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妖精の道」(2007/12/19 (水) 20:28:19) の最新版変更点

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「なかなか、起きないね?カネモリ。」 「命に別状はありませんが…このままだと時間がかかります。」 「セオ…。」 「も、申し訳ない…。」 「そんなときこそ!我々の出番ですなっ!」 突然聞こえてきた聞きなれの無い声。 その声の主達は、頑張ってセオの鞄から這いずり出て来た。 「はぁ…はぁ…。あれほど密封しないでくださいと…言ったのですが。」 「ごめん、忘れてた。」 「さて、このどうしようもない馬鹿男。当分起きないようなので我々が連れて帰ります。」 「つれて帰る?どうやって…。」 まさか、この小さな小人達がブライアンを引き摺って来た道を戻っていく? それはまず、不可能だろう。 ここは敵の船の中、まだまだ敵の兵は居る。 ならば、どうやってつれて帰るというのだ? 「まぁ、まぁ。今からご覧に入れましょう。 ブライアンの馬鹿から金属の類を全て没収してください。」 ブラウニーに言われたとおり、金属の類を全て取る。 数人のブラウニー達がそれを確認した後、リーダー格の小人が指をぱちりと鳴らした。 「な、なんだ?これ。」 「妖精の道、でございます。金属、武器は持ち込めません。 それと、中に入る際我々とはぐれますと一生この中をさ迷い続けますのでご注意ください。 負傷した方々は、この道で船までお運びいたします。」 そう道の説明をすると、ブライアンを重そうに引き摺って見えなくなった。 「便利なものだね。」 「本当に便利なものだよ。ただ、怖いのは途中で道が途切れたりすることだね。」 「だ、誰だよ。お前っ!?」 「まぁまぁ、先を急ぐんだろう?自己紹介は後にして、進んだ方がいいと思う。」 突然現れた、金髪のその子はそういった。 「確かに、その子の言うとおりだよレオン。いつ床が抜けるか分からない。」 「わかった、それじゃ進もうか。」
「なかなか起きないね、カネモリ。」 「命に別状はありませんが、完全にのびてしまってます。 起きるのには時間が掛かるでしょうね…。」 「セオ。」 「ごめん…。俺引き摺って持ってくから。」 「そ、その必要はっあ、あぁぁりませんぞ!! こ、このような場合はっ出番のす、少ない我々にっ…はぁ、はぁ おぉ、お任せください、ま…せ。」 突然聞こえてきた苦しそうな声の主は、どうやらセオの様々な凶器が詰まった バックから自力で這い出てきたらしい。 「はぁ、はぁ…あぁ、あれほど密封しないでくださいと…言ったはずでしたが。」 「………そうだっけ?」 「…はぁ。と、とりあえずはブライアンの馬鹿から金属類を没収してもらえますか?」 「金属類っていうと、ベルトとか…服のボタンまで全部か?」 「えぇ、勿論です。とりあえず金属はダメです。」 「何故じゃ?」 「我々が通る道では武器、金属の類は持ち込み不可となります。 持ち込んだ場合、道は途中で途切れ永久に彷徨うこととなりますのでご注意ください ついでに今日は新月。色々と最悪の条件となってます。 絶対に、私から離れないでください。何が起こっても保障はいたしません。」 彼らの“帰り道”についての説明が終り、ブライアンの金属類は全て外された。 「…この銀歯、どうすれば?」 「抜くか。」 「抜いた方がいいですね。」 「抜くって、そんな勝手に抜いてイイモノなのか!?」 「……いいんじゃ、ない?」 ペンチを握ったセオが困った顔をする。 ブライアンの安全を考えるのなら抜いた方がいいのだが… 抜いてしまえば、今後の嫌がらせがエスカレートしそうで気がひける。 「えぇい、お貸しなさい。 ブライアン、ちょっと失礼しますよ。」 無理やり口を開き、ペンチを突っ込むブラウニー。 「本気で、抜くの?」 「そうでもしないとこの馬鹿の身が危険ですので。 ついでにいうと、無事に回収するのが今回の仕事。 失敗すれば怖い副船長から握り殺されしまいますが故。せいやっ。 おや、お目覚めですか?え、あぁこれですか?貴方の歯ですね。 大丈夫ですよ、接着剤でくっつきますってさぁ行きましょう。」 道の中へ消えていくブライアンを見送る一同。 「歯って抜いたらくっつかないんじゃ?」 「………。」 「なんともまぁ、便利な道ですわね。」 「うむ。じゃが、金属の類と武器の持込ができぬのが残念じゃな。」 「それにしても、いつまで経ってもこの道。消えないな?」 しばらく様子を見ていると、先ほどのブラウニーが慌てて走り出てきた。 そして、パチンと指を鳴らすと道はスッと消えてしまった。 「だいじょぶ?」 「ええ、それよりも急いだ方がよろしいかと。時間は待ってくれませぬ。」

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