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No.01

雨蛙不孝(あまがえるふこう )

前親の言う事を聞かなかった蛙が、親の死で不孝に気付き遺言通りに死骸を埋めて、雨の降るたびに気遣うという話。

内容

 むかし。あるところに蛙の親子がいた。子蛙は親の言う事を聞かずに、右と言えば左、上と言えば下と反対ばかりした。子蛙は親蛙に口答えをし、いつもその意見を無視していた。
 ある日のこと、親蛙が重い病気になってしまった。もう助かる事はないという時になっても、子蛙の親不孝は変わらなかった。今わの際に親蛙は「自分が死んだら川の側に死骸を埋めてくれ」と遺言を遺した。
 それまでの親の反対ばかりする子蛙には、山の側に埋めて欲しいといっても川の側に埋めるに違いない。川の側と言えばギャクに山の側に埋める事だろうという、親の心積もりであった。親蛙はそうして儚くなってしまった。
 ところで、子蛙は親蛙の死で改心したのである。生まれて初めて、親の言いつけを守った。親の死骸を遺言通りに、川の側に埋めた。そして親の墓も建てたのであった。
 ところが皮の側のお墓は、少しの雨が降っても増水が気遣われた。流れてしまわないか、天を仰いでは心配しなければならなかった。それで今でも、雨が降りそうになると帰るが大騒ぎをして、心配そうに鳴くようになったのだという。おっ母さんの墓が流れると蛙は鳴くのだという。
 生前親不孝をした動物が、死に際して不孝を詫び、反対する事を見込んだ親の本心に添えなかった話は他にもみられる。

 鳶の親子も不仲であった。親に逆らってばかりいる子に、親は死骸を川に投げ込むようにと言って死ぬ。親が死んで不孝に気付いた鳶は、親の言うとおりにその死骸を川に投げ込んだ。雨が降ると親の死骸が流れそうになって、心配で泣き声を上げながら飛び回るようになったのだという。
 鳶のほかに尾長鳥や山鳩または時鳥のことにも語り、それらの前生譚に仕立てられる語り口もある。
 むかし。親の言いつけを守らないで事あるごとに反抗する子供があった。へそまがりの子供に困り果てた親は、年老いて死ぬ時に反対の遺言をする。自分が死んだら川縁に埋めてくれるようにと言い残したのである。
 へそ曲がりを悔いた子供は、親が死んで初めて親の言う事を聞こうと想い、遺言をそのまま実行する。それで雨が降ると川の水が増え、親の死骸が流される心配ばかりしなければならなかった。空を見上げて雨が降りそうになると「父が流れる、母が流れる」と叫んで歩くようになった。
 そうやっているうちに子供は死んで蛙に生まれ変わったという。
 閻魔大王は、親不孝なへそ曲がりを戒めて、へそをむしり取ってしまったので、今も蛙にはへそがないのだそうだ。雨が近くなる水辺で、蛙が鳴くのは今も親不孝を悔いているのだと語られる。

出展

昔話