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桟橋の上の漫才」(2007/04/12 (木) 23:23:29) の最新版変更点

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――港町ルナータ――   ――桟橋 「完っ全に出遅れたわね・・・。」 「ったく、誰のせいだと思ってるんだ!!?」  そういうとライトセイバーの切っ先を、目の前を飛ぶセーに向けるマグノリア。 「このままだと他のヤツらにお宝みんな持っていかれちゃうだろーっ!!!」 「落ち着いて、マグノリア!! キャラ変わってるから!!!」  以前のマグノリアなら、「他のヤツらに強い敵みんな倒されちゃうだろーっ!!!」と言いそうな所だけど、 ある時から、諸事情により新たなキャラを模索しているらしい。 ・・・とはいえ、油断しているとすぐに素が出るらしいけど。  マグノリアがセーに怒るのも無理はない。 ここに来る途中、セーが道を間違えたおかげで、ものすごい遠回りになったのだ。 それはもう、気づいたら海を渡った先の雪原に居たのだから。 「一体どうやったら雪原と港町を間違えるんだよ!!?」 「マグねえちゃん、これを見てください!!」 「ん・・、何? この地図?」  シルエラちゃんが取り出したのは一枚の地図 私とマグノリアはそれを覗き込む。 この大陸のものに間違いはないのだが・・・。 「ん・・・特に変わった所はないみたいだね。」 「問題はここです、ほら、番号。」 「あぁ? 番号?」  この地図の特徴は、街やダンジョンの場所に番号が振られていて、余白部分にその地名と特徴が記述されていること。 そのくだりも、至ってよくある観光用の案内文みたいなものだけど・・・。 「はは~ん、なるほどねぇ・・・。」 「な、何よ!?」  それを見た時、マグノリアも私も全てを理解した。 自分の失敗を見抜かれて、動揺するセー。 「つまり、セーは、9と⑨を間違えたわけだ。」 「ぎくっ!!」  分かりやすい反応を示すセー。どうやら図星らしい。  この地図上での『港町ルナータ』の番号は⑨。 そして、海を渡った先の、『遥かなる北の雪原』の番号は9。 つまり、セーは9と⑨を間違えてしまったということ。 「ま、まあ、誰にでも間違いはあるってことで・・・。」 「じゃあ、これからはルナータの街を忘れないように、セーのことを⑨と呼ぶことにしよう!!」 「「「はははははっ!!」」」  笑いあう私とマグノリアとシルエラちゃん。 「・・・・・・ダメよ・・・。」 「あれ? セー?」  セーの様子がおかしい。 今の、マグノリアの発言・・・、そんなにセーを傷つけたのかな・・・。 「そんなこと言ったら・・・・・・。」  セーが妖しいオーラをまとい始めると、それは次のセーの発言と同時に開放される。 「海凍らせて、船まで歩いて渡らすっ!!!」  ガキュィーーーン!!  セーの身にまとっていたオーラが開放されると、周囲の空気がその影響で急激に冷たくなったように感じたが、特に何かが起こった様子はなく・・・。 「ちょっと、セー!? 何やってんの!!?」 「え? なになに!?」 「すごいですーっ!!」  海の方を見た私は、その光景に圧倒された。 それは、ここルナータの港から敵船『ブラックシップ』のある辺りまでの大海原を覆いつくす分厚い氷の大地。 「・・・マジかっ!?」  ガシャン!!  背後で物音がした。 振り返るとそこにはセーと・・・。 「はい、『歩いて』ってのは流石に酷だと思うで、自転車を用意しました~♪」  セーがどこからともなく持ってきたそれは、軽金属と2つの車輪で構成された銀色の乗り物らしきもの。 名前は『自転車』というらしい。  が、見るからに不安定そうな乗り物。 おまけに、今から渡るのは氷の大地。 たどり着く前に転倒するのは目に見えているのだが・・・。 「ほら、マグノリア! 乗りなさい!!」 「ちょ、マジかよっ!!?」  嫌がるマグノリアを強引にその『自転車』にまたがらせ、その背後をハリセンで押し出すセー。 「わ、わあぁぁぁーーー!!!」  桟橋から勢いよく押し出された、自転車に乗ったマグノリア。 その前方の車輪が氷の大地に着いた瞬間・・・。  ザッパーーーン!!!  マグノリアは豪快に海に落ちた。 それを見て「しししっ!!」と笑うセーと、呆然と立ち尽くす私とシルエラちゃん。 「ホントに凍らせるわけないじゃない!! だいたいそんな事したら、友軍の進軍だって乱れるし、味方の船やこの港町にだって甚大な被害が出るでしょ!!!」  またもや引っかかってしまった私たち。 これはセーの見せ掛け魔法。 確かに海を凍らせたはずなのに、船や、魚、その他友軍や敵の魔物などが触れた結果はいつも通りの海。  その事象も解除され、次に私が目をやった時には、そこにはいつも通りの海が広がっていた。 「はぁ、はぁ・・・、げほっ、げほっ!!! セーっ!! あんたねぇっ!!!」 「あ、お帰り~、マグノリア。 お宝は戴いてきた~?」 「思いっきり飲んじゃったじゃないのーーっ!!!」  海から上がってきたマグノリアはセーに詰め寄るが、セーはあっけらかんとして、まるで反省する様子もなかった。
――港町ルナータ――   ――桟橋 「完っ全に出遅れたわね・・・。」 「ったく、誰のせいだと思ってるんだ!!?」  そういうとライトセイバーの切っ先を、目の前を飛ぶセーに向けるマグノリア。 「このままだと他のヤツらにお宝みんな持っていかれちゃうだろーっ!!!」 「落ち着いて、マグノリア!! キャラ変わってるから!!!」  以前のマグノリアなら、「他のヤツらに強い敵みんな倒されちゃうだろーっ!!!」と言いそうな所だけど、 ある時から、諸事情により新たなキャラを模索しているらしい。 …とはいえ、油断しているとすぐに素が出るらしいけど。  マグノリアがセーに怒るのも無理はない。 ここに来る途中、セーが道を間違えたおかげで、ものすごい遠回りになったのだ。 それはもう、気づいたら海を渡った先の雪原に居たのだから。 「一体どうやったら雪原と港町を間違えるんだよ!!?」 「マグねえちゃん、これを見てください!!」 「ん・・、何? この地図?」  シルエラちゃんが取り出したのは一枚の地図 私とマグノリアはそれを覗き込む。 この大陸のものに間違いはないのだが・・・。 「ん・・・特に変わった所はないみたいだね。」 「問題はここです、ほら、番号。」 「あぁ? 番号?」  この地図の特徴は、街やダンジョンの場所に番号が振られていて、余白部分にその地名と特徴が記述されていること。 そのくだりも、至ってよくある観光用の案内文みたいなものだけど・・・。 「はは~ん、なるほどねぇ・・・。」 「な、何よ!?」  それを見た時、マグノリアも私も全てを理解した。 自分の失敗を見抜かれて、動揺するセー。 「つまり、セーは、9と⑨を間違えたわけだ。」 「ぎくっ!!」  分かりやすい反応を示すセー。どうやら図星らしい。  この地図上での『港町ルナータ』の番号は⑨。 そして、海を渡った先の、『遥かなる北の雪原』の番号は9。 つまり、セーは9と⑨を間違えてしまったということ。 「ま、まあ、誰にでも間違いはあるってことで・・・。」 「じゃあ、これからはルナータの街を忘れないように、セーのことを⑨と呼ぶことにしよう!!」 「「「はははははっ!!」」」  笑いあう私とマグノリアとシルエラちゃん。 「・・・・・・ダメよ・・・。」 「あれ? セー?」  セーの様子がおかしい。 今の、マグノリアの発言・・・、そんなにセーを傷つけたのかな・・・。 「そんなこと言ったら・・・・・・。」  セーが妖しいオーラをまとい始めると、それは次のセーの発言と同時に開放される。 「海凍らせて、船まで歩いて渡らすっ!!!」  ガキュィーーーン!!  セーの身にまとっていたオーラが開放されると、周囲の空気がその影響で急激に冷たくなったように感じたが、特に何かが起こった様子はなく・・・。 「ちょっと、セー!? 何やってんの!!?」 「え? なになに!?」 「すごいですーっ!!」  海の方を見た私は、その光景に圧倒された。 それは、ここルナータの港から敵船『ブラックシップ』のある辺りまでの大海原を覆いつくす分厚い氷の大地。 「・・・マジかっ!?」  ガシャン!!  背後で物音がした。 振り返るとそこにはセーと・・・。 「はい、『歩いて』ってのは流石に酷だと思うで、自転車を用意しました~♪」  セーがどこからともなく持ってきたそれは、軽金属と2つの車輪で構成された銀色の乗り物らしきもの。 名前は『自転車』というらしい。  が、見るからに不安定そうな乗り物。 おまけに、今から渡るのは氷の大地。 たどり着く前に転倒するのは目に見えているのだが・・・。 「ほら、マグノリア! 乗りなさい!!」 「ちょ、マジかよっ!!?」  嫌がるマグノリアを強引にその『自転車』にまたがらせ、その背後をハリセンで押し出すセー。 「わ、わあぁぁぁーーー!!!」  桟橋から勢いよく押し出された、自転車に乗ったマグノリア。 その前方の車輪が氷の大地に着いた瞬間・・・。  ザッパーーーン!!!  マグノリアは豪快に海に落ちた。 それを見て「しししっ!!」と笑うセーと、呆然と立ち尽くす私とシルエラちゃん。 「ホントに凍らせるわけないじゃない!! だいたいそんな事したら、友軍の進軍だって乱れるし、味方の船やこの港町にだって甚大な被害が出るでしょ!!!」  またもや引っかかってしまった私たち。 これはセーの見せ掛け魔法。 確かに海を凍らせたはずなのに、船や、魚、その他友軍や敵の魔物などが触れた結果はいつも通りの海。  その事象も解除され、次に私が目をやった時には、そこにはいつも通りの海が広がっていた。 「はぁ、はぁ・・・、げほっ、げほっ!!! セーっ!! あんたねぇっ!!!」 「あ、お帰り~、マグノリア。 お宝は戴いてきた~?」 「思いっきり飲んじゃったじゃないのーーっ!!!」  海から上がってきたマグノリアはセーに詰め寄るが、セーはあっけらかんとして、まるで反省する様子もなかった。

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