東京縦貫高速鉄道株式会社(とうきょうじゅうかんこうそくてつどうかぶしきがいしゃ 英称:Tokyo Traversing High speed Railway Co., Ltd.)は、東京都練馬区に本社を置く民間の鉄道事業者。
西東京を南北に貫く路線を有する鉄道・沿線事業を行う東高グループの主要企業。
良いサービスへの考えが非常に強く、ハード面・ソフト面ともに非常に高い意識付けがされていることで知られる。
コーポレートカラーは■青。
会社概要
社名 |
東京縦貫高速鉄道株式会社 |
英文社名 |
Tokyo Traversing High speed Railway Co., Ltd. |
略称 |
東京高速(とうきょうこうそく)・東高(とうこう) |
本社所在地 |
東京都練馬区練馬 |
電話番号 |
|
設立 |
1990年8月10日 |
業種 |
陸運業 |
事業内容 |
旅客鉄道事業 他 |
代表者 |
取締役社長 木下由紀 |
資本金 |
XXX億円 |
売上高 |
XXXX億円(単独) |
|
XXXX億円(連結) |
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※共に2012年度 |
決算期 |
3月31日 |
従業員数 |
2892人(2013年3月31日現在) |
コーポレートカラー |
■青 |
スローガン |
笑顔あふれる毎日へ |
特色
南関東縦貫鉄道とともにいわゆる「西東京鉄道新開拓時代」を作り上げた鉄道企業で、今まで滞っていた南北の人の流れを円滑化したことで有名となった。
現在では運輸(鉄道・バス)事業以外にも、リテール事業に積極的に力を入れているが、元々発展している土地に路線をひいたため、今後の駅周辺の開発は困難だということで、「くらしに溶け込む鉄道」を銘打ち、駅構内の空間の有効活用をはじめとする限られたスペースの中での事業展開に的を絞っている。
利用者の声にも非常に敏感で、沿線モニターの募集を行う他、CSセンターと現場との繋がりが深いためか、改善の余地があることについては積極的に取り組んでいる。
歴史
設立
この会社の設立は、数年前から計画が上がっている「エイトライナー」の計画進行の遅れが主の要因となっている。
東京都人口第1位の世田谷区と第2位の練馬区などを含む23区西部は、東西の鉄道網が発展しているのに対し、南北の鉄道網が無いことにより、その移動が大変不便であった。
そこで1982年、三都南北鉄道株式会社が設立され、南北縦貫鉄道の整備を目指すことになる。しかし同社は1990年4月にこの計画を破棄。一時は幻の路線となりそうだったが、同年8月にこの計画を引き継いだ東京縦貫高速鉄道株式会社が設立されたことで、建設へと動き出す。
後述の計画の変遷を経て、最終的に現在営業運転中の3路線を計画した。
当初は「西東京鉄道」という名前で設立の話が進んでいたが、西東京を使用する会社に西東京バスがあったため、混同を防ぐために現在の名称を使用した。
大都市輸送ネットワークの形成
1993年には、当時JRと熾烈な競争をしていた
首都圏東都急行鉄道、
神奈川鉄道の2社と、“首都圏における輸送力の増強”及び“鉄道空白地帯の開拓”を目的とした協議の場を設けることが多くなった。
この中で今後の発展には相互協力が不可欠であると結論付けがされたため、3社による
大都市輸送ネットワークの形成が決定された。
これにより各種設備・車両の共通化によるコスト削減、各社間でのサービスアップを図り、首都圏の鉄道輸送の利便の向上がなされることとなった。
東京高速線では、東都急行線・南関線との大規模相互乗り入れや各種割引サービスの充実を重点的に行っている。
組織再編
事業の好転を受け、2008年に設立以来続いていた
大都市輸送ネットワーク各社からの融資を打ち切ることを決定した。
そこで、東京縦貫高速鉄道株式会社はこれまでの企業体制を、設立後目標としていた持株会社体制に変更することとした。
これを受け、東京縦貫高速鉄道株式会社は100%子会社であった東高バス等を切り離し、共に
東高ホールディングスの傘下に入ることとなった。
今後も埼玉、東京、神奈川にまたがるネットワークの形成が期待される。
沿革
1976年7月 運輸政策審議会答申 東京23区西部の南北鉄道網の整備は、都市交通対策上喫緊の課題と位置づけられる
1982年8月 三都南北鉄道株式会社設立
1985年6月 三都南北鉄道株式会社が、NSLineプロジェクトチームを設立、交通量調査、利用者アンケート等を実施
1990年4月 三都南北鉄道株式会社が経営悪化を理由に建設を断念、計画は宙に浮いた状態に
1990年8月 東京縦貫高速鉄道設立、計画を継承
1993年10月 首都圏東都急行鉄道、神奈川鉄道と共に大都市輸送ネットワークを形成
同日 首都圏東都急行鉄道との大規模相互乗り入れ計画を締結
1994年2月 鉄道事業法に基づく「第一種鉄道事業」の免許取得
1995年3月 大宮駅~上石神井駅間、赤羽駅~蒲田駅間の工事認可
1997年3月 二子玉川駅~蒲田駅間を第三セクター方式で別路線化、二子玉川駅~横浜駅間、中野駅~つつじヶ丘駅間の工事認可
1998年1月 南関東縦貫鉄道の小机駅~横浜駅間を第一種鉄道事業者として建設するため、工事計画を修正
2005年1月 南関東縦貫鉄道多摩線の小机駅~横浜駅間の使用を正式に承認
2005年7月 大練線、中東京線の駅名称を決定
2005年8月 野城線の駅名称を決定
2006年2月 大練線、中東京線で試験運転を開始
2006年6月 大練線(上石神井駅~大宮駅間)開業。
N2000系・
N6000系登場
同日 中東京線(二子玉川駅~赤羽駅間)開業、首都圏東都急行彩多摩斜行線との直通運転を開始
2007年2月 中東京線二子玉川駅~横浜駅間開業(中東京線全線開業)
2007年8月 野城線で試験運転を開始
2007年12月 中東京線横浜駅より東都急行本線東都横須賀駅まで直通運転開始・
N1系登場
同日 野城線新線中野駅~成城学園前駅間開通、新線中野駅より東都急行常磐新宿ライン東都松戸駅・房総新宿ライン海浜幕張駅まで直通運転開始(新宿駅経由)
2008年1月 組織再編、子会社の東高バス等を切り離し、東高ホールディングスの傘下となる
路線
乗り入れ路線
- 大練線⇔西武新宿線経由⇔西武拝島線(拝島方面)
- 東都急行彩多摩斜行線(春日部方面)⇔中東京線⇔東都急行本線(東都横須賀方面)
- 野城線⇔東都急行常磐新宿線(東都松戸方面)・東都急行房総新宿線(海浜幕張方面)
計画の変遷
東京縦貫高速鉄道が設立されてからの路線計画の変遷を、大まかな変更が見られる3段階に分けて解説する。
三都南北鉄道が計画していた路線をそのまま引き継いだもの。軌間は130km/h運転を見越して、1372mmを採用していた。
路線データ
- 区間:成増~二子玉川
- 路線距離:
- 駅数:
- 軌間:1372mm
- 複線区間:全線複線
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 集電方式:架空電車線方式
第1次計画を踏まえた上で考案した経路。2分割した上で北と南にそれぞれ足を伸ばすことにより、新たな需要を見込んだ。また、東都急行線への乗り入れを見越して軌間を1067mmに変更。
路線データ
- 区間:川越~上石神井、赤羽~蒲田
- 路線距離:
- 駅数:
- 軌間:1067mm
- 複線区間:全線複線
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 集電方式:架空電車線方式
川越~大宮間は協議の折り合いがつかなかったこともあり、断念。また、二子玉川~蒲田間は、線路設備は建設の上で
羽田アクセス鉄道に譲渡。東京高速線は小机を経由して横浜へと至る針路をとった。
また、中野~つつじヶ丘間の都心方面への路線も制定。
これが決定版となり、その後に東都急行との直通計画も成立。現在の路線に至る。
路線データ
- 区間:大宮~上石神井、赤羽~横浜、中野~つつじヶ丘
- 路線距離:
- 駅数:
- 軌間:1067mm
- 複線区間:全線複線
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 集電方式:架空電車線方式
列車種別
車両
自社車両
乗り入れ車両
東都E231系(中東京線・野城線)
東都E233系(中東京線・野城線)
運賃・料金
運賃
キロ数 |
運賃 |
初乗り7km |
160 |
8~11km |
200 |
12~19km |
240 |
20~24km |
270 |
25~30km |
300 |
30~34km |
330 |
35~39km |
360 |
40~43km |
390 |
44~47km |
430 |
48~50km |
460 |
料金
特急は全車指定席のため、乗車券の他に指定席特急券が必要になる。
またライナーは完全着席制のため、乗車券の他にライナー券が必要になる。
保安装置
車両基地・車両管理所・車両検修場・留置線
現在東京高速では、自社車両のほかに、直通先の
東都急行の車両整備も行っている。
車両基地
■■上石神井車両基地(東京都練馬区)
■ 吉祥寺車両基地(東京都三鷹市・武蔵野市)
■■成城車両基地(東京都世田谷区)
車両管理所
業務を行っていない。
■小机車両管理所(神奈川県横浜市)
車両検修場
上石神井駅より西武新宿線経由で自走回送。
■■■新所沢検修場(埼玉県所沢市)
留置線
■ 大宮
■ 赤羽
■ 練馬
■■つつじヶ丘
■■二子玉川
■ 横浜
関連各社
駅売店e'sを経営
東京高速と提携を組む駅周辺の駐輪場経営会社。自転車で駅付近の駐輪場まで出て東高線を利用するとポイントがたまるサービス「パーク&ライドシステム」を積極的に展開している。
外部リンク
参考文献
新線新駅計画(2005年)
東京高速誕生物語(2006年)
新設鉄道の行く末(2007年)
新生 東高ホールディングスの未来(2008年)
最終更新:2014年01月11日 22:34