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翼をつけた少女」(2007/05/12 (土) 15:11:30) の最新版変更点

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今現在、ルインを含む分隊は大広間へ向かって進軍している道中だ。 が、 「ルイン…あまりにも雑魚が多いと思うのだが…」 レオンが反ば呆れたように言う。 「…私もそう思う…」 「それにしても異常な数だな…」 道中に先程閉じ込めた異人や魔物がアイズを追いこの通路に来て、 こちらの進行を塞がるように密集している。あくまで偶然だと思われるが。 相当な距離が離れているので向こうは今の所感づいてはいないようだ。 (…時間が無いのに、これ以上時間を食われる訳には…) 彼女が思案をしているまさにその時、 『ルインちゃんとその他大勢の皆さん、お困りみたいね?』 と、何処からともなく少女の声がした。 「この声は…!」 『彼女か…』 流石に皆、状況が分からないようだ。ルインとチェシェ猫を除いて、だが。 「だ…誰だ、いや何処から声が…!」 『上だよ上』 皆が上を見るとそこには黒いドレスに機械の羽根を付けた金髪の少女が顔を覗かせていた。 そして、間も無くして少女は下りてきた。 「やほールインちゃん」 「…公衆の前でその呼び方はやめて欲しいな…」 「ボクはそんなことは気にしてないよ?」 「私が気にするのよ…」 「お取り込み中悪いようですが、この方は一体?」 状況を掴めていない皆に彼女のことを教えるようにクローディアが代表して言った。 「ボクはシータ。一応この船の中の一人だけど戦う気はもーとーないよっ」 「じゃあ、君は俺達にルインと同じく味方してくれる、ということかい?」 と、レオンが結論を急ぐように問う。 敵でないことは分かったが協力の有無については言ってないのだから。 「今の所は協力程度しか出来ないよ?」 「ん…そうか…」 「ねえ、シータ。どうしても協力だけなの?」 ルインもどうしても仲間になってほしいと言う意を込めて再度問う。 「うん、ボクは今めーれーを無視して勝手に動いているわけだし、 シャマルにどれだけ文句を言われるか解ったモンじゃないのが理由だね」 彼女は真面目な表情でそう言った。 (これ以上の要求は無理、か) そして一瞬の静寂。 「そだ、肝心なことを忘れてたっ」 静寂を破るように唐突にシータが話す。 「今さっき、アリスちゃんがアルカナナイツを発動したみたいだよ」 『もうそんなに倒したのかい?』 彼女はコクコクと頷いた。 「ところで『アルカナナイツ』って何なんだ?」 『ああ、これも言ってなかったね。簡単に言うと『アルカナナイツ』は召喚系の技だね。 五十二体のカードの兵隊を召喚する技さ』 「…五十三体ではなかったのですか?」 「いや、五十三体目は言ってた通り『一人で五十三人の兵士の力を持つ人間』だよ。 そして、アルカナナイツはその最後の召喚の一つ前の前提スキル、というのが簡単な答えかな」 「…!」 ここまで言えば分かったようだ、つまり『最終召喚の一歩手前』ということだ。 「では、急がなければ彼らは…!」 「そーいうこと。だからここに伝えに来たの」 シータはぐるりと回り、ルインの方を向き、 「あとアインからのよーけんを伝言」 彼女はバックパックから箱を取り出しルインに渡した。 「これは…? 開けてもいい?」 「モチのロンだよ」 「…」 ルインは半ば呆れながら空けてみると中に入っていたのは液体の入った瓶。 それも赤、青の瓶が数個と、そして透明の瓶が一つ。と言った感じに分けられている物だ。中に入っている液体の量も違う。 「…なにコレ…」 「見たまんま薬だよっ」 「そんなことは分かっているわよ。何処でコレを入手したのか、と言うことを聞いてるの」 「分からないケド、医務室からパクって来たんじゃない?」 「…」 彼女は心中で『非常事態なのだから仕方が無い』とは割り切れず、妙な罪悪感を感じた。 そんなことはお構いなく、 「それでっ、メンタル回復の薬と体力回復の薬が赤と青にそれぞれわかれててー、 透明なのは『竜の血を持つ者』に飲ませろ、とか言ってたケド?」 『竜の血を持つ者』の意は分からなかったが彼女はとりあえず、 「ありがとう。そして、運送も任せられたわよ」 「うんうん!」 彼女は誇らしげそうにそう答えた。 「ルイン、もう用は済んだか?」 「あ、うん。OKよ」 「ちょーっと待ったー!」 と、制止の声が入る。声の主は当然シータ。 「…えーと…何?」 「うんうん、あそこの邪魔な奴らを蹴散らす役をさっ、ボクが引き受けてもいい?」 レオンに目で合図をし、 「むしろやってくれるならありがたいな」 「いいとは言ったけど、加減はしてね…」 「わかってる、わかってるっ!」 「…」 ルインも流石に(精神的に)疲れたようだ。 「じゃあ、そっこーで倒すからっ、急いでウサちゃんを送ってね?」 彼女は言葉と共に飛び上がり、そして 「たーげっとろっくおん!」 肩の翼を変形させ、照準を合わせる。 「な…あれは…β59じゃないか…」 「こっちを狙ってるよーな…」 「まさか…そんな訳が…」 異人達の中でそのような声が漏れる。 「エネルギー充填かんりょー! いっけーっ!」 言葉と共に彼女の翼の砲口から無数のエネルギー砲が放たれ、兵や魔物達を打ち砕いて行く。 「今のうちにっ! 早くっ!」 「分かった! 皆さん、急ぎましょう!」
今現在、ルインを含む分隊は大広間へ向かって進軍している道中だ。 が、 「ルイン…あまりにも雑魚が多いと思うのだが…」 レオンが反ば呆れたように言う。 「…私もそう思う…」 「それにしても異常な数だな…」 道中に先程閉じ込めた異人や魔物がアイズを追いこの通路に来て、 こちらの進行を塞がるように密集している。あくまで偶然だと思われるが。 相当な距離が離れているので向こうは今の所感づいてはいないようだ。 (…時間が無いのに、これ以上時間を食われる訳には…) 彼女が思案をしているまさにその時、 『ルインちゃんとその他大勢の皆さん、お困りみたいね?』 と、何処からともなく少女の声がした。 「この声は…!」 『彼女か…』 流石に皆、状況が分からないようだ。ルインとチェシェ猫を除いて、だが。 「だ…誰だ、いや何処から声が…!」 『上だよ上』 皆が上を見るとそこには黒いドレスに機械の羽根を付けた金髪の少女が顔を覗かせていた。 そして、間も無くして少女は下りてきた。 「やほールインちゃん」 「…公衆の前でその呼び方はやめて欲しいな…」 「ボクはそんなことは気にしてないよ?」 「私が気にするのよ…」 「お取り込み中悪いようですが、この方は一体?」 状況を掴めていない皆に彼女のことを教えるようにクローディアが代表して言った。 「ボクはシータ。一応この船の中の一人だけど戦う気はもーとーないよっ」 「じゃあ、君は俺達にルインと同じく味方してくれる、ということかい?」 と、レオンが結論を急ぐように問う。 敵でないことは分かったが協力の有無については言ってないのだから。 「今の所は協力程度しか出来ないよ?」 「ん…そうか…」 「ねえ、シータ。どうしても協力だけなの?」 ルインもどうしても仲間になってほしいと言う意を込めて再度問う。 「うん、ボクは今めーれーを無視して勝手に動いているわけだし、 シャマルにどれだけ文句を言われるか解ったモンじゃないのが理由だね」 彼女は真面目な表情でそう言った。 (これ以上の要求は無理、か) そして一瞬の静寂。 「そだ、肝心なことを忘れてたっ」 静寂を破るように唐突にシータが話す。 「今さっき、アリスちゃんがアルカナナイツを発動したみたいだよ」 『もうそんなに倒したのかい?』 彼女はコクコクと頷いた。 「ところで『アルカナナイツ』って何なんだ?」 『ああ、これも言ってなかったね。簡単に言うと『アルカナナイツ』は召喚系の技だね。 五十二体のカードの兵隊を召喚する技さ』 「…五十三体ではなかったのですか?」 「いや、五十三体目は言ってた通り『一人で五十三人の兵士の力を持つ人間』だよ。 そして、アルカナナイツはその最後の召喚の一つ前の前提スキル、というのが簡単な答えかな」 「…!」 ここまで言えば分かったようだ、つまり『最終召喚の一歩手前』ということだ。 「では、急がなければ彼らは…!」 「そーいうこと。だからここに伝えに来たの」 シータはぐるりと回り、ルインの方を向き、 「あとアインからのよーけんを伝言」 彼女はバックパックから箱を取り出しルインに渡した。 「これは…? 開けてもいい?」 「モチのロンだよ」 「…」 ルインは半ば呆れながら空けてみると中に入っていたのは液体の入った瓶。 それも赤、青の瓶が数個と、そして透明の瓶が一つ。と言った感じに分けられている物だ。中に入っている液体の量も違う。 「…なにコレ…」 「見たまんま薬だよっ」 「そんなことは分かっているわよ。何処でコレを入手したのか、と言うことを聞いてるの」 「分からないケド、医務室からパクって来たんじゃない?」 「…」 彼女は心中で『非常事態なのだから仕方が無い』とは割り切れず、妙な罪悪感を感じた。 そんなことはお構いなく、 「それでっ、メンタル回復の薬と体力回復の薬が赤と青にそれぞれわかれててー、 透明なのは『竜に関わった者』に飲ませろ、とか言ってたケド?」 『竜に関わった者』とは流石に分からなかったが彼女はとりあえず、 「ありがとう。そして、運送も任せられたわよ」 「うんうん!」 彼女は誇らしげそうにそう答えた。 「ルイン、もう用は済んだか?」 「あ、うん。OKよ」 「ちょーっと待ったー!」 と、制止の声が入る。声の主は当然シータ。 「…えーと…何?」 「うんうん、あそこの邪魔な奴らを蹴散らす役をさっ、ボクが引き受けてもいい?」 レオンに目で合図をし、 「むしろやってくれるならありがたいな」 「いいとは言ったけど、加減はしてね…」 「わかってる、わかってるっ!」 「…」 ルインも流石に(精神的に)疲れたようだ。 「じゃあ、そっこーで倒すからっ、急いでウサちゃんを送ってね?」 彼女は言葉と共に飛び上がり、そして 「たーげっとろっくおん!」 肩の翼を変形させ、照準を合わせる。 「な…あれは…β59じゃないか…」 「こっちを狙ってるよーな…」 「まさか…そんな訳が…」 異人達の中でそのような声が漏れる。 「エネルギー充填かんりょー! いっけーっ!」 言葉と共に彼女の翼の砲口から無数のエネルギー砲が放たれ、兵や魔物達を打ち砕いて行く。 「今のうちにっ! 早くっ!」 「分かった! 皆さん、急ぎましょう!」

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