「船上のピクニック」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「船上のピクニック」(2007/04/10 (火) 08:59:07) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
巨大な黒い船『ブラックシップ』へと向かう、一隻の船の中。
「・・・うぅむ・・・、困ったものだ・・・」
出航してから魔物の大部隊との接触までわずかというこの時、
一通りの指揮、作戦指示を終えて、いざ持ち場に着こうとしたクウヤだったが、ちょっとした問題が発生していた。
それは、船の先端でピクニックシートを広げて、重箱のお弁当をつついている女の子の集団。
本来ならば、そこは最も魔物の攻撃を受ける位置。
当然、こちらも、部隊の中でも主力級の戦力をそこに割いて、敵の攻撃に備える必要があり、
クウヤ・ヤクモを含む精鋭がその任に当たる手はずになっていたはずなのだが・・・。
「やはり、私がどかして来ましょうか?」
「いや、構わんよ。 彼女たちとて、我々が今からどこへ向かうのか知らないわけではあるまい。」
「しかし!!」
「さて、我々も持ち場に着こうか。」
そう言って、「ははは!!」と笑い、弁当を囲んで騒いている集団に向かって歩き出すクウヤ。
眼前の魔物の大群を目にして、のんきにランチタイムとは肝が据わっている。
…とまあ、そんなことでも考えているのだろう。
一方、ヤクモは、あんまり関わりたくなかったのに・・・。 というのを表情に出しながら、
渋々、クウヤに追従するのであった。
「しっかし、この船、すごいわね~。」
「ああ、アタシもなんだか燃えて来たっ!!」
船の先端から、後方を見渡すセー。
そのセーの言葉に、拳に力を込めて、燃え上がるマグノリア。
そう、今この船に乗っている人間の大半が、剣に秀でたブレイブマスター。
しかも、ほぼ十六夜風の格好に、得物は刀で統一されている。
「なんだか強そうですね~。(もぐもぐ・・・)」
玉子焼きを頬張りながら喋るシルエラちゃん。
「これは、アレよ!! 今から『討ち入り』が始まるのよっ!!!」
「「「『討ち入り』ぃ~!?」」」
いつものことだが、突然のセーの発言に、目を丸くする一同。
セーは得意げに高度を上げ、デンデン太鼓を振り回す。
ドドン!!ドドンドン!!!
これぞ正に討ち入りの合図である・・・。とは思えない。
上空に出現し、何かを探して飛び回っているカラフルな生き物はこの際無視。
「まあ、確かに討ち入りであることには変わりないかもしれないけどねぇ・・・。」
鮭おにぎりに手を伸ばすマグノリア。ほっぺたにご飯粒がついてる。
若干語弊はあるかもしれないが、確かに今から『ブラックシップ』に『討ち入り』を仕掛ける所。
私は、店長作、「リンゴのウサギさん」を食べながら、敵の船を見つめる・・・。
すると、すぐ前方に、巨大なエイの魔物、スティングレイが飛び上がり、
「わ!わっ!!! ちょっと、みんなーーーっ!!」
それは甲板の高さまでジャンプすると、こちらめがけて・・・。
「クロスラッシュ!!」
「ソールちゃん!!?」
ズシャーーーっ!!
突っ込んできた巨大エイに、十字に斬撃をお見舞いするソールちゃん。
4つに分かれたエイの破片は、こちらに達することなく、海にボチャン。
「油断大敵、無為無策。 こんな所で何暢気に弁当なんか食べてるのよ。」
「まあまあ、マーニも抑えて。これから本格的に戦いが始まるんだから、休めるうちに休んでおくというのも一理あるし。」
続けて出てきたのはマーニとヒミン。
今回はCG(セレスティアガーデン)チーム側のマグノリアとシルエラちゃんも加わって、真・漫才チーム結成か?
「おお!! その剣、カッコイイじゃん!!!」
「え? ソールのこと?」
マグノリアが、ソールが両手に付けている腕輪から出る光の刃に、目を輝かせながら叫ぶ。
さっきエイを切り裂いたのはこの刃。
「マグノリアも似たようなの持ってるじゃん!!」
「まあ、それはそうなんだけど・・・。」
どこかうらやましそうな顔をするマグノリア。
いわゆる、人の食べているものはおいしそうに見えるという効果なのだろうか。
「でも、それは所詮人間の作ったもの。 ソールの『ファグラヴェール』とは・・・」
「そういうのなら、私だって持ってるわよ!!!」
「え?」
マーニの言葉を遮っての、セーの突然の発言。
そしてセーが取り出したものとは・・・。
「じゃーーん!! 『アロンダイトビームソード』っ!! これさえあれば、巨大戦艦なんて真っ二つよっ!!」
セーの取り出したそれは、戦艦すら一撃で沈める巨大な剣、『アロンダイトビームソード』・・・
「あのなぁ、セー、オモチャの剣出してどうすんだよ!!」
・・・の1/144スケールミニチュア版。
セーが異世界から調達してきたプラモデルとかいうオモチャの付属品。
「フフフ、ただのオモチャだと思って甘く見ないでよね。ビームだって出るんだから!!」
セーがその剣を正眼に構えると、実剣の周りにビームの刃が形成される。
それは、常時放出型である、セーの紫色の光の羽根と相まって、結構似合っているように見える。
「おいおい、セー、何オモチャに大層な技術つぎ込んでんのよ!!」
「どう? 羨ましいでしょ!?」
「いや、全然。」
きっぱりと否定するマグノリア。
セーはこれ見よがしに、その剣を振り回す。
何故か、セーの羽根から放出される光の粒子が、残像を残す効果を発動させている。
「あの剣、どう見ても材質は『プラスチック』・・・。何故溶けないの?」
ビームが出ているのとは別の意味で驚くマーニ。
それを受けてヒミンは、セーに近づき・・・。
「ん?何?」
「ちょっと見せて・・・。」
セーの持っているその剣をよく観察する。
そして、導き出された答えは・・・。
「これは!? 『エーテルコーティング』っ!!?」
「「「「えーてるこーてぃんぐ?」」」」
私とマグノリアとシルエラちゃん、あとソールちゃんの声が重なる。
シルエラちゃんの口からタコさんウインナーの足が落ちる。
「ああ、そういえば、『店長』がそんなこと言ってたわ。私がビーム出るようにしてって言ったら、強度が足りないから、その・・・」
「エーテルコーティング。」
「・・・そうそう、そのエーテルコーティングをしたって。これをすると、絶対に壊れなくなるとか言ってた。」
どうやらこの剣はセーが店長に言って作ってもらったものらしい。
セーはビームにばかり目が行ってて、そこにどのような技術が使われているのかまではあまり興味がなかったみたい。
けれど、いくら何でも、オモチャにその技術を使うのはどうかと・・・。
「あ、わわわ!! セー、また出た!!?」
「任せて!! 今度は私がいくよっ!!!」
再び現れた巨大エイに対して、セーはその自分の身長ほどもある剣を構えて・・・。
「&ruby(あんたが何だっていうんだーーーっ!!!){吉良殿は何処におはすかーーーっ!!}」
「散空裂破斬っ!!」
ズシャシャシャーーっ!!
散空裂破斬の直撃を受け、肢体を散らして海へ帰る巨大エイ。そして・・・、
「お怪我はありませんでしたか?」
「あ、はい、ありがとうございます。」
先ほどの散空裂破斬を放ったのはこの人、ヤクモだった。
・・・けれど。
「・・・私のアロンダイトが・・・。」
セーの持つ剣は、先ほどの散空裂破斬で手元から先が折れて海の中へ・・・。
「うぅ~・・・」
「……ぉぉぉぉぉ……」
うるうるとした瞳でセーに見つめられるヤクモ。
どうやら出てくるタイミングを完全に間違えてしまったらしい。
「ちょ、ちょっと待って・・・」
「このぉーーっ!!」
武器をハリセンに持ち替えて、ヤクモに向かって突進するセー。
「九頭龍扇っ!!!」
『壱』『弐』『参』『肆』『伍』『陸』『漆』『捌』『玖』!!
セーの九つ同時ツッコミを受けたヤクモは、船の後方にまで飛ばされ、船室のトビラを突き破り、そこにあったタルにぶつかってようやく止まった。
「ひ、一つも見切れなかった・・・。」
ダメージこそ、トビラとタルにぶつかっただけの微々たるものだったが、
突然の出来事に驚くヤクモ。
「まだまだ青いぞ、ヤクモ。 ・・・それにしても、今の動きはなかなか見所が・・・。」
セーの繰り出した技の動きに関心するクウヤだったが、彼はセーの技に、『ネタ補正』という特殊な補正が入ることを知らない。
「あれ? 『エーテルコーティング』は私の見間違い?」
「人間の作る物なんて、所詮その程度でしょ。」
巨大な黒い船『ブラックシップ』へと向かう、一隻の船の中。
「・・・うぅむ・・・、困ったものだ・・・」
出航してから魔物の大部隊との接触までわずかというこの時、
一通りの指揮、作戦指示を終えて、いざ持ち場に着こうとしたクウヤだったが、ちょっとした問題が発生していた。
それは、船の先端でピクニックシートを広げて、重箱のお弁当をつついている女の子の集団。
本来ならば、そこは最も魔物の攻撃を受ける位置。
当然、こちらも、部隊の中でも主力級の戦力をそこに割いて、敵の攻撃に備える必要があり、
クウヤ・ヤクモを含む精鋭がその任に当たる手はずになっていたはずなのだが・・・。
「やはり、私がどかして来ましょうか?」
「いや、構わんよ。 彼女たちとて、我々が今からどこへ向かうのか知らないわけではあるまい。」
「しかし!!」
「さて、我々も持ち場に着こうか。」
そう言って、「ははは!!」と笑い、弁当を囲んで騒いている集団に向かって歩き出すクウヤ。
眼前の魔物の大群を目にして、のんきにランチタイムとは肝が据わっている。
…とまあ、そんなことでも考えているのだろう。
一方、ヤクモは、あんまり関わりたくなかったのに・・・。 というのを表情に出しながら、
渋々、クウヤに追従するのであった。
「しっかし、この船、すごいわね~。」
「ああ、アタシもなんだか燃えて来たっ!!」
船の先端から、後方を見渡すセー。
そのセーの言葉に、拳に力を込めて、燃え上がるマグノリア。
そう、今この船に乗っている人間の大半が、剣に秀でたブレイブマスター。
しかも、ほぼ十六夜風の格好に、得物は刀で統一されている。
「なんだか強そうですね~。(もぐもぐ・・・)」
玉子焼きを頬張りながら喋るシルエラちゃん。
「これは、アレよ!! 今から『討ち入り』が始まるのよっ!!!」
「「「『討ち入り』ぃ~!?」」」
いつものことだが、突然のセーの発言に、目を丸くする一同。
セーは得意げに高度を上げ、デンデン太鼓を振り回す。
ドドン!!ドドンドン!!!
これぞ正に討ち入りの合図である・・・。とは思えない。
上空に出現し、何かを探して飛び回っているカラフルな生き物はこの際無視。
「まあ、確かに討ち入りであることには変わりないかもしれないけどねぇ・・・。」
鮭おにぎりに手を伸ばすマグノリア。ほっぺたにご飯粒がついてる。
若干語弊はあるかもしれないが、確かに今から『ブラックシップ』に『討ち入り』を仕掛ける所。
私は、店長作、「リンゴのウサギさん」を食べながら、敵の船を見つめる・・・。
すると、すぐ前方に、巨大なエイの魔物、スティングレイが飛び上がり、
「わ!わっ!!! ちょっと、みんなーーーっ!!」
それは甲板の高さまでジャンプすると、こちらめがけて・・・。
「クロスラッシュ!!」
「ソールちゃん!!?」
ズシャーーーっ!!
突っ込んできた巨大エイに、十字に斬撃をお見舞いするソールちゃん。
4つに分かれたエイの破片は、こちらに達することなく、海にボチャン。
「油断大敵、無為無策。 こんな所で何暢気に弁当なんか食べてるのよ。」
「まあまあ、マーニも抑えて。これから本格的に戦いが始まるんだから、休めるうちに休んでおくというのも一理あるし。」
続けて出てきたのはマーニとヒミン。
今回はCG(セレスティアガーデン)チーム側のマグノリアとシルエラちゃんも加わって、真・漫才チーム結成か?
「おお!! その剣、カッコイイじゃん!!!」
「え? ソールのこと?」
マグノリアが、ソールが両手に付けている腕輪から出る光の刃に、目を輝かせながら叫ぶ。
さっきエイを切り裂いたのはこの刃。
「マグノリアも似たようなの持ってるじゃん!!」
「まあ、それはそうなんだけど・・・。」
どこかうらやましそうな顔をするマグノリア。
いわゆる、人の食べているものはおいしそうに見えるという効果なのだろうか。
「でも、それは所詮人間の作ったもの。 ソールの『ファグラヴェール』とは・・・」
「そういうのなら、私だって持ってるわよ!!!」
「え?」
マーニの言葉を遮っての、セーの突然の発言。
そしてセーが取り出したものとは・・・。
「じゃーーん!! 『アロンダイトビームソード』っ!! これさえあれば、巨大戦艦なんて真っ二つよっ!!」
セーの取り出したそれは、戦艦すら一撃で沈める巨大な剣、『アロンダイトビームソード』・・・
「あのなぁ、セー、オモチャの剣出してどうすんだよ!!」
・・・の1/144スケールミニチュア版。
セーが異世界から調達してきたプラモデルとかいうオモチャの付属品。
「フフフ、ただのオモチャだと思って甘く見ないでよね。ビームだって出るんだから!!」
セーがその剣を正眼に構えると、実剣の周りにビームの刃が形成される。
それは、常時放出型である、セーの紫色の光の羽根と相まって、結構似合っているように見える。
「おいおい、セー、何オモチャに大層な技術つぎ込んでんのよ!!」
「どう? 羨ましいでしょ!?」
「いや、全然。」
きっぱりと否定するマグノリア。
セーはこれ見よがしに、その剣を振り回す。
何故か、セーの羽根から放出される光の粒子が、残像を残す効果を発動させている。
「あの剣、どう見ても材質は『プラスチック』・・・。何故溶けないの?」
ビームが出ているのとは別の意味で驚くマーニ。
それを受けてヒミンは、セーに近づき・・・。
「ん?何?」
「ちょっと見せて・・・。」
セーの持っているその剣をよく観察する。
そして、導き出された答えは・・・。
「これは!? 『エーテルコーティング』っ!!?」
「「「「えーてるこーてぃんぐ?」」」」
私とマグノリアとシルエラちゃん、あとソールちゃんの声が重なる。
シルエラちゃんの口からタコさんウインナーの足が落ちる。
「ああ、そういえば、『店長』がそんなこと言ってたわ。私がビーム出るようにしてって言ったら、強度が足りないから、その・・・」
「エーテルコーティング。」
「・・・そうそう、そのエーテルコーティングをしたって。これをすると、絶対に壊れなくなるとか言ってた。」
どうやらこの剣はセーが店長に言って作ってもらったものらしい。
セーはビームにばかり目が行ってて、そこにどのような技術が使われているのかまではあまり興味がなかったみたい。
けれど、いくら何でも、オモチャにその技術を使うのはどうかと・・・。
「あ、わわわ!! セー、また出た!!?」
「任せて!! 今度は私がいくよっ!!!」
再び現れた巨大エイに対して、セーはその自分の身長ほどもある剣を構えて・・・。
「&ruby(あんたが何だっていうんだーーーっ!!!){吉良殿は何処におはすかーーーっ!!}」
「散空裂破斬っ!!」
ズシャシャシャーーっ!!
散空裂破斬の直撃を受け、肢体を散らして海へ帰る巨大エイ。そして・・・、
「お怪我はありませんでしたか?」
「あ、はい、ありがとうございます。」
先ほどの散空裂破斬を放ったのはこの人、ヤクモだった。
…けれど。
「・・・私のアロンダイトが・・・。」
セーの持つ剣は、先ほどの散空裂破斬で手元から先が折れて海の中へ・・・。
「うぅ~・・・」
「……ぉぉぉぉぉ……」
うるうるとした瞳でセーに見つめられるヤクモ。
どうやら出てくるタイミングを完全に間違えてしまったらしい。
「ちょ、ちょっと待って・・・」
「このぉーーっ!!」
武器をハリセンに持ち替えて、ヤクモに向かって突進するセー。
「九頭龍扇っ!!!」
『壱』『弐』『参』『肆』『伍』『陸』『漆』『捌』『玖』!!
セーの九つ同時ツッコミを受けたヤクモは、船の後方にまで飛ばされ、船室のトビラを突き破り、そこにあったタルにぶつかってようやく止まった。
「ひ、一つも見切れなかった・・・。」
ダメージこそ、トビラとタルにぶつかっただけの微々たるものだったが、
突然の出来事に驚くヤクモ。
「まだまだ青いぞ、ヤクモ。 ・・・それにしても、今の動きはなかなか見所が・・・。」
セーの繰り出した技の動きに関心するクウヤだったが、彼はセーの技に、『ネタ補正』という特殊な補正が入ることを知らない。
「あれ? 『エーテルコーティング』は私の見間違い?」
「人間の作る物なんて、所詮その程度でしょ。」