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「疑心暗鬼」(2007/04/10 (火) 08:18:27) の最新版変更点
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「・・・・」
船の中。ヴァイは一人黙り、窓から外を睨みつけている。
その向こうでは、幾らの人が死んでいるのだろうか。
・・・敵が死ぬなら、まだ『仕方が無い』で片付けられる。だが、少なくとも味方が死ぬ事を受け入れるのは難しい。
・・・痛いほど、それは経験している彼だからこそ、これからの戦場(いくさば)には、良い印象を持たない。
なにより、彼は思っていた。
(・・・おかしい)
そう。おかしい。
相手は、一大陸に戦を持ち込む相手だ。それこそ、相応の戦力を以って、圧倒的に潰すと思う。
だが、戦況は敵が徐々に劣勢。しかも、引く様子も無い。
今は、フレイムウォールにより、攻め倦ねいている用では有るが、それも時間の問題。
(・・・切り札でも持っているのか・・・?)
妥当な線とすれば、それだ。
それに、
(・・・助けて。か)
リスティの言葉。戦場の方角より聞こえた、救助信号。
この異常な戦いの末は・・
「・・・ヴァイさん」
「! ・・悪い」
不安そうなリスティの声に、ヴァイはハッとなる。
いけない。チームのリーダーと一応指名されている以上、これ以上不安がらせるわけにはならない
「まあ、少し落ち着くとするか。どうだ、リスティ。メシ、食べに行くか?」
「あ・・はい」
ふわりと笑うリスティの顔を見て、ヴァイは今一度気持ちを固める。
―――――こいつを、守り通すのだと。