低くなった唯の声に怯むことなく、あっけらかんと言った。<br />
「こんなところに結城君を連れてくるなんてどういうつもり!?破廉恥だわ!」<br />
唯が声を荒げるのを見てリトは慌てて止めに入る。<br />
里紗は余裕の表情で唯の追及をかわしており、先ほどの倒れた男性とその彼女は唖然として三人を見つめていた。<br /><br />
唯がリトのなだめにようやく落ち着くと、里紗は今の状況の説明を始めた。<br />
「まあ簡単に言えば、ダーリンの好みの下着ってどんなのなのかなって気になって、私が買い物に誘ったわけ」<br />
「下着買いに行くなんて最初は聞いてなかったけどな…」<br />
リトは里紗を軽く睨むように横目で見る。<br />
「言ったら来なかったでしょ?私を好みの女に調教できると思えば嬉しいサプライズだったんじゃない?」<br />
「俺はそんな趣味ねーっの!!」<br />
リトが里紗のからかいに声を荒げると、里紗は自分の唇をぺろりと舐めて少し上目遣いになる。<br />
「ねえダーリン…。ちょっと今着けてる下着、見てくれない?」<br />
「「な…!?」」<br />
リトと唯は口をパクパクさせながら里紗の方を見る。<br />
「何動揺してんの?あんたの好みを知りたいんだから、見せないと意味無いでしょ?」<br />
「だったら何も着けてるところを見せなくてもいいでしょっ!」<br />
唯の怒声にも里紗は怯まない。<br />
「わかってないなあ~。マネキンに着いてるのやぶら下がってるやつを見ても、実際着けてみてどうかなんてわかんないでしょ?イメージとのギャップもあるだろうし…」<br />
「だからって…」<br />
唯がまだ何か言いたげだったが、里紗は顔を赤くしているリトの腕を掴んで強引に引き寄せる。<br />
「ほ~らっ!腹を決めなっての!」<br />
「うわっ!」<br />
試着室に強引に引き込まれたリトの目に映ったのは豹柄の下着を着けた里紗だった。<br />
「どうかなあ、ダーリン…?」<br />
里紗は誘うような眼差しでリトを見つめ、挑発的な笑みを浮かべる。<br />
「ど…どうって、その…」<br />
里紗とは体の関係もあるのに、改めて下着姿を見せられると緊張してしまう。<br />
「あとねえ、これも見てくれない?」<br />
里紗はくるっと後ろを向いた。<br />
リトはぎょっとして里紗のはいているパンツに目を釘づけにされる。<br />
里紗の締まった形のよいヒップの丸みが惜しげも無く晒されている。<br />
里紗が履いていたのはいわゆるTバックだった。<br />
上下豹柄下着、下はそれに加えてTバックと明らかに誘っているような恰好である。<br />
「なあにダーリン?もし我慢できないのならここでヤらせてあげようか?」<br />
試着室と外の仕切りはカーテン一枚、唯には中の会話が丸聞こえである。<br />
カーテン内から不穏な会話が聞こえてきたため、唯は問答無用で試着室の中へ突入する。<br />
「籾岡さん!!何してるのっ!!」<br />
唯の目にも里紗の豹柄Tバック姿が映る。<br />
そして唯は思わず絶叫した。<br />
「は…破廉恥なーっ!!!!」<br /><br />
「唯ってば固いんだから~」<br />
「あなたが緩すぎるのよっ!何なのよあの下着はっ!」<br />
元の服に着替えた里紗が唯に笑いかけるが、唯は相変わらずぷりぷりしていた。<br />
「でも唯だってヤることはヤってるんでしょ?」<br />
「そういう話をする場所はわきまえて!だからって店の中で下着姿を見せるなんて、破廉恥だと思わないの!?」<br />
「私だって全く恥ずかしくないわけじゃないけど、でもそれが快感なときってあるじゃない?ねえ、ダーリン?」<br />
「俺に振るな!」<br />
リトが里紗に話を振られてそれを突っぱねた。<br />
「でも唯も下着買いに来たんだよね?せっかく鉢合わせしたんだし、ダーリンに選んでもらえば?」<br />
「え?」<br />
里紗の提案に唯は驚いて目を丸くする。<br />
「結城君に選んでもらうって…」<br />
唯はドキドキしながらリトの方を見る。<br />
リトも唯の方を赤い顔で見つめていた。<br />
張りが強い豊かな胸、綺麗なくびれと腰のライン、形のよいヒップ、里紗もスタイルがいいが唯も負けていない。<br />
そんな彼女の下着を選ぶとなるとリトも緊張してしまう。<br />
「じゃあ…参考程度には…」<br />
唯が呟くようにそう言った。<br />
が、そのあとすぐにこう付け加えた。<br />
「でもあくまで参考程度よ!?最終的な判断は私がするんだから!」<br />
こうして予期せず唯とリトの(加えて里紗の)ランジェリーショップデートが始まった。<br /><br />
「ねえ結城君…。私にこれ似合うかな?」<br />
唯の指差している下着にリトは目をやる。<br />
淡いブルーで大きめのフリルがついたかわいらしいデザインだが、リトはなんとなく恥ずかしい気持ちになって目を逸らしてしまう。<br />
「う…うん…。まあ…似合うんじゃないかな…」<br />
リトの返事に唯はなんだかすっきりしない気分になった。<br />
何だろう…。恥ずかしいのかもしれないけど、やっぱり正直に、はっきりとコメントして欲しかった気分…<br />
唯が悶々としているところに里紗がやってきてリトにもう一つの下着を見せてくる。<br />
「ねえダーリン。今度はこういうのなんだけど…」<br />
里紗が持ってきたのは黒の両脇が紐になっているタイプだった。<br />
装飾としてついている小さな白いフリルがコントラストを成してなかなかの存在感があり、下はやはりTバックである。<br />
リトは顔を真っ赤にして里紗の見せてくる下着から目を逸らした。<br />
「なぁにダーリン?想像しちゃった?私がこれつけてベッドの上にいるところとか…」<br />
里紗の口から飛び出る挑発的な発言にリトは何も言い返せない。<br />
唯はそれを見て心の中に疑問が浮かんできた。<br />
…もしかしてああいう破廉恥…もとい派手な下着とかが好きだったりするのかしら…?さっきも豹柄の下着に目を奪われてたみたいだし…<br />
唯は里紗の持っている下着を自分が着けているところを想像してみた。<br />
そしてベッドの上でリトを誘惑しているところも。<br />
な…何考えてんのよ私…<br />
「おやおや?唯もぼーっとしちゃってるけど、どうかしたの?」<br />
「!!」<br />
いきなり里紗に話しかけられて唯はびくっと体を震わせた。<br />
「い…いえ…何でもないわよ…」<br />
「そう?さっき私の持ってる下着をずっと見てなかった?」<br />
里紗は唯の視線に気付いていたらしい。<br />
「ひょっとしてこういう下着に興味あるとか?」<br />
里紗はにやにやしながら唯に先ほどの下着を見せつける。<br />
「そ…そんなこと…」<br />
唯の心に迷いが生じていたが、唯はあくまで真面目な自分を貫こうとした。<br />
が、それも里紗の次の言葉で崩される。<br />
「ねえ唯…。女がこういうことにある程度積極的じゃないと男も退屈するよ?唯、最近ダーリンに抱かれた?」<br />
里紗が痛いところを突いてきた。<br />
そういえば最近エッチしてないような…<br />
唯の額に冷や汗が浮かんでくる。<br />
そしてくるりとリトの方に顔を向ける。<br />
リトも最近唯を抱いていないことを自覚しており、里紗の言葉に唯以上に冷や汗を浮かべた。<br />
二人の様子を見て、思った通りだと里紗は更なる追撃をかける。<br />
「確かに女の子を平等に愛するのがダーリンの務めだけどさ、女側からすれば他のコより一歩リードしていたいって思っちゃうでしょ。でも12人だもの。女の方から積極的にいかないとダーリンも気づかないことだってあるんじゃない?」<br />
リトの方をじっと見つめる唯は里紗がどんな表情で自分たちを見ているのか気づいていない。<br />
「積極的に迫るコがいたら、やっぱりダーリンもそのコに気を取られちゃうでしょ?」<br />
リトは里紗に言い返せなかった。<br />
それをいいことに里紗はリトと腕を組み、体をすり寄せる。<br />
「ねえ…例えばこんなふうに…」<br />
里紗はリトの耳元で囁くと頬にキスをした。<br /><br />
――――ぷつん…っ――――<br /><br />
それを見た唯の中で何かが弾け飛んだ。<br />
唯は里紗とリトに背を向けるとゆっくりと店の奥へ歩を進める。<br />
「…ゆ…唯…」<br />
リトが追いかけると、唯はあるところで立ち止まった。<br />
「その…唯…。ごめ…」<br />
リトがなんとなく謝罪の言葉を口にしようとすると唯はそれを制止した。<br />
「何を謝るの?いいのよ別に。あなたが誰とイチャイチャしてても。それは私も認めたことだし」<br />
リトには唯の体からどす黒い炎が上がっているように見えた。<br />
だが唯は自分を責めるつもりはないらしい。<br />
そして後からついてきた里紗に唯は言葉を投げかける。<br />
「…籾岡さん…。あなたの言うことも確かに一理あると思うわ…」<br />
話しかける対象が里紗に変わると唯の心の中の炎が更に激しく燃え上がった。<br />
「でも私が退屈な女だなんてこと、絶対にないわ!勝負よ!どっちが結城君をその気にさせられるか!」<br />
リトはぎょっとして思わず里紗の方を振り向く。<br />
ぶち切れた唯を見て、どう収拾をつけるんだよと視線を送る。<br />
「じゃあこの後ホテル行く?お互いにここで買った新しい下着でダーリンを誘惑してさあ、どっちがよりダーリンの本能をくすぐれるか」<br />
里紗の提案にリトは唖然とするが、唯は売り言葉に買い言葉とその勝負に乗ってしまった。<br />
「いいわよ…。さあ結城君!まだ私は下着を選んでないんだから、行くわよ!」<br />
唯はリトを引っ張って店の中の下着を見て回る。<br />
それを見て里紗は唯に対して言葉が過ぎたなあと少し後悔していた。<br />
だが唯が切れてしまった以上こうでもしなければ彼女は納得しないだろう。<br />
でも私も負けるつもりはないんだからね…<br />
里紗は二人から離れて自分の勝負下着を探しに行った。<br /><br />
そして一時間後…<br />
「あうぅ…」<br />
人生初のラブホテル、その中で唯は里紗の挑発に乗ったことを後悔していた。<br />
ランジェリーショップでは里紗の挑発に思わず切れてしまった唯だったが、ホテルに入る頃には落ち着きを取り戻していた。<br />
リトは既にシャワーを浴びて、ベッドの上で裸になっており、二人がやってくるのを待っている。<br />
リトは店では唯と一緒にいろいろ下着を見てまわったものの、最終的に唯や里紗が何を買ったのかは知らなかった。<br />
サプライズがあった方が面白いからと里紗が提案し、二人がレジに行ったときにはリトは店の外で二人が出てくるのを待っていたのである。<br />
「どうしたの唯?そんなド派手な下着買って、今更怖気づいたとか?」<br />
「そ…そんなんじゃないわよっ!」<br />
一足先に勝負下着に着替えた里紗は自分の勝負下着を改めて眺めて顔を真っ赤にしている唯を見てにやにやしていた。<br />
「じゃあ早く着替えないと。時間もあることだしね」<br />
「うう…」<br />
唯は腹を決め、家を出るときに着けていたブラジャーをはずす。<br />
そして自分が買った勝負下着のブラジャーを着ける。<br />
そして真っ赤な顔のままパンツを脱ぎ、新しいパンツを身につける。<br />
「用意はいいみたいね?じゃあ行こうか」<br />
唯と里紗は勝負下着に身を包み(?)、決戦へと向かっていった。<br /><br />
「お待たせダーリン♪」<br />
「…お待たせ…」<br />
勝負下着に身を包んだ二人がリトの目の前に現れる。<br />
里紗はランジェリーショップで試着していた豹柄のTバック下着を身につけており、ベッドにダイブしてリトに体をすり寄せてきた。<br />
そして唯はというと…<br />
ランジェリーショップでは完全に落ち着きを失くしていたため、里紗に対抗すべく勢いでかなり大胆な下着を買っていた。<br />
ダークレッドの下着でパンツは両脇を紐で結ぶタイプ、唯はこのタイプの下着を着けるのは初めてだった。<br />
それに加えて…<br />
うう…こんなにお尻が露出してるとなんか落ち着かない…<br />
パンツは里紗と同じくTバックだったのである。<br />
やや淡いレッドの細かいフリルとレースの薔薇の装飾がブラジャーにもパンツにも施されている。<br />
「唯も早くおいでよ」<br />
既にベッドの上でリトにじゃれついている里紗が唯に声をかける。<br />
「わ…わかってるわよっ」<br />
唯もおずおずとベッドに上がり、リトの隣に寝転ぶ。<br />
「唯…」<br />
リトが唯の背中に手を回し、愛撫を始める。<br />
押しつけられた豊かな胸、リトがそこに注目すると、それを覆うブラジャーに施されたレースの薔薇がちらちらと覗いている。<br />
「唯の下着すっげーセクシー…。なんか新鮮だな…」<br />
リトは生真面目な唯が大胆な下着を着けていることに興奮を覚えており、ペニスは既にギンギンに力を漲らせていた。<br />
だがリトは唯の下着の背面はまだ見ておらず、彼女の履いているパンツがTバックだということにはまだ気づいていない。<br />
背中を愛撫し、腰、そしてお尻へと手を移していくリト。<br />
リトの手が自分のお尻に近づいてくるほどに唯の心臓の鼓動は緊張で速くなる。<br />
ば…ばれちゃう…。私が…ティ…Tバックの下着履いてること…<br />
唯がぎゅっと目を瞑った瞬間、里紗がリトに甘えた声で話しかけた。<br />
「も~、ダーリンってばぁ…。相手は唯だけじゃないんだよ…?」<br />
里紗も形のよいバストをリトの腕に押しつけ、片脚をリトの脚に絡める。<br />
豹の模様が彼女の肉食性を強調し、野性の獣のようなぎらついた眼差しがなんとも煽情的である。<br />
「ダーリンのここ、もうギンギンだね…」<br />
里紗はリトのペニスに指を絡めてその熱さと硬さを確かめ、リトと唇を重ねて舌を絡め合う。<br />
リトの手は唯の腰の位置で止まっており、唯はお尻を触られずに済んだことに少しほっとしていた。<br />
が、そう思ったのも束の間だった。<br />
「!?」<br />
先ほどまでリトのペニスを触っていた里紗の手が唯のお尻に伸びてきたのである。<br />
里紗は何食わぬ顔でリトとキスをしながら唯のお尻を味わうように愛撫してくる。<br />
唯が里紗のほうを見ると、里紗はリトとキスをしながら薄い笑みを浮かべている。<br />
「~~~!!」<br />
唯が顔を真っ赤にしているのにリトは気づかぬまま里紗とのキスに夢中になっていた。<br />
更に里紗は唯のパンツのお尻の部分の布をつまんできた。<br />
ま…まさか…!!<br />
唯は里紗が何をするつもりなのか勘付いたが、もう遅かった。<br />
里紗は唯のパンツの布をキュッと引き上げてきた。<br />
お尻の割れ目にTバックの細い布が勢いよく食い込み、唯は思わず声を上げてしまう。<br />
「ひゃんっ…」<br />
「唯?」<br />
リトは唯の方を心配そうに見ていた。<br />
「あ…大丈夫…。なんでもないの…」<br />
里紗は唯の方を見ながらくすっと笑い、リトに言った。<br />
「ねえダーリン。唯のパンツのお尻の部分、触ってみなよ?」<br />
「ちょっ…」<br />
どうせあと数分もすればばれただろうが、唯は慌ててお尻に手を当てて隠そうとする。<br />
しかしリトの手は既に唯の腰の位置にあるのだから間に合うはずがなかった。<br />
リトは里紗に言われたとおり唯のお尻に手をやってみる。<br />
「…あっ…」<br />
リトの手が唯のお尻を愛撫する。<br />
布の感触がほとんどなく、お尻の双丘が惜しげもなくさらけ出されているのがわかる。<br />
これってもしかして…<br />
もしかしなくてもTバック以外にあり得なかった。<br />
あの唯がこんな下着を…<br />
リトはもう我慢できず、唯の上に覆いかぶさった。<br />
硬いペニスの感触がパンツの布越しに伝わり、唯とリトは激しく唇を重ね合う。<br />
「唯…」<br />
リトは唯のパンツの股間部分の布をずらし、唯の生殖器の入り口を露わにする。<br />
こ…このまま入れる気?<br />
唯は驚いたが、体の方は彼の逞しい男性の証が中に欲しくて既に潤滑油を満たしている。<br />
リトのペニスが唯の中に生のまま入っていく。<br />
彼の生の感触を体内に感じ、唯の理性が蝕まれて本能がそれにとって代わる。<br />
「ワオ、唯ってエッチは生派なんだ?」<br />
生真面目な唯のことだからコンドームを使うかと思っていた里紗は少し驚いていた。<br />
「あ…あぁ…だって…ぇ…」<br />
リトがあまりに無遠慮に生で入れたところを見ると唯とリトはいつも生でセックスしていたに違いない。<br />
唯は自分のセックスの嗜好を里紗に知られたことを恥ずかしがったものの、子宮を激しく突いてくるリトの動きに圧倒され快楽の方が優先されていく。<br />
「は…ぁ…唯、俺めちゃくちゃ気持ちいい…」<br />
「あんっ…は…ぁ…私も…」<br />
唯とリトは互いの本能の赴くまま体を重ねた。<br />
ぐちゅぐちゅと粘液の音が結合部から響き、唯はいつでも彼の精液を中に受け入れる準備をする。<br />
ずんっ!<br />
「きゃんっ!!」<br />
リトはそれまでよりも強い一突きで唯の子宮を攻めたが、まだ射精はしなかった。<br />
てっきり中出しされると思っていた唯は不思議そうな顔でリトの方を見つめた。<br />
「あのまま中に出してもよかったのよ…?」<br />
唯はそう言ったが、リトは何も答えない。<br />
するとリトは唯の脚を持ち上げ、自分の顔の前を通して唯にバックの体勢を取らせた。<br />
「あっ…!!」<br />
当然唯の中にはリトの反りかえったペニスが入ったままであり、唯は自分の膣内が捻じられるような感覚に思わず声を上げる。<br />
そしてそのままリトは唯の子宮をバックから容赦なく攻め立てた。<br />
「あっ!だめ…っ!!ゆ…」<br />
リトの名を最後まで呼べす、唯はリトのなすがまま快楽に腰を振った。<br />
唯のTバックがリトからもろに見えており、しかも唯のパンツの隙間から中にペニスをねじ込んでいるのだと思うと、リトはその光景にただならぬ興奮を覚えた。<br />
「唯…本当にすごい下着だよな…。俺本当に制御きかないよ…」<br />
「やっ…」<br />
唯はリトに自分のTバックを背面からもろに見られていることに気付き恥ずかしさに目を瞑るが、そうすると彼のペニスの感触がより強く感じられ、更に彼女の雌の本能を煽った。<br />
リトが強いグラインドを繰り返しているとそのうちに唯のパンツ紐が緩み、だらしなく垂れ下がった。<br />
それを見たリトは唯のパンツの紐をほどいて彼女の下半身を丸出しにし、更にブラジャーのホックもはずして乳房も露出させる。<br />
張りの強い唯の乳房にリトは指を食いこませ、リトは唯の上体を起こして背面座位に持ち込む。<br />
「あん…っ!だめっ…!!もうだめえ…」<br />
下から深く突き刺さるペニスの感触に唯は絶叫し、二人は絶頂を迎える。<br />
「う…っ!!唯…っ!!」<br />
リトは唯の名を呼び、そのまま自分の欲望を彼女の中で解き放った。<br />
「あっ!!ああああああぁぁぁぁぁっ!!」<br />
突き上げられて熱くなった唯の中を容赦なく熱されたリトの精液が蹂躙していく。<br />
最高の快楽に包まれて二人はキスを交わした。<br /><br />
唯とリトが離れると、里紗が我慢できないといった様子でリトに抱きついてきた。<br />
「あんな激しいの見せられたら私もその気になっちゃうじゃん…」<br />
里紗が抱きついてくるのをリトは受け止め、そのまま里紗の体中を愛撫する。<br />
細いTバックのお尻の部分から内部に指を差し込み、リトは里紗の濡れ具合を確かめる。<br />
愛液がかなり出ており、いつでも入れて大丈夫そうだった。<br />
「ダーリンのあそこに復活してもらわないとね…」<br />
里紗はそう言うとリトを仰向けに寝かせ、唯の愛液と先ほど吐き出された精液にまみれたペニスを口に含んだ。<br />
カリを唇で吸い上げ、亀頭の先端を舌先で弄ぶ。<br />
「里紗…すっげー気持ちいい…」<br />
豹柄の下着の彼女がそうしているのは視覚的にも情欲を煽り、リトのペニスが徐々に力を取り戻してくる。<br />
リトのペニスが勃起し始めたのを見て里紗はうっとりとした笑みを浮かべる。<br />
それを見たリトはついどきっとしてしまう。<br />
本当にこういうときのこいつの表情ってそそるよな…<br />
「ダーリン…もう大丈夫かな?」<br />
ぼーっとしていたリトは里紗の声に我に返る。<br />
ペニスは唯に入れたときと同様に逞しく反り返り、里紗の子宮に思いっきり精液をぶちまけたいと自己主張していた。<br />
リトは里紗の豹柄のブラジャーの下から手を差し込み、里紗の乳房を愛撫した。<br />
豹の模様の下に隠された乳首は勃起しており、それが掌にコリコリと当たって心地よい。<br />
「ダーリンのえっち…。焦らさないでよ…」<br />
里紗に耳元で囁かれてはリトも我慢ができず、里紗のブラジャーを勢いよく剥ぎ取った。<br />
ぷるんと形の良いバストが露わになり、リトはそれに興奮して里紗のパンツにも手を掛ける。<br />
するっと里紗のパンツを下げると、里紗の膣口から滲み出ていた粘液が糸を引いてぬめりけのある光を放った。<br />
「すげー濡れてる…」<br />
リトは里紗から奪い取った豹柄のTバックの膣を覆う部分に指を這わせて、どれだけの愛液がパンツに漏れ出していたのかを確かめる。<br />
「ちょっ…!そんなことしないでよ…。恥ずかしいじゃん…」<br />
さすがの里紗もそんなことをされては恥ずかしがって顔を赤らめる。<br />
リトは里紗の様子に満足したのか、里紗の脚の間に陣取って正常位での挿入の体勢を取る。<br />
「あっ…」<br />
まだリトは挿入していない。里紗の背中に手を回しただけである。<br />
だがリトの指についた里紗の愛液の冷たくぬめりけのある感触が背筋を伝わり、里紗の羞恥心をさらに煽った。<br />
そしてリトは慣れた様子で里紗の膣口を目で見ることなく捉え、そのまま一気に奥まで貫いた。<br />
「ひあっ!!」<br />
一気に自分の中にペニスが押し入る感触が里紗には快感であり、里紗は思わずリトの腰にぎゅっと脚を絡めた。<br />
リトは里紗の欲望に応えるべく激しいピストンを繰り出し、亀頭が何度も子宮口にぶち当って里紗の生殖の本能を煽った。<br />
「はん…ああぁ…いいよダーリン…」<br />
里紗のうっとりとした笑みにリトの本能も煽られ、リトは里紗と唇を重ねながらひたすら里紗の子宮を攻めた。<br />
唯とリトのセックスを見て気持ちが昂っていた里紗はもうイきそうになっており、リトの耳元で彼に射精するよう求める。<br />
「ダーリン、お願い…すぐに出して…」<br />
だがリトはこれまで里紗にリードされ気味なことが多かったため、今日は反撃のチャンスだと頑なに射精しない。<br />
「ダ…ダーリン?もう出してよ…。あ…はん…、中でいいんだよ…?」<br />
里紗の甘いおねだりにリトはつい負けそうになるが、そんな自分を律して里紗に快楽を与え続ける。<br />
リトは里紗の子宮口にペニスを押し付けてぐりぐりと内部を押しつぶす。<br />
「あっ…!!だめぇ!!」<br />
だが里紗は腰をせり上げ、リトのペニスと自分の子宮が一直線になるように動く。<br />
子宮に精液が欲しくて仕方がないという動きである。<br />
リトはピアスのついた里紗の耳たぶを甘噛みして里紗の欲望を更に煽り、里紗はリトにしがみついてリトにされるがままになっている。<br />
「このピアスってさ、もしかして今日のデート用につけてきたの?」<br />
リトが里紗の耳を舐めながら尋ねると里紗はコクコクと首を縦に振った。<br />
「そ…うだよ…。せっかくのデートだから…っ…、お洒落して行こうって思って…」<br />
いろいろエロティックな彼女もやはり女の子で、かわいいところもあるんだとリトは里紗をぎゅっと抱きしめる。<br />
「ねえ…ダーリン……」<br />
里紗が潤んだ目で中出しを求めてくる。<br />
脚をリトの腰に強く絡め、膣内がペニスから精液を絞り取ろうときゅっと締まる。<br />
リトはその刺激に最後の力を振りしぼって腰をグラインドさせ、里紗の子宮をガンガンと叩いていく。<br />
「やっ…あっ…あああああああぁぁぁっ!!」<br />
里紗が絶頂を迎え背中がアーチを描き、リトは里紗を強く抱きしめてそのままドクドクと里紗の子宮に精液を流し込んだ。<br />
膣内に満ちる熱い感触に里紗は腰を震わせ、快感を貪っていた。<br />
リトが里紗にキスをすると腰に絡んでいた彼女の脚の力が緩み、リトがペニスを引き抜くと二人の混合液がどろりと流れ出た。<br />
「すっげーエロいな、里紗…」<br />
リトは里紗の膣から白濁液が流れ落ちるのを観察しながら呟いた。<br />
里紗は荒い息を整えながら妖艶な笑みを浮かべていた。<br />
リトがベッドに寝転ぶと、唯が再びリトに迫って来た。<br />
「唯…」<br />
「もう終わりなんてことないわよね…?」<br />
唯はまだまだヤるつもりらしい。<br />
どうせこのあと唯を抱いたらそのうち里紗も復活しているだろう。<br />
唯と里紗、二人の勝負はまだまだこれからが本番だった。<br /><br />
「ふう…もうだめ…」<br />
最後の精液を唯の中にぶちまけ、リトは力尽きた。<br />
「も~、ダーリンってば、唯の方が一回多いじゃない」<br />
既に膣内に四回の射精を受けている里紗だったが、唯が五回目を受け取ったの見てリトに文句を言った。<br />
「ごめん里紗…。今度埋め合わせするから…」<br />
リトは荒く息をつきながら里紗をなだめようとする。<br />
「ふふ…。でも私の方が多く結城君のを受け取ったんだし、今回は私の勝ちってことでいいのかしら?」<br />
唯が勝ち誇ったように笑うと、里紗は反論した。<br />
「ちょっと~?それは唯が先にダーリンとヤったからでしょ?私が先にヤってたら私の方が多かったはずよ?」<br />
「先手を取るのも作戦のうちだと思わない?」<br />
リトの両腕に裸の少女二人抱かれ、楽しそうにおしゃべりを始める。<br />
「ま、今回は100歩譲って引き分けにしてあげてもいいわよ?」<br />
「唯ってば結構性格悪い~」<br />
「あなたの性格が少しうつったのよ」<br />
そんな話をしながら唯と里紗はお互いに噴き出した。<br />
「でもまあ、勝負下着っていうのも悪くないかもね」<br />
唯はベッドの上に無造作に散らかった自分の薔薇の下着を見つめた。<br />
「……」<br />
里紗は無言だったが、同じく自分の豹柄の下着を見つめて笑っていた。<br /><br />
次の日の朝、遊が秋穂との久々のデートに出かけようとしたときのことである。<br />
遊はふと庭先に干されている洗濯物を見ると、今まで見たことのない派手な薔薇模様のブラジャーとの両脇紐のTバックが干されていることに気付いた。<br />
「えっ!?あれ誰の下着だよ…?」<br />
遊はびっくりするとともに、近くでよく見ようと干されている洗濯物に近づいていく。<br />
母さん…なわけないか。でも唯ってことも…<br />
そこにその下着の持ち主が現れて遊に怒声を浴びせた。<br />
「ちょっとお兄ちゃん!何まじまじと下着なんか見つめてんの!!」<br />
「うわっ!行ってきまーす!!」<br />
遊は唯の剣幕に逃げるように家を出ていった。<br />
唯は庭先に干された自分の勝負下着を見て呟いた。<br />
「…やっぱり買うべきじゃなかったのかなあ…」<br />
そこに唯の母親が現れ、唯に話しかけてきた。<br />
「ねえ唯ちゃん。あの下着のことなんだけど…」<br />
にやにやとからかうような視線を向ける母親に唯は頭を抱えて座り込んだ。<br />
「ああ…もう…っ!私図書館で宿題してくるっ!」<br />
唯は自分の鞄をひっ掴むと、そのまま逃げるように古手川家を後にしたのだった。</p>
<p> </p>
<p>-</p>
2014-03-02T00:54:28+09:00
1393689268