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イシュ・チェル


イシュ・チェルは"虹の女王"である。
この女神は、イツァムナ同様に複数の神格を持ち、後古典期にはお産と医術の守護神として熱心に崇拝された。

イシュ・チェルはマヤの女神の中でも中心的な存在で、善悪両面の役割を持つ。
そのため、この女神については現在でもなぞの部分が多い。
そもそも、虹との関係でさえ、未だに解明されておらず、納得のいく論は上がっていない。
また、イシュ・チェルは、創造神イツァムナの妻、もしくは分身として扱われている。

彼女の図像は大惨事の場面や、蛇が登場する場面で、戦争の神の図像と一緒に登場する事が多い。
しかし、当のイシュ・チェル本人は太陽神と対を成す月の女神としても表されており、女性と出産、機織、医術、呪術的治療儀式の守護神とされている。
お産の時、助産婦は母親と生まれてくる子供の健康を願い、イシュ・チェルにささげる特別な儀式を行ったそうだ。

多様な姿をとるイシュ・チェルの論争には、未だ終わりは見えていない。
例えば、ある図像に関しては、欠けて行く月に見立てる研究者もいれば、若い女性を象徴する三日月だとする研究者もいる。
ここではその図像を見せることが出来ないので割愛するが。

イシュ・チェル信仰の確実は証拠というのは、後古典期だけで、トルテカの影響下にあった時代に、古い信仰の女神と入れ替わったものと思われる。
コルメル島にイシュ・チェルを祀った祠堂が建てられているが、スペイン征服時には、この祠堂は女性たちが託宣を受ける重要な霊場として扱われていた。
毎月多くの女性がコルメル島を訪れ、イシュ・チェルにお伺いを立て、健康と多産を称える踊りを奉納した。

アステカ人の宗教の中にも、イシュ・チェルに相当すると思われる神を崇拝しているものがある。
この神はシワコアトルと呼ばれ、子宝に恵まれる縁起物として、女性にこの女神の陶製の小像が与えられたというが、この名前は蛇との関連性を思わせる。